くるり 「NOW AND THEN vol.2」 @新木場STUDIO COAST 11/18
- 2015/11/19
- 00:50
くるりの過去のアルバムの再現ライブ、「NOW AND THEN」。去年の1st「さよならストレンジャー」、2nd「図鑑」に続き、第2弾の今回は3rd「TEAM ROCK」、4th「THE WORLD IS MINE」の再現ライブである。
すでにこの日の前にも同じ内容のライブが行われているが、今回のライブのメンバーは
岸田繁(ボーカル&ギター)
佐藤征史(ベース)
のメンバー2人に加え、
松本大樹(ギター)
野崎泰弘(鍵盤)
クリフ・アーモンド(ドラム)
加藤哉子(コーラス)
アチコ(コーラス)
というサポート5人を加えた7人編成。(ファンファンはまだお休み)
松本は近年のくるりのライブではおなじみの存在になりつつあるが、かつてサポートメンバーであったクリフ・アーモンドは実に久々の出演。
完全に満員状態の中、19時になるとメンバーがステージに登場。岸田は髪型が当時のものにかなり近くなっており、どこか若返っているようにも見える。
1曲目は「TEAM ROCK」のタイトル曲。初めて聴いたときは若干悪ふざけのように聞こえた、ヒップホップのような歌唱の曲だが、この編成によるものか、実にファンキーな曲に聞こえる。
さらにここでくるりのアンセムの一つ、「ワンダーフォーゲル」。フェスなどでは1曲目にやることはあるが、アルバムの曲順通りとはいえ、2曲目で早くもピークのような感覚になるのは実に不思議。
岸田のドラクエをはじめとするRPGゲーム愛がそのまま曲になったかのような「LV30」、
「君は歌う 安心を買ったって」
という歌詞が、同世代としてこの当時にしのぎを削りあっていたSUPERCAR「FAIRWAY」の歌い出しの
「安心を買った どうしてか心を売って買った気がしてたら
安心はどっか退屈に似てた」
へのアンサーとなっている「愛なき世界」と、「TEAM ROCK」の収録順に演奏されていたのだが、岸田が
「ここまでは、かんっぺき!な再現ライブ」
と、「完璧」の部分だけをマイクを通さずに言うことで「完璧」の部分を逆に強調すると、キン肉マンを例えに出し、「完璧を壊したくなる」ということで、前回は1stを全曲演奏してから2ndを全曲演奏していたが、今回はここから「THE WORLD IS MINE」の世界に突入。
岸田はかつてこのアルバムについて振り返った時、
「WORLD'S END SUPERNOVAに引っ張られ過ぎた、僕の中では割と失敗なほうの作品」
と評価していたが、こうして今この編成で聴くと、タイトル通りにオリエンタルな「GO BACK TO CHINA」などは現在のくるりの音楽性にもつながるところがあるように思える。
岸田の言葉の通りに自分の中でもこのアルバムは「WORLD'S END SUPERNOVA」を筆頭とした、最もダンスミュージックに接近したアルバムというイメージなのだが、この編成で聴くと実に強い肉体性を感じる。
それは主にクリフの力強くもありつつもテクニカルという、この男でしかありえないようなドラミングによる部分も大きいが、加藤とアチコの、曲によってどちらかだけがハモったり、2人で歌ったりという使い分けをしているコーラスによる部分も大きいと思われる。ちなみに「GO BACK TO CHINA」ではアチコが真後ろに鎮座している巨大な銅鑼をどかーんと鳴らす。
すると今度は一転して「TEAM ROCK」からの、岸田の鉄道マニアっぷりが遺憾なく発揮された、アッパーなギターロック「トレイン・ロック・フェスティバル」へ。この段階でアルバムの曲順通りという再現性は崩れ去るが、間奏での松本のロックサイドが垣間見えるギターソロから、クリフの力強く、徐々に速さを増していくドラムソロなど、セッション的な時間に突入。どんどんスローダウンしてダブやレゲエのような要素までも入ってくると岸田が、
「いや、「トレイン・ロック・フェスティバル」はもっと速い曲やった」
と言って、再び一気に高速化。というか、元のテンポよりも圧倒的に速くなっている。
「ちょっと疲れたから休憩させて」
とあまりにも力の入った演奏を見せた後に岸田が小休止すると、メロディもアレンジもこの時期のくるりの中では珍しいど真ん中ポップな「THANK YOU MY GIRL」から、再び「THE WORLD IS MINE」の世界へ。
本来は長尺な曲が続いたのだが、今回は少し短めに曲をアレンジしており(後で本人たちがあえてそういうアレンジを施したと語っていた)、体感的には実にここまではスムーズに展開。
岸田「この2枚でどの曲が好き?」
佐藤「うーん、そうですねぇ…」
岸田「まだやってない曲だから言えんか(笑)
じゃあ次は俺が好きな曲を」
と言って岸田がアコギに持ち替えて演奏したのら、素朴な「男の子と女の子」。この流れで聴くと、なぜこの曲が「THE WORLD IS MINE」に入ったんだろうか、という感じすらしてくるくらいに前の2曲とは飛距離がある曲。
するとサポートメンバーがいったんステージから去り、岸田と佐藤だけに。佐藤がなんとチェロに持ち替え、岸田は
「のっち(野崎)が弾いて、俺が歌ってもええんやけど、ただでさえピンボーカル好きじゃないのに、この曲をピンボーカルでやると持て余し感がすごいから」
という理由でピアノを弾きながら「アマデウス」を歌う。
すると「MIND THE GAP」がインタールード的に流れ(誰も演奏してない曲を曲数に含めていいのだろうか、という気もするが)、サポートメンバーたちがステージに戻ってくると、なぜか全員で飴やお菓子などをガンガン客席に投入。これは脈絡がなさすぎてびっくりしてしまった。
すると今回はコーラス2人がいることで、MCくらいでしか声を発していない佐藤がサビを歌い、岸田は声を加工して歌う「水中モーター」から、打ち込みがメインなイメージの強い、くるりのダンスアンセム「WORLD'S END SUPERNOVA」は松本のギターとクリフのドラムにより、バンド感の強いダンスチューンとなり、客席中央の天井に吊るされているミラーボールがキラキラと輝きだす。
すると本編終盤は「TEAM ROCK」のまだ演奏されていない曲のゾーン。打ち込みやエレクトロを導入し始めたのがこのアルバムであることがよくわかるが、今回のライブがこうも肉体性、バンド感が強いと、当時のライブではどうだったんだろうか、と思ってしまう。
野崎だけならずアチコもキーボードを弾くのは名曲にして代表曲の一つ「ばらの花」。加藤のコーラスにより、再現性は抜群。
そしてラストは岸田が「2000年頃に買った。これを使って初めて作った曲」と、バンジョーを弾きながら歌う「リバー」。これまでも高田漣や吉田省念がバンジョーを弾いてこの曲を演奏してるのは見たことがあるが、岸田が歌いながらバンジョーを弾くのは初めて見た。
現に省念在籍時もこの曲は当時のくるりのメンバーでのテーマ曲のように毎回最後に演奏されていただけに、アルバムの最後の曲ということも手伝い、実にライブを締めるのがよく似合う。
しかしながら再現ライブと言いながらもまだやってない曲があるだけに、これで終わることはなく、まずは岸田が1人で登場。
「この時期はピアノで作った曲が多くて」
と言うと、「TEAM ROCK」の「カレーの歌」を野崎の鍵盤を使って弾き語る。こうして聴くと、「この曲、こんなに切ない曲だったっけ」と思うが、最後の最後に岸田が音を間違えるという締まらなさに。本人も思わず
「あ、間違えた」
というくらいに誰もがすぐわかる外し具合だった。
そんな岸田のミスが伝染したのか、メンバーが全員揃って「ブレーメン」を演奏しようとするも、佐藤がベースを変えていないことに気づいていったん演奏が止まる。
「時間を稼ぐために、物販の話をするか、なんかやってない曲をチラッとやるか」
と言って、岸田がアコギで弾き語り始めたのは、再現ライブなのにもともとは演奏する予定ではなかったという「TEAM ROCK」の「迷路ゲーム」。
「他の会場に来た人には内緒やで」
と言っていただけに、本当にやるつもりはなかったのだろうか。
そして佐藤がベースを変えると再び「ブレーメン」を演奏するのだが、岸田がアコギになったことにより、原曲のクラシックな部分はかなり減退し、やはりクリフのドラムと、ファンファンがいる時はトランペットで演奏されるフレーズを松本がギターで演奏することにより、軽快なロックサウンドに。
さらに、これで最後の曲だったら、「アンテナ」再現ライブの予告なんじゃないのか?と思った「Morning paper」。だが最後の曲ではなかったため、いつものようにライブではおなじみの曲として演奏したのだろう。
「くるりは来年20周年を迎えます。誇れるものは何もないけど、チャレンジだけをし続けてきた20年。誰もやってないことをやり、誰も言ってないことを言ってきた」
という岸田の言葉は、アルバム毎に毎回サウンドを変えてきた、くるりだからこそ強い説得力がある。
「まだ水曜日だからみんな暗い顔をしている(笑)明日からも仕事頑張らなあかんで。そういう曲を最後に」
と言ってラストに演奏されたのは
「誰かのために働く」
というフレーズがまさにスーツ姿も多いこの日の、というか今のくるりのファンにはぴったりな「Liberty & Gravity」。アチコと加藤のダンスとハンドクラップがこれまでにこの曲が演奏された時よりはるかに華を添えていた。
演奏を終えると全員がステージ前に並び、間違いなく今回のライブの最重要メンバーであるクリフを真ん中にして一礼し、観客を背にして写真撮影。くるりくらいのキャリアがあるバンドがこうして写真撮影をすることはあまりないイメージだが、きっとクリフは今回のツアーにしか参加しないだろうし、そう考えるとこのメンバーでライブができるのもあと数回のみ。こうしていろんな会場で、ちゃんとライブをやった証を残しておきたかったんじゃないかという気がする。
この時期のアルバム曲は、今や普段のライブで演奏されることは本当に少ない。というか、ほぼない。なので、すでに発売から15年近く経ち、曲が色あせたんじゃないかという思いも少しはあったが、「ワンダーフォーゲル」「ばらの花」「WORLD'S END SUPERNOVA」という、今でもライブで演奏されている、くるりのアンセム達は全く色あせていないし、飽きない。ということは、それらの曲を挟むようにして演奏されていた曲も全く色あせてないということ。
次にやるであろう、「アンテナ」と「NIKKI」の再現ライブも期待して待ってます。
1.TEAM ROCK
2.ワンダーフォーゲル
3.LV30
4.愛なき世界
5.GUILTY
6.静かの海
7.GO BACK TO CHINA
8.トレイン・ロック・フェスティバル
9.THANK YOU MY GIRL
10.ARMY
11.砂の星
12.男の子と女の子
13.アマデウス
14.MIND THE GAP
15.水中モーター
16.WORLD'S END SUPERNOVA
17.C'mon C'mon
18.永遠
19.ばらの花
20.リバー
encore
21.カレーの歌
22.迷路ゲーム
23.ブレーメン
24.Morning paper
25.Liberty & Gravity
ばらの花
http://youtu.be/uyTkLibf4rM
WORLD'S END SUPERNOVA
http://youtu.be/JxXR7QL9Ji0
Next→ 11/22 The Mirraz @東京キネマ倶楽部
すでにこの日の前にも同じ内容のライブが行われているが、今回のライブのメンバーは
岸田繁(ボーカル&ギター)
佐藤征史(ベース)
のメンバー2人に加え、
松本大樹(ギター)
野崎泰弘(鍵盤)
クリフ・アーモンド(ドラム)
加藤哉子(コーラス)
アチコ(コーラス)
というサポート5人を加えた7人編成。(ファンファンはまだお休み)
松本は近年のくるりのライブではおなじみの存在になりつつあるが、かつてサポートメンバーであったクリフ・アーモンドは実に久々の出演。
完全に満員状態の中、19時になるとメンバーがステージに登場。岸田は髪型が当時のものにかなり近くなっており、どこか若返っているようにも見える。
1曲目は「TEAM ROCK」のタイトル曲。初めて聴いたときは若干悪ふざけのように聞こえた、ヒップホップのような歌唱の曲だが、この編成によるものか、実にファンキーな曲に聞こえる。
さらにここでくるりのアンセムの一つ、「ワンダーフォーゲル」。フェスなどでは1曲目にやることはあるが、アルバムの曲順通りとはいえ、2曲目で早くもピークのような感覚になるのは実に不思議。
岸田のドラクエをはじめとするRPGゲーム愛がそのまま曲になったかのような「LV30」、
「君は歌う 安心を買ったって」
という歌詞が、同世代としてこの当時にしのぎを削りあっていたSUPERCAR「FAIRWAY」の歌い出しの
「安心を買った どうしてか心を売って買った気がしてたら
安心はどっか退屈に似てた」
へのアンサーとなっている「愛なき世界」と、「TEAM ROCK」の収録順に演奏されていたのだが、岸田が
「ここまでは、かんっぺき!な再現ライブ」
と、「完璧」の部分だけをマイクを通さずに言うことで「完璧」の部分を逆に強調すると、キン肉マンを例えに出し、「完璧を壊したくなる」ということで、前回は1stを全曲演奏してから2ndを全曲演奏していたが、今回はここから「THE WORLD IS MINE」の世界に突入。
岸田はかつてこのアルバムについて振り返った時、
「WORLD'S END SUPERNOVAに引っ張られ過ぎた、僕の中では割と失敗なほうの作品」
と評価していたが、こうして今この編成で聴くと、タイトル通りにオリエンタルな「GO BACK TO CHINA」などは現在のくるりの音楽性にもつながるところがあるように思える。
岸田の言葉の通りに自分の中でもこのアルバムは「WORLD'S END SUPERNOVA」を筆頭とした、最もダンスミュージックに接近したアルバムというイメージなのだが、この編成で聴くと実に強い肉体性を感じる。
それは主にクリフの力強くもありつつもテクニカルという、この男でしかありえないようなドラミングによる部分も大きいが、加藤とアチコの、曲によってどちらかだけがハモったり、2人で歌ったりという使い分けをしているコーラスによる部分も大きいと思われる。ちなみに「GO BACK TO CHINA」ではアチコが真後ろに鎮座している巨大な銅鑼をどかーんと鳴らす。
すると今度は一転して「TEAM ROCK」からの、岸田の鉄道マニアっぷりが遺憾なく発揮された、アッパーなギターロック「トレイン・ロック・フェスティバル」へ。この段階でアルバムの曲順通りという再現性は崩れ去るが、間奏での松本のロックサイドが垣間見えるギターソロから、クリフの力強く、徐々に速さを増していくドラムソロなど、セッション的な時間に突入。どんどんスローダウンしてダブやレゲエのような要素までも入ってくると岸田が、
「いや、「トレイン・ロック・フェスティバル」はもっと速い曲やった」
と言って、再び一気に高速化。というか、元のテンポよりも圧倒的に速くなっている。
「ちょっと疲れたから休憩させて」
とあまりにも力の入った演奏を見せた後に岸田が小休止すると、メロディもアレンジもこの時期のくるりの中では珍しいど真ん中ポップな「THANK YOU MY GIRL」から、再び「THE WORLD IS MINE」の世界へ。
本来は長尺な曲が続いたのだが、今回は少し短めに曲をアレンジしており(後で本人たちがあえてそういうアレンジを施したと語っていた)、体感的には実にここまではスムーズに展開。
岸田「この2枚でどの曲が好き?」
佐藤「うーん、そうですねぇ…」
岸田「まだやってない曲だから言えんか(笑)
じゃあ次は俺が好きな曲を」
と言って岸田がアコギに持ち替えて演奏したのら、素朴な「男の子と女の子」。この流れで聴くと、なぜこの曲が「THE WORLD IS MINE」に入ったんだろうか、という感じすらしてくるくらいに前の2曲とは飛距離がある曲。
するとサポートメンバーがいったんステージから去り、岸田と佐藤だけに。佐藤がなんとチェロに持ち替え、岸田は
「のっち(野崎)が弾いて、俺が歌ってもええんやけど、ただでさえピンボーカル好きじゃないのに、この曲をピンボーカルでやると持て余し感がすごいから」
という理由でピアノを弾きながら「アマデウス」を歌う。
すると「MIND THE GAP」がインタールード的に流れ(誰も演奏してない曲を曲数に含めていいのだろうか、という気もするが)、サポートメンバーたちがステージに戻ってくると、なぜか全員で飴やお菓子などをガンガン客席に投入。これは脈絡がなさすぎてびっくりしてしまった。
すると今回はコーラス2人がいることで、MCくらいでしか声を発していない佐藤がサビを歌い、岸田は声を加工して歌う「水中モーター」から、打ち込みがメインなイメージの強い、くるりのダンスアンセム「WORLD'S END SUPERNOVA」は松本のギターとクリフのドラムにより、バンド感の強いダンスチューンとなり、客席中央の天井に吊るされているミラーボールがキラキラと輝きだす。
すると本編終盤は「TEAM ROCK」のまだ演奏されていない曲のゾーン。打ち込みやエレクトロを導入し始めたのがこのアルバムであることがよくわかるが、今回のライブがこうも肉体性、バンド感が強いと、当時のライブではどうだったんだろうか、と思ってしまう。
野崎だけならずアチコもキーボードを弾くのは名曲にして代表曲の一つ「ばらの花」。加藤のコーラスにより、再現性は抜群。
そしてラストは岸田が「2000年頃に買った。これを使って初めて作った曲」と、バンジョーを弾きながら歌う「リバー」。これまでも高田漣や吉田省念がバンジョーを弾いてこの曲を演奏してるのは見たことがあるが、岸田が歌いながらバンジョーを弾くのは初めて見た。
現に省念在籍時もこの曲は当時のくるりのメンバーでのテーマ曲のように毎回最後に演奏されていただけに、アルバムの最後の曲ということも手伝い、実にライブを締めるのがよく似合う。
しかしながら再現ライブと言いながらもまだやってない曲があるだけに、これで終わることはなく、まずは岸田が1人で登場。
「この時期はピアノで作った曲が多くて」
と言うと、「TEAM ROCK」の「カレーの歌」を野崎の鍵盤を使って弾き語る。こうして聴くと、「この曲、こんなに切ない曲だったっけ」と思うが、最後の最後に岸田が音を間違えるという締まらなさに。本人も思わず
「あ、間違えた」
というくらいに誰もがすぐわかる外し具合だった。
そんな岸田のミスが伝染したのか、メンバーが全員揃って「ブレーメン」を演奏しようとするも、佐藤がベースを変えていないことに気づいていったん演奏が止まる。
「時間を稼ぐために、物販の話をするか、なんかやってない曲をチラッとやるか」
と言って、岸田がアコギで弾き語り始めたのは、再現ライブなのにもともとは演奏する予定ではなかったという「TEAM ROCK」の「迷路ゲーム」。
「他の会場に来た人には内緒やで」
と言っていただけに、本当にやるつもりはなかったのだろうか。
そして佐藤がベースを変えると再び「ブレーメン」を演奏するのだが、岸田がアコギになったことにより、原曲のクラシックな部分はかなり減退し、やはりクリフのドラムと、ファンファンがいる時はトランペットで演奏されるフレーズを松本がギターで演奏することにより、軽快なロックサウンドに。
さらに、これで最後の曲だったら、「アンテナ」再現ライブの予告なんじゃないのか?と思った「Morning paper」。だが最後の曲ではなかったため、いつものようにライブではおなじみの曲として演奏したのだろう。
「くるりは来年20周年を迎えます。誇れるものは何もないけど、チャレンジだけをし続けてきた20年。誰もやってないことをやり、誰も言ってないことを言ってきた」
という岸田の言葉は、アルバム毎に毎回サウンドを変えてきた、くるりだからこそ強い説得力がある。
「まだ水曜日だからみんな暗い顔をしている(笑)明日からも仕事頑張らなあかんで。そういう曲を最後に」
と言ってラストに演奏されたのは
「誰かのために働く」
というフレーズがまさにスーツ姿も多いこの日の、というか今のくるりのファンにはぴったりな「Liberty & Gravity」。アチコと加藤のダンスとハンドクラップがこれまでにこの曲が演奏された時よりはるかに華を添えていた。
演奏を終えると全員がステージ前に並び、間違いなく今回のライブの最重要メンバーであるクリフを真ん中にして一礼し、観客を背にして写真撮影。くるりくらいのキャリアがあるバンドがこうして写真撮影をすることはあまりないイメージだが、きっとクリフは今回のツアーにしか参加しないだろうし、そう考えるとこのメンバーでライブができるのもあと数回のみ。こうしていろんな会場で、ちゃんとライブをやった証を残しておきたかったんじゃないかという気がする。
この時期のアルバム曲は、今や普段のライブで演奏されることは本当に少ない。というか、ほぼない。なので、すでに発売から15年近く経ち、曲が色あせたんじゃないかという思いも少しはあったが、「ワンダーフォーゲル」「ばらの花」「WORLD'S END SUPERNOVA」という、今でもライブで演奏されている、くるりのアンセム達は全く色あせていないし、飽きない。ということは、それらの曲を挟むようにして演奏されていた曲も全く色あせてないということ。
次にやるであろう、「アンテナ」と「NIKKI」の再現ライブも期待して待ってます。
1.TEAM ROCK
2.ワンダーフォーゲル
3.LV30
4.愛なき世界
5.GUILTY
6.静かの海
7.GO BACK TO CHINA
8.トレイン・ロック・フェスティバル
9.THANK YOU MY GIRL
10.ARMY
11.砂の星
12.男の子と女の子
13.アマデウス
14.MIND THE GAP
15.水中モーター
16.WORLD'S END SUPERNOVA
17.C'mon C'mon
18.永遠
19.ばらの花
20.リバー
encore
21.カレーの歌
22.迷路ゲーム
23.ブレーメン
24.Morning paper
25.Liberty & Gravity
ばらの花
http://youtu.be/uyTkLibf4rM
WORLD'S END SUPERNOVA
http://youtu.be/JxXR7QL9Ji0
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