TOWER RECORDS Presents Bowline 2015 Curated by クリープハイプ & TOWER RECORDS @幕張メッセ 9/27
- 2015/09/28
- 12:37
タワーレコードが毎回1組のアーティストをキュレーターに指名し、そのアーティストが出演者を決めるという形のイベント、Bowline。
これまでにMAN WITH A MISSION、SiM、10-FEET、BRAHMANがキュレーターとなって開催されたが、これまでで最大キャパの幕張メッセでのキュレーターになったのは、Dragon Ashとクリープハイプ。前日のDragon Ashに続き、この日はクリープハイプがキュレーターで、イベントタイトルは「Bet in」。クリープハイプが「賭けた」アーティスト達が集結する一日に。
会場の幕張メッセ9~11ホールにメインのRED STAGEとサブのYELLOW STAGEが向き合って配置される2ステージ構成。だが客席を広くしたからか、物販が開場直後からかなり並んでおり、並んだらオープニングアクトに間に合わなそうなレベル。
11:20~ go! go! vanillas (warning act) [YELLOW STAGE]
というわけで、この日のオープニングアクトはgo! go! vanillas。メンバーが登場すると、ジェットセイヤ(ドラム)が
「Bowlineー!楽しむ準備は出来てるかー!」
と叫び、「マジック」からご機嫌なロックンロールナンバーを連発していく。ギターが宮川から柳沢に変わってから見るのは初めてだったので、若干不安な部分もあったのだが、その不安は全くいらないものだったとばかりに柳沢のギターはこのバンドに実によく合っている。というか、宮川とタイプが似たギタリストだからそう思うのかもしれない。
「アクロスザユニバーシティ」を終えると、ベースのプリティが何やら小芝居を始め、牧(ボーカル&ギター)に突っ込まれながらも小芝居を続けると、千と千尋の神隠しのカオナシが大量のタワレコのタオルを持って登場し、そのカオナシの中身に入っていたのは、クリープハイプのベースの長谷川カオナシ。プリティと同じ長谷川つながりということで、プリティと同じく蝶ネクタイにサスペンダーという衣装で、2人で「長谷川!」のコール&レスポンスを行うも、途中で「クリープハイプ!」「Bowline!」「Bet in!」と次々とコールを変えたため、「長谷川」は2回くらいしか言ってない。会場に長谷川がどれくらいいるかを聞くと、若干名の手が上がり、
「世界は長谷川を中心に回っている!」
とプリティが叫んで、カオナシはステージを去る。
後半は曲中でコール&レスポンスが発生する「ホラーショー」から、夏の野外で聴きたくなる爽やかな「バイリンガール」、最新シングル「カウンターアクション」、後半で一気にバンドサウンドが加速する「オリエント」と、ベスト的な内容で終了。
オープニングアクトとして会場を温める役割を全うするとともに、この4人でのバニラズにさらに期待したくなるようなライブだった。
1.マジック
2.エマ
3.アクロスザユニバーシティ
-プリティとカオナシの長谷川コラボ-
4.ホラーショー
5.バイリンガール
6.カウンターアクション
7.オリエント
カウンターアクション
http://youtu.be/tis5QqV0Dgk
12:00~ 東京スカパラダイスオーケストラ [RED STAGE]
メインステージのトップバッターは、東京スカパラダイスオーケストラ。揃いの黒のスーツに身を包んだメンバーが登場すると、加藤(ギター)が煽りまくる「ルパン三世 '78」からスタートし、真昼間からパーティータイムに突入。
川上のベースソロをフィーチャーしたり、ホーン隊が代わる代わるコーラスを務めたり、ホーン隊と加藤と川上が横一列に並んで同じアクションをしたりと、さすがにベテランならではのフォーメーションを見せる。
「Bowlineのサイトを見たら、Bowlineってのは結び目って意味らしい。俺はこのイベントは心と体を結ぶものだと思ってるよ。戦うように楽しんでいってくれ!」
という谷中の名言MCも飛び出すと、今回ラインアップに並んだのはこれがあるからだろうとしか思えない、クリープハイプ尾崎世界観とのコラボへ。「Bet in」と「Bed in」がかかっていることから、
「ここをでっかいベッドの上だと思って暴れてくれよ!」
と谷中が叫び、「爆音ラブソング」、そしてややダブの要素が強い「めくったオレンジ」の2曲をコラボで終了。もともとはスカパラ加藤がクリープハイプのファンだったことから実現したコラボだが、その加藤が尾崎にいじられたりと、実に仲が良さそうだった。個人的には「めくったオレンジ」のほうが尾崎の独特な声が生きてる感じがするが。
1.ルパン三世'78
2.火の玉ジャイヴ
3.DOWN BEAT STOMP
4.Pride Of LIONS
5.爆音ラブソング with尾崎世界観
6.めくったオレンジ with尾崎世界観
爆音ラブソング
http://youtu.be/bUcqb23mMQ4
12:45~ きのこ帝国 [YELLOW STAGE]
ここまではgo! go! vanillas→東京スカパラダイスオーケストラと、パーティー感の強い流れだったが、きのこ帝国のあーちゃんの轟音ギターによる「国道スロープ」がその流れを一変させる。
近年はポップな名曲も多いし、実際BAYCAMPではそういう曲を多めに演奏していたのだが、この日は「桜が咲く前に」も「クロノスタシス」もなしの、轟音ギターによる、いわゆる「暗い」タイプの曲を連発。MCらしいMCも一切なく、最後に
「またどこかでお会いしましょう」
と佐藤が言ったのみ。しかし、だからこそラスト「東京」のポップさが改めてよくわかるし、あーちゃんの笑顔の鮮やかさが際立っていた。
セトリ、どうやって決めているんだろうか。
リハ1.疾走
リハ2.夏の夜の街
1.国道スロープ
2.WHIRLPOOL
3.ヴァージン・スーサイド
4.海と花束
5.夜が明けたら
6.東京
東京
http://youtu.be/yBRqRAh9vJM
13:30~ miwa [RED STAGE]
この日のラインアップではやや異質と言っていいmiwa。女性コーラス2名、ギター2名、ベース、ドラム、キーボード、本人という8人編成という大所帯でパワフルなサウンドを展開。
miwaは曲によってギターを弾いたり、ハンドマイクで歌ったりするのだが、ポップなサウンド同様に黄色いTシャツを着たmiwa本人も眩しいくらいに輝いて見える。
「前に赤坂BLITZでのクリープハイプさんのワンマンを見に行ったことがある」
とMCで本人は言っていたが、それは「死ぬまで一生愛されてると思ってたよ」の時だから、かなり年季の入ったファンである。
曲中にはタオル回しも行われたのだが、女性コーラス2名が回していたタオルがタワレコのタオルだったのはこの日限定だったんだろうか。
1.Faith
2.chAngE
3.360°
4.ストレスフリー
5.ヒカリへ
6.君に出会えたから
360°
http://youtu.be/xOd6XAU43QQ
15:00~ フジファブリック [RED STAGE]
SEもなしに登場したフジファブリック。いきなりあの「虹」のイントロが始まったのだが、いつもと違うのは、ドラマーがboboではなく、あらきゆうこになっていること。なのでここ最近のライブとは全くサウンドが違う。というか、boboがどれだけ異質なドラマーなのかがよくわかる。あらきゆうこは割と曲に忠実なため、昔のサポートの城戸や、元メンバーの足立が叩いていた頃を思い出させる。
boboもあらきゆうこも歴代のくるりのサポートメンバーであるが、そのメンバーがサポートに入ってくるのは、山内総一郎(ボーカル&ギター)自身がくるりのサポートメンバーをやっていたことがあるからだろうか。
続く「Sugar!!」でも大歓声が上がり、この選曲は実に嬉しいところだったが、むしろ今日のセトリの中での最大の山は、次に演奏した、最新ミニアルバム「BOYS」収録の美しいバラード曲「Green Bird」である。この3人で作った、かつてのフジファブリックの名曲たちに引けを取らないくらいの美しいメロディーの、ストレートな名曲。こういう曲が出来るあたり、このバンドはまだまだもっと前に進めるはず。
「まだまだここから踊れますか!?」
と山内が話した後の「バタアシ Party Night」では金澤ダイスケが途中でショルダーキーボードに持ち替えるのだが、電飾がついたド派手なもの。山内も途中からハンドマイクになり、ステージを歩きながらカメラ目線で歌うと、続く「夜明けのBEAT」でもギターを頭の後ろで弾きまくるなど、これまでよりはるかに「魅せる」ライブをするようになった。加藤(ベース)の安定感は変わらないが。
そしてラストは「LIFE」。フェス仕様の代表曲もやりつつ、現在のバンドの姿もしっかりと見せ、それをたくさんの人に受け入れられている。曲数は少なかったが、実に濃厚な時間だった。
リハ.若者のすべて
1.虹
2.Sugar!!
3.Green Bird
4.バタアシ Party Night
5.夜明けのBEAT
6.LIFE
Green Bird
http://youtu.be/PcFaBM_3Ucc
15:45~ BLUE ENCOUNT [YELLOW STAGE]
序盤から複雑な演奏でありながらキャッチーなメロディーと田邊(ボーカル&ギター)のエモいボーカルで、この日ここまではなかったダイブやサークルが客席で発生しまくっていた、BLUE ENCOUNT。
自身が喋っている様子がスクリーンに映ると、
「お母ちゃん!俺映ってるよ!」
と叫んで笑いを誘うが、
「クリープハイプについて好きな曲とか、好きなAメロとか、いくらでも語れるけど、この間尾崎さんに「ブルエンはバンド界のおしゃべりクソ野郎だ」って言われたんで、音楽で返します!(笑)」
と言うと、夏にリリースされたフルアルバム「≒」からの曲も含めてさらに加速していく。
コール&レスポンスを発生させた「NEVER ENDING STORY」で感動的な空気に満たすと、田邊の熱いMC。これまでは田邊は自分の弱さをさらけ出した上で熱いMCをしていたが、この日は弱い部分を出さなかった。それにより、人が付いて行くような気分になるようなカリスマ性を感じるようになった。
「俺たち、今日の中で1番じゃなくてもいい。辛い時とかに俺たちの曲を思い出してくれとか、CD聴いてくれとか、そんなことは思ってません!でも、この曲だけは覚えて帰ってほしいです!」
と言って、ラストの「もっと光を」では大きな合唱が起きたが、初めて見た人でもこの曲だけでは絶対済まないだろうと思うほどに、客席はびっしり埋まっていた。次のワンマンはZepp2daysだが、もはや武道館でも埋まると思う。
1.アンバランス
2.ロストジンクス
3.DAY × DAY
4.LIVER
5.NEVER ENDING STORY
6.もっと光を
DAY × DAY
http://youtu.be/OHKcEZqsKOY
16:30~ ストレイテナー [RED STAGE]
今年の夏もフェス出まくりだったストレイテナー、交流のあるバンドの多い昨日ではなく、この日に登場。
初っ端の「From Noon Till Dawn」でホリエ(ボーカル&ギター)が
「幕張のBowline、マジ最高!」
と歌詞を変えて歌うという最近はご当地ネタを入れてるとこでしっかりとこの日ならではのフレーズを入れてくる。
バンドの圧倒的なグルーヴを見せつける曲で踊らせると、
「Dragon Ashのkjに、「なんで俺たちの日に出ないの?」って言われて(笑)クリープハイプとやりたいから、って言ったんだけど、昨日はヤカラみたいな人が多いから(笑)」
と緩いMCで笑わせる。
ソリッドなギターロック「TRAIN」から、
「この夏のために書いた反戦歌」
こと「NO ~命の跡に咲いた花~」を夏が過ぎても歌い続ける姿勢を見せる。
そしてラストはメンバー紹介も含めた「Melodic Storm」で爽やかな風を吹かせ、圧倒的な一体感を感じさせて終了。いつものようにメンバー4人がステージ前に並んで、観客に頭を下げてから去って行った。
リハ.KILLER TUNE
1.From Noon Till Dawn
2.Super Magical Illusion
3.Discography
4.羊の群れは丘を登る
5.TRAIN
6.NO ~命の跡に咲いた花~
7.Melodic Storm
Melodic Storm
http://youtu.be/MtoAJF-jQjE
17:15~ 04 Limited Sazabys [YELLOW STAGE]
サウンドチェックの段階からガンガン曲を演奏していた、フォーリミこと04 Limited Sazabys。
いきなりの「monolith」で早くもダイバーが続出すると、いつにも増して畳み掛けていくかのように曲自体のテンポが早いパンク・メロコア曲を連発していく。
RYU-TA(ギター)が煽りまくってコール&レスポンスを繰り返してからの「Chicken race」からは少し違ったタイプの曲も披露していく。
「クリープハイプのみなさん、誘ってくれて、たたせてくれて、やらせてくれて本当にありがとうございます!」
というGEN(ボーカル&ベース)の言葉がどこか下ネタっぽく聞こえる中、曲の内容的にはキチンと前フリになっている「milk」へ。
「さっき、フジファブリック見て、「虹」を聴いて、ストレイテナー見て「TRAIN」とか聴いて。そういう昔ずっと聴いてたような曲を聴くと、聴いてた当時に連れ戻してくれる。
僕らの曲が、いつかそういう曲になってくれたら嬉しいです。再会の歌、Terminal!」
と、音楽ファンなら実によくわかるMCをしてから「Terminal」、そしてラストの「swim」で一気に最後にピークを迎えた。
クリープハイプ主催なのでパンクなフォーリミはアウェーな感じもするが、全くそうならないのは、30分くらいの出番でもファンを呼べることと、他バンドのファンにも聴かれていることと、知らない人をすぐさま掴めるライブをやっているから。
もはやパンクシーンのみならず、ロックシーン全体でも大本命と言ってもいい存在のバンド。
リハ1.medley
リハ2.nem…
リハ3.Remember
1.monolith
2.days
3.fiction
4.Chicken race
5.rabyrinth
6.midnight cruising
7.milk
8.Terminal
9.swim
Terminal
http://youtu.be/7h-fk7BXmtQ
18:00~ 銀杏BOYZ [RED STAGE]
RUSH BALLではなんと急にバンド編成でライブをやったという。この日のステージを見ると、楽器、それも4人編成であろう機材がセッティングされている、銀杏BOYZ。
まずは暗闇の中、峯田和伸が1人で登場し、
「幕張メッセはライブやるのも、来るのも初めて。このステージに立たせてくれたクリープハイプのみなさん、タワレコのみなさん、ありがとうございます。テレビやネットの音楽で満足できないから幕張まで来たんでしょう!」
という最近おなじみの話をして、新曲「生きたい」の弾き語りを始めると、途中でステージに山本幹宗(ギター。ex.the cigavettes)、藤原寛(ベース。ex.andymori)、後藤大樹(ドラム。ex.andymori)の3人が登場。峯田が「BABY!」と叫ぶと、曲途中からバンドサウンドに。それはかつての「人間」や「光」のように。
どしゃめしゃなバンドサウンドになった「生きたい」を終えると、何度も「BABY!」と叫んで、エレキギターを持ち、バンド編成での「BABY BABY」。藤原はコーラスも担い、後藤のドラムはやはり村井守とは比べものにならないくらいに上手かった。
その「BABY BABY」、アウトロではマイクスタンドを客席に向け、観客に合唱させる。途中、バンドが演奏を止め、幕張メッセの中に響くのは観客の歌う声だけ。その様子がスクリーンに映る。最前列には泣いている人もいる。
「さっき喫煙所に行ったら、ちょうど日が沈むところで。照明さん、ステージを夕暮れみたいにオレンジにしてください。あの娘の横顔はロックじゃなかった。でも夕暮れはあの娘の横顔を照らす。ぽあだむ!」
と「ぽあだむ」ではバンドサウンドに打ち込みも絡む。
メンバー紹介もすると、4年前に福島でライブをやった時に被災地のボランティアに行って、被害にあった家を片付けた話をし、その家で宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を見つけ、
「歌えってことなのかなって。今日も歌っていいですか」
と「新訳 銀河鉄道の夜」。最初は弾き語り。山本と藤原は座っていた。曲途中で
「あなた達はクリープハイプのライブを最後まで楽しむ。帰りに友達と電車に乗る。車窓からは夜景が見える。車内を見渡すと、スマホをいじる人ばかり。スマホでタダで音楽が聴ける時代に幕張までライブ見に来てくれてありがとう」
と語りかけ、途中からバンドも合流し、「新訳 銀河鉄道の夜」もバンドサウンドで蘇った。演奏を終えると、
「またライブやるんで、また会いましょう。10年後でも、20年後でも」
と、再会を約束してメンバー達と共に峯田和伸はステージを去った。
andymori時代から後藤は凄腕ドラマーとして有名だったが、どれだけ上手くても、今はまだ「銀杏BOYZの峯田和伸とサポートの3人」という構図でしか見れない。それはやはり技術よりも精神の部分。でもずっと弾き語りでやっていくわけにはいかないわけで…だからいつかは「あの3人以外のメンバーの銀杏BOYZ」にならなくてはいけないのはわかってたし、あの3人がもういないのも去年のUKFCでわかってた。でも、こうして他の人がステージに立っているのを見て、本当に自分の中であの4人での銀杏BOYZは終わった。
それでも、こうして峯田さんが前に進もうとしている姿を見せられると、自分も受け入れて前に進まなくては、と思う。
1.生きたい
2.BABY BABY
3.ぽあだむ
4.新訳 銀河鉄道の夜
新訳 銀河鉄道の夜
http://youtu.be/r0yT3h66guk
そのあと、indigo la Endは銀杏の余韻でまともに見れず。
19:30~ クリープハイプ [RED STAGE]
そしていよいよこの日のキュレーターにして、トリのクリープハイプ。一応19:30~とタイムテーブルに準拠した時間になってはいるが、銀杏BOYZが4曲しかやってないのにかなり押したため、始まったのは40分を過ぎていた。
いつものようにSEもなしに4人が登場すると、尾崎が客席に投げキスをするというまさかの展開から、あのギターのイントロで始まったのは、「イノチミジカシコイセヨオトメ」。さらにそのまま「手と手」につながるという、「死ぬまで一生愛されてると思ってたよ」の流れ。さらにダンサブルな「ウワノソラ」、ヒットシングル「おやすみ泣き声、さよなら歌姫」と、ライブで聴きたい曲の人気投票でもやったんだろうか?と思ってしまうくらいのキラーチューンの連発っぷり。
「今日はここまで11組出てくれたんですけど…クリープハイプでこんなイベントができるなんて思ってませんでした。本当にありがとうございます」
と言った尾崎世界観もこの日はよく声が出ていたし、何よりずっと溢れんばかりの笑顔だった。こんな顔でライブしてるのを見ることはなかなかない。
「イケメンとデュエットします」
と言って、オープニングアクト時から活躍していた、長谷川カオナシ(ベース)とのツインボーカル「グレーマンのせいにする」では尾崎がアコギを弾き、
「初めて付き合った彼女の時、家に帰るのがめんどくさくて、同じパンツを何日も履き続けてたら、なんかだんだん痒くなってきて(笑)
ヤバい、病気になったと思って人生で初めて泌尿科に行って、見せて、って言われてまぁあそこを見せたら、全然こんなのなんともないよ、って言われて(笑)
そのあと交際相手のお母さんに、あなたパンツだけはちゃんと変えなさい!って言われました(笑)
登場よく通ってたラブホテルの名前はアテネでした(笑)」
と、実にしょうもないようなMCをしてから「ラブホテル」へ。最後のサビ前のブレイクではなかなか歌い出さず、
「終わって欲しくないから時間稼ぎしてます(笑)でも銀杏BOYZが押したので、早くやります(笑)」
と、やっぱりそうですよね、としか言えない展開に。
リリースを目前に控えた新曲「リバーシブルー」(この日会場で何度も流れていた)から、本編ラストは銀テープが炸裂した「社会の窓」、カオナシのベースのイントロで大歓声が起きた「HE IS MINE」で、
「この日にぴったりなあの時間が来ました」
と言うと、「セックスしよう!」の大合唱が起こった。
アンコールで再びメンバーが登場すると、
「中学生の時からずっと音楽をやってると、苦しいこととか辛いこともたくさんあって。というかそういうことばかりで、音楽から離れようとすれば離れられたタイミングは何度もあって。でも離れようとすればするほど、もっと強い力で音楽はくっついてきて。
でもこんなに楽しい時間を味わえて、音楽やってて本当に良かったと思ってます」
と、Bowlineというイベントに合わせたかのような尾崎のMCから、この日会場で無料で配布されていたコラボソング「クリープ」へ。
そしてラストは
「死ぬまで一生愛されてると思ってたよ」
という必殺のフレーズで始まる「愛の標識」。メンバーは演奏を終えると、各々が深々と頭を下げてからステージを去って行った。
自主企画での対バンとかはあれど、クリープハイプは自分たち主催でフェスをやったりするようなバンドじゃないだけに、このタワレコとのBowlineじゃなければこういうイベントをやることはなかっただろう。
だがクリープハイプはこの日、自分たちが「Bet in」したアーティストたちがつないできたバトンを最後に受け取り、そのアーティストたちの感謝を自分たちの力に変えたライブをしてみせた。
リハ1.憂、燦々
リハ2.左耳
1.イノチミジカシコイセヨオトメ
2.手と手
3.ウワノソラ
4.おやすみ泣き声、さよなら歌姫
5.エロ
6.グレーマンのせいにする
7.ラブホテル
8.オレンジ
9.リバーシブルー
10.社会の窓
11.HE IS MINE
encore
12.クリープ
13.愛の標識
リバーシブルー
http://youtu.be/W3UJCVBCJbM
Bowlineに参加するのはこれで3回目。長丁場だったから体力は疲れているが、気力は充実している。クリープハイプとタワレコ、銀杏BOYZのライブを千葉で見せてくれて、本当にありがとう。いつだって、今を愛してる!
Next→ 10/2 佐々木亮介 (a flood of circle) 弾き語りライブ @恵比寿ガーデンプレイス
これまでにMAN WITH A MISSION、SiM、10-FEET、BRAHMANがキュレーターとなって開催されたが、これまでで最大キャパの幕張メッセでのキュレーターになったのは、Dragon Ashとクリープハイプ。前日のDragon Ashに続き、この日はクリープハイプがキュレーターで、イベントタイトルは「Bet in」。クリープハイプが「賭けた」アーティスト達が集結する一日に。
会場の幕張メッセ9~11ホールにメインのRED STAGEとサブのYELLOW STAGEが向き合って配置される2ステージ構成。だが客席を広くしたからか、物販が開場直後からかなり並んでおり、並んだらオープニングアクトに間に合わなそうなレベル。
11:20~ go! go! vanillas (warning act) [YELLOW STAGE]
というわけで、この日のオープニングアクトはgo! go! vanillas。メンバーが登場すると、ジェットセイヤ(ドラム)が
「Bowlineー!楽しむ準備は出来てるかー!」
と叫び、「マジック」からご機嫌なロックンロールナンバーを連発していく。ギターが宮川から柳沢に変わってから見るのは初めてだったので、若干不安な部分もあったのだが、その不安は全くいらないものだったとばかりに柳沢のギターはこのバンドに実によく合っている。というか、宮川とタイプが似たギタリストだからそう思うのかもしれない。
「アクロスザユニバーシティ」を終えると、ベースのプリティが何やら小芝居を始め、牧(ボーカル&ギター)に突っ込まれながらも小芝居を続けると、千と千尋の神隠しのカオナシが大量のタワレコのタオルを持って登場し、そのカオナシの中身に入っていたのは、クリープハイプのベースの長谷川カオナシ。プリティと同じ長谷川つながりということで、プリティと同じく蝶ネクタイにサスペンダーという衣装で、2人で「長谷川!」のコール&レスポンスを行うも、途中で「クリープハイプ!」「Bowline!」「Bet in!」と次々とコールを変えたため、「長谷川」は2回くらいしか言ってない。会場に長谷川がどれくらいいるかを聞くと、若干名の手が上がり、
「世界は長谷川を中心に回っている!」
とプリティが叫んで、カオナシはステージを去る。
後半は曲中でコール&レスポンスが発生する「ホラーショー」から、夏の野外で聴きたくなる爽やかな「バイリンガール」、最新シングル「カウンターアクション」、後半で一気にバンドサウンドが加速する「オリエント」と、ベスト的な内容で終了。
オープニングアクトとして会場を温める役割を全うするとともに、この4人でのバニラズにさらに期待したくなるようなライブだった。
1.マジック
2.エマ
3.アクロスザユニバーシティ
-プリティとカオナシの長谷川コラボ-
4.ホラーショー
5.バイリンガール
6.カウンターアクション
7.オリエント
カウンターアクション
http://youtu.be/tis5QqV0Dgk
12:00~ 東京スカパラダイスオーケストラ [RED STAGE]
メインステージのトップバッターは、東京スカパラダイスオーケストラ。揃いの黒のスーツに身を包んだメンバーが登場すると、加藤(ギター)が煽りまくる「ルパン三世 '78」からスタートし、真昼間からパーティータイムに突入。
川上のベースソロをフィーチャーしたり、ホーン隊が代わる代わるコーラスを務めたり、ホーン隊と加藤と川上が横一列に並んで同じアクションをしたりと、さすがにベテランならではのフォーメーションを見せる。
「Bowlineのサイトを見たら、Bowlineってのは結び目って意味らしい。俺はこのイベントは心と体を結ぶものだと思ってるよ。戦うように楽しんでいってくれ!」
という谷中の名言MCも飛び出すと、今回ラインアップに並んだのはこれがあるからだろうとしか思えない、クリープハイプ尾崎世界観とのコラボへ。「Bet in」と「Bed in」がかかっていることから、
「ここをでっかいベッドの上だと思って暴れてくれよ!」
と谷中が叫び、「爆音ラブソング」、そしてややダブの要素が強い「めくったオレンジ」の2曲をコラボで終了。もともとはスカパラ加藤がクリープハイプのファンだったことから実現したコラボだが、その加藤が尾崎にいじられたりと、実に仲が良さそうだった。個人的には「めくったオレンジ」のほうが尾崎の独特な声が生きてる感じがするが。
1.ルパン三世'78
2.火の玉ジャイヴ
3.DOWN BEAT STOMP
4.Pride Of LIONS
5.爆音ラブソング with尾崎世界観
6.めくったオレンジ with尾崎世界観
爆音ラブソング
http://youtu.be/bUcqb23mMQ4
12:45~ きのこ帝国 [YELLOW STAGE]
ここまではgo! go! vanillas→東京スカパラダイスオーケストラと、パーティー感の強い流れだったが、きのこ帝国のあーちゃんの轟音ギターによる「国道スロープ」がその流れを一変させる。
近年はポップな名曲も多いし、実際BAYCAMPではそういう曲を多めに演奏していたのだが、この日は「桜が咲く前に」も「クロノスタシス」もなしの、轟音ギターによる、いわゆる「暗い」タイプの曲を連発。MCらしいMCも一切なく、最後に
「またどこかでお会いしましょう」
と佐藤が言ったのみ。しかし、だからこそラスト「東京」のポップさが改めてよくわかるし、あーちゃんの笑顔の鮮やかさが際立っていた。
セトリ、どうやって決めているんだろうか。
リハ1.疾走
リハ2.夏の夜の街
1.国道スロープ
2.WHIRLPOOL
3.ヴァージン・スーサイド
4.海と花束
5.夜が明けたら
6.東京
東京
http://youtu.be/yBRqRAh9vJM
13:30~ miwa [RED STAGE]
この日のラインアップではやや異質と言っていいmiwa。女性コーラス2名、ギター2名、ベース、ドラム、キーボード、本人という8人編成という大所帯でパワフルなサウンドを展開。
miwaは曲によってギターを弾いたり、ハンドマイクで歌ったりするのだが、ポップなサウンド同様に黄色いTシャツを着たmiwa本人も眩しいくらいに輝いて見える。
「前に赤坂BLITZでのクリープハイプさんのワンマンを見に行ったことがある」
とMCで本人は言っていたが、それは「死ぬまで一生愛されてると思ってたよ」の時だから、かなり年季の入ったファンである。
曲中にはタオル回しも行われたのだが、女性コーラス2名が回していたタオルがタワレコのタオルだったのはこの日限定だったんだろうか。
1.Faith
2.chAngE
3.360°
4.ストレスフリー
5.ヒカリへ
6.君に出会えたから
360°
http://youtu.be/xOd6XAU43QQ
15:00~ フジファブリック [RED STAGE]
SEもなしに登場したフジファブリック。いきなりあの「虹」のイントロが始まったのだが、いつもと違うのは、ドラマーがboboではなく、あらきゆうこになっていること。なのでここ最近のライブとは全くサウンドが違う。というか、boboがどれだけ異質なドラマーなのかがよくわかる。あらきゆうこは割と曲に忠実なため、昔のサポートの城戸や、元メンバーの足立が叩いていた頃を思い出させる。
boboもあらきゆうこも歴代のくるりのサポートメンバーであるが、そのメンバーがサポートに入ってくるのは、山内総一郎(ボーカル&ギター)自身がくるりのサポートメンバーをやっていたことがあるからだろうか。
続く「Sugar!!」でも大歓声が上がり、この選曲は実に嬉しいところだったが、むしろ今日のセトリの中での最大の山は、次に演奏した、最新ミニアルバム「BOYS」収録の美しいバラード曲「Green Bird」である。この3人で作った、かつてのフジファブリックの名曲たちに引けを取らないくらいの美しいメロディーの、ストレートな名曲。こういう曲が出来るあたり、このバンドはまだまだもっと前に進めるはず。
「まだまだここから踊れますか!?」
と山内が話した後の「バタアシ Party Night」では金澤ダイスケが途中でショルダーキーボードに持ち替えるのだが、電飾がついたド派手なもの。山内も途中からハンドマイクになり、ステージを歩きながらカメラ目線で歌うと、続く「夜明けのBEAT」でもギターを頭の後ろで弾きまくるなど、これまでよりはるかに「魅せる」ライブをするようになった。加藤(ベース)の安定感は変わらないが。
そしてラストは「LIFE」。フェス仕様の代表曲もやりつつ、現在のバンドの姿もしっかりと見せ、それをたくさんの人に受け入れられている。曲数は少なかったが、実に濃厚な時間だった。
リハ.若者のすべて
1.虹
2.Sugar!!
3.Green Bird
4.バタアシ Party Night
5.夜明けのBEAT
6.LIFE
Green Bird
http://youtu.be/PcFaBM_3Ucc
15:45~ BLUE ENCOUNT [YELLOW STAGE]
序盤から複雑な演奏でありながらキャッチーなメロディーと田邊(ボーカル&ギター)のエモいボーカルで、この日ここまではなかったダイブやサークルが客席で発生しまくっていた、BLUE ENCOUNT。
自身が喋っている様子がスクリーンに映ると、
「お母ちゃん!俺映ってるよ!」
と叫んで笑いを誘うが、
「クリープハイプについて好きな曲とか、好きなAメロとか、いくらでも語れるけど、この間尾崎さんに「ブルエンはバンド界のおしゃべりクソ野郎だ」って言われたんで、音楽で返します!(笑)」
と言うと、夏にリリースされたフルアルバム「≒」からの曲も含めてさらに加速していく。
コール&レスポンスを発生させた「NEVER ENDING STORY」で感動的な空気に満たすと、田邊の熱いMC。これまでは田邊は自分の弱さをさらけ出した上で熱いMCをしていたが、この日は弱い部分を出さなかった。それにより、人が付いて行くような気分になるようなカリスマ性を感じるようになった。
「俺たち、今日の中で1番じゃなくてもいい。辛い時とかに俺たちの曲を思い出してくれとか、CD聴いてくれとか、そんなことは思ってません!でも、この曲だけは覚えて帰ってほしいです!」
と言って、ラストの「もっと光を」では大きな合唱が起きたが、初めて見た人でもこの曲だけでは絶対済まないだろうと思うほどに、客席はびっしり埋まっていた。次のワンマンはZepp2daysだが、もはや武道館でも埋まると思う。
1.アンバランス
2.ロストジンクス
3.DAY × DAY
4.LIVER
5.NEVER ENDING STORY
6.もっと光を
DAY × DAY
http://youtu.be/OHKcEZqsKOY
16:30~ ストレイテナー [RED STAGE]
今年の夏もフェス出まくりだったストレイテナー、交流のあるバンドの多い昨日ではなく、この日に登場。
初っ端の「From Noon Till Dawn」でホリエ(ボーカル&ギター)が
「幕張のBowline、マジ最高!」
と歌詞を変えて歌うという最近はご当地ネタを入れてるとこでしっかりとこの日ならではのフレーズを入れてくる。
バンドの圧倒的なグルーヴを見せつける曲で踊らせると、
「Dragon Ashのkjに、「なんで俺たちの日に出ないの?」って言われて(笑)クリープハイプとやりたいから、って言ったんだけど、昨日はヤカラみたいな人が多いから(笑)」
と緩いMCで笑わせる。
ソリッドなギターロック「TRAIN」から、
「この夏のために書いた反戦歌」
こと「NO ~命の跡に咲いた花~」を夏が過ぎても歌い続ける姿勢を見せる。
そしてラストはメンバー紹介も含めた「Melodic Storm」で爽やかな風を吹かせ、圧倒的な一体感を感じさせて終了。いつものようにメンバー4人がステージ前に並んで、観客に頭を下げてから去って行った。
リハ.KILLER TUNE
1.From Noon Till Dawn
2.Super Magical Illusion
3.Discography
4.羊の群れは丘を登る
5.TRAIN
6.NO ~命の跡に咲いた花~
7.Melodic Storm
Melodic Storm
http://youtu.be/MtoAJF-jQjE
17:15~ 04 Limited Sazabys [YELLOW STAGE]
サウンドチェックの段階からガンガン曲を演奏していた、フォーリミこと04 Limited Sazabys。
いきなりの「monolith」で早くもダイバーが続出すると、いつにも増して畳み掛けていくかのように曲自体のテンポが早いパンク・メロコア曲を連発していく。
RYU-TA(ギター)が煽りまくってコール&レスポンスを繰り返してからの「Chicken race」からは少し違ったタイプの曲も披露していく。
「クリープハイプのみなさん、誘ってくれて、たたせてくれて、やらせてくれて本当にありがとうございます!」
というGEN(ボーカル&ベース)の言葉がどこか下ネタっぽく聞こえる中、曲の内容的にはキチンと前フリになっている「milk」へ。
「さっき、フジファブリック見て、「虹」を聴いて、ストレイテナー見て「TRAIN」とか聴いて。そういう昔ずっと聴いてたような曲を聴くと、聴いてた当時に連れ戻してくれる。
僕らの曲が、いつかそういう曲になってくれたら嬉しいです。再会の歌、Terminal!」
と、音楽ファンなら実によくわかるMCをしてから「Terminal」、そしてラストの「swim」で一気に最後にピークを迎えた。
クリープハイプ主催なのでパンクなフォーリミはアウェーな感じもするが、全くそうならないのは、30分くらいの出番でもファンを呼べることと、他バンドのファンにも聴かれていることと、知らない人をすぐさま掴めるライブをやっているから。
もはやパンクシーンのみならず、ロックシーン全体でも大本命と言ってもいい存在のバンド。
リハ1.medley
リハ2.nem…
リハ3.Remember
1.monolith
2.days
3.fiction
4.Chicken race
5.rabyrinth
6.midnight cruising
7.milk
8.Terminal
9.swim
Terminal
http://youtu.be/7h-fk7BXmtQ
18:00~ 銀杏BOYZ [RED STAGE]
RUSH BALLではなんと急にバンド編成でライブをやったという。この日のステージを見ると、楽器、それも4人編成であろう機材がセッティングされている、銀杏BOYZ。
まずは暗闇の中、峯田和伸が1人で登場し、
「幕張メッセはライブやるのも、来るのも初めて。このステージに立たせてくれたクリープハイプのみなさん、タワレコのみなさん、ありがとうございます。テレビやネットの音楽で満足できないから幕張まで来たんでしょう!」
という最近おなじみの話をして、新曲「生きたい」の弾き語りを始めると、途中でステージに山本幹宗(ギター。ex.the cigavettes)、藤原寛(ベース。ex.andymori)、後藤大樹(ドラム。ex.andymori)の3人が登場。峯田が「BABY!」と叫ぶと、曲途中からバンドサウンドに。それはかつての「人間」や「光」のように。
どしゃめしゃなバンドサウンドになった「生きたい」を終えると、何度も「BABY!」と叫んで、エレキギターを持ち、バンド編成での「BABY BABY」。藤原はコーラスも担い、後藤のドラムはやはり村井守とは比べものにならないくらいに上手かった。
その「BABY BABY」、アウトロではマイクスタンドを客席に向け、観客に合唱させる。途中、バンドが演奏を止め、幕張メッセの中に響くのは観客の歌う声だけ。その様子がスクリーンに映る。最前列には泣いている人もいる。
「さっき喫煙所に行ったら、ちょうど日が沈むところで。照明さん、ステージを夕暮れみたいにオレンジにしてください。あの娘の横顔はロックじゃなかった。でも夕暮れはあの娘の横顔を照らす。ぽあだむ!」
と「ぽあだむ」ではバンドサウンドに打ち込みも絡む。
メンバー紹介もすると、4年前に福島でライブをやった時に被災地のボランティアに行って、被害にあった家を片付けた話をし、その家で宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を見つけ、
「歌えってことなのかなって。今日も歌っていいですか」
と「新訳 銀河鉄道の夜」。最初は弾き語り。山本と藤原は座っていた。曲途中で
「あなた達はクリープハイプのライブを最後まで楽しむ。帰りに友達と電車に乗る。車窓からは夜景が見える。車内を見渡すと、スマホをいじる人ばかり。スマホでタダで音楽が聴ける時代に幕張までライブ見に来てくれてありがとう」
と語りかけ、途中からバンドも合流し、「新訳 銀河鉄道の夜」もバンドサウンドで蘇った。演奏を終えると、
「またライブやるんで、また会いましょう。10年後でも、20年後でも」
と、再会を約束してメンバー達と共に峯田和伸はステージを去った。
andymori時代から後藤は凄腕ドラマーとして有名だったが、どれだけ上手くても、今はまだ「銀杏BOYZの峯田和伸とサポートの3人」という構図でしか見れない。それはやはり技術よりも精神の部分。でもずっと弾き語りでやっていくわけにはいかないわけで…だからいつかは「あの3人以外のメンバーの銀杏BOYZ」にならなくてはいけないのはわかってたし、あの3人がもういないのも去年のUKFCでわかってた。でも、こうして他の人がステージに立っているのを見て、本当に自分の中であの4人での銀杏BOYZは終わった。
それでも、こうして峯田さんが前に進もうとしている姿を見せられると、自分も受け入れて前に進まなくては、と思う。
1.生きたい
2.BABY BABY
3.ぽあだむ
4.新訳 銀河鉄道の夜
新訳 銀河鉄道の夜
http://youtu.be/r0yT3h66guk
そのあと、indigo la Endは銀杏の余韻でまともに見れず。
19:30~ クリープハイプ [RED STAGE]
そしていよいよこの日のキュレーターにして、トリのクリープハイプ。一応19:30~とタイムテーブルに準拠した時間になってはいるが、銀杏BOYZが4曲しかやってないのにかなり押したため、始まったのは40分を過ぎていた。
いつものようにSEもなしに4人が登場すると、尾崎が客席に投げキスをするというまさかの展開から、あのギターのイントロで始まったのは、「イノチミジカシコイセヨオトメ」。さらにそのまま「手と手」につながるという、「死ぬまで一生愛されてると思ってたよ」の流れ。さらにダンサブルな「ウワノソラ」、ヒットシングル「おやすみ泣き声、さよなら歌姫」と、ライブで聴きたい曲の人気投票でもやったんだろうか?と思ってしまうくらいのキラーチューンの連発っぷり。
「今日はここまで11組出てくれたんですけど…クリープハイプでこんなイベントができるなんて思ってませんでした。本当にありがとうございます」
と言った尾崎世界観もこの日はよく声が出ていたし、何よりずっと溢れんばかりの笑顔だった。こんな顔でライブしてるのを見ることはなかなかない。
「イケメンとデュエットします」
と言って、オープニングアクト時から活躍していた、長谷川カオナシ(ベース)とのツインボーカル「グレーマンのせいにする」では尾崎がアコギを弾き、
「初めて付き合った彼女の時、家に帰るのがめんどくさくて、同じパンツを何日も履き続けてたら、なんかだんだん痒くなってきて(笑)
ヤバい、病気になったと思って人生で初めて泌尿科に行って、見せて、って言われてまぁあそこを見せたら、全然こんなのなんともないよ、って言われて(笑)
そのあと交際相手のお母さんに、あなたパンツだけはちゃんと変えなさい!って言われました(笑)
登場よく通ってたラブホテルの名前はアテネでした(笑)」
と、実にしょうもないようなMCをしてから「ラブホテル」へ。最後のサビ前のブレイクではなかなか歌い出さず、
「終わって欲しくないから時間稼ぎしてます(笑)でも銀杏BOYZが押したので、早くやります(笑)」
と、やっぱりそうですよね、としか言えない展開に。
リリースを目前に控えた新曲「リバーシブルー」(この日会場で何度も流れていた)から、本編ラストは銀テープが炸裂した「社会の窓」、カオナシのベースのイントロで大歓声が起きた「HE IS MINE」で、
「この日にぴったりなあの時間が来ました」
と言うと、「セックスしよう!」の大合唱が起こった。
アンコールで再びメンバーが登場すると、
「中学生の時からずっと音楽をやってると、苦しいこととか辛いこともたくさんあって。というかそういうことばかりで、音楽から離れようとすれば離れられたタイミングは何度もあって。でも離れようとすればするほど、もっと強い力で音楽はくっついてきて。
でもこんなに楽しい時間を味わえて、音楽やってて本当に良かったと思ってます」
と、Bowlineというイベントに合わせたかのような尾崎のMCから、この日会場で無料で配布されていたコラボソング「クリープ」へ。
そしてラストは
「死ぬまで一生愛されてると思ってたよ」
という必殺のフレーズで始まる「愛の標識」。メンバーは演奏を終えると、各々が深々と頭を下げてからステージを去って行った。
自主企画での対バンとかはあれど、クリープハイプは自分たち主催でフェスをやったりするようなバンドじゃないだけに、このタワレコとのBowlineじゃなければこういうイベントをやることはなかっただろう。
だがクリープハイプはこの日、自分たちが「Bet in」したアーティストたちがつないできたバトンを最後に受け取り、そのアーティストたちの感謝を自分たちの力に変えたライブをしてみせた。
リハ1.憂、燦々
リハ2.左耳
1.イノチミジカシコイセヨオトメ
2.手と手
3.ウワノソラ
4.おやすみ泣き声、さよなら歌姫
5.エロ
6.グレーマンのせいにする
7.ラブホテル
8.オレンジ
9.リバーシブルー
10.社会の窓
11.HE IS MINE
encore
12.クリープ
13.愛の標識
リバーシブルー
http://youtu.be/W3UJCVBCJbM
Bowlineに参加するのはこれで3回目。長丁場だったから体力は疲れているが、気力は充実している。クリープハイプとタワレコ、銀杏BOYZのライブを千葉で見せてくれて、本当にありがとう。いつだって、今を愛してる!
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