NO NUKES 2015 @豊洲PIT 11/28
- 2015/11/29
- 02:06
東日本大震災による福島第一原発の事故が起きて以降、ロッキンオンが企画して毎年開催されてきた、脱原発を掲げるイベント、NO NUKESが今年も開催。前日にはAcoustic Nightと称して、弾き語りやトークセッションなどが行われたが、この日は
ASIAN KUNG-FU GENERATION
BRAHMAN
MONOEYES
ACIDMAN
NAMBA69
HEY-SMITH
a flood of cirle
在日ファンク
と、このイベントでは毎年おなじみの面々に加えて、若手や意外な出演者も名を連ねた。
去年は平日にツーマンでの対バン形式での3daysだったが(2日目だけNAMBA69の難波章浩が出演できなくなり、アジカンのワンマンに)、今年は2年ぶりにフェス形式に。会場の豊洲PITは風力発電で営業しているだけに、Zeppとともにこのイベントにうってつけの場所である。
豊洲PITの敷地内には東北ライブハウス大作戦や反原発署名活動など、様々なブースが並んでいる。
開演前には福島県双葉町のドキュメント映像も流されるが、やはり毎年見ていてこの現実には言葉を失ってしまう。
13:00~ 在日ファンク
トップバッターは在日ファンク…なのだが、最初にステージに登場したのは、このイベントのオーガナイザーである坂本龍一。
「このイベントは2012年からやってるんだけど、早くなくなることを望んで始めたイベント。でも、この感じだと来年もやらなきゃいけないかな、って…。僕も今日は少し最後に演奏するかもしれません。
トップバッターは僕が大好きなバンドで、オファーして出てもらいました」
と紹介してから、上が黒、下が赤のスーツを着たホーン隊を含む演奏陣6人がまずはステージに登場して音を鳴らし始めると、遅れてハマケン(ボーカル)が登場。
「根に持ってます」から、真昼間のトップバッターに全く似つかわしくない濃厚なファンクサウンドを展開。ハマケンのダンスと歌唱、シャウトもキレッキレ。
「ちっちゃい」では「ちっちゃい ちっちゃい」という、一生のうちでこのバンドのライブを見ている時間にしかこんなにこの単語を口にしないであろうコール&レスポンスを展開すると、
「ちっちゃい大人たちな俺たちだけど、おっきい人に「大ファン」って言われたぜー!
でも楽屋ではメンバーで下ネタとか話しまくってたのに、坂本教授を前にしたらなんもしゃべれないちっちゃい大人です!」
と坂本龍一と対面したことをネタに笑わせるハマケンが
「いつも「暗い」とか「もっとポップな曲を作れ」って言われてる我々ですが、次はものすごくポップなアルバムになるはず!今日はその中から新曲をやります!
この現在の緊迫した世界情勢…ぬるま湯FUNK!」
と、一聴しただけでは世界情勢となんの関係があるのか全くわからない、相変わらずシュールな内容の歌詞の「ぬるま湯FUNK」を披露。
曲と曲をメドレーのように全く途切れることなくつなげる演奏も見事だが、後半はハマケンのダンスもさらにキレを増し、マイクスタンドを倒すと跳ね返って自分の腹に直撃する、という狙っているのかどうなのかすらわからないパフォーマンスを見せつけ、最後は「爆弾こわい」の高速化したファンクサウンドで圧巻の締め。
演奏はとてつもなくかっこいいが、それに加えてハマケンのダンスがいちいち面白いのがこのバンドのとっつきやすさ。
しかし、坂本龍一にオファーされたとはいえ、CMや映画などテレビに出まくっているハマケンが、リスクがあるのにこの脱原発を訴えるイベントに出たという姿勢や、意思は本当に立派。それらしいことは全く言わない人だけど。
ちなみにこの日の夜はまた別のライブがあるらしい。
1.根に持ってます
2.ちっちゃい
3.ぬるま湯FUNK (新曲)
4.むくみ
5.爆弾こわい
爆弾こわい
http://youtu.be/1H14XFS1zVo
13:55~ a flood of circle
前日にツアーファイナルを終えたばかりのa flood of circle、このイベント初出演。
メンバー全員が出てきてのサウンドチェックで亮介が忌野清志郎の「JUMP」を口ずさむと、前日に演奏した「The Beautiful Monkeys」もフル尺で演奏。
メンバーが再び登場しての本編は亮介が
「おはようございます。a flood of circleです。いきなりブルースぶっ混んでもいいですか!?」
と挨拶し、
「忌野清志郎より婆ちゃんに教わったんだ
「核などいらねー」 彼女の心はそれきり変わっちゃいない 1945年夏」
という歌詞がこのイベントのステージにぴったりな「Summertime Blues II」でスタート。前日は演奏していない曲なだけに、やはりこのあたりはイベントの性質に合わせてきた。
「Dancing Zombiez」「シーガル」と、持ち時間が短いだけにすぐさまクライマックスに突入すると、
「今日、初めてゴッチさんに会ったんですよ。そしたら「このイベントはおっさんばかりだから、20代の人が出てくれて嬉しい」って言ってくれて。今、29歳。ギリギリ20代間に合いました!」
と笑わせながらも、
「でも遅すぎることなんてない。いつだって必死こいてやれば間に合うって思ってる」
と自らの信念を口にしながら、バンドのこれまでをそのまま曲にしたような最新シングル「花」を演奏し、手拍子が鳴り響く「ベストライド」と続けるとメンバーがステージを去り、「え?もう終わり?」と思っていたが、亮介が1人だけ残ってアコギを手にし、
「普通のイベントだったらもう帰るんだけど。俺は言いたいことは全部曲に込めてる。だからツイッターもFacebookもやらない。
イギリスにビリー・ジョエルっていうパイセンがいて。その人の「Piano Man」っていう曲に勝手に歌詞をつけた、「Blues Man」っていう曲を最後にやります」
と言って久々に演奏された「Blues Man」。他の弾き語りでやっていた曲はバンドアレンジされて演奏されているが、この曲だけはバンドではなく亮介の弾き語りでずっと演奏されてきた。
美しいメロディに言葉数の多い、まさに2015年のブルースというような生活感の溢れる歌詞が乗り、最後には亮介がマイクから離れてアカペラでサビを歌う。それでもしっかりと聴こえていただろうし、それまではややアウェー感を感じていたが、歌い終わると本当に大きな拍手が巻き起こった。「ああ、ちゃんと届いたんだな」って思った。前日のライブでも同じことを書いたけど、いつかこのシーンを武道館で見てみたい。
リハ1.JUMP (忌野清志郎のカバー)
リハ2.The Beautiful Monkeys
1.Summertime Blues II
2.Dancing Zombiez
3.シーガル
4.花
5.ベストライド
6.Blues Man (亮介弾き語り)
花
http://youtu.be/rxJdDUKrVmM
14:50~ HEY-SMITH
ここまでの2組は割と濃いバンドだったが、このバンドのメンバーが元気いっぱいにステージに登場し、踊れて楽しめるスカパンクを鳴らし始めると、一気に空気が変わる。
序盤からダイバーも続出し、普段といっさい変わらぬライブを展開。メンバーも広いステージを動き回りながら、実に楽しそう。
「なんでHEY-SMITHが出んねん?って思ってる人もいるかもしれんけど、俺たちは結構そういうことを歌ってる曲もあるし、何よりこのステージに立ってるってことはそういうこと。
戦争も原発も、人が死んだりすることなんか絶対嫌や!」
と猪狩がこのイベントに出演した思いを口にすると大きな歓声が起こり、
「俺たちなりのラブソング!」
というスイートな「The First Love Song」からもガンガン攻める。というか、セトリもそうだが、本当にいつものライブと全く変わることがない。
「ありがとう!最後は1分くらいで終わる曲!」
と言って演奏されたおなじみ「Come Back My Dog」では猪狩がギターを持ったまま客席にダイブを敢行し、演奏が終わると、ベースのYUJIが客席最前フロアの端っこのほうにいた、親に肩車された子供にピックを手渡し。これは見ていてなんだかキュンとした。
しかし、「I Hate Nukes」という曲があるからこのイベントに呼ばれたものと思っていたし、実際にやるかと思ったらやらず。やるには絶好のタイミングだと思っていたんだけど。
1.Endless Sorrow
2.Download Me If You Can
3.Living In My Skin
4.Like A Gentleman
5.Jump!!
6.The First Love Song
7.We Sing Our Song
8.Goodbye To Say Hello
9.Come Back My Dog
Endless Sorrow
http://youtu.be/3K1cRNlKKb4
15:45~ NAMBA69
かつて渋谷AXで行われた、反原発イベント、NO MORE FUCKIN' NUKESの発起人である難波章浩率いる、NAMBA69。今月はHi-STANDARDでもライブを行ったが、今日はこのスリーピースでの出演。
「俺は新潟から来たんだけど、柏崎刈羽原発が再稼働しようとしてて。日本人、いい加減に目を覚ませ!」
と真っ赤な髪色の難波が言うと「WAKE UP」からスタート。ハイスタと同じスリーピースのパンクバンドとはいえ、こちらのほうがサウンドは重々しく、ラウド。しかしながら以前はアフロだったK5(ギター)が金髪でロングになっていると、パッと見、誰だかわからない。
「NMFN」「STRAY DOG」という、怒りのメッセージをタイトルからも感じる曲が続くのはこのイベントだからだろうか。
難波は熱いMCを随所に挟みつつ、
「本当はNOってあんまり言いたくないよ。でも俺たちで革命を起こしてさ、いつかこのフェスがなくなったあとに、YESっていうタイトルのフェスをみんなでやろうよ!」
という前向きな発言には大きな拍手が起こった。(何よりドラムのSAMBUが先陣切って1番大きな拍手をしていた。彼は難波の最大のファンというか理解者と言っていいのかもしれない)
そしてラストはSAMBUが立ち上がって手を左右に振ると、観客も同じように手を振る「THE WORLD IS YOURS」で狂騒だけではない難波の音楽性を垣間見せた。
基本的に曲そのものが短いのもあるが、本当にあっという間に感じたライブだった。
1.WAKE UP
2.LEVEL 7
3.FIGHT IT OUT
4.NMFN
5.STRAY DOGS
6.GHOST
7.REVOLUTION
8.THE WORLD IS YOURS
STRAY DOG
http://youtu.be/FQmcYHkk4sk
16:50~ ACIDMAN
このイベントにおいてはレギュラー的存在のACIDMAN。SEなしでメンバーが登場すると、
「何を手に入れた?」
と大木が繰り返しての「リピート」からスタート。
基本的にACIDMANはそこまでフェスやイベントでセトリが変わるバンドではないのだが、ベスト盤収録の「to live」はかなり意外な選曲。この曲の言葉数の多さは他の曲と比べるとあまりに浮いている。
ポップな「FREE STAR」で踊らせると、
「毎年言ってるけど、今年もこのフェスが存在してるってことが残念です。いろんな考えの人たちがいると思うから強制はしないけど、俺は原発は怖い、って言うのは大事だと思っていて。
去年も言ったけど、ミュージシャンが理想を言わないで、誰が理想を言うんだって。現実を見るのも大事だけど、夢や理想があるから世の中は良くなってきた。
俺たちは3/11に毎年福島でワンマンをやってるんだけど、その前日か翌日に必ず立ち入り禁止区域ギリギリまで行っていて。そこでの光景は想像を絶するもので。黒いゴミ袋がとてつもない高さまで重なっていて、それがどこまでも続いてる。あの福島の時ももうちょっと間違っていたら、東京に住めなくなっていたかもしれない。こうして東京でライブが出来なくなっていたかもしれない。便利な生活やお金も大事だけど、住む場所、こうして自分の足で立てる場所が何よりも大切だと思ってます」
と大木がこのイベントならではのメッセージを発すると、「ある証明」「Stay in my hand」とスリーピースバンドのエモーションの限界に挑むような凄まじい演奏を見せる。
そしてラストは壮大なバラードでありながらも、やはり確かなエモーションが宿っている「世界が終わる夜」。
このイベントでのACIDMANでしか見れないこと、聞けないこと。今年も確かにそれを実感できた。
1.リピート
2.to live
3.FREE STAR
4.ある証明
5.Stay in my hand
6.世界が終わる夜
to live
http://youtu.be/AlneQjI9ucM
17:55~ MONOEYES
去年まではthe HIATUSでこのイベントに出演していた、細美武士が今年はMONOEYESで出演。
もはやおなじみのスターウォーズのSEでメンバーが登場すると、「When I Was King」からスタートし、いきなりダイブの嵐。
かと思えば「My Instant Song」で飛び跳ねさせたり、スコット・マーフィー(ベース)がWeezerのリバース・クオモとやっている、スコット&リバースの「Homely Girl」のカバーまでも演奏。(もちろんボーカルはスコットで、細美はコーラス)
しかしながら、本当にパンクと言っていいくらいに激しい曲と演奏なのだが、メンバー(特に細美)は実に楽しそう。このあたりは昨年までのHIATUSでのこのイベントとは全く異なる。
スコットもクルクルとその場を回りながら演奏したり、客席に水を撒いたりし、さらには戸高(ギター)と向き合って演奏した際に、ベースを戸高に銃のように向けて演奏したりする。(ちゃんと戸高がダメージを食らったかのようなリアクションを取る)
「来年もし呼んでもらえるんなら、その時はNO NUKESの細美が1番面白かった、って言ってもらえるような爆笑トークを仕込んでくるんで…」
と、今年はあまりこのイベントのMCらしいMCをしなかった細美がスコットに、
「アメリカ人のスコットはこういうイベントに出るのはどう思ってる?」
と聞くと、
スコット「俺は出れて本当に嬉しいよ」
細美「アイゼンハワーが変なこと言わなきゃこんなことにならなかったんだぞ」
(1953年の「平和のための原子力」演説のことだろうか)
スコット「俺のせいじゃねーよ!」
と笑わせながら、ラストの「グラニート」のアウトロで細美、スコット、戸高の3人が高くハイジャンプ。
去年のHIATUSの時は小泉純一郎が出てきたりして、ついつい重くなりがちだったが、今回はただただカッコよくて楽しそうで我々も楽しい。それはMONOEYESの曲によるものも大きいと思うが、楽しそうな細美の顔を見ていると、こっちも心から楽しくなってくる。
「今日のNO NUKESが本当に楽しかったってお前らが思ってくれたら、来年はもっとたくさんの人が来るはず」
そこを抜きにしても楽しかった。
1.When I Was A King
2.Like We've Never Lost
3.My Instant Song
4.Homely Girl
5.明日公園で
6.What I Left Today
7.End Of The Story
8.Run Run
9.Remember Me
10.グラニート
Run Run
http://youtu.be/h4zZh2TXHyo
19:00~ BRAHMAN
先日の20周年記念ライブが本当に素晴らしかったBRAHMAN、このイベントではおなじみの存在である。
この日の日付とNO NUKESというタイトルが入った映像が流れてからメンバーが登場すると、この日のオープニングは全く激しくない「LET'S GET ANOTHER PLACE」という意外なスタート。
しかしすぐさまライブ定番曲を叩きこんでいくが、いつものように暴れまくりながらもいつもよりも日本語歌詞の曲、というか震災以降の曲が多かったのは、このイベントの性質に合わせてのものだろうか。
「其限」「終夜」という最新シングル収録曲では暴れる、激しいだけではないBRAHMANのメロディの良さという部分を感じさせ、最後のサビで歌詞を「立ち上がれ!立ち上がれ!」と変えて歌った「ANSWER FOR…」では最後にTOSHI-LOWが客席に飛び込み、続く「警醒」では客席のさらに先へ向かって観客の上を歩いていく。その様はまさに鬼。
ダイバーにもみくちゃにされながらも歌い終わると、
「去年のこのイベントで私が亡くなったとアナウンスしました、坂本龍一と難波章浩の両名、今日楽屋に行ったところ、2人とも本物の足がついてました。私の願望で早とちりしてもうしわけありません」
とTOSHI-LOWが喋り始め、勝手に殺された2人、坂本龍一と難波章浩が登場して、後ろからTOSHI-LOWに蹴りを入れる(笑)
「俺だけに見えてたんじゃないよね?(笑)」
といじり続けると、
「俺みたいなアホでも謝ることくらいできるのに、どうやらこの国には謝ることができないやつがいるらしい。
2006年の第一次安倍政権時、「福島第一原発に事故があった場合の予備電源はどうなっているんですか?」と聞かれた今の首相は、「絶対に事故が起こることはあり得ない」と言った。そしてそのままにした結果、あの事故が起こった。
それがすべての原因とは言わねえよ。でも、あの時に予備電源をキチンと整備していたら、ここまではならなかったかもしれない。
かと思えば、原発を推進するどころか、他の国に輸出しようとしているらしい。俺は行ったことはないが、あいつ(安倍晋三)はレゲエの神様の銅像の前で、笑顔を浮かべながら握手をしていた。レゲエの神様はバビロン、権力者を嫌って、そいつらに対する歌を歌っていた」
と、現政権の原子力政策を批判すると、ボブ・マーリー「Redemption Song」の日本語歌詞を朗読し始める。
「原子力など恐れるな やつらに時まで止めることはできない」
という歌詞は本当にこのイベントのためにあるかのよう。
その「Redemption Song」のカバーを演奏すると、途中には細美武士も登場してコーラスを務める。
そして最後はやはり「鼎の問」。昼からの1日の流れがあるからこそ、TOSHI-LOWの言葉の後だからこそ、福島第一原発で働く人たちの映像が重く胸にのしかかってくる。
終了後、周りを見渡したら、泣いている人、涙をこらえている人がたくさんいた。幕張メッセの時と比べると、やはりあの時ほどではなかったが、この日、この場所でBRAHMANのライブを見れて本当に良かったし、あの日の
「また会いましょう」
の約束をこうしてすぐ果たせて本当に良かった。
1.LET'S GET ANOTHER PLACE
2.BEYOND THE MOUNTAIN
3.賽の河原
4.露命
5.BASIS
6.遠国
7.其限
8.終夜
9.ANSWER FOR…
10.Redemption Song (w/細美武士)
11.鼎の問
鼎の問
http://youtu.be/JQfKH-Iys5M
20:05~ ASIAN KUNG-FU GENERATION
公式のタイムテーブルではこの時間になっていたが、実際は転換にものすごく時間がかかり、始まったのは20時30分を完全に過ぎていた。
「楽しんでいきましょう」
とゴッチが言うと、「Wonder Future」ツアーと同じく、シモリョーを加えた5人編成で、「Easter」「Little Lennon」というアルバム冒頭の曲を続ける流れも同じ。しかしツアーの時よりは序盤はやや大人しめ(それは主にステージ側が)といった印象。
ベースの山田が結婚したことによって飛ぶ「山ちゃんおめでとうー!」の声をゴッチが「今日はいいだろ」と軽く制すると、
「僕らにもNO NUKESという曲があります」
と言って「N2」を演奏。この曲も毎回ツアーで演奏されていた曲だが、このイベントで聴くとやはり意味合いが違って聴こえる。
ダンサブルな四つ打ちの久々に演奏された「1980」のあと、
「変わんねーな、って思ったんだよね。震災があってさ。あんな事故があってもさ。でもまだSEALDsとかが出てくる前に、都知事選の時かな。普段政治の話とか全然しない、このイベントに呼んでも断られるような若手バンドが俺のFacebookのコメントにいいね!をつけてくれたりして…。その時にすごい勇気を貰ったんだよね。
そしたら国会前で少女が声を挙げてて。そこに男子たちも賛同して、大人たちも次々と足を止めて。坂本龍一さんもメッセージを読み上げたりしてて。俺はこの曲でこの景色を歌ったんだよね」
と言って演奏されたのは「Standard」。この曲の歌詞はアジカンそのもののことだと思っていたが、確かにこの「少女」は国会前でデモの声を挙げる女の子のようにも聴こえる。
久々の「踵で愛を打ち鳴らせ」から「今を生きて」と近年のシングル曲を続けると、
「原発もそうだし、沖縄の基地もそうだけど、自分の家の裏庭にあったら嫌なものは、俺は絶対にあってはいけないと思っている」
というゴッチのMCには大きな拍手が起きる。もう本当にこれだろう、としか思えない内容。そう思うからこそ、自分は毎年こうしてこのイベントに足を運んでいるし、めんどくさいと言われまくっているゴッチのMCを絶対に聞き逃したくないと思う。
そこからの「転がる岩、君に朝が降る」は本当に心に沁みたが、ここで坂本龍一がステージに登場。
「せっかくだから一緒になんかやろうって」
と言うと、坂本龍一がこの日の出演者を全員呼び込むと、HEY-SMITHを除いた出演者がステージに集結。ボーカル陣がマイクを持ったりマイクスタンドの前に立ったりする中、坂本龍一がピアノを弾き、ゴッチが歌い始めると、2番ではTOSHI-LOWが
「キリスト教も イスラム教も 殺しあう理由はない」
というような日本語歌詞を歌い、さらには細美もマイクリレーに加わり、大木や亮介はコーラス、他のメンバーは手拍子などの賑やかしや、在日ファンクホーンズも演奏に加わる。
そして間奏で坂本龍一がピアノソロを弾くと、細美が
「坂本龍一ー!」
と紹介し、演奏を終えた坂本龍一のもとにTOSHI-LOWとハマケンを筆頭に、細美や大木、ゴッチまでもが抱きつきにいく。
そんな豪華なコラボを見せたあとにステージに集結した出演者が一列に並んで一礼すると、さすがにここまでやったらこれで終わりだろうと思う中、坂本龍一が再びステージに登場し、細美が
「なんか一曲やってくれないですかねー」
と無茶振りすると、ピアノの前に座り、まさかの「戦場のメリークリスマス」を弾き始める。この曲が聴けるなんて。そしてなんて美しいピアノの旋律なんだろうか。戻ってきて、こうして演奏できるようになって、本当に良かった。
来年以降もこのイベントをやるんなら、またこうして旗を振り続けて欲しい。
最後には再び出演者が全員集合して一礼すると、TOSHI-LOWがゴッチのピックを全部客席に投げてしまい、ゴッチが「え!?」と慌てる。するとRONZIと一瀬のドラムコンビが伊地知潔のスティックも全て客席に投げ込んでしまい、悪戯をした子供のような顔で逃げるようにステージを去って行った。
この最後も含め、過去最高に楽しくてスペシャルだったNO NUKESは幕を閉じた。
1.Easter
2.Little Lennon
3.N2
4.1980
5.Standard
6.踵で愛を打ち鳴らせ
7.今を生きて
8.転がる岩、君に朝が降る
9.Imagine (ジョン・レノンのカバー。出演者大集合)
encore
10.戦場のメリークリスマス (坂本龍一)
Standard
http://youtu.be/3fTx79kdNoA
バンドだとボーカルの言葉や意思がバンドのものになりがちだけど、今日はACIDMAN一悟やアジカン喜多など、普段は口を開かないメンバーもNO NUKESのTシャツを着ていた。この精神性の一致ぶりこそが、今日出たバンドがこのメンバーじゃなきゃいけない理由だと思う。
でもやっぱり、BRAHMANの「鼎の問」の映像を見たり、福島の避難区域のドキュメントを見たりすると、原発なんてもういらねぇよなって思う。それはやっぱり「自分の家の裏庭にあったら絶対嫌だから」。このフェス行って、グッズ買ったり署名したりする。自分なりの意思表示。でも、ある限りはずっとこのイベントに足を運びます。
Next→ 11/29 サンボマスター @Zepp DiverCity
ASIAN KUNG-FU GENERATION
BRAHMAN
MONOEYES
ACIDMAN
NAMBA69
HEY-SMITH
a flood of cirle
在日ファンク
と、このイベントでは毎年おなじみの面々に加えて、若手や意外な出演者も名を連ねた。
去年は平日にツーマンでの対バン形式での3daysだったが(2日目だけNAMBA69の難波章浩が出演できなくなり、アジカンのワンマンに)、今年は2年ぶりにフェス形式に。会場の豊洲PITは風力発電で営業しているだけに、Zeppとともにこのイベントにうってつけの場所である。
豊洲PITの敷地内には東北ライブハウス大作戦や反原発署名活動など、様々なブースが並んでいる。
開演前には福島県双葉町のドキュメント映像も流されるが、やはり毎年見ていてこの現実には言葉を失ってしまう。
13:00~ 在日ファンク
トップバッターは在日ファンク…なのだが、最初にステージに登場したのは、このイベントのオーガナイザーである坂本龍一。
「このイベントは2012年からやってるんだけど、早くなくなることを望んで始めたイベント。でも、この感じだと来年もやらなきゃいけないかな、って…。僕も今日は少し最後に演奏するかもしれません。
トップバッターは僕が大好きなバンドで、オファーして出てもらいました」
と紹介してから、上が黒、下が赤のスーツを着たホーン隊を含む演奏陣6人がまずはステージに登場して音を鳴らし始めると、遅れてハマケン(ボーカル)が登場。
「根に持ってます」から、真昼間のトップバッターに全く似つかわしくない濃厚なファンクサウンドを展開。ハマケンのダンスと歌唱、シャウトもキレッキレ。
「ちっちゃい」では「ちっちゃい ちっちゃい」という、一生のうちでこのバンドのライブを見ている時間にしかこんなにこの単語を口にしないであろうコール&レスポンスを展開すると、
「ちっちゃい大人たちな俺たちだけど、おっきい人に「大ファン」って言われたぜー!
でも楽屋ではメンバーで下ネタとか話しまくってたのに、坂本教授を前にしたらなんもしゃべれないちっちゃい大人です!」
と坂本龍一と対面したことをネタに笑わせるハマケンが
「いつも「暗い」とか「もっとポップな曲を作れ」って言われてる我々ですが、次はものすごくポップなアルバムになるはず!今日はその中から新曲をやります!
この現在の緊迫した世界情勢…ぬるま湯FUNK!」
と、一聴しただけでは世界情勢となんの関係があるのか全くわからない、相変わらずシュールな内容の歌詞の「ぬるま湯FUNK」を披露。
曲と曲をメドレーのように全く途切れることなくつなげる演奏も見事だが、後半はハマケンのダンスもさらにキレを増し、マイクスタンドを倒すと跳ね返って自分の腹に直撃する、という狙っているのかどうなのかすらわからないパフォーマンスを見せつけ、最後は「爆弾こわい」の高速化したファンクサウンドで圧巻の締め。
演奏はとてつもなくかっこいいが、それに加えてハマケンのダンスがいちいち面白いのがこのバンドのとっつきやすさ。
しかし、坂本龍一にオファーされたとはいえ、CMや映画などテレビに出まくっているハマケンが、リスクがあるのにこの脱原発を訴えるイベントに出たという姿勢や、意思は本当に立派。それらしいことは全く言わない人だけど。
ちなみにこの日の夜はまた別のライブがあるらしい。
1.根に持ってます
2.ちっちゃい
3.ぬるま湯FUNK (新曲)
4.むくみ
5.爆弾こわい
爆弾こわい
http://youtu.be/1H14XFS1zVo
13:55~ a flood of circle
前日にツアーファイナルを終えたばかりのa flood of circle、このイベント初出演。
メンバー全員が出てきてのサウンドチェックで亮介が忌野清志郎の「JUMP」を口ずさむと、前日に演奏した「The Beautiful Monkeys」もフル尺で演奏。
メンバーが再び登場しての本編は亮介が
「おはようございます。a flood of circleです。いきなりブルースぶっ混んでもいいですか!?」
と挨拶し、
「忌野清志郎より婆ちゃんに教わったんだ
「核などいらねー」 彼女の心はそれきり変わっちゃいない 1945年夏」
という歌詞がこのイベントのステージにぴったりな「Summertime Blues II」でスタート。前日は演奏していない曲なだけに、やはりこのあたりはイベントの性質に合わせてきた。
「Dancing Zombiez」「シーガル」と、持ち時間が短いだけにすぐさまクライマックスに突入すると、
「今日、初めてゴッチさんに会ったんですよ。そしたら「このイベントはおっさんばかりだから、20代の人が出てくれて嬉しい」って言ってくれて。今、29歳。ギリギリ20代間に合いました!」
と笑わせながらも、
「でも遅すぎることなんてない。いつだって必死こいてやれば間に合うって思ってる」
と自らの信念を口にしながら、バンドのこれまでをそのまま曲にしたような最新シングル「花」を演奏し、手拍子が鳴り響く「ベストライド」と続けるとメンバーがステージを去り、「え?もう終わり?」と思っていたが、亮介が1人だけ残ってアコギを手にし、
「普通のイベントだったらもう帰るんだけど。俺は言いたいことは全部曲に込めてる。だからツイッターもFacebookもやらない。
イギリスにビリー・ジョエルっていうパイセンがいて。その人の「Piano Man」っていう曲に勝手に歌詞をつけた、「Blues Man」っていう曲を最後にやります」
と言って久々に演奏された「Blues Man」。他の弾き語りでやっていた曲はバンドアレンジされて演奏されているが、この曲だけはバンドではなく亮介の弾き語りでずっと演奏されてきた。
美しいメロディに言葉数の多い、まさに2015年のブルースというような生活感の溢れる歌詞が乗り、最後には亮介がマイクから離れてアカペラでサビを歌う。それでもしっかりと聴こえていただろうし、それまではややアウェー感を感じていたが、歌い終わると本当に大きな拍手が巻き起こった。「ああ、ちゃんと届いたんだな」って思った。前日のライブでも同じことを書いたけど、いつかこのシーンを武道館で見てみたい。
リハ1.JUMP (忌野清志郎のカバー)
リハ2.The Beautiful Monkeys
1.Summertime Blues II
2.Dancing Zombiez
3.シーガル
4.花
5.ベストライド
6.Blues Man (亮介弾き語り)
花
http://youtu.be/rxJdDUKrVmM
14:50~ HEY-SMITH
ここまでの2組は割と濃いバンドだったが、このバンドのメンバーが元気いっぱいにステージに登場し、踊れて楽しめるスカパンクを鳴らし始めると、一気に空気が変わる。
序盤からダイバーも続出し、普段といっさい変わらぬライブを展開。メンバーも広いステージを動き回りながら、実に楽しそう。
「なんでHEY-SMITHが出んねん?って思ってる人もいるかもしれんけど、俺たちは結構そういうことを歌ってる曲もあるし、何よりこのステージに立ってるってことはそういうこと。
戦争も原発も、人が死んだりすることなんか絶対嫌や!」
と猪狩がこのイベントに出演した思いを口にすると大きな歓声が起こり、
「俺たちなりのラブソング!」
というスイートな「The First Love Song」からもガンガン攻める。というか、セトリもそうだが、本当にいつものライブと全く変わることがない。
「ありがとう!最後は1分くらいで終わる曲!」
と言って演奏されたおなじみ「Come Back My Dog」では猪狩がギターを持ったまま客席にダイブを敢行し、演奏が終わると、ベースのYUJIが客席最前フロアの端っこのほうにいた、親に肩車された子供にピックを手渡し。これは見ていてなんだかキュンとした。
しかし、「I Hate Nukes」という曲があるからこのイベントに呼ばれたものと思っていたし、実際にやるかと思ったらやらず。やるには絶好のタイミングだと思っていたんだけど。
1.Endless Sorrow
2.Download Me If You Can
3.Living In My Skin
4.Like A Gentleman
5.Jump!!
6.The First Love Song
7.We Sing Our Song
8.Goodbye To Say Hello
9.Come Back My Dog
Endless Sorrow
http://youtu.be/3K1cRNlKKb4
15:45~ NAMBA69
かつて渋谷AXで行われた、反原発イベント、NO MORE FUCKIN' NUKESの発起人である難波章浩率いる、NAMBA69。今月はHi-STANDARDでもライブを行ったが、今日はこのスリーピースでの出演。
「俺は新潟から来たんだけど、柏崎刈羽原発が再稼働しようとしてて。日本人、いい加減に目を覚ませ!」
と真っ赤な髪色の難波が言うと「WAKE UP」からスタート。ハイスタと同じスリーピースのパンクバンドとはいえ、こちらのほうがサウンドは重々しく、ラウド。しかしながら以前はアフロだったK5(ギター)が金髪でロングになっていると、パッと見、誰だかわからない。
「NMFN」「STRAY DOG」という、怒りのメッセージをタイトルからも感じる曲が続くのはこのイベントだからだろうか。
難波は熱いMCを随所に挟みつつ、
「本当はNOってあんまり言いたくないよ。でも俺たちで革命を起こしてさ、いつかこのフェスがなくなったあとに、YESっていうタイトルのフェスをみんなでやろうよ!」
という前向きな発言には大きな拍手が起こった。(何よりドラムのSAMBUが先陣切って1番大きな拍手をしていた。彼は難波の最大のファンというか理解者と言っていいのかもしれない)
そしてラストはSAMBUが立ち上がって手を左右に振ると、観客も同じように手を振る「THE WORLD IS YOURS」で狂騒だけではない難波の音楽性を垣間見せた。
基本的に曲そのものが短いのもあるが、本当にあっという間に感じたライブだった。
1.WAKE UP
2.LEVEL 7
3.FIGHT IT OUT
4.NMFN
5.STRAY DOGS
6.GHOST
7.REVOLUTION
8.THE WORLD IS YOURS
STRAY DOG
http://youtu.be/FQmcYHkk4sk
16:50~ ACIDMAN
このイベントにおいてはレギュラー的存在のACIDMAN。SEなしでメンバーが登場すると、
「何を手に入れた?」
と大木が繰り返しての「リピート」からスタート。
基本的にACIDMANはそこまでフェスやイベントでセトリが変わるバンドではないのだが、ベスト盤収録の「to live」はかなり意外な選曲。この曲の言葉数の多さは他の曲と比べるとあまりに浮いている。
ポップな「FREE STAR」で踊らせると、
「毎年言ってるけど、今年もこのフェスが存在してるってことが残念です。いろんな考えの人たちがいると思うから強制はしないけど、俺は原発は怖い、って言うのは大事だと思っていて。
去年も言ったけど、ミュージシャンが理想を言わないで、誰が理想を言うんだって。現実を見るのも大事だけど、夢や理想があるから世の中は良くなってきた。
俺たちは3/11に毎年福島でワンマンをやってるんだけど、その前日か翌日に必ず立ち入り禁止区域ギリギリまで行っていて。そこでの光景は想像を絶するもので。黒いゴミ袋がとてつもない高さまで重なっていて、それがどこまでも続いてる。あの福島の時ももうちょっと間違っていたら、東京に住めなくなっていたかもしれない。こうして東京でライブが出来なくなっていたかもしれない。便利な生活やお金も大事だけど、住む場所、こうして自分の足で立てる場所が何よりも大切だと思ってます」
と大木がこのイベントならではのメッセージを発すると、「ある証明」「Stay in my hand」とスリーピースバンドのエモーションの限界に挑むような凄まじい演奏を見せる。
そしてラストは壮大なバラードでありながらも、やはり確かなエモーションが宿っている「世界が終わる夜」。
このイベントでのACIDMANでしか見れないこと、聞けないこと。今年も確かにそれを実感できた。
1.リピート
2.to live
3.FREE STAR
4.ある証明
5.Stay in my hand
6.世界が終わる夜
to live
http://youtu.be/AlneQjI9ucM
17:55~ MONOEYES
去年まではthe HIATUSでこのイベントに出演していた、細美武士が今年はMONOEYESで出演。
もはやおなじみのスターウォーズのSEでメンバーが登場すると、「When I Was King」からスタートし、いきなりダイブの嵐。
かと思えば「My Instant Song」で飛び跳ねさせたり、スコット・マーフィー(ベース)がWeezerのリバース・クオモとやっている、スコット&リバースの「Homely Girl」のカバーまでも演奏。(もちろんボーカルはスコットで、細美はコーラス)
しかしながら、本当にパンクと言っていいくらいに激しい曲と演奏なのだが、メンバー(特に細美)は実に楽しそう。このあたりは昨年までのHIATUSでのこのイベントとは全く異なる。
スコットもクルクルとその場を回りながら演奏したり、客席に水を撒いたりし、さらには戸高(ギター)と向き合って演奏した際に、ベースを戸高に銃のように向けて演奏したりする。(ちゃんと戸高がダメージを食らったかのようなリアクションを取る)
「来年もし呼んでもらえるんなら、その時はNO NUKESの細美が1番面白かった、って言ってもらえるような爆笑トークを仕込んでくるんで…」
と、今年はあまりこのイベントのMCらしいMCをしなかった細美がスコットに、
「アメリカ人のスコットはこういうイベントに出るのはどう思ってる?」
と聞くと、
スコット「俺は出れて本当に嬉しいよ」
細美「アイゼンハワーが変なこと言わなきゃこんなことにならなかったんだぞ」
(1953年の「平和のための原子力」演説のことだろうか)
スコット「俺のせいじゃねーよ!」
と笑わせながら、ラストの「グラニート」のアウトロで細美、スコット、戸高の3人が高くハイジャンプ。
去年のHIATUSの時は小泉純一郎が出てきたりして、ついつい重くなりがちだったが、今回はただただカッコよくて楽しそうで我々も楽しい。それはMONOEYESの曲によるものも大きいと思うが、楽しそうな細美の顔を見ていると、こっちも心から楽しくなってくる。
「今日のNO NUKESが本当に楽しかったってお前らが思ってくれたら、来年はもっとたくさんの人が来るはず」
そこを抜きにしても楽しかった。
1.When I Was A King
2.Like We've Never Lost
3.My Instant Song
4.Homely Girl
5.明日公園で
6.What I Left Today
7.End Of The Story
8.Run Run
9.Remember Me
10.グラニート
Run Run
http://youtu.be/h4zZh2TXHyo
19:00~ BRAHMAN
先日の20周年記念ライブが本当に素晴らしかったBRAHMAN、このイベントではおなじみの存在である。
この日の日付とNO NUKESというタイトルが入った映像が流れてからメンバーが登場すると、この日のオープニングは全く激しくない「LET'S GET ANOTHER PLACE」という意外なスタート。
しかしすぐさまライブ定番曲を叩きこんでいくが、いつものように暴れまくりながらもいつもよりも日本語歌詞の曲、というか震災以降の曲が多かったのは、このイベントの性質に合わせてのものだろうか。
「其限」「終夜」という最新シングル収録曲では暴れる、激しいだけではないBRAHMANのメロディの良さという部分を感じさせ、最後のサビで歌詞を「立ち上がれ!立ち上がれ!」と変えて歌った「ANSWER FOR…」では最後にTOSHI-LOWが客席に飛び込み、続く「警醒」では客席のさらに先へ向かって観客の上を歩いていく。その様はまさに鬼。
ダイバーにもみくちゃにされながらも歌い終わると、
「去年のこのイベントで私が亡くなったとアナウンスしました、坂本龍一と難波章浩の両名、今日楽屋に行ったところ、2人とも本物の足がついてました。私の願望で早とちりしてもうしわけありません」
とTOSHI-LOWが喋り始め、勝手に殺された2人、坂本龍一と難波章浩が登場して、後ろからTOSHI-LOWに蹴りを入れる(笑)
「俺だけに見えてたんじゃないよね?(笑)」
といじり続けると、
「俺みたいなアホでも謝ることくらいできるのに、どうやらこの国には謝ることができないやつがいるらしい。
2006年の第一次安倍政権時、「福島第一原発に事故があった場合の予備電源はどうなっているんですか?」と聞かれた今の首相は、「絶対に事故が起こることはあり得ない」と言った。そしてそのままにした結果、あの事故が起こった。
それがすべての原因とは言わねえよ。でも、あの時に予備電源をキチンと整備していたら、ここまではならなかったかもしれない。
かと思えば、原発を推進するどころか、他の国に輸出しようとしているらしい。俺は行ったことはないが、あいつ(安倍晋三)はレゲエの神様の銅像の前で、笑顔を浮かべながら握手をしていた。レゲエの神様はバビロン、権力者を嫌って、そいつらに対する歌を歌っていた」
と、現政権の原子力政策を批判すると、ボブ・マーリー「Redemption Song」の日本語歌詞を朗読し始める。
「原子力など恐れるな やつらに時まで止めることはできない」
という歌詞は本当にこのイベントのためにあるかのよう。
その「Redemption Song」のカバーを演奏すると、途中には細美武士も登場してコーラスを務める。
そして最後はやはり「鼎の問」。昼からの1日の流れがあるからこそ、TOSHI-LOWの言葉の後だからこそ、福島第一原発で働く人たちの映像が重く胸にのしかかってくる。
終了後、周りを見渡したら、泣いている人、涙をこらえている人がたくさんいた。幕張メッセの時と比べると、やはりあの時ほどではなかったが、この日、この場所でBRAHMANのライブを見れて本当に良かったし、あの日の
「また会いましょう」
の約束をこうしてすぐ果たせて本当に良かった。
1.LET'S GET ANOTHER PLACE
2.BEYOND THE MOUNTAIN
3.賽の河原
4.露命
5.BASIS
6.遠国
7.其限
8.終夜
9.ANSWER FOR…
10.Redemption Song (w/細美武士)
11.鼎の問
鼎の問
http://youtu.be/JQfKH-Iys5M
20:05~ ASIAN KUNG-FU GENERATION
公式のタイムテーブルではこの時間になっていたが、実際は転換にものすごく時間がかかり、始まったのは20時30分を完全に過ぎていた。
「楽しんでいきましょう」
とゴッチが言うと、「Wonder Future」ツアーと同じく、シモリョーを加えた5人編成で、「Easter」「Little Lennon」というアルバム冒頭の曲を続ける流れも同じ。しかしツアーの時よりは序盤はやや大人しめ(それは主にステージ側が)といった印象。
ベースの山田が結婚したことによって飛ぶ「山ちゃんおめでとうー!」の声をゴッチが「今日はいいだろ」と軽く制すると、
「僕らにもNO NUKESという曲があります」
と言って「N2」を演奏。この曲も毎回ツアーで演奏されていた曲だが、このイベントで聴くとやはり意味合いが違って聴こえる。
ダンサブルな四つ打ちの久々に演奏された「1980」のあと、
「変わんねーな、って思ったんだよね。震災があってさ。あんな事故があってもさ。でもまだSEALDsとかが出てくる前に、都知事選の時かな。普段政治の話とか全然しない、このイベントに呼んでも断られるような若手バンドが俺のFacebookのコメントにいいね!をつけてくれたりして…。その時にすごい勇気を貰ったんだよね。
そしたら国会前で少女が声を挙げてて。そこに男子たちも賛同して、大人たちも次々と足を止めて。坂本龍一さんもメッセージを読み上げたりしてて。俺はこの曲でこの景色を歌ったんだよね」
と言って演奏されたのは「Standard」。この曲の歌詞はアジカンそのもののことだと思っていたが、確かにこの「少女」は国会前でデモの声を挙げる女の子のようにも聴こえる。
久々の「踵で愛を打ち鳴らせ」から「今を生きて」と近年のシングル曲を続けると、
「原発もそうだし、沖縄の基地もそうだけど、自分の家の裏庭にあったら嫌なものは、俺は絶対にあってはいけないと思っている」
というゴッチのMCには大きな拍手が起きる。もう本当にこれだろう、としか思えない内容。そう思うからこそ、自分は毎年こうしてこのイベントに足を運んでいるし、めんどくさいと言われまくっているゴッチのMCを絶対に聞き逃したくないと思う。
そこからの「転がる岩、君に朝が降る」は本当に心に沁みたが、ここで坂本龍一がステージに登場。
「せっかくだから一緒になんかやろうって」
と言うと、坂本龍一がこの日の出演者を全員呼び込むと、HEY-SMITHを除いた出演者がステージに集結。ボーカル陣がマイクを持ったりマイクスタンドの前に立ったりする中、坂本龍一がピアノを弾き、ゴッチが歌い始めると、2番ではTOSHI-LOWが
「キリスト教も イスラム教も 殺しあう理由はない」
というような日本語歌詞を歌い、さらには細美もマイクリレーに加わり、大木や亮介はコーラス、他のメンバーは手拍子などの賑やかしや、在日ファンクホーンズも演奏に加わる。
そして間奏で坂本龍一がピアノソロを弾くと、細美が
「坂本龍一ー!」
と紹介し、演奏を終えた坂本龍一のもとにTOSHI-LOWとハマケンを筆頭に、細美や大木、ゴッチまでもが抱きつきにいく。
そんな豪華なコラボを見せたあとにステージに集結した出演者が一列に並んで一礼すると、さすがにここまでやったらこれで終わりだろうと思う中、坂本龍一が再びステージに登場し、細美が
「なんか一曲やってくれないですかねー」
と無茶振りすると、ピアノの前に座り、まさかの「戦場のメリークリスマス」を弾き始める。この曲が聴けるなんて。そしてなんて美しいピアノの旋律なんだろうか。戻ってきて、こうして演奏できるようになって、本当に良かった。
来年以降もこのイベントをやるんなら、またこうして旗を振り続けて欲しい。
最後には再び出演者が全員集合して一礼すると、TOSHI-LOWがゴッチのピックを全部客席に投げてしまい、ゴッチが「え!?」と慌てる。するとRONZIと一瀬のドラムコンビが伊地知潔のスティックも全て客席に投げ込んでしまい、悪戯をした子供のような顔で逃げるようにステージを去って行った。
この最後も含め、過去最高に楽しくてスペシャルだったNO NUKESは幕を閉じた。
1.Easter
2.Little Lennon
3.N2
4.1980
5.Standard
6.踵で愛を打ち鳴らせ
7.今を生きて
8.転がる岩、君に朝が降る
9.Imagine (ジョン・レノンのカバー。出演者大集合)
encore
10.戦場のメリークリスマス (坂本龍一)
Standard
http://youtu.be/3fTx79kdNoA
バンドだとボーカルの言葉や意思がバンドのものになりがちだけど、今日はACIDMAN一悟やアジカン喜多など、普段は口を開かないメンバーもNO NUKESのTシャツを着ていた。この精神性の一致ぶりこそが、今日出たバンドがこのメンバーじゃなきゃいけない理由だと思う。
でもやっぱり、BRAHMANの「鼎の問」の映像を見たり、福島の避難区域のドキュメントを見たりすると、原発なんてもういらねぇよなって思う。それはやっぱり「自分の家の裏庭にあったら絶対嫌だから」。このフェス行って、グッズ買ったり署名したりする。自分なりの意思表示。でも、ある限りはずっとこのイベントに足を運びます。
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