ASIAN KUNG-FU GENERATION Tour 2015 「Wonder Future」 @東京国際フォーラム 10/15
- 2015/10/15
- 23:51
アジカンのロックンロールアルバム「Wonder Future」リリースツアーもいよいよ終盤。
序盤の横浜アリーナの段階で演奏のキレも非常に良く、何よりライブ会場に来ないと体験できない素晴らしいステージの演出をすでに見ているとはいえ、アジカンはツアー中にセットリストをよく変えるバンドであるため、ツアーに複数公演参加する価値がある。
この日は国際フォーラム2daysの初日だが、KANA-BOONのメンバーが4人揃って見に来ていたりしている中、横浜アリーナと規模がまるで違う国際フォーラムでのライブの景色がどのように目に写るのか。
ステージにはこのツアーの象徴とも言える白いオブジェが並ぶ中、19時を5分ほど過ぎたところでゆっくりと会場が暗転すると、サポートメンバーのシモリョー(the chef cooks me)を含めた5人がステージに登場。すると「Wonder Future」の先行シングル「Easter」から、ラウドと言ってもいいくらいの音圧のロックンロールに会場が支配される。オブジェに投影される映像の美しさもやはり圧巻の一言であり、この段階でやはりこれは自分の目で見るべきライブであることを確信させられる。
それからの冒頭はアルバムのオープニングと同様の流れで、合間にはゴッチによる挨拶的な短いMCも挟まれるが、セトリ自体は横浜アリーナと同じ。(というか先に言ってしまうと、本編はセトリは変わらない)反原発を打ち出した「N2」、サビで一気に開けていく「センスレス」からは過去曲も挟みながら進んでいくが、定番中の定番チューンと言える「リライト」の間奏部分では、ダブセッションもそこそこにメンバーのソロ回しに突入。ブルージーなギターを鳴らした喜多、サイケデリックなシンセで空気を変えたシモリョー、一転して手数の多いドラムで大歓声を浴びた伊地知、性格そのもののような実直なベースの山田、と一通りソロを終えるとゴッチも揃って5人の音が再び重なるのだが、このソロ回しから音が重なるまでの演奏に、この長いツアーでのバンドのグルーヴのさらなる向上がはっきりと感じ取れた。後で喜多もMCで言っていたが、来年で結成20年を迎えるバンドが今なおバンドの演奏とグルーヴを日々向上させている。これからも4人(今回のツアーは5人編成だけど)で音を鳴らし続ける限り、さらにアジカンは進化していくと確信させられた。
ゴッチの少しくぐもったようなボーカルエフェクトの「Planet of the Apes」ではこの日1番の荒々しいロックンロールが鳴り、「Eternal Sunshine」ではそれまでの鮮やかな映像とは一変して、温かい陽光のような照明だけのシンプルな演出に。かと思えば「或る街の群青」ではまさに街のような情景の中にメンバーが立っているような見事な映像が映し出され、「青空と黒い猫」ではタイトルとは対照的にステージに大きな満月が登場し、まるでゴッチのボーカルはその満月に向かって吠えているかのよう。かと思えば「Prisoner in a Flame」ではタイトル通りにオブジェに無数の枠に囲まれた抽象画が映し出され、喜多の空間的なギターフレーズがまさに水中を漂う映像とシンクロするような「深呼吸」と、すでに一度見ているにもかかわらず、ついつい引き込まれてしまう演出の数々。
「ノエル・ギャラガーもこの国際フォーラムが日本で1番好きな会場だと言っていた」
と、ゴッチらしいこの会場への愛と敬意を伝えると、イントロが鳴っただけでどこかライブのクライマックスが来たかのように感じてしまう「今を生きて」で、ここではタンバリンを叩くシモリョーに合わせて「Yeah Yeah」の合唱が起こる。というか、鍵盤のみならず、このタンバリンやさらにはギターとコーラスまでもこなして最新曲に彩りを与えるのはもちろん、過去曲への新たなアレンジを加えるシモリョーの貢献度はめちゃくちゃ高い。なんなら今回のツアーはシモリョー抜きでは成立しないと言い切ってしまってもいいぐらい。
喜多メインボーカルの「嘘とワンダーランド」でも演奏中にゴッチとシモリョーが目を合わせて「よっしゃ!」と言っているかのようなポーズを取る中、ゴッチはAメロでは軽快なステップでノリノリ状態。前述の「来年で結成20周年。まだ何をやるか全然決まってないけど」というMCをゴッチに「何の身もない話」と一刀両断されると、「じゃあ何の身もない曲を(笑)」と言い、「シーサイドスリーピング」と、自身がメインボーカルの曲を連発する喜多。
伊地知のドラムが引っ張ることで疾走感が溢れる「Signal on the Street」からはいよいよクライマックスへ。リリース当時は実験的と言われまくっていたが、今ではイントロで歓声が上がるようになった「新世紀のラブソング」から、「ネオテニー」「トラベログ」という、どこか「Wonder Future」と通じるテーマを感じる名作アルバム「ワールド ワールド ワールド」の曲をアルバムの流れと同じように続けると、「Wonder Future」の起点となったと言ってもいい「Standard」の、
「誰にも見向きもされないまま後ろ指さえ差されなくてもやがて人々が忘れてしまっても風変わりのまま ただ歌ったんだ」
というフレーズがこの大きな会場にいる、メンバーも含めた1人1人に響いていく。
そして本編ラストはアルバムのタイトル曲「Wonder Future」。オブジェに投影された街並みが曲が進むにつれて彩りを持っていく、というこの本編そのものを1曲に凝縮したような映像で終了。ゴッチは高々とギターを掲げると、1人ずつメンバーがステージを去って行った。
アンコールでは5人が揃いの衣装で登場し、ファンからの人気が高い名バラード「海岸通り」、かつてはおなじみだったが、近年はワンマンでもやらなくなっているだけに、イントロで大きな歓声が上がった「ループ&ループ」、この日も「らっせーらっせー」の大合唱が響いた「君という花」、ゴッチが2番のサビで盛大に歌詞を間違えてしまい、メンバーが苦笑せざるを得なかった「転がる岩、君に朝が降る」という人気曲が続いたのだが、ある程度ブロックごとに固めていた本編とは異なり、1曲ごとに機材を交換していたあたり、ここはメンバーがやりたい曲というよりもファンサービスを重視した選曲だと思われる。
照明こそあれど、映像などの特別な演出もないだけに、セトリを変えることができるのはこの部分くらい。しかし横浜と比べてガラッと変わってもどちらも人気曲、代表曲ばかりなのはさすがアジカンである。
そして最後はオブジェにアルバムの歌詞とも取れる英字が次々と浮かび上がり、それが崩れると「Wonder Future」と同じ「街」が現れる、アルバム最後の曲にして、ここまでの物語を俯瞰した「Opera Glasses」。最後まで重いサウンドは変わらず、演奏を終えると5人がステージ前に並んで、観客に一礼してステージを去って行った。
ツアー序盤にしてすでに完成系のようなライブをしていただけに、終盤に来てのさらなるバンドのグルーヴの向上には本当にただただ驚かされるばかり。果たして翌日のセミファイナルにして、2daysの2日目はどのようなライブになるのだろうか。
1.Easter
2.Little Lennon
3.Winner and Loser
4.Catarpillar
5.N2
6.センスレス
7.リライト
8.Planet of the Apes
9.ナイトダイビング
10.Etarnal Sunshine
11.或る街の群青
12.青空と黒い猫
13.Prisoner in a Frame
14.深呼吸
15.今を生きて
16.嘘とワンダーランド
17.シーサイドスリーピング
18.Signal on the Street
19.新世紀のラブソング
20.ネオテニー
21.トラベログ
22.Standard
23.Wonder Futureencore
24.海岸通り
25.ループ&ループ
26.君という花
27.転がる岩、君に朝が降る
28.Opera Glasses
Planet of the Apeshttp://youtu.be/A7rXehD0V-Y
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序盤の横浜アリーナの段階で演奏のキレも非常に良く、何よりライブ会場に来ないと体験できない素晴らしいステージの演出をすでに見ているとはいえ、アジカンはツアー中にセットリストをよく変えるバンドであるため、ツアーに複数公演参加する価値がある。
この日は国際フォーラム2daysの初日だが、KANA-BOONのメンバーが4人揃って見に来ていたりしている中、横浜アリーナと規模がまるで違う国際フォーラムでのライブの景色がどのように目に写るのか。
ステージにはこのツアーの象徴とも言える白いオブジェが並ぶ中、19時を5分ほど過ぎたところでゆっくりと会場が暗転すると、サポートメンバーのシモリョー(the chef cooks me)を含めた5人がステージに登場。すると「Wonder Future」の先行シングル「Easter」から、ラウドと言ってもいいくらいの音圧のロックンロールに会場が支配される。オブジェに投影される映像の美しさもやはり圧巻の一言であり、この段階でやはりこれは自分の目で見るべきライブであることを確信させられる。
それからの冒頭はアルバムのオープニングと同様の流れで、合間にはゴッチによる挨拶的な短いMCも挟まれるが、セトリ自体は横浜アリーナと同じ。(というか先に言ってしまうと、本編はセトリは変わらない)反原発を打ち出した「N2」、サビで一気に開けていく「センスレス」からは過去曲も挟みながら進んでいくが、定番中の定番チューンと言える「リライト」の間奏部分では、ダブセッションもそこそこにメンバーのソロ回しに突入。ブルージーなギターを鳴らした喜多、サイケデリックなシンセで空気を変えたシモリョー、一転して手数の多いドラムで大歓声を浴びた伊地知、性格そのもののような実直なベースの山田、と一通りソロを終えるとゴッチも揃って5人の音が再び重なるのだが、このソロ回しから音が重なるまでの演奏に、この長いツアーでのバンドのグルーヴのさらなる向上がはっきりと感じ取れた。後で喜多もMCで言っていたが、来年で結成20年を迎えるバンドが今なおバンドの演奏とグルーヴを日々向上させている。これからも4人(今回のツアーは5人編成だけど)で音を鳴らし続ける限り、さらにアジカンは進化していくと確信させられた。
ゴッチの少しくぐもったようなボーカルエフェクトの「Planet of the Apes」ではこの日1番の荒々しいロックンロールが鳴り、「Eternal Sunshine」ではそれまでの鮮やかな映像とは一変して、温かい陽光のような照明だけのシンプルな演出に。かと思えば「或る街の群青」ではまさに街のような情景の中にメンバーが立っているような見事な映像が映し出され、「青空と黒い猫」ではタイトルとは対照的にステージに大きな満月が登場し、まるでゴッチのボーカルはその満月に向かって吠えているかのよう。かと思えば「Prisoner in a Flame」ではタイトル通りにオブジェに無数の枠に囲まれた抽象画が映し出され、喜多の空間的なギターフレーズがまさに水中を漂う映像とシンクロするような「深呼吸」と、すでに一度見ているにもかかわらず、ついつい引き込まれてしまう演出の数々。
「ノエル・ギャラガーもこの国際フォーラムが日本で1番好きな会場だと言っていた」
と、ゴッチらしいこの会場への愛と敬意を伝えると、イントロが鳴っただけでどこかライブのクライマックスが来たかのように感じてしまう「今を生きて」で、ここではタンバリンを叩くシモリョーに合わせて「Yeah Yeah」の合唱が起こる。というか、鍵盤のみならず、このタンバリンやさらにはギターとコーラスまでもこなして最新曲に彩りを与えるのはもちろん、過去曲への新たなアレンジを加えるシモリョーの貢献度はめちゃくちゃ高い。なんなら今回のツアーはシモリョー抜きでは成立しないと言い切ってしまってもいいぐらい。
喜多メインボーカルの「嘘とワンダーランド」でも演奏中にゴッチとシモリョーが目を合わせて「よっしゃ!」と言っているかのようなポーズを取る中、ゴッチはAメロでは軽快なステップでノリノリ状態。前述の「来年で結成20周年。まだ何をやるか全然決まってないけど」というMCをゴッチに「何の身もない話」と一刀両断されると、「じゃあ何の身もない曲を(笑)」と言い、「シーサイドスリーピング」と、自身がメインボーカルの曲を連発する喜多。
伊地知のドラムが引っ張ることで疾走感が溢れる「Signal on the Street」からはいよいよクライマックスへ。リリース当時は実験的と言われまくっていたが、今ではイントロで歓声が上がるようになった「新世紀のラブソング」から、「ネオテニー」「トラベログ」という、どこか「Wonder Future」と通じるテーマを感じる名作アルバム「ワールド ワールド ワールド」の曲をアルバムの流れと同じように続けると、「Wonder Future」の起点となったと言ってもいい「Standard」の、
「誰にも見向きもされないまま後ろ指さえ差されなくてもやがて人々が忘れてしまっても風変わりのまま ただ歌ったんだ」
というフレーズがこの大きな会場にいる、メンバーも含めた1人1人に響いていく。
そして本編ラストはアルバムのタイトル曲「Wonder Future」。オブジェに投影された街並みが曲が進むにつれて彩りを持っていく、というこの本編そのものを1曲に凝縮したような映像で終了。ゴッチは高々とギターを掲げると、1人ずつメンバーがステージを去って行った。
アンコールでは5人が揃いの衣装で登場し、ファンからの人気が高い名バラード「海岸通り」、かつてはおなじみだったが、近年はワンマンでもやらなくなっているだけに、イントロで大きな歓声が上がった「ループ&ループ」、この日も「らっせーらっせー」の大合唱が響いた「君という花」、ゴッチが2番のサビで盛大に歌詞を間違えてしまい、メンバーが苦笑せざるを得なかった「転がる岩、君に朝が降る」という人気曲が続いたのだが、ある程度ブロックごとに固めていた本編とは異なり、1曲ごとに機材を交換していたあたり、ここはメンバーがやりたい曲というよりもファンサービスを重視した選曲だと思われる。
照明こそあれど、映像などの特別な演出もないだけに、セトリを変えることができるのはこの部分くらい。しかし横浜と比べてガラッと変わってもどちらも人気曲、代表曲ばかりなのはさすがアジカンである。
そして最後はオブジェにアルバムの歌詞とも取れる英字が次々と浮かび上がり、それが崩れると「Wonder Future」と同じ「街」が現れる、アルバム最後の曲にして、ここまでの物語を俯瞰した「Opera Glasses」。最後まで重いサウンドは変わらず、演奏を終えると5人がステージ前に並んで、観客に一礼してステージを去って行った。
ツアー序盤にしてすでに完成系のようなライブをしていただけに、終盤に来てのさらなるバンドのグルーヴの向上には本当にただただ驚かされるばかり。果たして翌日のセミファイナルにして、2daysの2日目はどのようなライブになるのだろうか。
1.Easter
2.Little Lennon
3.Winner and Loser
4.Catarpillar
5.N2
6.センスレス
7.リライト
8.Planet of the Apes
9.ナイトダイビング
10.Etarnal Sunshine
11.或る街の群青
12.青空と黒い猫
13.Prisoner in a Frame
14.深呼吸
15.今を生きて
16.嘘とワンダーランド
17.シーサイドスリーピング
18.Signal on the Street
19.新世紀のラブソング
20.ネオテニー
21.トラベログ
22.Standard
23.Wonder Futureencore
24.海岸通り
25.ループ&ループ
26.君という花
27.転がる岩、君に朝が降る
28.Opera Glasses
Planet of the Apeshttp://youtu.be/A7rXehD0V-Y
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