MONOEYES COLD REACTION TOUR 2015 @新木場STUDIO COAST 12/17
- 2015/12/18
- 19:10
ELLEGARDENの活動休止後はthe HIATUSで独自の音楽を突き詰めながら、震災の被災地などでは弾き語りライブも行い、精力的に活動してきた細美武士。
その細美が「もっとコンパクトな形で東北とかでバンド形態でライブがしたい」と今年始動させた新バンドがMONOEYES。
メンバーは
ギター:戸高賢史(ART-SCHOOL)
ベース:スコット・マーフィー(Scott & Rivers)
ドラム:一瀬正和(ASPARAGUS)
という、結果的にthe HIATUSに負けないくらい豪華な布陣。一瀬はthe HIATUSのメンバーにも名前を連ねているが。
6月にシングル、7月にアルバムというハイペースなリリースを重ね、2本目のツアーとなるのが今回のツアー。最初のツアーは東京が渋谷QUATTROという、細美武士のバンドがやるには明らかに狭すぎるライブハウスが中心だったが、今回のツアーは東京は序盤のZepp DiverCity、さらにセミファイナルとなる今回の新木場STUDIO COASTでの2daysと、HIATUSと変わらぬ規模にまで拡大した。それでもチケットが取れない人もたくさんいたらしいが。
完全に超満員状態の中、19時過ぎになるとスターウォーズのテーマが流れ(夏フェスの時はなんでこの曲?という感じだったが、今は実にタイムリー)、メンバーが登場し、今回のツアータイトルであり、アルバムの1曲目でもある「Cold Reaction」からスタート。ツアーを経てバンドの演奏は夏フェス時よりもはるかにビルドアップされているのがわかるが、細美のボーカルの音のバランスはこの曲の時点ではやや小さく感じた。しかし、スコットはベースのみならずコーラスでも曲に彩りを与え、戸高はマイクこそ通さないが、客席に向かってずっと口ずさみながら演奏している。この光景はART-SCHOOLのライブからは全く想像出来ないもの。そしてやはり1曲目からダイブの嵐。
細美が右手を高く掲げてタイトルのフレーズを決める「Just A Little More Time」から、スコットがその場でグルグル回転しながらベースを弾くパンクナンバー「When I Was King」を終えると、なぜか外人のような、いつにも増して流暢な発音かつ「fuckin'」を交えまくったメンバー紹介。ここで早くも戸高の持ちネタみたいになっている、サザエさんのマスオさんのモノマネも披露。この元ネタはキャン×キャンというお笑いコンビの漫才のネタだと思うけれど。
直前のパンクから一気に重心を低く落とした「Do I Have To Breed Again」「Get Me Down」という流れにはもはや40代を超えたベテランミュージシャンならではの押し引きの引きの部分も感じさせ、
「一瀬がトイレのウォシュレットで顔を洗った」
という、ツアーの打ち上げ話ネタも披露される。年を忘れるための忘年会なのに、その忘年会の内容を一切覚えてないくらいに細美は泥酔していたりしたらしい。
「後ろ指さされるような人生かもしれないけど、俺たちが楽しくて、目の前にいる人たちが楽しそうにしていてくれたらそれでいい。そんな負け犬たちの歌」
と、自らの生き方を語ってから演奏されたのは、シングルとしてこのバンドの中で1番最初に世に出た「My Instant Song」。イントロ部分から飛び跳ねながら演奏するメンバーに合わせて観客も飛び跳ね、コーラス部分では観客も含めて大合唱が起こるが、こんな名曲を「Instant」と形容できてしまうのが本当に凄まじい。
すると最近はフェスやイベントでも演奏される、Scott & Riversの「HOMELY GIRL」のカバー。スコットがメインボーカルなのはもちろんだが、細美がコーラス(コーラス自体は最近BRAHMANのライブでもよくやっているが)、戸高が笑顔で手拍子を煽るという光景は実に新鮮。もちろんこのメンバーでの演奏なので、原曲よりもはるかにテンポが早い、パンクナンバーと言ってもいいくらいの進化を果たしている。
そのまま突入した、日本語歌詞の「明日公園で」ではスコットと戸高が位置を入れ替わり、スコットはベースを銃のようにして戸高を狙撃するというアクションを見せる。元の位置に戻る時はハイタッチしてから戻るというのが実に微笑ましい。普通に曲中にハイタッチしているだけに、音は止まっていたが。
細美「さっきScott & Riversの曲をやって、スコットが歌ったけど、次のアルバムはスコットの作る曲、歌う曲の比率がかなり増えるはず。3/4くらいに(笑)」
スコット「そんなには作れねーよ!」
という、確かなMONOEYESの未来を感じさせるやり取りの後には、スコットがかつてやっていたバンド、ALLiSTERの「Somewhere On Fullerton」のカバーも披露される。(ELLEGARDENはALLiSTERと一緒にツアーをやったりしていた)カバーと言っても、歌っているのがスコットなので、ある意味セルフカバーとも言えなくはない。ただ、この曲を演奏しているのを聴くと、やはりMONOEYESはパンクバンドだな、とも思う。
ツービートの流れが続く「End Of The Story」では最後の最後で細美が盛大に音を外し、
「あ、間違えた!」
と言ってしまい、笑いと拍手が起こる。このいたってフラット、自然体な空気感はthe HIATUSの張り詰めたような空気とは全く異なる。
「What I Left Today」でさらに加速すると、MONOEYESのバラードとも言うべき「Wish It Was Snowing Out」。さすがにこの曲ではダイブが起きたりすることもなく、クリスマス前という状況にピッタリな雰囲気のこの曲に聴き入る。
「今年もテレビに出たりすることなく、楽しく過ごせました。別にテレビに出てる人たちをどうこう言うつもりじゃないけど」
と、再び自身のブレない生き方について語るとともに、観客に対しても明日以降の生活にエールを送り、まさに走り抜けるような疾走感溢れるサウンドの「Run Run」から、エモいながらも寂寞感を含んだアルバム最終曲「Remember Me」、そしてラストは日本語曲「グラニート」で細美、戸高、スコットの3人が揃ってハイジャンプを決めて終了。
持ち曲を全てやりつくしただけにアンコールはどうするのか、そもそもあるのか、と思っていたが、ステージにメンバーは戻ってきた。
しかし口を開いたかと思えば、細美がサザエさんのキャラのモノマネをしながら下ネタを連発、さらに「3D・AV」を見た話など、もはやとどまることを知らない下ネタラッシュにより、この辺ではもう引いてそうな人もいたくらい。さらには「サザエさんのテーマ」をみんなでマスオさんのモノマネを挟みまくりながら歌ったりと、完全にやりたい放題。
ちなみに今回のライブはDVD化するそうだが、この辺りのMCは一切使えないであろう。
そして曲をやりつくしているだけに、アンコールで演奏されたのは、この日2回目となる「My Instant Song」。
かつて細美はピロウズの山中さわおとの対談で「シングルのタイトル曲をどう決めたらいいのかわからない」ということを言っていたが、この曲を2回やることにしたというのは、その意識も変わってきているんじゃないかと思う。
「楽しい1年でした!ありがとうございました!」
と言ってアンコールを終えてもさらなるアンコールを求める声は止まず、結局ダブルアンコールへ。
「泣いても笑っても本当に最後の1曲」
と言って演奏されたのは「When I Was A King」。やはりスコットがグルグル回りながらベースを弾き、戸高は観客に近づいて歌詞を口ずさみながらギターを演奏。細美のボーカルのみになるフレーズでは一瀬がドラムセットから離れて、立ったまま観客のほうを見つめる。そして最後のサビで笑顔で飛んでいくダイバーたち。この最後の1曲にこの日の全てが詰まっていると言ってもいいような光景だった。
MONOEYESは確かにパンクバンドと言っていいくらいに激しい曲が多いが、決してELLEGARDENの焼き直しではない、この4人でしか作れない音楽をやっているということが、ライブを見ると本当によくわかる。40代のおっさんたちの本当に心から楽しそうな笑顔がこんなに泣けるのはなんでなんだろうか。
そして細美武士はこの日中盤のMCで、
「社会人になってまでこんなライブばっかり行ってていいのかな?って人もいるだろうけど、俺たちなんか本当に音楽なかったら生きていけないから」
と言って、スーツ姿でライブを楽しんでいる男性のことを讃えた。もはやそんなことでは悩まないレベルになってしまったが、MONOEYESのライブはそういう悩みをふっとばしてくれる。
これからこのバンドがどんな道のりを辿って行くのか。HIATUSのように変化と進化を選ぶのか。このまま突っ走るのか。そのスタート地点というべき1stアルバムのツアーを見れたことが幸せで仕方ない。
1.Cold Reaction
2.Like We've Never Lost
3.Just A Little More Time
4.When I Was A King
5.Do I Have To Breed Again
6.Get Me Down
7.My Instant Song
8.HOMELY GIRL
9.明日公園で
10.Somewhere On Fullerton
11.End Of The Story
12.What I Left Today
13.Wish It Was Snowing Out
14.Run Run
15.Remember Me
16.グラニート
encore1
17.My Instant Song
encore2
18.When I Was A King
My Instant Song
http://youtu.be/pppstt1_YZw
Next→ 12/19 [Alexandros] @幕張メッセ
その細美が「もっとコンパクトな形で東北とかでバンド形態でライブがしたい」と今年始動させた新バンドがMONOEYES。
メンバーは
ギター:戸高賢史(ART-SCHOOL)
ベース:スコット・マーフィー(Scott & Rivers)
ドラム:一瀬正和(ASPARAGUS)
という、結果的にthe HIATUSに負けないくらい豪華な布陣。一瀬はthe HIATUSのメンバーにも名前を連ねているが。
6月にシングル、7月にアルバムというハイペースなリリースを重ね、2本目のツアーとなるのが今回のツアー。最初のツアーは東京が渋谷QUATTROという、細美武士のバンドがやるには明らかに狭すぎるライブハウスが中心だったが、今回のツアーは東京は序盤のZepp DiverCity、さらにセミファイナルとなる今回の新木場STUDIO COASTでの2daysと、HIATUSと変わらぬ規模にまで拡大した。それでもチケットが取れない人もたくさんいたらしいが。
完全に超満員状態の中、19時過ぎになるとスターウォーズのテーマが流れ(夏フェスの時はなんでこの曲?という感じだったが、今は実にタイムリー)、メンバーが登場し、今回のツアータイトルであり、アルバムの1曲目でもある「Cold Reaction」からスタート。ツアーを経てバンドの演奏は夏フェス時よりもはるかにビルドアップされているのがわかるが、細美のボーカルの音のバランスはこの曲の時点ではやや小さく感じた。しかし、スコットはベースのみならずコーラスでも曲に彩りを与え、戸高はマイクこそ通さないが、客席に向かってずっと口ずさみながら演奏している。この光景はART-SCHOOLのライブからは全く想像出来ないもの。そしてやはり1曲目からダイブの嵐。
細美が右手を高く掲げてタイトルのフレーズを決める「Just A Little More Time」から、スコットがその場でグルグル回転しながらベースを弾くパンクナンバー「When I Was King」を終えると、なぜか外人のような、いつにも増して流暢な発音かつ「fuckin'」を交えまくったメンバー紹介。ここで早くも戸高の持ちネタみたいになっている、サザエさんのマスオさんのモノマネも披露。この元ネタはキャン×キャンというお笑いコンビの漫才のネタだと思うけれど。
直前のパンクから一気に重心を低く落とした「Do I Have To Breed Again」「Get Me Down」という流れにはもはや40代を超えたベテランミュージシャンならではの押し引きの引きの部分も感じさせ、
「一瀬がトイレのウォシュレットで顔を洗った」
という、ツアーの打ち上げ話ネタも披露される。年を忘れるための忘年会なのに、その忘年会の内容を一切覚えてないくらいに細美は泥酔していたりしたらしい。
「後ろ指さされるような人生かもしれないけど、俺たちが楽しくて、目の前にいる人たちが楽しそうにしていてくれたらそれでいい。そんな負け犬たちの歌」
と、自らの生き方を語ってから演奏されたのは、シングルとしてこのバンドの中で1番最初に世に出た「My Instant Song」。イントロ部分から飛び跳ねながら演奏するメンバーに合わせて観客も飛び跳ね、コーラス部分では観客も含めて大合唱が起こるが、こんな名曲を「Instant」と形容できてしまうのが本当に凄まじい。
すると最近はフェスやイベントでも演奏される、Scott & Riversの「HOMELY GIRL」のカバー。スコットがメインボーカルなのはもちろんだが、細美がコーラス(コーラス自体は最近BRAHMANのライブでもよくやっているが)、戸高が笑顔で手拍子を煽るという光景は実に新鮮。もちろんこのメンバーでの演奏なので、原曲よりもはるかにテンポが早い、パンクナンバーと言ってもいいくらいの進化を果たしている。
そのまま突入した、日本語歌詞の「明日公園で」ではスコットと戸高が位置を入れ替わり、スコットはベースを銃のようにして戸高を狙撃するというアクションを見せる。元の位置に戻る時はハイタッチしてから戻るというのが実に微笑ましい。普通に曲中にハイタッチしているだけに、音は止まっていたが。
細美「さっきScott & Riversの曲をやって、スコットが歌ったけど、次のアルバムはスコットの作る曲、歌う曲の比率がかなり増えるはず。3/4くらいに(笑)」
スコット「そんなには作れねーよ!」
という、確かなMONOEYESの未来を感じさせるやり取りの後には、スコットがかつてやっていたバンド、ALLiSTERの「Somewhere On Fullerton」のカバーも披露される。(ELLEGARDENはALLiSTERと一緒にツアーをやったりしていた)カバーと言っても、歌っているのがスコットなので、ある意味セルフカバーとも言えなくはない。ただ、この曲を演奏しているのを聴くと、やはりMONOEYESはパンクバンドだな、とも思う。
ツービートの流れが続く「End Of The Story」では最後の最後で細美が盛大に音を外し、
「あ、間違えた!」
と言ってしまい、笑いと拍手が起こる。このいたってフラット、自然体な空気感はthe HIATUSの張り詰めたような空気とは全く異なる。
「What I Left Today」でさらに加速すると、MONOEYESのバラードとも言うべき「Wish It Was Snowing Out」。さすがにこの曲ではダイブが起きたりすることもなく、クリスマス前という状況にピッタリな雰囲気のこの曲に聴き入る。
「今年もテレビに出たりすることなく、楽しく過ごせました。別にテレビに出てる人たちをどうこう言うつもりじゃないけど」
と、再び自身のブレない生き方について語るとともに、観客に対しても明日以降の生活にエールを送り、まさに走り抜けるような疾走感溢れるサウンドの「Run Run」から、エモいながらも寂寞感を含んだアルバム最終曲「Remember Me」、そしてラストは日本語曲「グラニート」で細美、戸高、スコットの3人が揃ってハイジャンプを決めて終了。
持ち曲を全てやりつくしただけにアンコールはどうするのか、そもそもあるのか、と思っていたが、ステージにメンバーは戻ってきた。
しかし口を開いたかと思えば、細美がサザエさんのキャラのモノマネをしながら下ネタを連発、さらに「3D・AV」を見た話など、もはやとどまることを知らない下ネタラッシュにより、この辺ではもう引いてそうな人もいたくらい。さらには「サザエさんのテーマ」をみんなでマスオさんのモノマネを挟みまくりながら歌ったりと、完全にやりたい放題。
ちなみに今回のライブはDVD化するそうだが、この辺りのMCは一切使えないであろう。
そして曲をやりつくしているだけに、アンコールで演奏されたのは、この日2回目となる「My Instant Song」。
かつて細美はピロウズの山中さわおとの対談で「シングルのタイトル曲をどう決めたらいいのかわからない」ということを言っていたが、この曲を2回やることにしたというのは、その意識も変わってきているんじゃないかと思う。
「楽しい1年でした!ありがとうございました!」
と言ってアンコールを終えてもさらなるアンコールを求める声は止まず、結局ダブルアンコールへ。
「泣いても笑っても本当に最後の1曲」
と言って演奏されたのは「When I Was A King」。やはりスコットがグルグル回りながらベースを弾き、戸高は観客に近づいて歌詞を口ずさみながらギターを演奏。細美のボーカルのみになるフレーズでは一瀬がドラムセットから離れて、立ったまま観客のほうを見つめる。そして最後のサビで笑顔で飛んでいくダイバーたち。この最後の1曲にこの日の全てが詰まっていると言ってもいいような光景だった。
MONOEYESは確かにパンクバンドと言っていいくらいに激しい曲が多いが、決してELLEGARDENの焼き直しではない、この4人でしか作れない音楽をやっているということが、ライブを見ると本当によくわかる。40代のおっさんたちの本当に心から楽しそうな笑顔がこんなに泣けるのはなんでなんだろうか。
そして細美武士はこの日中盤のMCで、
「社会人になってまでこんなライブばっかり行ってていいのかな?って人もいるだろうけど、俺たちなんか本当に音楽なかったら生きていけないから」
と言って、スーツ姿でライブを楽しんでいる男性のことを讃えた。もはやそんなことでは悩まないレベルになってしまったが、MONOEYESのライブはそういう悩みをふっとばしてくれる。
これからこのバンドがどんな道のりを辿って行くのか。HIATUSのように変化と進化を選ぶのか。このまま突っ走るのか。そのスタート地点というべき1stアルバムのツアーを見れたことが幸せで仕方ない。
1.Cold Reaction
2.Like We've Never Lost
3.Just A Little More Time
4.When I Was A King
5.Do I Have To Breed Again
6.Get Me Down
7.My Instant Song
8.HOMELY GIRL
9.明日公園で
10.Somewhere On Fullerton
11.End Of The Story
12.What I Left Today
13.Wish It Was Snowing Out
14.Run Run
15.Remember Me
16.グラニート
encore1
17.My Instant Song
encore2
18.When I Was A King
My Instant Song
http://youtu.be/pppstt1_YZw
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眠レヌ夜ニ音楽ヲ Vol.1 生演奏ノ夜 出演:Koji Nakamura / The fin. / Young Juvenile Youth @渋谷CLUB QUATTRO 12/15