サンボマスター 3×ボ=15 ANNIVERSARY サンボマスターとキミ TOUR 2015 @Zepp DiverCity 11/29
- 2015/11/30
- 00:58
ドラマ主題歌として大ヒットした「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」ももはや10年ほど前になるが、その後もロックンロールの最前線で戦ってきたサンボマスターが今年15周年を迎えた。
そのアニバーサリーイヤーにアルバム「サンボマスターとキミ」をリリースしてのツアーファイナルがこの日のZepp DiverCityワンマン。前日に続いて2daysだが、チケットは両日ソールドアウトという、未だに全く衰えないどころか、むしろ人気は拡大してきている実感すらある。
開演時間の18時を少し過ぎると、ステージ背後のスクリーンに、明らかにBACK TO THE FUTURE丸パクリな映像が流され、サンボマスターの3人が時空を超える車に乗っている姿が映ると、クリス・ペプラーのアナウンスにより、この日のスペシャルゲストとして、2000年のサンボマスターが時空を超えて登場。3人は当時と同じように、楳図かずおのような、赤と白のボーダーのTシャツを着ている。
2000年のサンボマスターになりきっているので、
「2015年のサンボマスターがどんなライブをやってるか知らないけど、2000年のサンボマスターがどれだけ才能があって、どれだけ俺がギターが上手いかだけを見てくれ!」
と山口が言うと、自主制作盤「キックの鬼」に収録されている、まさにサンボマスターの始まりの曲と言える「カンフーロック」からスタート。今となってはサンボマスターの曲とは思えないくらいに荒々しい曲で、山口のボーカルも歌唱というよりはリーディングという感じ。
さらに「ふたり」「だんだん」と、当時演奏していた曲を演奏。どちらもミドルテンポの曲だが、この時期の曲は山口の持つ、私小説的な世界観を感じさせる歌詞が多い。そこは2015年の、直接的に語りかけるようなサンボマスターの曲とは違うところ。
そして木内のカウントにより、「そのぬくもりに用がある」がスタート…かと思いきや、ステージは暗転し、スクリーンに結成初期からの、この曲のライブ映像を繋げまくった映像によってこの曲は体験させられる。
その中には、小さなライブハウスから、でかいフェス会場まで。その日、その時、その場所に確かに自分がいて、実際に体験したライブが何個もあった。その時にこの目で見ることができて本当に良かったと思ってるし、今でも結局は自分の目の前にいるからこそ感じる、そのぬくもりにだけ用があった。
映像が「そのぬくもりにだけ用がありました!」と山口が言う場面でバシッと終わると、ステージにはすでに着替え終わった、2015年のサンボマスターがスタンバイ。
山口が、
「半年間にわたるツアー、馬車馬のように働かされましたけど、ファイナルになってみると、本当にツアーが終わって欲しくない!だから今日のファイナルが終わらなければツアーは終わらないわけですよ、みなさん!
終わらせねえ!終わらせねえ!」
と、この日最後まで数え切れないくらいに繰り返された「終わらせねえ!」コールをしてから始まった「ミラクルをキミと起こしたいんです」では、山口が2番のメロを歌わずにひたすら「終わらせねえ!終わらせねえ!」と連呼しまくるという終わらせたくないっぷり。ただ、連戦による疲れもあるのか、爆音のスリーピースサウンドの迫力に比べると、山口のボーカルはこの時点ではちょっとキツそうであった。
前半はそのようにアッパーな曲と、もはや職人芸と言っていいくらいに上手い山口の熱い曲の前フリによって、煽りまくっているんだけど煽らなくても絶対めちゃくちゃ盛り上がるだろう、という盛り上がりぶりを見せる。
すると、
「どんなにクソみたいな日々が続いたとしても
ダンスフロアは僕の革命を信じてる」
という歌詞が、まさに今、ここでしか得られないものを実感させてくれる「私をライブに連れてって」では、曲が終わって山口が喋ろうとすると木内がアウトロのキメを叩き始める、というこの日最初の木内ゾーンが到来。この一連のやりとりは5回以上続いていた気がするが、何回やっても「木内!木内!」と木内コールが起こるという木内の愛されぶり。
「光のロック」ではダイバーが客席を転がりまくり、
「時間を止めたいくらいに終わらせたくねえ!」
と新作のオープニング曲である「時間を止めるラブソング」ではスクリーンに客席の映像が映し出され、近年のサンボマスターのライブにおける最大のテーマと言える、
「次に会うまで絶対生き続ける」
というバンドと観客との約束をそのまま曲にしたような「生きて生きて」、メジャー初シングルとして世の中に出た「美しき人間の日々」と、暴れながらも泣く人も出るくらいにエモさは加速していく。
するとここで山口、さらには近藤もアコースティックギターに持ち替えると、山口が
「近藤のほうがギターが上手いと思われているのに腹が立っている」
と、浅草でビートたけしと共演した時のことを話しながら、自分のほうがギターが上手いことを見せつけようとするも、結局は近藤のギターに合わせてビートたけしの「浅草キッド」をリバーブたっぷりに歌い上げ、結果的に近藤のギターが上手いことを証明してしまう。
そのまま「アコースティックの曲やっていいか!?」と新作の「これっきり」を、しっとりというよりはじんわりと暖かく聴かせると、「孤独とランデブー」のイントロが鳴って、3人がステージ中央に集まり、恒例のEXILEダンスを披露するのだが、いきなり木内が銃で撃たれて死ぬ、という寸劇が始まる。
「もう2人でやるしかない!」
と言って、それぞれギターとベースを手にした山口と近藤が「ケーサツ来るまで踊りまくれ」を始めると、死装束を着た木内がステージに戻り、中央で踊り始めるも、
「フラワーカンパニーズのパクりをやっただろ」
と山口から指摘され、フラワーカンパニーズ「真冬の盆踊り」、さらには死んでいる設定にもかかわらず、
「生きてて良かった」
とサビで熱唱する「深夜高速」までも歌って、来月初の武道館ワンマンを行う先輩にエールを送る。
この2度目の木内ゾーン、ここまででも充分長いのに、これだけでは終わらず、木内が撃たれた事件を調査しに来た、とロボコップ(かなり安っぽい見た目だが)がギターを持ってステージに現れる。
すると何故かロボコップが普通にギターを弾き始めたのは、Oasisの名バラード「Don't Look Back In Anger」。山口は世界中のありとあらゆる音楽を聴きまくっている男なので、歌えることは特に驚かないが、それでも全英語詞の曲を歌うというのは実に新鮮。
ひとしきりロボコップがやり尽くすと、犯人を捕まえたと言ってステージを去って行き、「ケーサツ来るまで踊りまくれ」を今度はしっかりと最後まで演奏し、木内が撃たれたことで途中で終わっていた、「孤独とランデブー」へ。ちなみにこの一連の寸劇、およそ30分にも及ぶ長編で、さすがに客席にはダレている空気がなかったとは言えない。
「孤独とランデブー」では序盤はカラオケで木内はひたすらに「オイ!オイ!」と叫びながら踊らせまくり、最後のサビでメンバーによる生演奏へ。というと、サカナクションの「ミュージック」とかと同じような構成だが、いい意味でサンボマスターにはオシャレな感じが全くしない。カラオケだろうと何だろうと、ひたすらに剝き身剥き出しという全力アタックっぷり。
そこからはクライマックスへ。新しいサンボマスターのアンセムと言っていい「愛してる愛して欲しい」では山口が観客へストレートに愛してると歌い、
「どうせあの曲が後半にあるから、今は温存しておこうかな、みたいに思ってんじゃねーぞ!」
と、もはや山口の手から離れるくらいのアンセムと化した、「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」では特大の「愛と平和!」コールが会場を包む。
「お前ら、もうこれ以上はできねぇって思ってるんだろ!?出来るんだよ!ロックンロールは、お前たちは絶対出来るんだよ!」
と山口の熱いメッセージが感動を誘う「できっこないを やらなくちゃ」で終了かと思いきや、
「もう1曲だけやっていいか!?」
と言って、映画「ビリギャル」のタイアップ曲であり、新作のリード曲である「可能性」を最後に希望たっぷりに、なおかつ
「泣くんじゃねぇ!笑って終わるんだ!笑ってくれ!」
と山口は叫ぶが、逆にそう言われれば言われるほどに涙を堪えるのに必死になってしまった。
そんな完全にやり尽くしたように終わったにもかかわらず、すぐさま山口が元気良くアンコールでステージに戻ってくると、木内と近藤も現れ、
「あいつはいつも優しくしてくれた。あいつは何で来たんだ。新幹線か、飛行機か、車か。いや、あいつはいつも夜汽車でやって来た。夜汽車でやってきたアイツ!」
と、実に嬉しい選曲である「夜汽車でやってきたアイツ」でここに来てまたしても多数のダイバーが出現する盛り上がりぶりを見せると、
「また生きて会おうな。また生きて、サンボマスターのライブに来てくれよな」
と、これまでに何度も言ってきたセリフを言い、
「待てよ。なんかそんな曲があったな…。
今日はどうもありがとうございました!サンボマスター最後の曲、ロックンロール イズ ノットデッド!」
と、バンドと観客、ともにロックンロール以外の何物でもない両者の再会の約束のテーマ「ロックンロール イズ ノットデッド」。
もはや近年のサンボマスターの最大のアンセムは「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」ではなく、この曲。
「あんたらが泣いているところなんて、このツアーで何百回も何千回も見てきた!だから最後は笑顔を見せてくれ!」
と山口は言ったが、泣いてしまうのはこの曲の内包しているエネルギーがあるからこそ。2年前は、辞めてしまった銀杏BOYZのメンバーたちにこの曲を捧げていたが、あの時だって本当に泣いてしまった。
演奏を終えると、「うまくいくんだよきっと」が終演SEとして流れ、山口がカラオケで歌いながら、木内はドラムパッドを客席に投げ、さらには山口のピックまでをもばら撒く。
山口はスタッフやセキュリティにも感謝を告げると、客席を背景に写真撮影をして、なおも「終わらせねぇ!終わらせねぇ!」と叫びながらステージを後にした。サンボマスターのロックンロールは、まだまだ終わらない。
終演後、スクリーンには、あの伝説のイベント、「男どアホウサンボマスター」の開催決定を知らせる映像が流れた。果たして今行われているという地区予選を勝ち上がって9月にサンボマスターと対戦するのはどのバンドなんだろうか。
昔のサンボマスターは、どう見てもロックスターではない3人の男が、自分たちの存在を証明するようなライブをやってた。でもそれから、いなくなった人、音楽を辞めた仲間、そして目の前にいる人など、様々なものを背負うようになった。今日のような、バンドの歴史を感じるセトリだと、本当にそれを強く感じる。
そして「15歳から60歳まで」と山口も言ったように、サンボマスターのライブは客層が本当に広い。それは10年以上前からのファンが今でもライブに来ていて、フェスで見た若い人たちがワンマンにも来ているということ。そしてそれはバンド側が毎回どんな時でも、またライブを見たいと思わせてくれるから。
そうやって、またライブを見たいと思う気持ちが、生きたいという気持ちに繋がってくる。サンボマスター、やっぱりローリング・ストーンズを抜いて、現時点でロックンロール世界第1位。
1.カンフーロック
2.ふたり
3.だんだん
ーそのぬくもりに用がある (映像) ー
4.ミラクルをキミと起こしたいんです
5.生きたがり
6.世界を変えさせておくれよ
7.私をライブに連れてって
8.光のロック
9.時間を止めるラブソング
10.生きて生きて
11.美しき人間の日々
12.これっきり
13.ケーサツ来るまで踊りまくれ ~ Don't Look Back In Anger
14.孤独とランデブー
15.愛してる愛して欲しい
16.世界はそれを愛と呼ぶんだぜ
17.できっこないを やらなくちゃ
18.可能性
encore
19.夜汽車でやってきたアイツ
20.ロックンロール イズ ノットデッド
可能性
http://youtu.be/VwtkceEaShU
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そのアニバーサリーイヤーにアルバム「サンボマスターとキミ」をリリースしてのツアーファイナルがこの日のZepp DiverCityワンマン。前日に続いて2daysだが、チケットは両日ソールドアウトという、未だに全く衰えないどころか、むしろ人気は拡大してきている実感すらある。
開演時間の18時を少し過ぎると、ステージ背後のスクリーンに、明らかにBACK TO THE FUTURE丸パクリな映像が流され、サンボマスターの3人が時空を超える車に乗っている姿が映ると、クリス・ペプラーのアナウンスにより、この日のスペシャルゲストとして、2000年のサンボマスターが時空を超えて登場。3人は当時と同じように、楳図かずおのような、赤と白のボーダーのTシャツを着ている。
2000年のサンボマスターになりきっているので、
「2015年のサンボマスターがどんなライブをやってるか知らないけど、2000年のサンボマスターがどれだけ才能があって、どれだけ俺がギターが上手いかだけを見てくれ!」
と山口が言うと、自主制作盤「キックの鬼」に収録されている、まさにサンボマスターの始まりの曲と言える「カンフーロック」からスタート。今となってはサンボマスターの曲とは思えないくらいに荒々しい曲で、山口のボーカルも歌唱というよりはリーディングという感じ。
さらに「ふたり」「だんだん」と、当時演奏していた曲を演奏。どちらもミドルテンポの曲だが、この時期の曲は山口の持つ、私小説的な世界観を感じさせる歌詞が多い。そこは2015年の、直接的に語りかけるようなサンボマスターの曲とは違うところ。
そして木内のカウントにより、「そのぬくもりに用がある」がスタート…かと思いきや、ステージは暗転し、スクリーンに結成初期からの、この曲のライブ映像を繋げまくった映像によってこの曲は体験させられる。
その中には、小さなライブハウスから、でかいフェス会場まで。その日、その時、その場所に確かに自分がいて、実際に体験したライブが何個もあった。その時にこの目で見ることができて本当に良かったと思ってるし、今でも結局は自分の目の前にいるからこそ感じる、そのぬくもりにだけ用があった。
映像が「そのぬくもりにだけ用がありました!」と山口が言う場面でバシッと終わると、ステージにはすでに着替え終わった、2015年のサンボマスターがスタンバイ。
山口が、
「半年間にわたるツアー、馬車馬のように働かされましたけど、ファイナルになってみると、本当にツアーが終わって欲しくない!だから今日のファイナルが終わらなければツアーは終わらないわけですよ、みなさん!
終わらせねえ!終わらせねえ!」
と、この日最後まで数え切れないくらいに繰り返された「終わらせねえ!」コールをしてから始まった「ミラクルをキミと起こしたいんです」では、山口が2番のメロを歌わずにひたすら「終わらせねえ!終わらせねえ!」と連呼しまくるという終わらせたくないっぷり。ただ、連戦による疲れもあるのか、爆音のスリーピースサウンドの迫力に比べると、山口のボーカルはこの時点ではちょっとキツそうであった。
前半はそのようにアッパーな曲と、もはや職人芸と言っていいくらいに上手い山口の熱い曲の前フリによって、煽りまくっているんだけど煽らなくても絶対めちゃくちゃ盛り上がるだろう、という盛り上がりぶりを見せる。
すると、
「どんなにクソみたいな日々が続いたとしても
ダンスフロアは僕の革命を信じてる」
という歌詞が、まさに今、ここでしか得られないものを実感させてくれる「私をライブに連れてって」では、曲が終わって山口が喋ろうとすると木内がアウトロのキメを叩き始める、というこの日最初の木内ゾーンが到来。この一連のやりとりは5回以上続いていた気がするが、何回やっても「木内!木内!」と木内コールが起こるという木内の愛されぶり。
「光のロック」ではダイバーが客席を転がりまくり、
「時間を止めたいくらいに終わらせたくねえ!」
と新作のオープニング曲である「時間を止めるラブソング」ではスクリーンに客席の映像が映し出され、近年のサンボマスターのライブにおける最大のテーマと言える、
「次に会うまで絶対生き続ける」
というバンドと観客との約束をそのまま曲にしたような「生きて生きて」、メジャー初シングルとして世の中に出た「美しき人間の日々」と、暴れながらも泣く人も出るくらいにエモさは加速していく。
するとここで山口、さらには近藤もアコースティックギターに持ち替えると、山口が
「近藤のほうがギターが上手いと思われているのに腹が立っている」
と、浅草でビートたけしと共演した時のことを話しながら、自分のほうがギターが上手いことを見せつけようとするも、結局は近藤のギターに合わせてビートたけしの「浅草キッド」をリバーブたっぷりに歌い上げ、結果的に近藤のギターが上手いことを証明してしまう。
そのまま「アコースティックの曲やっていいか!?」と新作の「これっきり」を、しっとりというよりはじんわりと暖かく聴かせると、「孤独とランデブー」のイントロが鳴って、3人がステージ中央に集まり、恒例のEXILEダンスを披露するのだが、いきなり木内が銃で撃たれて死ぬ、という寸劇が始まる。
「もう2人でやるしかない!」
と言って、それぞれギターとベースを手にした山口と近藤が「ケーサツ来るまで踊りまくれ」を始めると、死装束を着た木内がステージに戻り、中央で踊り始めるも、
「フラワーカンパニーズのパクりをやっただろ」
と山口から指摘され、フラワーカンパニーズ「真冬の盆踊り」、さらには死んでいる設定にもかかわらず、
「生きてて良かった」
とサビで熱唱する「深夜高速」までも歌って、来月初の武道館ワンマンを行う先輩にエールを送る。
この2度目の木内ゾーン、ここまででも充分長いのに、これだけでは終わらず、木内が撃たれた事件を調査しに来た、とロボコップ(かなり安っぽい見た目だが)がギターを持ってステージに現れる。
すると何故かロボコップが普通にギターを弾き始めたのは、Oasisの名バラード「Don't Look Back In Anger」。山口は世界中のありとあらゆる音楽を聴きまくっている男なので、歌えることは特に驚かないが、それでも全英語詞の曲を歌うというのは実に新鮮。
ひとしきりロボコップがやり尽くすと、犯人を捕まえたと言ってステージを去って行き、「ケーサツ来るまで踊りまくれ」を今度はしっかりと最後まで演奏し、木内が撃たれたことで途中で終わっていた、「孤独とランデブー」へ。ちなみにこの一連の寸劇、およそ30分にも及ぶ長編で、さすがに客席にはダレている空気がなかったとは言えない。
「孤独とランデブー」では序盤はカラオケで木内はひたすらに「オイ!オイ!」と叫びながら踊らせまくり、最後のサビでメンバーによる生演奏へ。というと、サカナクションの「ミュージック」とかと同じような構成だが、いい意味でサンボマスターにはオシャレな感じが全くしない。カラオケだろうと何だろうと、ひたすらに剝き身剥き出しという全力アタックっぷり。
そこからはクライマックスへ。新しいサンボマスターのアンセムと言っていい「愛してる愛して欲しい」では山口が観客へストレートに愛してると歌い、
「どうせあの曲が後半にあるから、今は温存しておこうかな、みたいに思ってんじゃねーぞ!」
と、もはや山口の手から離れるくらいのアンセムと化した、「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」では特大の「愛と平和!」コールが会場を包む。
「お前ら、もうこれ以上はできねぇって思ってるんだろ!?出来るんだよ!ロックンロールは、お前たちは絶対出来るんだよ!」
と山口の熱いメッセージが感動を誘う「できっこないを やらなくちゃ」で終了かと思いきや、
「もう1曲だけやっていいか!?」
と言って、映画「ビリギャル」のタイアップ曲であり、新作のリード曲である「可能性」を最後に希望たっぷりに、なおかつ
「泣くんじゃねぇ!笑って終わるんだ!笑ってくれ!」
と山口は叫ぶが、逆にそう言われれば言われるほどに涙を堪えるのに必死になってしまった。
そんな完全にやり尽くしたように終わったにもかかわらず、すぐさま山口が元気良くアンコールでステージに戻ってくると、木内と近藤も現れ、
「あいつはいつも優しくしてくれた。あいつは何で来たんだ。新幹線か、飛行機か、車か。いや、あいつはいつも夜汽車でやって来た。夜汽車でやってきたアイツ!」
と、実に嬉しい選曲である「夜汽車でやってきたアイツ」でここに来てまたしても多数のダイバーが出現する盛り上がりぶりを見せると、
「また生きて会おうな。また生きて、サンボマスターのライブに来てくれよな」
と、これまでに何度も言ってきたセリフを言い、
「待てよ。なんかそんな曲があったな…。
今日はどうもありがとうございました!サンボマスター最後の曲、ロックンロール イズ ノットデッド!」
と、バンドと観客、ともにロックンロール以外の何物でもない両者の再会の約束のテーマ「ロックンロール イズ ノットデッド」。
もはや近年のサンボマスターの最大のアンセムは「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」ではなく、この曲。
「あんたらが泣いているところなんて、このツアーで何百回も何千回も見てきた!だから最後は笑顔を見せてくれ!」
と山口は言ったが、泣いてしまうのはこの曲の内包しているエネルギーがあるからこそ。2年前は、辞めてしまった銀杏BOYZのメンバーたちにこの曲を捧げていたが、あの時だって本当に泣いてしまった。
演奏を終えると、「うまくいくんだよきっと」が終演SEとして流れ、山口がカラオケで歌いながら、木内はドラムパッドを客席に投げ、さらには山口のピックまでをもばら撒く。
山口はスタッフやセキュリティにも感謝を告げると、客席を背景に写真撮影をして、なおも「終わらせねぇ!終わらせねぇ!」と叫びながらステージを後にした。サンボマスターのロックンロールは、まだまだ終わらない。
終演後、スクリーンには、あの伝説のイベント、「男どアホウサンボマスター」の開催決定を知らせる映像が流れた。果たして今行われているという地区予選を勝ち上がって9月にサンボマスターと対戦するのはどのバンドなんだろうか。
昔のサンボマスターは、どう見てもロックスターではない3人の男が、自分たちの存在を証明するようなライブをやってた。でもそれから、いなくなった人、音楽を辞めた仲間、そして目の前にいる人など、様々なものを背負うようになった。今日のような、バンドの歴史を感じるセトリだと、本当にそれを強く感じる。
そして「15歳から60歳まで」と山口も言ったように、サンボマスターのライブは客層が本当に広い。それは10年以上前からのファンが今でもライブに来ていて、フェスで見た若い人たちがワンマンにも来ているということ。そしてそれはバンド側が毎回どんな時でも、またライブを見たいと思わせてくれるから。
そうやって、またライブを見たいと思う気持ちが、生きたいという気持ちに繋がってくる。サンボマスター、やっぱりローリング・ストーンズを抜いて、現時点でロックンロール世界第1位。
1.カンフーロック
2.ふたり
3.だんだん
ーそのぬくもりに用がある (映像) ー
4.ミラクルをキミと起こしたいんです
5.生きたがり
6.世界を変えさせておくれよ
7.私をライブに連れてって
8.光のロック
9.時間を止めるラブソング
10.生きて生きて
11.美しき人間の日々
12.これっきり
13.ケーサツ来るまで踊りまくれ ~ Don't Look Back In Anger
14.孤独とランデブー
15.愛してる愛して欲しい
16.世界はそれを愛と呼ぶんだぜ
17.できっこないを やらなくちゃ
18.可能性
encore
19.夜汽車でやってきたアイツ
20.ロックンロール イズ ノットデッド
可能性
http://youtu.be/VwtkceEaShU
Next→ 12/2 04 Limited Sazabys @Zepp DiverCity
