今年、デビュー20周年を迎え、初のベストアルバムのリリース、メンバーがバンドのこれまでを語る映画ブラフマンの公開とそのテーマ曲「其限 ~sorekiri~」のリリースなど、本人たちというよりも、周りの人たちに背中を押されて20周年だからこその活発な活動を見せているBRAHMAN。
その20周年イヤーの最大のイベントとなるのが、この幕張メッセでの主催イベント2days。過去にもBRAHMANはこの幕張メッセでワンマンを行っているが、今回はフェス形式で、初日のこの日は主にデビュー時からBRAHMANとともに戦ってきた、同世代や先輩バンドが中心に出演。
BRAHMAN
Hi-STANDARD
SLANG
COKEHEAD HIPSTERS
HUSKING BEE
COCOBAT
BACK DROP BOMB
SCAFULL KING
MONGOL800
という出演者で、2ステージ制なのだが、この日の最大のトピックはHi-STANDARDの出演。まさかハイスタをこの目で見ることができるとは思わなかった。
チケットをリストバンドに変えて会場のホール9~11に向かうが、やはり子連れの人の姿が多く見え、年齢層は高めな感じ。BRAHMANやハイスタを10代の時に聴いてきたであろう、昔のAIR JAMのTシャツを着た人も多い。
会場はホール9~10を使用し、ホール11には飲食ブースが並んでいるが、これだけ巨大な空間なのにPAエリア以外に柵が一切ない。普段から他のワンマンやフェスなどでよく来ている会場だが、いつもよりはるかに広く感じる。
12:00~ MONGOL800 [右往STAGE]
MOBSTYLE田原氏の前説が終わると、ステージ両端のスクリーンにNEXT ARTISTの文字が映し出され、陽気なSEとともに、トップバッターのMONGOL800の3人が登場。
キヨサク(ボーカル&ベース)の、
「幕張、遊びましょう~!」
挨拶で「あなたに」のイントロが鳴らされると、その瞬間からダイバーが続出し、キヨサクが歌い始めると客席から大合唱が発生するという、あまりにも熱いスタート。
「夢で逢えたら どこへ行こうか?
あなたがいれば 幕張でいいでしょ!」
とキヨサクが歌詞を変えると一段と大きな歓声が。
「モンパチさん、98年頃からBRAHMAN兄さんたちとは一緒にやらせてもらってて。今年で我々も結成17年なんですけど、今日の中では1番ペーペーです!(笑)」
と、最近ではフェスに出てもベテランの側になるモンパチがまさかのこの日最年少というあたりがこの日の出演者と客席の年齢層を伺わせる。
しかしそんなことは一切感じさせないくらいにダイバーが絶え間なく飛びまくると、「小さな恋のうた」ではもはやキヨサクよりも観客のほうが歌っているパートが多い気すらする。
ラストサビ前のパートではキヨサクのみならず、儀間崇(ギター)も客席にマイクを向けるが、キヨサクはダイバーに合わせたのか、いつもよりもさらにマイクを低くして向けると、本当にしっかり聴こえるくらいの大合唱。
モンパチ流のブルースだと思っているメッセージ性のある「神様」のアウトロで急に意図的なノイズが混じり出すと、スクリーンもテレビの砂嵐状態のような画面になり、キヨサクが拡声器を手にすると、スクリーンも安保法案や沖縄の基地移転に反対する人たちの映像が映り、現政府に中指を立てる痛烈なメッセージの「MONSTER GOVERNMENT」へ。
客席でダイブが起きまくる演奏、この政治や社会に対する明確なメッセージ。モンパチはどんなフェスに出てもアウェー感を感じさせない名曲を持っているバンドだが、やはりこのバンドはパンクバンドなんだと再確認させてくれる。
続けて
「戦後70年。70周年とは言いたくないんだな、俺は。沖縄でも地上戦があって、それを語るおじいちゃんおばあちゃんも少なくなってきて。俺たちがこのキーワードを歌うことで、このことをGoogleとかYahoo!で調べて、知ってくれる人が増えてくれたら」
と言って、同じく最新アルバムから沖縄のことを歌った「himeyuri ~ひめゆりの詩~」で沖縄に住んでいるものとしてのメッセージを発すると、
「BRAHMAN兄さん20周年おめでとうー!今日は祭りじゃ祭りじゃー!」
と一転してポップに弾ける「PARTY」から、まさに「明日は日曜日」というシチュエーションで演奏された「DON'T WORRY BE HAPPY」で最後に再び大合唱を巻き起こして終了。
もはや客層とか一切関係なしに全員が楽しめるライブができるこのバンドは本当にすごいし、もうここまで誰しもが歌える曲を持つバンドは出てこないんじゃないかとすら思う。
1.あなたに
2.Your Song
3.OKINAWA CALLING
4.小さな恋のうた
5.神様
6.MONSTER GOVERNMENT
7.himeyuri ~ひめゆりの詩~
8.PARTY
9.DON'T WORRY BE HAPPY
himeyuri ~ひめゆりの詩~
http://youtu.be/fu_77avtO2c
12:50~ SCAFULL KING [左往STAGE]
中心メンバーのTGMX(ボーカル&トランペット)、Kenji Masubuchi(ギター)、福田”TDC”忠章(ドラム)がFRONTIER BACKYARDとして活動している、SCAFULL KING。現在はあまり活発に活動していないが、BRAHMANの記念すべき日に集結。
ステージ後ろにはバンドの幕が張られ、メンバーが登場すると、AKIRATT(トロンボーン)、NARI(サックス)のホーン隊が奏でるサウンドが否が応でも快楽的にさせる。
曲によってはTGMXもトランペットを吹くのだが、吹き終わったトランペットをスタッフに投げるあたりは「おお!」と思わされる。
FRONTIER BACKYARDとしての活動もかなり長くなっているだけに、もはや完全にベテランのおじさんたちだが、そんなことを微塵も感じさせないくらいにMCも全く挟まずに陽性スカパンクを連発していく。TGMXはもちろん、ホーン隊の2人も曲によってはマイクを持ってステージ上を端から端まで駆け回っている。
FRONTIER BACKYARDもあるとはいえ、こんなに楽しそうにライブやってるのにほとんど活動してないってすごいな、と思っていると、TGMXが
「楽しいんで、来年あたりにツアーやっちゃおうかなって思ってます!」
と宣言。そのままメンバー紹介もするのだが、すっかり紹介されるのを忘れられていたNARIに「BRAHMANをラップで紹介してみて」と無茶振りするも、ラップし始めた直後に演奏に入り、ラップは聴けず。
ダンスミュージックの要素をふんだんに取り入れ、シンセがサウンドの軸になっているFRONTIER BACKYARDとは音楽性が全く違うが、SCAFULL KINGもFRONTIER BACKYARDも根底にある、「とにかく楽しい音楽を」というのは変わらない気がする。その時々にやりたい音楽が違う、っていうだけで。
1.SAVE YOU LOVE
2.BRIGHTEN UP
3.NEEDLESS MATTERS
4.LUNCH IN THE JAIL
5.Whistle
6.You and I Walk and smile
7.WE ARE THE WORLD
8.No Time
9.The simple anger
10.Irish farm
Irish farm
http://youtu.be/qvmCOh66flI
13:40~ BACK DROP BOMB [右往STAGE]
最初にステージに出てきた段階で8人編成(サックスで先ほどライブしたばかりのSCAFULL KING・NARIの姿も)という大所帯のBACK DROP BOMB。
最後に登場した白川(ボーカル)は巨体に帽子をかぶり、でかい白パーカーを着ており、ボスキャラみたいな威圧感を発揮している。
イントロ的な演奏を経ての1曲目「BACK DROP BOMB」から、その白川と小島(ボーカル)のツインボーカルの掛け合いはやはり見事だが、序盤は白川のマイクの調子があまり良くなかったのか、明らかに歌ってはいるのだが、声が聞こえないというところもあった。
曲ごとに、というよりも1曲の中に様々な音楽性を取り入れているだけに、これぞミクスチャーロックという感じ。そのミクスチャー感には、曲によってパーカッションとシンセを使い分ける松田'チャーべ'岳二の参加も大きいだろう。
「BRAHMAN20周年おめでとう。俺らも去年20年を迎えたんだけど、ここを過ぎればすごい気が楽になるよ。まぁ俺たちが年に10本くらいしかライブやらないからってのもあるだろうけど(笑)」
と、白川なりのBRAHMANへのエールを送ると、前半は歌い上げるようなボーカルが多かった2人が、後半はツインボーカルというより2MCというようなヒップホップ色が強くなる。そんな自由自在なサウンドを支えるメンバーの演奏もどっしりと重いが、今や浅井健一の新バンドROMEO's bloodなど、様々なサポートでも活躍する有松のドラムはどれだけテンポやサウンドが変わろうが、全く揺らぐことはなく、この男のリズムがこのバンドの最大の土台である。
ほぼMCもなしに突っ走ったライブだったが、客席は満員と言っていい状態。今はフェスとかでもかなりステージは縮小してきているが、元々はメインステージに出ていた。それだけの器であるバンド。
1.BACK DROP BOMB
2.THAT'S THE WAY WE UNITE
3.Turn On The Light
4.ROAD
5.REMIND ME
6.You Up Around
7.Progress
8.Bounce It
9.Blazin'
10.CLAP
11.Bad News Come
THAT'S THE WAY WE UNITE
http://youtu.be/UF0Tvqu9aLg
14:30~ COCOBAT [左往STAGE]
板付の状態でスタートすると、ギターのSEIKIとベースのTAKE-SHITが上半身裸で短パン。この出で立ちでどんなバンドなのかはだいぶ想像できるが、重いサウンドもHIDEKIの歌というよりもう叫びというボーカルも、ハードコアそのもの。
しかしながらただ爆音で激しいライブをしているというだけでなく、幾度もメンバーを変えながら1990年頃からライブをしているだけあって、さすがに演奏は実にしっかりしている。というか普通に上手い。曲中にはBRAHMANとも深い親交を持つ格闘家・佐藤ルミナもステージに出てくる。
ただ、やはりこの手のバンドは非常に好みが分かれるのは仕方ないとはいえ、客席はここまでのアクトに比べると余裕があった。
しかしMC一切なしで曲と曲の間も全くあけずにひたすら曲を連発していくというスタイルはBRAHMANに通じるところがある、というか、震災後にTOSHI-LOWが喋るようになる前のBRAHMANと同じである。ハードコアソウルを共有する仲間ということか。
Grasshopper
http://youtu.be/NBhR5npbTo0
17:20~ HUSKING BEE [右往STAGE]
再始動後、最初のライブもこの会場(DEVILOCK FINAL)だった、HUSKING BEE。そのあとメンバーも変わり、現在は
磯部正文(ボーカル&ギター)
平林一哉(ギター&ボーカル)
岸野一(ベース)
山崎聖之(ドラム)
という編成。
磯部がステージ右側、反対側に平林、真ん中に岸野(反核パーカー着用)という立ち位置で、「Cosmic Rays」から新旧の名曲たちを次々と演奏していく。磯部たちよりははるかに若い山崎のドラムからはどこかフレッシュさを感じ、バンドの平均年齢のみならず、サウンドまでも若返っているような印象を受ける。
初期の代表曲たちではダイバーも続出していたが、再始動後の「A Youth That Glows Old」をじっくり聴かせると、
「BRAHMANのたどってきた道、その道にふさわしい曲…この曲じゃないかと思います」
と前置きした「一道のイデア」からはイントロだけでダイバーが発生したり大歓声が起きる名曲の連打っぷり。
磯部がブルースハープを装着すると「長渕さんじゃないから(笑)」と言って笑わせ、
「この前、クラムボンがカバーしてくれたみたいで…光栄極まりないです」
と言って「欠けボタンの浜」を演奏すると、
「BRAHMANの20年の歩みにリスペクト。これからの歩みも、本当に楽しみにしてるよ」
と、BRAHMANにエールを送って最後に演奏されたのは、Ken Yokoyamaがカバーしたことで一気にこのバンド最大の代表曲になった「WALK」。
ハスキンは復活してメンバーが変わってから、近年のフェスやイベントでは動員に苦戦しているところもよく見る。だがこんな広い客席が満員で、みんな本当に楽しそうにダイブしたりしている。それだけ多くの人に聴かれ、その人たちを勇気付けてきたバンドだというのがよくわかる。
1.Cosmic Rays
2.A SMALL POTATO'S MIND
3.NEW HORIZON
4.SUN MYSELF
5.A Youth That Glows Old
6.一道のイデア
7.8.6
8.欠けボタンの浜
9.THE SUN AND THE MOON
10.WALK
WALK
http://youtu.be/gPRx7cK6VeU
16:10~ COKEHEAD HIPSTERS [左往STAGE]
メンバーの出で立ちだけでも、親しみやすいおじさんたちのバンド、というのがすぐわかる、COKEHEAD HIPSTERS。
パンクを軸としながらも、スカやレゲエっぽいリズムやフレーズを曲に取り入れており、曲にも親しみやすさがある。
見た目は実に若々しいKOMATSU(ボーカル)は激しく動くわけではないが、蹴り上げるかのように足を高くあげる動作が目を引く。
すでに一回解散してから再始動しているという点では先に出演したハスキンと同じだが、ほとんど活動してないSCAFULL KINGを含め、なぜみんなこれほどまでに現役感バリバリなんだろうか。演奏も実に上手く、長い歴史の中でも常に自分たちを高めているのが確かにわかる。
この日、他の出演バンドはあまりしゃべらないバンドも多かったが、明らかに日焼けしまくっている、タトゥー入りまくりのベーシスト・KOBAが喋り始めると、(KOMATSUはMC中、ステージに座っていた)
「我々は実はBRAHMANとは非常に縁深くてですね。昔ハイスタがレーベル作って、ハスキンを呼んでリリースしたりしてるのを見て、というかそれを丸々真似したんですけど(笑)、我々もレーベルを昔立ち上げまして、そこでBRAHMANを呼んでリリースしてもらおうと思いまして。そしたらTOSHI-LOWからレコーディング直前に電話がかかってきまして。
「ギターが抜けたから俺がギター弾く」
って。そしたら実際にTOSHI-LOWがギター弾いて。その当時はライブもTOSHI-LOWがギター弾きながら、スリーピースでやってたんですよ」
と、当時を知るバンドだからこそ話せるBRAHMANの過去を語る。
終盤にはホーン隊2人(1人はSCAFULL KINGのNARI)も加えて、さらに賑やかにパーティー感を強めるも、最後の最後に演奏されたのはこの日1番の爆音ハードコア。
演奏が終わると、KOMATSUが
「COKEHEAD HIPSTERS、終わり」
と言って酒を毒霧のように吹き、KOBAは升酒を飲みながらステージを去った。
本当に見た目そのままに、人間的にも音楽的にも親しみやすいバンドだった。
NEVER BE THE SAME
http://youtu.be/5o4radaOLOU
17:00~ SLANG [右往STAGE]
札幌ハードコアシーンの雄、SLANGが幕張メッセの巨大なステージに登場。
KIYO(ギター)がいつものように上半身裸でギターを構える中、全身にタトゥーが入ってるのもあり、威圧感たっぷりのKO(ボーカル)が登場。
もはや生き様そのものとでもいうような爆音ハードコアサウンドをひたすらに叩きつけていくが、このバンドのライブには、激しい中にもどこか優しさを感じることができる。
それはKOがこの日も動物の殺処分を止めたいというMCをしていたりという、普段からの発言がそのまま音楽に人間性として乗っかっているというのもあるはず。
最後にはKOがステージから降りて、この日唯一(以外にも他にステージから降りた人はいない)客席に突入。数多くのダイバーにまみれながらも、そのダイバーにマイクを持たせて歌わせ、最後まで貫禄を保ったままでステージから去っていった。
もうアホみたいな感想しか思い浮かばないが、超かっけー。
Scum
http://youtu.be/PevjS5B-P6k
17:50~ Hi-STANDARD [左往STAGE]
そしてついにこの目でライブをする姿を見れる、Hi-STANDARD。震災後に自身の主催するフェス、AIR JAM東北以来、3年ぶりのライブである。
もはやステージが左側なのに右側の客席すらも満員になっているという状態の中、いたって普通にメンバーが登場。難波章浩(ボーカル&ベース)の髪の色はさらに鮮やかに赤くなっている。
「ノスタルジー上等じゃないの。でも今日はその思い出を通り越して楽しんでいこうぜ!」
と言うと、「Dear My Friend」からスタートすると、やはりのっけから大合唱とダイブの嵐。袖で見ている出演者や関係者の数も凄まじく、もう右往ステージの上ですら出演者や関係者で埋まっているという状態。
難波「恋してもいいけど、今日はお触りは絶対ダメだぞ(笑)
男、女の子をちゃんと守ってやれよ!」
横山「ナンちゃん、大丈夫!この人たちはみんなわかってるよ!」
と掛け合いしてから「Summer Of Love」に入るなど、ここ以外でも、不仲説とはなんだったのか思うくらいに実に自然体といった感じで会話する2人。難波は普段からNAMBA69でライブをし続けていることもあってか、声もよく出ている。
そんな難波と横山健がステージ前に出てきて観客に背を向けながらお尻を振って「Teenagers Are All Assholes」を演奏するなど、バンドの演奏自体も、空気も実に良い。
難波「まだレジェンドなんかになりたくないよ!」
横山「いや、オラはもう昔の名前で食っていきたいズラ!(笑)」
と笑えるやりとりもありつつ、キテレツ大百科のエンディングテーマ「はじめてのチュウ」のカバー「My First Kiss」のカバーも披露され、もちろん大合唱。
さらに、
「BRAHMAN20周年、本当におめでとう。20周年続けるなんて、俺たちにはできなかったもん。
俺たちが今こうやって3人でライブやれてるのは、本当にTOSHI-LOWのおかげ。全てじゃないけど、本当に背中を押してくれた。
BRAHMANがこれからも輝いてますように!」
と今日の主役のBRAHMANに感謝を告げて演奏されたのは「Stay Gold」。これまで10-FEETなどがカバーしているのはライブで聴いていたが、ついに本家バージョンをライブで聴くことができた。当然、イントロが始まった瞬間から人が前へ前へと押し寄せ、大合唱の嵐。
「来年こうしてハイスタでライブやる時は、新曲もできたらいいな~」
という横山の発言に会場がどよめきと拍手で応えると、最後に演奏されたのは、ハイスタの美メロの中に切なさが同居する「Brand New Sunset」。
「これが今の俺たちのペース」
と難波は言っていたが、こんな素晴らしいライブを見せられて、まだまだ聴きたい曲もあって、ライブを見たい人がたくさんいる以上、せめてもうちょっと定期的にライブをやってほしいと思わざるを得ない。
1.Dear My Friend
2.My Heart Feels So Free
3.Summer Of Love
4.Close To Me
5.Teenagers Are All Assholes
6.TELL ME SOMETHING,HAPPY NEWS
7.My First Kiss
8.Maximum Overdrive
9.Stay Gold
10.Fighting Fists,Angry Soul
11.Making The Road Blues
12.Brand New Sunset
Stay Gold
http://youtu.be/scqDV8X5-Xk
18:30~ super stupid [右往STAGE]
本来、この時間はタイムテーブルにはなんの名前もない、転換時間だった。
しかし、ステージに全身白ずくめでピンクのニットキャップをかぶったメガネの男が登場し、ギターを弾き始める。
最初は「誰だ?」という空気もあったが、そのギターフレーズと、続いて登場したドラマー、さらにLOW IQ 01がステージに登場すると、予感は確信に変わる。かねてから「出るのでは?」と噂されていた、super stupidの復活である。
「死亡説まで流れて…みなさんすいませんでした」
とメガネの男ことギターのジャッキー大高が言うと、
「本当にギリギリまでどうするか悩みました。今日はBRAHMANを祝いに来たんじゃないです。自分たちの筋を通しに来たっていうか、ケツを拭きに来たっていうか。ハイスタとBRAHMANの間だし、俺たち大恥かくと思います。
このライブが終わって、楽しかったなって思えたら、BRAHMANのことを祝います。16年ぶりくらいに、THE ALFEE始めます!(笑)」
とLOW IQ 01が言うと、イントロ的な「SUPER STUPID」から、ジャッキーがギターフレーズを弾いていた「WHAT'S BORDERLESS?」へ。
「大恥かく」と言っていた通り、ハイスタを筆頭に復活を果たしたバンド達に比べると、決して良いライブだったというわけではない。もちろん単純にリハや演奏をする時間がなかったであろうことは容易に察せられるが、そこはもはや問題ではなかった。
かつて解散後にはLOW IQ 01のことを「殺すリストに入ってる」とかなり意味不明なことを言っていたジャッキーがそのLOW IQ 01とともにステージに立って演奏している。それが何よりも大事なことだった。
「これからは別々の道を進むと思います」
と最後にLOW IQ 01が言っていたように、もうこの3人でステージに立つ姿は見れないかもしれないが、
「BRAHMANは俺たちがいなかったらここまで来れてなかったから!」
と言っていたように、この日のこのライブにおける最後のピースは間違いなくこのバンドであった。
1.SUPER STUPID
2.WHAT'S BORDERLESS?
3.DO IT MYSELF
4.風見鶏
5.WHAT A HELL'S GOING ON?
6.SUPER STUPID II
WHAT A HELL'S GOING ON?
http://youtu.be/ZGAMTmCxeuo
19:00~ BRAHMAN [左往STAGE]
そしていよいよこの日の主役、全出演者にお祝いの言葉をかけられていたBRAHMAN。おなじみのSEが流れると、スクリーンにはこれまでの20年間の色んな場面が映し出され、映像が終わるとすでにステージにはKOHKI(ギター)とRONZI(ドラム)がおり、2人で演奏を始めるとMAKOTO(ベース)も登場して、イントロを演奏し始め、ドレッドヘアになったTOSHI-LOWが登場すると、「TONGFARR」からスタート。
オープニングこそ厳かだったが、「FOR ONE'S LIFE」からは客席もエンジン全開。高校野球の応援歌として一躍有名になった「SEE OFF」「GOIN' DOWN」以降も初期の曲をノンストップで続けていく。
「BASIS」では大量のダイバーが飛びまくり、「PLASTIC SMILE」「BOX」などの選曲も近年のライブではなかなか聴くことができないが、「BEYOND THE MOUNTAIN」「DEEP」とキラーチューンをつなげるように演奏し、ますますテンションが上がる。
というか、前半でわかってはいたのだが、このセトリはベストアルバムのDISC1を順番に演奏している。だからこそどちらかと言うと初期の曲が多かったわけだが、あのベストアルバムがライブでの曲順を想定していたということがわかると改めて驚かされる。
「時の鐘」のイントロではひときわ大きな歓声が上がり、「ANSWER FOR…」ではダイバーが続出するとともに大合唱が発生。さすがにメンバー、特にTOSHI-LOWはこれだけの曲数をノンストップで続けながらもどの曲でも凄まじい運動量を見せているだけに、かなりキツそうな感じではあったが、ボーカルに関しては全くそんな気配を感じさせないくらいに終盤になっても変わらない。
「ARTMAN」を振り絞るように歌うと、TOSHI-LOWはマイクスタンドを抱えたままでステージの上に倒れこむ。しかしながらさらに立ち上がって「THE SAME」を演奏すると、MAKOTOもステージに倒れながらベースを弾く。
そのMAKOTOが立ち上がってKOHKIとRONZIに続いてステージを去ると、最後に残ったTOSHI-LOWがこの日最初で最後に口を開く。
「震災前、行動だけが現実だった頃、俺は何も喋らなかった。喋る必要がなかったから。喋る必要がないくらいにすごいやつらが周りにいたから。
20年間を振り返ったことはないし、あの頃は良かったって思ったこともない。でも、今日袖で見てて、俺たちが信じてたあの音楽は、あの時代は、すごいいい時代だったんだなって。
妬んだこともあった。拗ねたこともあった。でも今日、手の上に残っているのは感謝ばかり。ありがとうございました」
と、確かに涙ぐんだ声と涙を孕んだ目で、TOSHI-LOWにしか言えない言葉を言って、初日を締めた。
会場が明るくなると、スクリーンにはこの日の出演者の写真が映し出され、オープニング同様にMOBSTYLE田原氏の挨拶をもって初日は終了。
この日がベストアルバムのDISC1を全曲演奏したということは、翌日はやはり…。ということを京葉線が運転見合わせになり、駅前がごった返している海浜幕張駅で思っていた。
1.TONGFARR
2.FOR ONE'S LIFE
3.SEE OFF
4.GOIN' DOWN
5.GREAT HELP
6.BASIS
7.SHADOW PLAY
8.PLASTIC SMILE
9.BOX
10.BEYOND THE MOUNTAIN
11.DEEP
12.NO LIGHT THEORY
13.Z
14.時の鐘
15.ARRIVAL TIME
16.THAT'S ALL
17.THERE'S NO SHORTE WAY IN THIS LIFE
18.ANSWER FOR…
19.NEW SENTIMENT
20.ARTMAN
21.THE SAME
BASIS
http://youtu.be/9y1BHCp1ZSE
この日、かつてエアジャムのマリンスタジアムのスタメンに名を連ねてたバンド達のライブを見て、あの頃もこんな感じだったんだろうか、って想像してた。でもきっとあの頃はステージ上も客席もみんなもっと若かったから、もっと熱かったんだろうな。
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