Base Ball Bear Tour 「三十一歳」 @豊洲PIT 12/4
- 2015/12/05
- 00:05
前作アルバム「二十九歳」がバンドの、20代の自分たちの、青春ギターロックの集大成的な作品だったBase Ball Bear。
メンバーもついに30代に突入し、これまでの自分たちを更新するエクストリーム・シングル3部作、そしてかつてないほどの変化作アルバム「C2」をリリース。この日はそのアルバムリリースツアーのファイナルである、豊洲PITワンマン。
客席内にはカメラが回っており、このライブがニコ生で生放送されるということを実感するとともに、映像化への期待も少ししてしまう中、19時を過ぎると、いつになっても変わることのないXTCのSEで、走ってステージに出てきた堀之内(ドラム)を先頭にメンバー4人が登場。小出(ボーカル&ギター)はどこかラフな出で立ち。
「こんばんは、Base Ball Bearです」
と小出が挨拶すると、今作のタームの始まりを告げた、SNSへの皮肉も含まれた歌詞の「「それって、for 誰?」part.1」からスタート。小出の声はやはり良く出ているが、関根のベースを筆頭に、バンドの演奏もツアーを経てビルドアップされながらも、どこかこれまでに見せてきた進化とは違うベクトルに進化しているのを感じる。
1曲目がアルバムの1曲目である「「それって、for 誰?」part.1」だったので、そのままアルバムの流れを作っていくのかと思いきや、前作アルバム「二十九歳」のリード曲だった「そんなに好きじゃなかった」へ。前作でのツアーや、そのあたりのフェスでこの曲を演奏する時は、曲タイトルにつながる前置き的なMCをよくしていたが、さすがに今回のツアーではそれはなし。
さらにこのバンドの名曲ラブソング「short hair」と続いたことにより、アルバムのツアーであることを忘れそうになりそうなタイミングで放たれたのが、アルバムで最もファンクの要素が強い、腰に来るグルーヴを生み出す「文化祭の夜」。タイトルだけ見ると、これまでのベボベ的な青春性を感じるが、この曲がまるっきりそうした青春性を感じさせないのは、
「文化祭の夜みたいなあの気持ちカミングバック」
と、すでに青春を通り過ぎた人の回顧的な心象風景を描いているから。
「今朝、堀之内を殺す夢を見て目が覚めたら、カーテン開けていい天気だったので、今日は実にスッキリした気分」
という小出による堀之内いじりから、「なぜ今になってこの曲?」と思ってしまうレア曲「Good bye」(「ELECTRIC SUMMER」のカップリング)も実に重心重めに演奏された印象だが、続くエクストリーム・シングル3分作の最終章「不思議な夜」は湯浅のきらめくようなギターフレーズが、「これまでのベボベと新しいベボベ」の融合を感じさせる。
「築地でお寿司! 24時間営業のチェーン店でも市場クオリティーなの」
と、間違いなくこれまでの日本のポップミュージックの歴史において誰も歌ってこなかったフレーズがいきなり出てくるが、「C2」の歌詞は他の誰でもなく、間違いなく小出祐介という男にしか書けないフレーズが積み重なって一つの曲の歌詞になっている。
すると、まだ「C2」のアルバム曲を全く演奏していないタイミングで、ワンマン恒例の長いMCが始まる。
「25本にも及んだ今回のツアーでの、メンバーそれぞれの個人的なトピックは?」
という、ツアーファイナルならではのテーマでトークを始めるも、「ラーメンを各地のサービスエリアで食べた」と言った湯浅が肝心の場所とラーメンそのものを全く覚えていないという相変わらずの話下手っぷり。もはや返事すらもキチンと聴き取ることができず、小出に
「喋らなすぎて声帯が退化している(笑)」
と言われるほど。
さらに函館に行った時に函館のキレイな夜景をみんなで見ようと思ったら、湯浅が「人が多くて並びたくない」という理由でやめたことなど、湯浅のどうしようもなさばかりがフィーチャーされ、堀之内が高校時代に小出と一緒に「スター・ウォーズ」を見に行ったものの、二度とこいつと一緒に映画を見に行かない、と決心した「ナタリー・ポートマンの乳首ポッチマン事件」も語られる。
小出「次の曲は、1人で家に帰る寂しさを感じる…湯浅と同居やめたから寂しく感じるのかも知れないけど(笑)俺たち別れたのいつだっけ?」
堀之内「別れたとか恋人みたいに言うんじゃねぇ!(笑)」
小出「腐女子ターゲット的に(笑)」
と曲の雰囲気を伝えるために出した「寂しさ」という単語が暴走してしまった「レインメイカー」は、いざ曲が始まると、ギターフレーズも小出のボーカル(特にサビでのファルセット)も実に繊細。しかしこの曲は小出がアコギを弾くんじゃないかと思っていたが、それまでと同じようにエレキを弾いていた。
ダウンピッキングのイメージが強い関根がスラップのようにベースを弾くのが実に新鮮かつ、曲に躍動感を与え、
「青春が終わって知った
青春は終わらないってこと」
という、30歳を過ぎた今だからこそ歌える「どうしよう」では曲終盤で関根がベースを弾かずに手拍子を始めると、小出も観客に手拍子を煽り、演奏を止めて湯浅1人にコーラスを歌わせる。ファンには湯浅の歌の下手さは有名だが、この日は小出に
「今日は声が出ている!なんか生き生きとしている!」
と言われるくらいに頑張っていた印象。さらには堀之内と関根の高音コーラス、1人だけあまりにも上手い小出も加わると、湯浅の下手さが逆に際立つ。最後にはアカペラグループかのように4人のハーモニーが美しく重なりあって、小出の指揮で声を止める。
そんなほんわかしてしまう展開から、一気に己の内面に深く潜り、曲が進むに連れて一気に飛翔する、まるで深夜から早朝、そして朝と1曲の中で時間が経つかのような「新呼吸」という久々の曲への振り切りぶり。
するとここで再びMC。ここでようやくアルバムの話を始め、
「次のアルバムは今の5倍、その次はさらに5倍…その次はさらにその5倍…いずれは日本中の電車の中吊りが僕らになるし、もう今日のこの時間はMステに出てますよ(笑)
湯浅はananの表紙で石原さとみと半裸で表紙飾ってますよ(笑)」
とやはりアルバムの話から大きく脱線してしまうが、
「まぁアルバムを作ってて思ったのは、俺はギターが上手いな、と(笑)
今日はZepp Tokyoでナイル・ロジャースという、カッティングの神みたいな人がライブやってますが…今日はここに新たな日本のカッティングの神が誕生する瞬間だ!」
と叫んだ小出がまさにギターをカッティングし始めたのは、そのギターとサビでの関根と堀之内のグルーヴがうねりまくる「曖してる」、同じく激しくカッティングギターをかき鳴らす「青い春、虚無」と、言葉通りに小出が新たなカッティングの神であることを自ら証明してみせる。
「十字架 You and I」では、やけにじっくりと(ここら辺はアルバムの内容に応じてのものだろうか?)したダンス湯浅将平も披露され、打ち込みを全く使わずにギターロックの範疇に収まらないダンサブルなサウンドを描き出して見せる「yoakemae」と、客席の熱量は右肩上がりに。
これらの曲はこれまでのライブでも間違いない盛り上がりを担保してきた、ライブ定番曲と言える曲だが、ここに来てさらに迫力を増しているのは、ただ単にツアーの本数を重ねたからではなく、ファンクのリズムとグルーヴなど、これまでに使っていなかった部分にも確実に筋肉がついて、従来の筋肉に加え、その新たな筋肉をも使えるようになったからであろう。それは間違いなく新作の曲によって生み出されたものである。
そしてラストはライブでおなじみのイントロのアレンジから熱狂を呼び起こす、ベボベのライブの最後といえばこの曲、な「祭りのあと」。ここまでの曲数はワンマンにしては少ないが、MCが長かったこと、1曲1曲の濃度が濃いこともあり、すでに2時間をゆうに超えていた。
アンコールでは小出と湯浅がツアーTシャツに着替えて登場すると、来年がバンドのデビュー10周年&結成15周年ということで、春に新たなツアーの開催、さらに4/30には5回目となる日比谷野音でのライブも決定したことを発表する。
そして
「僕らの今の決意表明のような曲」
と言って演奏されたのは、
「砂漠に水を撒くよ
終わってしまう前に
殿堂が遠くへ見える場所に」
と、「C2」という、ファンクのグルーヴを取り入れながらも、あくまでギターロックバンドとして自らを更新していく作品を作って、他のバンドが到達していない場所にたどり着いたからこそ歌われる歌詞が並び、
「気持ちが良くて気持ちが悪すぎるんだ
この違和感こそ僕の証明さ」
というこれまで幾度となくベボベの曲に登場してきたフレーズも挟まれる、アルバムのエンディング曲「「それって、for 誰?」part.2」から、最新作「C2」のラストから原点である1stアルバム「C」のラストにワープするような「SHE IS BACK」で終了。
メンバーがステージから去ってもまだアンコールを求める拍手は続いていたが、今回はダブルアンコールはなし。アルバムのツアーなだけに、せっかくなら「HUMAN」や「カシカ」というアルバム曲も聴きたかったところだが。
かつてBase Ball Bearの代名詞的なサウンドだった「四つ打ち青春ギターロック」はもはや飽和しまくるくらいに現在のバンドのスタンダードになった。では黒いグルーヴを取り入れながらも、あくまでギターロックバンドとして自らを更新する今作は果たして数年後にどう評価されているのか。
しかしBase Ball Bearは昔から、このバンド、というか小出という男にしか絶対思いつかないようなフレーズを数々生み出してきたが、今作に至ってはもはやそんな、小出という男にしか絶対書けないフレーズだけで作られていると言ってもいいくらいに歌詞カードを見ながら聴くべきアルバム。それだけに、もっとフィジカルCDが売れてほしいと思って止まない1枚。それこそ過去にも出ているように、また詩集として曲から独立してこの歌詞が発売されても買う価値は必ずある。
1.「それって、for 誰?」part.1
2.そんなに好きじゃなかった
3.short hair
4.文化祭の夜
5.Good bye
6.不思議な夜
7.Tabibito in the dark
8.レインメイカー
9.どうしよう
10.新呼吸
11.曖してる
12.青い春、虚無
13.十字架 You and I
14.yoakemae
15.祭りのあと
encore
16.「それって、for 誰?」part.2
17.SHE IS BACK
「それって、for 誰?」 part.1
http://youtu.be/A26GZY2eAY8
不思議な夜
http://youtu.be/ltwNfxHIWEM
Next→ 12/5 UNISON SQUARE GARDEN @新木場STUDIO COAST
メンバーもついに30代に突入し、これまでの自分たちを更新するエクストリーム・シングル3部作、そしてかつてないほどの変化作アルバム「C2」をリリース。この日はそのアルバムリリースツアーのファイナルである、豊洲PITワンマン。
客席内にはカメラが回っており、このライブがニコ生で生放送されるということを実感するとともに、映像化への期待も少ししてしまう中、19時を過ぎると、いつになっても変わることのないXTCのSEで、走ってステージに出てきた堀之内(ドラム)を先頭にメンバー4人が登場。小出(ボーカル&ギター)はどこかラフな出で立ち。
「こんばんは、Base Ball Bearです」
と小出が挨拶すると、今作のタームの始まりを告げた、SNSへの皮肉も含まれた歌詞の「「それって、for 誰?」part.1」からスタート。小出の声はやはり良く出ているが、関根のベースを筆頭に、バンドの演奏もツアーを経てビルドアップされながらも、どこかこれまでに見せてきた進化とは違うベクトルに進化しているのを感じる。
1曲目がアルバムの1曲目である「「それって、for 誰?」part.1」だったので、そのままアルバムの流れを作っていくのかと思いきや、前作アルバム「二十九歳」のリード曲だった「そんなに好きじゃなかった」へ。前作でのツアーや、そのあたりのフェスでこの曲を演奏する時は、曲タイトルにつながる前置き的なMCをよくしていたが、さすがに今回のツアーではそれはなし。
さらにこのバンドの名曲ラブソング「short hair」と続いたことにより、アルバムのツアーであることを忘れそうになりそうなタイミングで放たれたのが、アルバムで最もファンクの要素が強い、腰に来るグルーヴを生み出す「文化祭の夜」。タイトルだけ見ると、これまでのベボベ的な青春性を感じるが、この曲がまるっきりそうした青春性を感じさせないのは、
「文化祭の夜みたいなあの気持ちカミングバック」
と、すでに青春を通り過ぎた人の回顧的な心象風景を描いているから。
「今朝、堀之内を殺す夢を見て目が覚めたら、カーテン開けていい天気だったので、今日は実にスッキリした気分」
という小出による堀之内いじりから、「なぜ今になってこの曲?」と思ってしまうレア曲「Good bye」(「ELECTRIC SUMMER」のカップリング)も実に重心重めに演奏された印象だが、続くエクストリーム・シングル3分作の最終章「不思議な夜」は湯浅のきらめくようなギターフレーズが、「これまでのベボベと新しいベボベ」の融合を感じさせる。
「築地でお寿司! 24時間営業のチェーン店でも市場クオリティーなの」
と、間違いなくこれまでの日本のポップミュージックの歴史において誰も歌ってこなかったフレーズがいきなり出てくるが、「C2」の歌詞は他の誰でもなく、間違いなく小出祐介という男にしか書けないフレーズが積み重なって一つの曲の歌詞になっている。
すると、まだ「C2」のアルバム曲を全く演奏していないタイミングで、ワンマン恒例の長いMCが始まる。
「25本にも及んだ今回のツアーでの、メンバーそれぞれの個人的なトピックは?」
という、ツアーファイナルならではのテーマでトークを始めるも、「ラーメンを各地のサービスエリアで食べた」と言った湯浅が肝心の場所とラーメンそのものを全く覚えていないという相変わらずの話下手っぷり。もはや返事すらもキチンと聴き取ることができず、小出に
「喋らなすぎて声帯が退化している(笑)」
と言われるほど。
さらに函館に行った時に函館のキレイな夜景をみんなで見ようと思ったら、湯浅が「人が多くて並びたくない」という理由でやめたことなど、湯浅のどうしようもなさばかりがフィーチャーされ、堀之内が高校時代に小出と一緒に「スター・ウォーズ」を見に行ったものの、二度とこいつと一緒に映画を見に行かない、と決心した「ナタリー・ポートマンの乳首ポッチマン事件」も語られる。
小出「次の曲は、1人で家に帰る寂しさを感じる…湯浅と同居やめたから寂しく感じるのかも知れないけど(笑)俺たち別れたのいつだっけ?」
堀之内「別れたとか恋人みたいに言うんじゃねぇ!(笑)」
小出「腐女子ターゲット的に(笑)」
と曲の雰囲気を伝えるために出した「寂しさ」という単語が暴走してしまった「レインメイカー」は、いざ曲が始まると、ギターフレーズも小出のボーカル(特にサビでのファルセット)も実に繊細。しかしこの曲は小出がアコギを弾くんじゃないかと思っていたが、それまでと同じようにエレキを弾いていた。
ダウンピッキングのイメージが強い関根がスラップのようにベースを弾くのが実に新鮮かつ、曲に躍動感を与え、
「青春が終わって知った
青春は終わらないってこと」
という、30歳を過ぎた今だからこそ歌える「どうしよう」では曲終盤で関根がベースを弾かずに手拍子を始めると、小出も観客に手拍子を煽り、演奏を止めて湯浅1人にコーラスを歌わせる。ファンには湯浅の歌の下手さは有名だが、この日は小出に
「今日は声が出ている!なんか生き生きとしている!」
と言われるくらいに頑張っていた印象。さらには堀之内と関根の高音コーラス、1人だけあまりにも上手い小出も加わると、湯浅の下手さが逆に際立つ。最後にはアカペラグループかのように4人のハーモニーが美しく重なりあって、小出の指揮で声を止める。
そんなほんわかしてしまう展開から、一気に己の内面に深く潜り、曲が進むに連れて一気に飛翔する、まるで深夜から早朝、そして朝と1曲の中で時間が経つかのような「新呼吸」という久々の曲への振り切りぶり。
するとここで再びMC。ここでようやくアルバムの話を始め、
「次のアルバムは今の5倍、その次はさらに5倍…その次はさらにその5倍…いずれは日本中の電車の中吊りが僕らになるし、もう今日のこの時間はMステに出てますよ(笑)
湯浅はananの表紙で石原さとみと半裸で表紙飾ってますよ(笑)」
とやはりアルバムの話から大きく脱線してしまうが、
「まぁアルバムを作ってて思ったのは、俺はギターが上手いな、と(笑)
今日はZepp Tokyoでナイル・ロジャースという、カッティングの神みたいな人がライブやってますが…今日はここに新たな日本のカッティングの神が誕生する瞬間だ!」
と叫んだ小出がまさにギターをカッティングし始めたのは、そのギターとサビでの関根と堀之内のグルーヴがうねりまくる「曖してる」、同じく激しくカッティングギターをかき鳴らす「青い春、虚無」と、言葉通りに小出が新たなカッティングの神であることを自ら証明してみせる。
「十字架 You and I」では、やけにじっくりと(ここら辺はアルバムの内容に応じてのものだろうか?)したダンス湯浅将平も披露され、打ち込みを全く使わずにギターロックの範疇に収まらないダンサブルなサウンドを描き出して見せる「yoakemae」と、客席の熱量は右肩上がりに。
これらの曲はこれまでのライブでも間違いない盛り上がりを担保してきた、ライブ定番曲と言える曲だが、ここに来てさらに迫力を増しているのは、ただ単にツアーの本数を重ねたからではなく、ファンクのリズムとグルーヴなど、これまでに使っていなかった部分にも確実に筋肉がついて、従来の筋肉に加え、その新たな筋肉をも使えるようになったからであろう。それは間違いなく新作の曲によって生み出されたものである。
そしてラストはライブでおなじみのイントロのアレンジから熱狂を呼び起こす、ベボベのライブの最後といえばこの曲、な「祭りのあと」。ここまでの曲数はワンマンにしては少ないが、MCが長かったこと、1曲1曲の濃度が濃いこともあり、すでに2時間をゆうに超えていた。
アンコールでは小出と湯浅がツアーTシャツに着替えて登場すると、来年がバンドのデビュー10周年&結成15周年ということで、春に新たなツアーの開催、さらに4/30には5回目となる日比谷野音でのライブも決定したことを発表する。
そして
「僕らの今の決意表明のような曲」
と言って演奏されたのは、
「砂漠に水を撒くよ
終わってしまう前に
殿堂が遠くへ見える場所に」
と、「C2」という、ファンクのグルーヴを取り入れながらも、あくまでギターロックバンドとして自らを更新していく作品を作って、他のバンドが到達していない場所にたどり着いたからこそ歌われる歌詞が並び、
「気持ちが良くて気持ちが悪すぎるんだ
この違和感こそ僕の証明さ」
というこれまで幾度となくベボベの曲に登場してきたフレーズも挟まれる、アルバムのエンディング曲「「それって、for 誰?」part.2」から、最新作「C2」のラストから原点である1stアルバム「C」のラストにワープするような「SHE IS BACK」で終了。
メンバーがステージから去ってもまだアンコールを求める拍手は続いていたが、今回はダブルアンコールはなし。アルバムのツアーなだけに、せっかくなら「HUMAN」や「カシカ」というアルバム曲も聴きたかったところだが。
かつてBase Ball Bearの代名詞的なサウンドだった「四つ打ち青春ギターロック」はもはや飽和しまくるくらいに現在のバンドのスタンダードになった。では黒いグルーヴを取り入れながらも、あくまでギターロックバンドとして自らを更新する今作は果たして数年後にどう評価されているのか。
しかしBase Ball Bearは昔から、このバンド、というか小出という男にしか絶対思いつかないようなフレーズを数々生み出してきたが、今作に至ってはもはやそんな、小出という男にしか絶対書けないフレーズだけで作られていると言ってもいいくらいに歌詞カードを見ながら聴くべきアルバム。それだけに、もっとフィジカルCDが売れてほしいと思って止まない1枚。それこそ過去にも出ているように、また詩集として曲から独立してこの歌詞が発売されても買う価値は必ずある。
1.「それって、for 誰?」part.1
2.そんなに好きじゃなかった
3.short hair
4.文化祭の夜
5.Good bye
6.不思議な夜
7.Tabibito in the dark
8.レインメイカー
9.どうしよう
10.新呼吸
11.曖してる
12.青い春、虚無
13.十字架 You and I
14.yoakemae
15.祭りのあと
encore
16.「それって、for 誰?」part.2
17.SHE IS BACK
「それって、for 誰?」 part.1
http://youtu.be/A26GZY2eAY8
不思議な夜
http://youtu.be/ltwNfxHIWEM
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