佐々木亮介 (a flood of circle) 弾き語りOne Man Tour ”MISOJIMAE BLUES” @STUDIO38 (恵比寿ガーデンプレイスタワー38階) 10/2
- 2015/10/02
- 23:23
これまでにも様々な場所で弾き語りライブを行ってきた、a flood of circleのボーカル、佐々木亮介がついに弾き語りワンマンを開催。
会場の恵比寿ガーデンプレイスタワーは都内の夜景が一望できる、ライブキッズにはあまりにアウェー過ぎる、オシャレな場所で、会場のスタジオがある38階のレストランフロアにも、叙々苑など、ひたすらに高そうな店が並ぶ。
会場はその中にあるスタジオというか、そんなに広くはないギャラリースペースのような場所。壁は鏡張りになっていて、ステージを見ながら夜景が見える。客席前方には椅子もあり。ドリンク代もしっかり取られる。
そんな状況の中、19時過ぎにフラッと亮介がステージに現れると、椅子に座ってアコギを弾きながら、
「夜景が凄すぎて引いてる」「今日だけは恵比寿が似合う男になりたい」
とこの日限りのフレーズを盛り込んだ、即興歌を歌い始める。テーブルの上には物販で売られているマグカップが置かれているのだが、この男のステージドリンクは当然ビールなので、缶ビールをわざわざマグカップに注いで飲む。
弾き語りやアコースティックのライブだとバラード曲が多くなるが、この日も序盤にフラッド初期の名バラード「SWIMMING SONG」を歌い上げると、
「リクエストを募ったら、みんな季節外れの空気を読めない曲ばかりリクエストしてくる(笑)」
と「春の嵐」、
「最初のギターが失踪して…失踪は飽きたから蒸発にしよう。蒸発して、「PARADOX PARADE」っていうアルバムを作った時に、FoZZtoneの竹尾さんていうギタリストに何曲か弾いてもらって。
最近、竹尾さんがtake kingっていうバンドを始めたんだけど、テイクキングじゃなくてタケキングって言いまくってたら、バカにしてんのか!って言われて。その竹尾さんと一緒にレコーディングした曲」
と「アンドロメダ」、
「今日はお留守番してるナベちゃん(a flood of circleの渡邊一丘)が作った曲」
と「Silent Noise=Avant-garde Punk」、
「最近関西に行くと、8歳くらいの男の子がライブに来てくれてて。似顔絵を毎回描いてきてくれて、いつか最前列でライブ見る、って言ってくれたんだけど…お母さんには申し訳ない気持ちでいっぱい(笑)」
と「Boy」など、曲にまつわるエピソードを話してから歌い始めるという、いつものバンドのライブよりはやはりまったりとした空気で時間が流れていく。
すると突然、
「たまには違う楽器を弾いてみようかな。昔、楽器屋で見て一目惚れして買った」
とアコギから持ち替えたのはバンジョー。そのバンジョーを爪弾くフレーズですぐさまわかったのが「The Cat Is Hard-Boiled」だが、ギター以外の楽器を演奏する亮介の姿は実に新鮮だし、レコーディングでちゃんと亮介がバンジョーを弾いていたというのを実感する。
さらに徐々に肌寒くなる時期に聴きたくなる「ホットチョコレート」もバンジョーで演奏されると、立ち上がって観客にコーラスを任せるという形で「ベストライド」を歌い、15分ほどの休憩に入る。
休憩を終えて会場が再び暗転すると、まさかの客席最後方からアコギとマグカップ(もちろんビール入り)を持って登場し、
「後ろの方の人があまりにも見えてない気がした」
という理由で、全員をその場に座らせ、自身もPAの椅子を借りて座り、マイクを使わずに、
「リクエスト募ったら結構バラけたんだけど、この曲だけはかなり票を集めた」
という、切なさ溢れる「コインランドリー・ブルース」。あまり広くない会場とはいえ、マイクを使わずとも会場全体に聞こえる声量を出せるのはさすがとしか言えない。
ステージに戻ると、突如として
「友達を呼んでます」
と言って呼び込んだのは、最近a flood of circleのサポートギタリストを務めている、爆弾ジョニーのキョウスケ。なにやら包みを持って登場すると、
「お誕生日おめでとうございます!」
と、プレゼントを渡す。そう、この日は佐々木亮介、29歳の誕生日である。ちなみにプレゼントは爆弾ジョニーのアルバムのレコードという宣伝っぷり。しかもそのレコードを亮介に持たせて写真を撮る。
「20代最後の年の抱負とかも全然ない(笑)」
と言いつつ、
「キョウスケがどんな音楽を好きなのか、まだあんまり知らないんだけど、一つだけ知っている、俺たち2人が好きなバンドの曲を。この曲の歌詞がすごく好き」
と言って2人でアコギを弾き、亮介がボーカル、キョウスケがコーラスという形で披露されたこの日最初のカバー曲は、ハイロウズの「即死」。無意味なようでいて、
「振り返りたくない 考えたくもない
涙はいらない 即死でたのむぜ
厳かはイヤだ くだらない方がいい
笑えりゃなおいい 即死でたのむぜ」
という、マーシーこと真島昌利の死生観の深さにゾッとさせられる曲。
さらになぜかキョウスケが亮介の母親からの手紙を読んでから、
「今日はパーティーだ!」
と、キョウスケが一緒にやりたい曲として選んだという「Party!!!」でキョウスケはステージを去る。ちなみにキョウスケは21歳になったばかりという年齢に客席はどよめいていたが、爆弾ジョニーは本当に若い。だからこそ耐え切れなかった部分もあるんだろうけど。
亮介1人になると、11月のツアーファイナルの告知をしながら、
「ファイナルには9mm Parabellum Bulletが出てくれるんだけど、2008年に新宿LOFTの9mmのライブに呼んでもらって。その時はまだ俺たちは全然たいしたことなかったけど、ようやくまた一緒にできるなって。だからみなさん、11月27日は絶対見に来たほうがいいですよ」
と言ってから歌い始めたのは、その対バン相手の9mmの「Black Market Blues」。この選曲はかなりリアクションが良かっただけに、フラッドファンには9mmも聴いている人が多いというのがよくわかる。実際にいしわたり淳治プロデュースの兄弟バンドでもあるのだが、亮介が歌うとやはりBlues色が一層濃くなる。
さらに所属するレーベルの大先輩である和田アキ子の「古い日記」、
「29歳までよく生き延びてこれたなぁと。別れがたくさんあった人生だったけど、それはそれだけ多くの出会いがあったから。超ポジティブ野郎みたいになってるけど(笑)
でもずっと戦っていたいって思ってるんですよね。みんなもそうでしょ?戦ってるみんなに捧げます」
と、中島みゆきの「ファイト!」。これは以前にも弾き語りでカバーしているが、やはり心が震わされるくらいにハマっているため、何らかの形で音源化をしていただきたいレベル。
するとここでさらなるゲスト。まずは「アンドロメダ」の時にいじりまくった、FoZZtoneからベースの菅野信昭。ずっと憧れていた、下北沢SHELTERの夜の部に初めて出た時の対バンがFoZZtoneであったという出会いを語ったのだが、先ほどいじりまくった竹尾のtake kingはtake kingsであるということを突っ込まれる。
さらに7月の自主企画ツアーで共演したthe band apartのドラマー木暮栄一も登場。すでに渋谷WWWでDJをやってからここへ来たという木暮は酔っ払っており、以前幡ヶ谷のラコスバーガーで泥酔していたTHE BACK HORNの岡峰光舟がなかなかタクシーに乗ろうとしなかったので、ぶん殴ってタクシーに無理矢理乗せた、というとんでもないエピソードを語る。亮介は「名前出すんすか!?」と驚いていたが、木暮いわく「隠してもしょうがないじゃん」とのこと。
そんなエピソードを話しつつ、まずはバンアパと共演した自主企画のタイトルになった、マーヴィン・ゲイの「What's Goin' On」のカバー。しかし亮介が海外アーティストのカバーをする時は全部日本語にしてカバーするので、もちろんこれもタイトル部分以外は全て日本語。「Blues Man」みたいにこれも音源化してくれないものだろうか。ちなみに木暮はドラムではなく、カホンを叩くという参加の仕方。
すると今度は菅野がサポートベースを務めたバンド、ピロウズのカバー。フラッドはすでにピロウズのトリビュートアルバムに「Blues Drive Monster」で参加しているが、今回は編成的に合う曲を選んだのか、「この世の果てまで」。すでに亮介はかなりの量のビールを飲んでいるはずだが、サビのファルセットも全く問題なく歌いこなす。この喉の強さこそがフラッドを支えている。
この3人で昨日、バンアパのスタジオに入って練習し、「泣きのおかわりズ」というバンド名をつけた、ということを発表したが、実際に泣きながらもう一回を懇願していたのは木暮だけで、亮介と菅野は完璧に曲を覚えていた、というエピソードから、木暮がキョウスケを呼び出すと、キョウスケがバースデーケーキを持って登場し、ハッピーバースデーの合唱。
「自分が企画した弾き語りライブで自分がドッキリを仕掛けられるとは思わなかった(笑)」
と亮介は言っていたが、その顔は実に嬉しそうであり、楽しそうでもあった。ちなみにこの日に1番最初におめでとうメールをくれたのは、かつてフラッドのサポートギタリストを務めていた、wash?の奥村大だったという。
そして泣きのおかわりズの3人で最後に演奏されたのは、「I LOVE YOU」。菅野がコーラスも務めるという息ぴったりぶりを見せ、観客も参加してさらに大きいコーラスを起こして終了した。
と思いきや、アンコールで亮介が1人で登場。これまでの活動を総括するような話をし、
「a flood of circle、これからもずっと見ていてください。絶対に裏切らないし、絶対にもっとすごい景色をみんなに見せるから!」
と言って最後に演奏されたのは新曲の「花」。すでにツアーで披露されているのを聴いているが、「10周年を前に出したかった曲」という通り、こうして弾き語りで聴くと、これまでの曲のフレーズが出てくるのがよくわかる、まさに集大成といえる曲。
演奏を終えて亮介がステージを去るも、この日ゲストで登場した3人と一緒に登場し、バースデーケーキを持った状態で写真撮影をして終了。
a flood of circleはこれまでにいろんなバンドと対バンをしまくってきたけど、いつの間にか亮介の周りには、対バン相手としてだけではない、仲間と呼べる存在のミュージシャンがたくさん集うようになっていた。そんな人たちに囲まれながらこれから突入する30代。まだ実感はないだろうが(自分自身もないけど)、きっと今よりももっと幸せな音楽人生を過ごせるようになると思う。
そしてフラッドがインディーズだった頃、亮介の声は「チバユウスケみたい」と言われまくっていた。しかし今日、様々なアーティストのカバーを歌っていても、佐々木亮介の曲という感じしかしなかった。マイクなしでも響く声量もビール飲みながら2時間半歌い続けるのも本当にすごい、稀有なボーカリスト。いつか武道館でその声が響き渡るのを聴きたい。
1.恵比寿のブルース
2.象のブルース
3.SWIMMING SONG
4.春の嵐
5.アンドロメダ
6.Silent Noise=Avant-garde Punk
7.Boy
8.The Cat Is Hard-Boiled
9.The Future Is Mine
10.ホットチョコレート
11.ベストライド
-休憩-
12.コインランドリー・ブルース
13.即死 (ハイロウズのカバー。 w/キョウスケ)
14.Party!!! (w/キョウスケ)
15.Black Market Blues (9mm Parabellum Bulletのカバー)
16.古い日記 (和田アキ子のカバー)
17.ファイト! (中島みゆきのカバー)
18.What's Goin' On (マーヴィン・ゲイのカバー。泣きのおかわりズ)
19.この世の果てまで (ピロウズのカバー。泣きのおかわりズ)
20.I LOVE YOU (泣きのおかわりズ)
encore
21.花
ベストライド
http://youtu.be/zEcR2IXerA0
Next→ 10/3 ハルカトミユキ @日比谷野外大音楽堂

会場の恵比寿ガーデンプレイスタワーは都内の夜景が一望できる、ライブキッズにはあまりにアウェー過ぎる、オシャレな場所で、会場のスタジオがある38階のレストランフロアにも、叙々苑など、ひたすらに高そうな店が並ぶ。
会場はその中にあるスタジオというか、そんなに広くはないギャラリースペースのような場所。壁は鏡張りになっていて、ステージを見ながら夜景が見える。客席前方には椅子もあり。ドリンク代もしっかり取られる。
そんな状況の中、19時過ぎにフラッと亮介がステージに現れると、椅子に座ってアコギを弾きながら、
「夜景が凄すぎて引いてる」「今日だけは恵比寿が似合う男になりたい」
とこの日限りのフレーズを盛り込んだ、即興歌を歌い始める。テーブルの上には物販で売られているマグカップが置かれているのだが、この男のステージドリンクは当然ビールなので、缶ビールをわざわざマグカップに注いで飲む。
弾き語りやアコースティックのライブだとバラード曲が多くなるが、この日も序盤にフラッド初期の名バラード「SWIMMING SONG」を歌い上げると、
「リクエストを募ったら、みんな季節外れの空気を読めない曲ばかりリクエストしてくる(笑)」
と「春の嵐」、
「最初のギターが失踪して…失踪は飽きたから蒸発にしよう。蒸発して、「PARADOX PARADE」っていうアルバムを作った時に、FoZZtoneの竹尾さんていうギタリストに何曲か弾いてもらって。
最近、竹尾さんがtake kingっていうバンドを始めたんだけど、テイクキングじゃなくてタケキングって言いまくってたら、バカにしてんのか!って言われて。その竹尾さんと一緒にレコーディングした曲」
と「アンドロメダ」、
「今日はお留守番してるナベちゃん(a flood of circleの渡邊一丘)が作った曲」
と「Silent Noise=Avant-garde Punk」、
「最近関西に行くと、8歳くらいの男の子がライブに来てくれてて。似顔絵を毎回描いてきてくれて、いつか最前列でライブ見る、って言ってくれたんだけど…お母さんには申し訳ない気持ちでいっぱい(笑)」
と「Boy」など、曲にまつわるエピソードを話してから歌い始めるという、いつものバンドのライブよりはやはりまったりとした空気で時間が流れていく。
すると突然、
「たまには違う楽器を弾いてみようかな。昔、楽器屋で見て一目惚れして買った」
とアコギから持ち替えたのはバンジョー。そのバンジョーを爪弾くフレーズですぐさまわかったのが「The Cat Is Hard-Boiled」だが、ギター以外の楽器を演奏する亮介の姿は実に新鮮だし、レコーディングでちゃんと亮介がバンジョーを弾いていたというのを実感する。
さらに徐々に肌寒くなる時期に聴きたくなる「ホットチョコレート」もバンジョーで演奏されると、立ち上がって観客にコーラスを任せるという形で「ベストライド」を歌い、15分ほどの休憩に入る。
休憩を終えて会場が再び暗転すると、まさかの客席最後方からアコギとマグカップ(もちろんビール入り)を持って登場し、
「後ろの方の人があまりにも見えてない気がした」
という理由で、全員をその場に座らせ、自身もPAの椅子を借りて座り、マイクを使わずに、
「リクエスト募ったら結構バラけたんだけど、この曲だけはかなり票を集めた」
という、切なさ溢れる「コインランドリー・ブルース」。あまり広くない会場とはいえ、マイクを使わずとも会場全体に聞こえる声量を出せるのはさすがとしか言えない。
ステージに戻ると、突如として
「友達を呼んでます」
と言って呼び込んだのは、最近a flood of circleのサポートギタリストを務めている、爆弾ジョニーのキョウスケ。なにやら包みを持って登場すると、
「お誕生日おめでとうございます!」
と、プレゼントを渡す。そう、この日は佐々木亮介、29歳の誕生日である。ちなみにプレゼントは爆弾ジョニーのアルバムのレコードという宣伝っぷり。しかもそのレコードを亮介に持たせて写真を撮る。
「20代最後の年の抱負とかも全然ない(笑)」
と言いつつ、
「キョウスケがどんな音楽を好きなのか、まだあんまり知らないんだけど、一つだけ知っている、俺たち2人が好きなバンドの曲を。この曲の歌詞がすごく好き」
と言って2人でアコギを弾き、亮介がボーカル、キョウスケがコーラスという形で披露されたこの日最初のカバー曲は、ハイロウズの「即死」。無意味なようでいて、
「振り返りたくない 考えたくもない
涙はいらない 即死でたのむぜ
厳かはイヤだ くだらない方がいい
笑えりゃなおいい 即死でたのむぜ」
という、マーシーこと真島昌利の死生観の深さにゾッとさせられる曲。
さらになぜかキョウスケが亮介の母親からの手紙を読んでから、
「今日はパーティーだ!」
と、キョウスケが一緒にやりたい曲として選んだという「Party!!!」でキョウスケはステージを去る。ちなみにキョウスケは21歳になったばかりという年齢に客席はどよめいていたが、爆弾ジョニーは本当に若い。だからこそ耐え切れなかった部分もあるんだろうけど。
亮介1人になると、11月のツアーファイナルの告知をしながら、
「ファイナルには9mm Parabellum Bulletが出てくれるんだけど、2008年に新宿LOFTの9mmのライブに呼んでもらって。その時はまだ俺たちは全然たいしたことなかったけど、ようやくまた一緒にできるなって。だからみなさん、11月27日は絶対見に来たほうがいいですよ」
と言ってから歌い始めたのは、その対バン相手の9mmの「Black Market Blues」。この選曲はかなりリアクションが良かっただけに、フラッドファンには9mmも聴いている人が多いというのがよくわかる。実際にいしわたり淳治プロデュースの兄弟バンドでもあるのだが、亮介が歌うとやはりBlues色が一層濃くなる。
さらに所属するレーベルの大先輩である和田アキ子の「古い日記」、
「29歳までよく生き延びてこれたなぁと。別れがたくさんあった人生だったけど、それはそれだけ多くの出会いがあったから。超ポジティブ野郎みたいになってるけど(笑)
でもずっと戦っていたいって思ってるんですよね。みんなもそうでしょ?戦ってるみんなに捧げます」
と、中島みゆきの「ファイト!」。これは以前にも弾き語りでカバーしているが、やはり心が震わされるくらいにハマっているため、何らかの形で音源化をしていただきたいレベル。
するとここでさらなるゲスト。まずは「アンドロメダ」の時にいじりまくった、FoZZtoneからベースの菅野信昭。ずっと憧れていた、下北沢SHELTERの夜の部に初めて出た時の対バンがFoZZtoneであったという出会いを語ったのだが、先ほどいじりまくった竹尾のtake kingはtake kingsであるということを突っ込まれる。
さらに7月の自主企画ツアーで共演したthe band apartのドラマー木暮栄一も登場。すでに渋谷WWWでDJをやってからここへ来たという木暮は酔っ払っており、以前幡ヶ谷のラコスバーガーで泥酔していたTHE BACK HORNの岡峰光舟がなかなかタクシーに乗ろうとしなかったので、ぶん殴ってタクシーに無理矢理乗せた、というとんでもないエピソードを語る。亮介は「名前出すんすか!?」と驚いていたが、木暮いわく「隠してもしょうがないじゃん」とのこと。
そんなエピソードを話しつつ、まずはバンアパと共演した自主企画のタイトルになった、マーヴィン・ゲイの「What's Goin' On」のカバー。しかし亮介が海外アーティストのカバーをする時は全部日本語にしてカバーするので、もちろんこれもタイトル部分以外は全て日本語。「Blues Man」みたいにこれも音源化してくれないものだろうか。ちなみに木暮はドラムではなく、カホンを叩くという参加の仕方。
すると今度は菅野がサポートベースを務めたバンド、ピロウズのカバー。フラッドはすでにピロウズのトリビュートアルバムに「Blues Drive Monster」で参加しているが、今回は編成的に合う曲を選んだのか、「この世の果てまで」。すでに亮介はかなりの量のビールを飲んでいるはずだが、サビのファルセットも全く問題なく歌いこなす。この喉の強さこそがフラッドを支えている。
この3人で昨日、バンアパのスタジオに入って練習し、「泣きのおかわりズ」というバンド名をつけた、ということを発表したが、実際に泣きながらもう一回を懇願していたのは木暮だけで、亮介と菅野は完璧に曲を覚えていた、というエピソードから、木暮がキョウスケを呼び出すと、キョウスケがバースデーケーキを持って登場し、ハッピーバースデーの合唱。
「自分が企画した弾き語りライブで自分がドッキリを仕掛けられるとは思わなかった(笑)」
と亮介は言っていたが、その顔は実に嬉しそうであり、楽しそうでもあった。ちなみにこの日に1番最初におめでとうメールをくれたのは、かつてフラッドのサポートギタリストを務めていた、wash?の奥村大だったという。
そして泣きのおかわりズの3人で最後に演奏されたのは、「I LOVE YOU」。菅野がコーラスも務めるという息ぴったりぶりを見せ、観客も参加してさらに大きいコーラスを起こして終了した。
と思いきや、アンコールで亮介が1人で登場。これまでの活動を総括するような話をし、
「a flood of circle、これからもずっと見ていてください。絶対に裏切らないし、絶対にもっとすごい景色をみんなに見せるから!」
と言って最後に演奏されたのは新曲の「花」。すでにツアーで披露されているのを聴いているが、「10周年を前に出したかった曲」という通り、こうして弾き語りで聴くと、これまでの曲のフレーズが出てくるのがよくわかる、まさに集大成といえる曲。
演奏を終えて亮介がステージを去るも、この日ゲストで登場した3人と一緒に登場し、バースデーケーキを持った状態で写真撮影をして終了。
a flood of circleはこれまでにいろんなバンドと対バンをしまくってきたけど、いつの間にか亮介の周りには、対バン相手としてだけではない、仲間と呼べる存在のミュージシャンがたくさん集うようになっていた。そんな人たちに囲まれながらこれから突入する30代。まだ実感はないだろうが(自分自身もないけど)、きっと今よりももっと幸せな音楽人生を過ごせるようになると思う。
そしてフラッドがインディーズだった頃、亮介の声は「チバユウスケみたい」と言われまくっていた。しかし今日、様々なアーティストのカバーを歌っていても、佐々木亮介の曲という感じしかしなかった。マイクなしでも響く声量もビール飲みながら2時間半歌い続けるのも本当にすごい、稀有なボーカリスト。いつか武道館でその声が響き渡るのを聴きたい。
1.恵比寿のブルース
2.象のブルース
3.SWIMMING SONG
4.春の嵐
5.アンドロメダ
6.Silent Noise=Avant-garde Punk
7.Boy
8.The Cat Is Hard-Boiled
9.The Future Is Mine
10.ホットチョコレート
11.ベストライド
-休憩-
12.コインランドリー・ブルース
13.即死 (ハイロウズのカバー。 w/キョウスケ)
14.Party!!! (w/キョウスケ)
15.Black Market Blues (9mm Parabellum Bulletのカバー)
16.古い日記 (和田アキ子のカバー)
17.ファイト! (中島みゆきのカバー)
18.What's Goin' On (マーヴィン・ゲイのカバー。泣きのおかわりズ)
19.この世の果てまで (ピロウズのカバー。泣きのおかわりズ)
20.I LOVE YOU (泣きのおかわりズ)
encore
21.花
ベストライド
http://youtu.be/zEcR2IXerA0
Next→ 10/3 ハルカトミユキ @日比谷野外大音楽堂


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