キュウソネコカミ 試練のTAIMANツアー2015 ゲスト:忘れらんねえよ @EX THEATER ROPPONGI 11/5
- 2015/11/06
- 05:56
まさかのMステ出演以降も夏フェスなどで各地に熱狂を巻き起こしてきた、キュウソネコカミ。先月にメジャーでは初のフルアルバム「人生はまだまだ続く」をリリース。間髪入れずに始まった対バンツアーの序盤、4本目となるのがこの日の六本木EX THEATER。
この日の対バンはキュウソが「宿命の敵」と称する、忘れらんねえよ。忘れらんねえよのPVにキュウソネコカミが出演しているという間柄である。
チケット即完で超満員の中、開演前にはキュウソのライブではおなじみのポンコツピープルであるAT FIELD青木氏による、相変わらずの滑舌の悪い前説兼諸注意が行われると、この日の対バン、忘れらんねえよへ。
・忘れらんねえよ
先日、かねてから休養していた、ドラムの酒田の脱退が発表された、忘れらんねえよ。これまで同様にマシータ(ex.BEAT CRUSADERS)、タイチ(爆弾ジョニー)をサポートに迎えて活動していくことが発表されたが、この日のサポートドラマーはマシータ。
会場が暗転すると、柴田(ボーカル&ギター)の影アナで、前日にキュウソが出演したSCHOOL OF LOCK!で、キュウソのメンバーが「柴田はセイヤの真似をしている」と発言した様子が流されると、客席最後方にはセイヤのお面をつけた柴田が登場。
「真似なんかしてない!たまたまだ!そして俺はたまたま思いついた!ここからみんなの上を歩いてステージまで行く!」
と、真似してないと言いながらも、思いっきりセイヤのパクりパフォーマンスでステージまで到達。セイヤのお面はあっさり投げ捨てている。
ステージにはすでに梅津とマシータも登場しているが、演奏を始めるより先に柴田が
「俺がたまたま思いついたコール&レスポンスをやってみようと思う!」
と言うと、「お願い!」「シェンロン!」というキュウソの曲名まんまのコール&レスポンスを敢行と、ここまではキュウソにあやかりまくり。
「この街には君がいない」でようやくライブがスタートすると、マシータのスピード感溢れるドラムによって、やはり曲のテンポはかなり速くなっている。
「こんばんは!ゲスの極み乙女。です!」
と挨拶からすでに嘯く柴田は川谷絵音の顔真似までしてしまう。
そんな緩い空気の中で始まったシリアスな「バンドやろうぜ」では
「あいつのバンドがMステに出てるから」
のフレーズで「キュウソ~!」と先にMステデビューを果たしたキュウソの名前を叫び、「ばかばっか」ではおなじみの間奏で人の上を渡ってビールを取りに行く時に、ビールとともにメガシャキを取り、メガシャキとビールを一気飲みするというメガシャキのタイアップを取っているキュウソの対バンだからこそのパフォーマンスをしてみせる。
さらに「寝てらんねえよ」ではいったん観客を全員座らせてから一斉にジャンプさせるが、
「夜の本気ダンスのライブを見て思いついた」
とあっさりと言ってしまう。
「キュウソとは4年くらい前から、100人くらいしか入らないようなライブハウスでよく対バンしてて。セイヤ君とよく、
「売れてるバンドみんな死ねばいいのにな!」「そうっすね!」「Mステなんか一生出れる気しないよな!」「いや、ホンマにそう思いますわ~」
とか言ってたのに、出てるじゃねぇかよ!
もうMステとか次回予告を見たくないんだよ!なのに俺たちのファンはおかしいやつが多いから、わざわざツイッターで俺に「来週Mステにキュウソ出ますよ!」って報告してくるやつがいんの!だから金曜日の9時前はもうツイッターすらも開かない!」
とキュウソのMステ出演を引っ張りまくるも、
「俺は昔、好きだった女の子を見返すために曲を作ってた。あいつ結婚して子供できやがって、バカヤローが。でもまだ諦めてないからな!(笑)
でも最近は曲を作るとき、ライブハウスに来てくれるみんなの顔とか、CD屋にCD買いに行ってくれるみんなの顔が最初に思い浮かぶようになってきてるんだよ。みんな、この曲聴いたらどう思うかなって。
だから、ようぺいん([Alexandros]の川上洋平)とかが、「愛してるぜー!」とかよく言うじゃん?(川上の顔真似をするもまるで似てない)あれっておべっか使ってるんじゃなくて、みんな本当にそう思ってるんだよ。だから、みんなは俺たちにとって、みんなが思ってる以上に大きな存在なんだよ」
と真面目な話をすると、素直に拍手が起こる。実際、この日の忘れらんねえよのライブはアウェー感が一切なかった。それだけに響くものが多かったのだろう。
テーマはバカっぽいが内容は実に切ないグランジロック「犬にしてくれ」から、バンドのアンセム的ソング「この高鳴りをなんと呼ぶ」、そしてラストは会場の観客が1番後ろまでみんな手を振りながら合唱する「忘れらんねえよ」。演奏を終えると、
「あそこから帰る!」
と、客席後ろの扉まで観客に運ばれて、観客の間をかき分けてステージを去って行った。
観客から問いかけられていたが、柴田は酒田が脱退したことについて「今日は人のツアーだから」と言って話さなかった。自分たちのツアーでは話すことになるんだろうが、キュウソのことばかり話して、いつものように面白いことやって。忘れらんねえよもキュウソも悲壮感は似合わない。この日を楽しくしたいというキュウソと、この日への観客への思いだけをぶつけたような心意気を感じた。
1.この街には君がいない
2.Cから始まるABC
3.体内ラブ ~大腸と小腸の恋~
4.バンドやろうぜ
5.北極星
6.ばかばっか
7.寝てらんねえよ
8.ばかもののすべて
9.犬にしてくれ
10.この高鳴りをなんと呼ぶ
11.忘れらんねえよ
犬にしてくれ
http://youtu.be/DI-X84vkUf4
・キュウソネコカミ
そして後攻のキュウソ。忘れらんねえよがあれだけ好き放題やった後ではさぞやりづらいだろうな、と思うところもあったが、やはりそこは観客のキュウソTシャツ着用率がすべてを物語っているというか、100%このバンドのライブを待っていたという空気がメンバーの登場から溢れかえっている。
「キュウソネコカミです!よろしくお願いします!あそこに書いてある通り、楽しくても思いやりとマナーを忘れずにな!」
とセイヤが爽やかに挨拶すると、いきなり先ほど忘れらんねえよにメガシャキを持ち出された、メガシャキのタイアップ曲「MEGA SHAKE IT!」でスタート。違う曲と言っていいくらいに転調する「ハウスミュージック」の部分の振り付けも完璧にこなす客席。
おなじみ「ファントムバイブレーション」ではセイヤが広いステージをいつも以上に動き回り、「GALAXY」での宇宙人ダンスも完璧に揃っている観客の息の合いっぷりは壮観。
オカザワの刻むギターとカワクボの跳ねるようなベースがどこかレッチリを彷彿とさせるサウンドの「ビーフ or チキン」からは最新作「人生はまだまだ続く」のゾーンへ。
「28歳ともなると、親戚や友人が結婚してどんどん子供ができていきます。子供は本当に見ていて可愛い。でも、娘と父親はいつから関係がこじれていくのか。いつか自分に娘ができたら、娘の前で歌いたい」
と前フリして披露されたのは、アルバムのリードトラックにして、父親の成長した娘への悲哀をキュウソならではの視点で描いた「泣くな親父」。さらにヤケクソ気味にアッパーなサビの「イマジネンス」へ。
カップリング曲「伝統芸能」ではセイヤが赤いラメラメの服を着てこぶしの効いた歌唱を見せると、
「最近、我々の地元界隈のバンドに良からぬ噂が流れてる。男女のあれやこれやや。手を出すバンドマンも悪いが、言い寄る女も悪い!そんな女に手を出すバンドはみんな売れるんじゃねぇ!
まぁ我々、いや私はそんなことは絶対しないですけどね。久しぶりにそんな曲をやります」
と言って演奏されたのは、ソゴウのタイトルコールで始まり、歌詞は最低な男を描いているにもかかわらず、ヨコタのシンセのフレーズが切なさを感じさせるダンスナンバー「たまにいるタラシくん」。この意外な選曲には大きな歓声が上がった。
刀のぶつかるサンプリング音がありつつも、かなり真面目な部類に入る「適度に武士道、サムライBOYS。」、「ネコ踊る」のフレーズが大胆に入りまくっているネコ賛歌「NEKOSAMA」と、最新アルバムの中でも音で遊んでいるような曲が続くと、
「忘れらんねえよはマイナビとか鳥人間のタイアップで、実はキュウソよりテレビで流れてる気がする」
「忘れらんねえよもMステ出ればええねん。出て、thank you sex言いまくって、テレ朝を出禁になって欲しい(笑)
俺らはやっちゃいけないことやんなかったから、2回目も狙ってるけどな!」
とセイヤとヨコタが忘れらんねえよいじりをすると、
「俺がオリジナルや!俺は手を使わんと足だけで歩いてみせる!」
と言って「DQNなりたい~」でセイヤが客席に突入して観客に支えられながら歩くと、
「売れたら遠くに行っちゃった、とかアホかー!こんなに近くまで来てるやろうがー!」
と物理的に観客の近く、というか観客の中に入って叫び、ステージに転がりながら戻ると一転して切ない名曲「何も無い休日」、おなじみの盆踊りサークルができると、セイヤも盆踊りを踊りまくる「KMDT25」(BAYCAMPでやった高速バージョンはお蔵入り?)、そしてラストはどこかとぼけたようなテーマながら、
「大体モグモグしてればハッピーで 僕ら何度でも立ち上がれるんだ」
という、人生の真理なんじゃないかと思わせる、周りにいる憎めない人々のことを歌った「ハッピーポンコツ」で歓喜のダンスを踊って本編は終了。
アンコールではセイヤとヨコタがなぜかステージ上で相撲を取ったりする中、
「唱えれば願いが叶う魔法の言葉をみんなで叫びましょう。もし願いが叶ったら、この曲を聴いたおかげ。願いが叶わなくても我々は知りません。すべてはこの曲を聴いたあなた次第です」
と言って、魔法の言葉「お願いシェンロン」を唱えてセイヤと観客がかめはめ波を打ちまくると、間奏ではセイヤが鳥人間コンテストの乗り物みたいなものに乗り込んで観客の上を泳ぎまわり、真ん中あたりまで到達すると、急にステージ上のメンバーが、忘れらんねえよの「ばかもののすべて」を演奏して(ヨコタがボーカル)、セイヤは鳥の覆面を被って乗り物から降りて観客の上を転がっていく。いくら仲がいいとはいえ、忘れらんねえよの曲をマスターして臨んでくるというキュウソの忘れらんねえよに対するリスペクトぶり。こういうところが他のバンドからも愛される所以。
するとセイヤが観客の上に止まったまま、前回ツアーから演奏され、「人生はまだまだ続く」のシークレットトラックにして、歌詞に「人生はまだまだ続く」というフレーズが出てくる「ブルース」へ。
「バンドはすぐ解散したり活動休止したりメンバーチェンジしたりする!忘れらんねえよだって色々あるけど、あの人たちもバンドを止める気は全然ない!
でももしかしたらキュウソと忘れらんねえよを見るのは今回が最後になる人もいるかもしれない!でも好きなバンドがいたら、ライブ見に行ってやってくれ!バンドがやっている奇跡ってやつを目撃してくれ!」
とセイヤが熱い言葉を投げかけるが、歌詞もこの言葉そのものと言っていい曲。
2日前の、活動を休止することを選んだthe telephones、誰かがいなくなる時は解散する時だと誰もが思っていながらも続けることを選んだRADWIMPS(智史は脱退したわけではないが)。この数日に見たバンドのライブの余韻がまだ残ってる真っ只中だったので、このセイヤの言葉は本当に沁みた。キュウソのライブでこんな心境になるなんて、と思うほどに。
これで終わりかと思いきや、セイヤがステージに戻って最後に演奏されたのは「ビビった」。やはり最後はみんなで楽しく騒いで、笑顔で終わる。そんなキュウソの美学を見せつけられたような終わり方だった。
飛び道具的な派手なパフォーマンスは過去曲に譲り、新作の曲は毒も控えめに音そのもので遊んでいる、といった印象だった。これが果たしてこれからどう作用していくのか。キュウソらしさはおそらくずっと消えることはないだろうけど。
1.MEGA SHAKE IT!
2.ファントムバイブレーション
3.GALAXY
4.ビーフ or チキン
5.泣くな親父
6.イマジネンス
7.伝統芸能
8.たまにいるタラシくん
9.適度に武士道、サムライBOYS。
10.NEKOSAMA
11.DQNなりたい、40代で死にたい
12.何も無い休日
13.KMDT25
14.ハッピーポンコツ
encore
15.お願いシェンロン
16.ブルース
17.ビビった
泣くな親父
http://youtu.be/tzO04hUbDNc
Next→ the band apart @渋谷O-EAST

この日の対バンはキュウソが「宿命の敵」と称する、忘れらんねえよ。忘れらんねえよのPVにキュウソネコカミが出演しているという間柄である。
チケット即完で超満員の中、開演前にはキュウソのライブではおなじみのポンコツピープルであるAT FIELD青木氏による、相変わらずの滑舌の悪い前説兼諸注意が行われると、この日の対バン、忘れらんねえよへ。
・忘れらんねえよ
先日、かねてから休養していた、ドラムの酒田の脱退が発表された、忘れらんねえよ。これまで同様にマシータ(ex.BEAT CRUSADERS)、タイチ(爆弾ジョニー)をサポートに迎えて活動していくことが発表されたが、この日のサポートドラマーはマシータ。
会場が暗転すると、柴田(ボーカル&ギター)の影アナで、前日にキュウソが出演したSCHOOL OF LOCK!で、キュウソのメンバーが「柴田はセイヤの真似をしている」と発言した様子が流されると、客席最後方にはセイヤのお面をつけた柴田が登場。
「真似なんかしてない!たまたまだ!そして俺はたまたま思いついた!ここからみんなの上を歩いてステージまで行く!」
と、真似してないと言いながらも、思いっきりセイヤのパクりパフォーマンスでステージまで到達。セイヤのお面はあっさり投げ捨てている。
ステージにはすでに梅津とマシータも登場しているが、演奏を始めるより先に柴田が
「俺がたまたま思いついたコール&レスポンスをやってみようと思う!」
と言うと、「お願い!」「シェンロン!」というキュウソの曲名まんまのコール&レスポンスを敢行と、ここまではキュウソにあやかりまくり。
「この街には君がいない」でようやくライブがスタートすると、マシータのスピード感溢れるドラムによって、やはり曲のテンポはかなり速くなっている。
「こんばんは!ゲスの極み乙女。です!」
と挨拶からすでに嘯く柴田は川谷絵音の顔真似までしてしまう。
そんな緩い空気の中で始まったシリアスな「バンドやろうぜ」では
「あいつのバンドがMステに出てるから」
のフレーズで「キュウソ~!」と先にMステデビューを果たしたキュウソの名前を叫び、「ばかばっか」ではおなじみの間奏で人の上を渡ってビールを取りに行く時に、ビールとともにメガシャキを取り、メガシャキとビールを一気飲みするというメガシャキのタイアップを取っているキュウソの対バンだからこそのパフォーマンスをしてみせる。
さらに「寝てらんねえよ」ではいったん観客を全員座らせてから一斉にジャンプさせるが、
「夜の本気ダンスのライブを見て思いついた」
とあっさりと言ってしまう。
「キュウソとは4年くらい前から、100人くらいしか入らないようなライブハウスでよく対バンしてて。セイヤ君とよく、
「売れてるバンドみんな死ねばいいのにな!」「そうっすね!」「Mステなんか一生出れる気しないよな!」「いや、ホンマにそう思いますわ~」
とか言ってたのに、出てるじゃねぇかよ!
もうMステとか次回予告を見たくないんだよ!なのに俺たちのファンはおかしいやつが多いから、わざわざツイッターで俺に「来週Mステにキュウソ出ますよ!」って報告してくるやつがいんの!だから金曜日の9時前はもうツイッターすらも開かない!」
とキュウソのMステ出演を引っ張りまくるも、
「俺は昔、好きだった女の子を見返すために曲を作ってた。あいつ結婚して子供できやがって、バカヤローが。でもまだ諦めてないからな!(笑)
でも最近は曲を作るとき、ライブハウスに来てくれるみんなの顔とか、CD屋にCD買いに行ってくれるみんなの顔が最初に思い浮かぶようになってきてるんだよ。みんな、この曲聴いたらどう思うかなって。
だから、ようぺいん([Alexandros]の川上洋平)とかが、「愛してるぜー!」とかよく言うじゃん?(川上の顔真似をするもまるで似てない)あれっておべっか使ってるんじゃなくて、みんな本当にそう思ってるんだよ。だから、みんなは俺たちにとって、みんなが思ってる以上に大きな存在なんだよ」
と真面目な話をすると、素直に拍手が起こる。実際、この日の忘れらんねえよのライブはアウェー感が一切なかった。それだけに響くものが多かったのだろう。
テーマはバカっぽいが内容は実に切ないグランジロック「犬にしてくれ」から、バンドのアンセム的ソング「この高鳴りをなんと呼ぶ」、そしてラストは会場の観客が1番後ろまでみんな手を振りながら合唱する「忘れらんねえよ」。演奏を終えると、
「あそこから帰る!」
と、客席後ろの扉まで観客に運ばれて、観客の間をかき分けてステージを去って行った。
観客から問いかけられていたが、柴田は酒田が脱退したことについて「今日は人のツアーだから」と言って話さなかった。自分たちのツアーでは話すことになるんだろうが、キュウソのことばかり話して、いつものように面白いことやって。忘れらんねえよもキュウソも悲壮感は似合わない。この日を楽しくしたいというキュウソと、この日への観客への思いだけをぶつけたような心意気を感じた。
1.この街には君がいない
2.Cから始まるABC
3.体内ラブ ~大腸と小腸の恋~
4.バンドやろうぜ
5.北極星
6.ばかばっか
7.寝てらんねえよ
8.ばかもののすべて
9.犬にしてくれ
10.この高鳴りをなんと呼ぶ
11.忘れらんねえよ
犬にしてくれ
http://youtu.be/DI-X84vkUf4
・キュウソネコカミ
そして後攻のキュウソ。忘れらんねえよがあれだけ好き放題やった後ではさぞやりづらいだろうな、と思うところもあったが、やはりそこは観客のキュウソTシャツ着用率がすべてを物語っているというか、100%このバンドのライブを待っていたという空気がメンバーの登場から溢れかえっている。
「キュウソネコカミです!よろしくお願いします!あそこに書いてある通り、楽しくても思いやりとマナーを忘れずにな!」
とセイヤが爽やかに挨拶すると、いきなり先ほど忘れらんねえよにメガシャキを持ち出された、メガシャキのタイアップ曲「MEGA SHAKE IT!」でスタート。違う曲と言っていいくらいに転調する「ハウスミュージック」の部分の振り付けも完璧にこなす客席。
おなじみ「ファントムバイブレーション」ではセイヤが広いステージをいつも以上に動き回り、「GALAXY」での宇宙人ダンスも完璧に揃っている観客の息の合いっぷりは壮観。
オカザワの刻むギターとカワクボの跳ねるようなベースがどこかレッチリを彷彿とさせるサウンドの「ビーフ or チキン」からは最新作「人生はまだまだ続く」のゾーンへ。
「28歳ともなると、親戚や友人が結婚してどんどん子供ができていきます。子供は本当に見ていて可愛い。でも、娘と父親はいつから関係がこじれていくのか。いつか自分に娘ができたら、娘の前で歌いたい」
と前フリして披露されたのは、アルバムのリードトラックにして、父親の成長した娘への悲哀をキュウソならではの視点で描いた「泣くな親父」。さらにヤケクソ気味にアッパーなサビの「イマジネンス」へ。
カップリング曲「伝統芸能」ではセイヤが赤いラメラメの服を着てこぶしの効いた歌唱を見せると、
「最近、我々の地元界隈のバンドに良からぬ噂が流れてる。男女のあれやこれやや。手を出すバンドマンも悪いが、言い寄る女も悪い!そんな女に手を出すバンドはみんな売れるんじゃねぇ!
まぁ我々、いや私はそんなことは絶対しないですけどね。久しぶりにそんな曲をやります」
と言って演奏されたのは、ソゴウのタイトルコールで始まり、歌詞は最低な男を描いているにもかかわらず、ヨコタのシンセのフレーズが切なさを感じさせるダンスナンバー「たまにいるタラシくん」。この意外な選曲には大きな歓声が上がった。
刀のぶつかるサンプリング音がありつつも、かなり真面目な部類に入る「適度に武士道、サムライBOYS。」、「ネコ踊る」のフレーズが大胆に入りまくっているネコ賛歌「NEKOSAMA」と、最新アルバムの中でも音で遊んでいるような曲が続くと、
「忘れらんねえよはマイナビとか鳥人間のタイアップで、実はキュウソよりテレビで流れてる気がする」
「忘れらんねえよもMステ出ればええねん。出て、thank you sex言いまくって、テレ朝を出禁になって欲しい(笑)
俺らはやっちゃいけないことやんなかったから、2回目も狙ってるけどな!」
とセイヤとヨコタが忘れらんねえよいじりをすると、
「俺がオリジナルや!俺は手を使わんと足だけで歩いてみせる!」
と言って「DQNなりたい~」でセイヤが客席に突入して観客に支えられながら歩くと、
「売れたら遠くに行っちゃった、とかアホかー!こんなに近くまで来てるやろうがー!」
と物理的に観客の近く、というか観客の中に入って叫び、ステージに転がりながら戻ると一転して切ない名曲「何も無い休日」、おなじみの盆踊りサークルができると、セイヤも盆踊りを踊りまくる「KMDT25」(BAYCAMPでやった高速バージョンはお蔵入り?)、そしてラストはどこかとぼけたようなテーマながら、
「大体モグモグしてればハッピーで 僕ら何度でも立ち上がれるんだ」
という、人生の真理なんじゃないかと思わせる、周りにいる憎めない人々のことを歌った「ハッピーポンコツ」で歓喜のダンスを踊って本編は終了。
アンコールではセイヤとヨコタがなぜかステージ上で相撲を取ったりする中、
「唱えれば願いが叶う魔法の言葉をみんなで叫びましょう。もし願いが叶ったら、この曲を聴いたおかげ。願いが叶わなくても我々は知りません。すべてはこの曲を聴いたあなた次第です」
と言って、魔法の言葉「お願いシェンロン」を唱えてセイヤと観客がかめはめ波を打ちまくると、間奏ではセイヤが鳥人間コンテストの乗り物みたいなものに乗り込んで観客の上を泳ぎまわり、真ん中あたりまで到達すると、急にステージ上のメンバーが、忘れらんねえよの「ばかもののすべて」を演奏して(ヨコタがボーカル)、セイヤは鳥の覆面を被って乗り物から降りて観客の上を転がっていく。いくら仲がいいとはいえ、忘れらんねえよの曲をマスターして臨んでくるというキュウソの忘れらんねえよに対するリスペクトぶり。こういうところが他のバンドからも愛される所以。
するとセイヤが観客の上に止まったまま、前回ツアーから演奏され、「人生はまだまだ続く」のシークレットトラックにして、歌詞に「人生はまだまだ続く」というフレーズが出てくる「ブルース」へ。
「バンドはすぐ解散したり活動休止したりメンバーチェンジしたりする!忘れらんねえよだって色々あるけど、あの人たちもバンドを止める気は全然ない!
でももしかしたらキュウソと忘れらんねえよを見るのは今回が最後になる人もいるかもしれない!でも好きなバンドがいたら、ライブ見に行ってやってくれ!バンドがやっている奇跡ってやつを目撃してくれ!」
とセイヤが熱い言葉を投げかけるが、歌詞もこの言葉そのものと言っていい曲。
2日前の、活動を休止することを選んだthe telephones、誰かがいなくなる時は解散する時だと誰もが思っていながらも続けることを選んだRADWIMPS(智史は脱退したわけではないが)。この数日に見たバンドのライブの余韻がまだ残ってる真っ只中だったので、このセイヤの言葉は本当に沁みた。キュウソのライブでこんな心境になるなんて、と思うほどに。
これで終わりかと思いきや、セイヤがステージに戻って最後に演奏されたのは「ビビった」。やはり最後はみんなで楽しく騒いで、笑顔で終わる。そんなキュウソの美学を見せつけられたような終わり方だった。
飛び道具的な派手なパフォーマンスは過去曲に譲り、新作の曲は毒も控えめに音そのもので遊んでいる、といった印象だった。これが果たしてこれからどう作用していくのか。キュウソらしさはおそらくずっと消えることはないだろうけど。
1.MEGA SHAKE IT!
2.ファントムバイブレーション
3.GALAXY
4.ビーフ or チキン
5.泣くな親父
6.イマジネンス
7.伝統芸能
8.たまにいるタラシくん
9.適度に武士道、サムライBOYS。
10.NEKOSAMA
11.DQNなりたい、40代で死にたい
12.何も無い休日
13.KMDT25
14.ハッピーポンコツ
encore
15.お願いシェンロン
16.ブルース
17.ビビった
泣くな親父
http://youtu.be/tzO04hUbDNc
Next→ the band apart @渋谷O-EAST

the band apart SMOOTH LIKE BUTTER TOUR in ASIAN 5 CITIES @TSUTAYA O-EAST 11/6 ホーム
10th ANNIVERSARY LIVE TOUR RADWIMPSの胎盤 RADWIMPS / 米津玄師 @Zepp Tokyo 11/4