京都大作戦 2015 ~いっ祭 がっ祭 感じな祭~ @京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ 7/4
- 2015/07/05
- 14:19
アジカンのNANO-MUGENやくるりの京都音博、氣志團の氣志團万博など、アーティスト主催のフェスも増えてきているが、その中でもトップクラスの成功を収めていて、出演アーティストからも信頼されているのが、10-FEET主催の夏フェス、京都大作戦。
毎年スペシャで映像を見ていた自分としては、ついに念願の初参戦である。
夜行バスで京都へ行き、朝7時半頃に会場へ。すでに入場は長蛇の列。そこから開場、物販に並び、クロークに荷物を預けるまでに4時間ほど。まさかここまで並ばされるとは。しかもオフィシャル物販はまだまだ並んでる人が尽きない。ここはなんとか改善して欲しいところ。現に自分もメインステージのトップバッター、SHANKは全く見れず。
ステージは、メインステージの源氏ノ舞台とセカンドステージの牛若ノ舞台、さらに屋内でバスケットボールの大会が行われる鞍馬ノ間の3ステージ。
今年からチケットがICカードの「万能札」になり、入場はこの万能札をかざすだけ、クレジットカードと紐付けしていれば物販や飲食の会計も現金なしでできるなど、このシステムはなかなか画期的。ただ、身分証確認はされなかったので、チケットが取れないフェスとしての転売対策にはまだならないだろう。
パラパラと雨が降る中、源氏ノ舞台のトップのSHANKは見れなかったため、牛若ノ舞台へ。
11:35~ 04 Limited Sazabys [牛若ノ舞台]
今年の牛若ノ舞台のトップを飾るのは、パンク新世代のヒーローとして、今年様々な夏フェスに出演する、フォーリミこと04 Limited Sazabys。
始まる前からすでに満員の人が待ち受ける中、SEが流れてメンバーが登場。
「名古屋から来ました、04 Limited Sazabysです!」
というGEN(ボーカル&ベース)のおなじみの挨拶から、「monolith」でスタートするといきなりダイブ、モッシュの嵐となるのだが、そこへ
「きっと間違えられないな 憧れのこの京都大作戦のステージを!」
とGENが歌詞を変えて歌うので、客席のボルテージもますます上がる。
その歌詞を変えた部分もそうだが、この日バンドは何度もこのフェスに憧れていて、出るのが夢だったということを話していた。
しかし、ダイバーの有無に関わらず、このステージはステージ自体が低いため、メンバーが実に見づらい。かろうじて頭は見えるものの、いつも見ていて楽しくなるRYU-TA(ギター)の弾きながらのアクションなんかは全然見えない。
そんな中、新作「CAVU」の曲と過去曲を織り交ぜたセトリで展開していくのだが、フェスの30分のセトリでも毎回大胆にやる曲を変えてくるあたりは有り難いし、さすがに本数こなしているバンドだけはある。
憧れのステージへの思いを爆発させるようなエモーショナルな演奏が続き、「Chicken race」でダイブやモッシュだけではない踊れる要素を見せ、
「ちょっと雨降ってるから、今日という日を泳いでいこう!」
とキラーチューン「swim」、そして
「今日、この京都大作戦に出るっていう夢が叶いました。いつか、僕らも地元名古屋でこういう温かいフェスをやりたい。そしてそこに10-FEETに出てもらうっていうのが、次の新しい夢です。今日はありがとうございました!」
と言うと、ラストは壁のように最前にリフトされた人々が並び、サビで一斉にステージ側に向かってダイブしていく光景が圧巻の「Buster call」。初出演にして、もはやこの規模では収まりきらないことを証明するかのような30分。次はきっと源氏ノ舞台に立っているだろう。
1.monolith
2.fiction
3.Do it Do it
4.Remember
5.knife
6.Chicken race
7.swim
8.Buster call
fiction
http://youtu.be/cAm_hgAfduA
そのあと源氏ノ舞台のdustboxをチラ見。ドラマーが変わってもやる曲も変わらないし、バンド自体も全然変わらないな、と思っていたのだが、
「俺たち、メンバーチェンジしたんだよ。それで4月に京都で初めてこのメンバーでライブやって。不安だったよ。今年は大作戦出れないかもしれないって思って。でも今年も呼んでくれた10-FEET、感謝してる。本当にありがとう」
というMCは、変わらないようでいて、メンバーが変わったことで、バンドそのものが確かに変わったことを感じた。
12:40~ tricot [牛若ノ舞台]
過去にもこのフェスのこのステージに出演しており、滋賀と京都の出身ということで、凱旋となるtricot。
サポートドラマー山口美代子(detroit7)を含めた4人がSEもなしにステージに登場すると、イッキュウ(ボーカル&ギター)はいつものように長い白シャツ姿。
するといきなりの「爆裂パニエさん」からスタート。序盤はバンドも観客側もちょっと硬さや探っている感じ。しかもキダ(ギター)は間違えて、
「見放題ー!」
と、この日大阪で行われてるサーキット型フェスの名前を叫んでしまうという痛恨のミス。
そんな空気がガラッと変わったのは、最新アルバム「AND」収録の「庭」。変拍子ばかりで実にリズムに乗りにくいのはこのバンドの特徴ではあるが、この曲ではいきなり曲中でサンバに急展開し、キダがホイッスル、ヒロミ(ベース)がカウベル、イッキュウがマラカスを手にし、一大ダンス天国へ。
すると「99.974°C」のイントロではヒロミが客席に突入し、観客の上でベースを弾き、続いてキダも客席に突入、ラストの「MATSURI」ではハンドマイクのイッキュウも突入すると、再びヒロミも突入し、キダはスピーカーの上によじ登ってギターを弾くという爆裂ぶり。やっぱりこのバンドはただのガールズバンドではなかった。
1.爆裂パニエさん
2.POOL
3.E
4.庭
5.99.974°C
6.MATSURI
E
http://youtu.be/uvMyCFAVIqs
13:45~ 細美武士 [牛若ノ舞台]
tricotが終わると、すぐさまギターを持ってステージに登場してきた細美武士。サウンドチェックがてらに「なごり雪」を歌い、
「じゃあ次はThe BeatlesのLet It Beをやるね」
と言いながら、また「なごり雪」をやる(笑)(この流れがもう1回続く)
「tricotにさ、シャツの中身はパンツなの?パンツじゃないの?って聞いたんだけどさ、パンツじゃないです、って言われた(笑)」
と、イッキュウへのセクハラ気味な質問もしつつ、弾き語りではおなじみのベン・E・キングの「Stand by me」までやって、いったんステージから去る。
ちなみにこの段階で客席は満員だったのだが、外には2000人近くの待機列ができていたらしい。
開始時間になると再びステージに登場し、
「セキュリティ出てきたけど、ダイブとか弾き語りじゃ絶対ないから(笑)休んでていいですよ。じゃあ夏に合う曲」
と言って最初に歌い始めたのは、ELLEGARDENの「BBQ Riot Song」。これにはいきなり歓声が起こり、無数の腕が上がる。
続くシンディ・ローパーの「True Colors」も弾き語りではおなじみの選曲だが、ここで背後からただならぬ気配を感じ、その鬼のような気配を醸し出す男、BRAHMANのTOSHI-LOWをステージに呼び込む。
TOSHI-LOW「今年、京都大作戦出ないって言ってたじゃん」
細美「本当はMONOEYESで来たかったんだけど、メンバーのスケジュールが合わなくて…っていうか、TOSHI-LOWだよ!俺に来いって言ったの!このフェス出るの初めてだから一緒に来て、って!」
TOSHI-LOW「いや、やっぱり初めてのとこだとご飯食べるとことかちょっと不安じゃん?(笑)」
細美「とりあえずBRAHMANの曲やるから一緒に歌って」
TOSHI-LOW「ええ!?このあと俺たちのライブでもこの曲やるんだよ!?」
細美「とりあえず早くやらないと時間押したらヤバいじゃん」
TOSHI-LOW「どうせ押すんだから、もう次のなむばさん?(NAMBA69)、今からセッティング始めていいよ(笑)」
という、あまりにも仲良すぎるだろうというやり取りから、BRAHMANの「Placebo」。TOSHI-LOWは客席に突っ込んで人の上に立って歌い、細美がコーラス。TOSHI-LOWにいじられた難波章浩も袖で見ていた。
TOSHI-LOW「後で俺たちがやる時にも出てね。今みたいなことやるから、一緒にやってね」
と言いつつ、いったんTOSHI-LOWはステージを去る。
すると、リリースされたばかりのMONOEYES「My Instant Song」を弾き語り。すでにエルレの曲と同様にみんなの歌になっている。
そしてまたもTOSHI-LOWを呼び込み、
細美「昨日MONOEYESのレコードが完成して…」
TOSHI-LOW「MONOBRIGHT?」
細美「MONOBRIGHT!?ヒダカさん?」
TOSHI-LOW「ヒダカ?あんなジジイどうだっていいよ(笑)
でも俺はバンド名は、ちゃんとして細美。のほうがいいと思ってたんだけどね」
細美「凛として時雨、みたいな感じでね」
TOSHI-LOW「ほら、靴紐ほどけてるしさ。大丈夫?」
細美「大丈夫大丈夫。俺、一応東北ライブハウス大作戦の特攻隊長の名刺も持ってるし」
TOSHI-LOW「俺は役職はないの?」
細美「TOSHI-LOWは…鬼じゃない?」
TOSHI-LOW「役職が妖怪!?(笑)」
という、いきなりのヒダカトオルいじりから始まり、愉快なやり取りからブルーハーツの「青空」を観客と一緒に大合唱。
そしてTOSHI-LOWが、
「最後、いい曲やってね。みんなが願いたくなるようなやつやってね」
と言うと、最後はその通りに願いたくなるELLEGARDENの「Make A Wish」。
「京都の声を聞かせてくれ!」
と言うと、またも大合唱。しかも主旋律は観客に歌わせ、細美はハモりという、観客いてこそのアレンジ。
これから細美武士はMONOEYESとthe HIATUSで様々な夏フェスに出演する。まだMONOEYESはライブをやっていないだけに、果たしてどんな景色を見せてくれるだろうか。
リハ.なごり雪
リハ.Let It Be
リハ.Stand by me
1.BBQ Riot Song
2.True Colors
3.Placebo w/TOSHI-LOW
4.My Instant Song
5.青空 w/TOSHI-LOW
6.Make A Wish
My Instant Song (MONOEYES)
http://youtu.be/pppstt1_YZw
14:15~ ACIDMAN [源氏ノ舞台]
細美武士終わりでの移動がかなり混雑していたため、着いた時にはすでに始まっていた、このフェス常連の1組、ACIDMAN。
激しいバンドが多く出ているフェスだからか、選曲もアッパーな曲が多めで、バンドの演奏も実にエモーショナル。
しかしながら、
「一つお詫びしたいことがあって…。ドラムの一悟君が、いっ祭がっ祭感じな祭というフェスのタイトルを、いっぱいおっぱい揉みなさいに勘違いしていました(笑)
痴漢はぶっ飛ばす!」
という大木のMCにはズッコケそうになる。
アッパーな曲が続いたセトリだったが、最後をバラードの「世界が終わる夜」でしめくくるのはこのバンドならでは。
しかし、ACIDMANよりdustboxのほうがはるかに人が入っていたし、ACIDMANの「世界が終わる夜に」以外の曲でダイバーが続出しているのを見ると、普段ACIDMANのライブを見ている時との客層の違いをまざまざと感じる。
1.造花が笑う
2.アイソトープ
3.新世界
4.Stay in my hand
5.ある証明
6.世界が終わる夜
世界が終わる夜
http://youtu.be/ZPzF7T5q9-Y
15:20~ Dragon Ash [源氏ノ舞台]
このフェスの顔、Dragon Ash。あの「陽はまたのぼりくりかえす」のイントロが流れる中、観客のハンドクラップに導かれてメンバーが登場。そしてそのまま「陽はまたのぼりくりかえす」を演奏。
すると一転して「Fantasista」では客席から大きなコーラスが巻き起こる中、ステージに10-FEETのTAKUMAが登場し、ATSUSHIの横でダンスを踊る。
さらに「Life goes on」とベスト的な曲が続き、ベースのkenkenをフィーチャーした「The Live」では圧倒的なベースの演奏とkenkenのボーカルを見せつける。
そしてイントロで大歓声が上がった「百合の咲く場所で」では客席に巨大サークルがいくつも出現し、kjは
「10-FEETのことが大好きなやつー!俺は大好きだー!」
と叫び、あっという間のラストはこのフェスではおなじみの10-FEETのカバー「SHOES」。当然のようにTAKUMAが再びステージに登場し、kjとのツインボーカルというのはこの場所、この瞬間ならでは。
最後はTAKUMAのジャンプにバンドのキメを任せるも、大ジャンプするかと思いきや、まさかの小ジャンプでメンバーに突っ込まれまくりながら終了。
Dragon Ashのライブ自体は年間何回も見ているが、このフェスで見るDragon Ashのライブは、今まで見てきたライブとは明らかに違うものだった。
1.陽はまたのぼりくりかえす
2.Fantasista
3.Life goes on
4.The Live
5.百合の咲く場所で
6.SHOES w/ TAKUMA
Fantasista
http://youtu.be/JpkUXgGCENI
16:25~ BRAHMAN [源氏ノ舞台]
雨が強くなり、客席が徐々に泥沼になっていく中に登場したのはBRAHMAN。20周年を総括するような映像がスクリーンに流れてからメンバーが登場するという演出からして、初出演にもかかわらず、このフェスがこのバンドをいかに特別な存在に思っているかがよくわかる。
「The only way」から始まると、畳み掛けるように曲を連発していくが、リリースされたばかりのニューシングル収録曲「其限 ~sorekiri~」「終夜 ~yomosugara~」がセトリに入ってくるあたりがこれまでとは違う、20年を迎えたBRAHMANのモード。また、これらの曲がその前に演奏された曲のようにハードコア、パンク的な激しい曲ではないのが尚更。
しかしながら「警醒」でTOSHI-LOWが客席に突入し、ダイバーを掻き分けながら歌うと、
「バンド、仲間、ライブ、京都大作戦。あいつにも見せてやりたかったな」
と言っての「Placebo」では細美武士がコーラスとして登場し、先ほどの弾き語りの時に言ったように、TOSHI-LOWの逆サイドの客席に突っ込んで観客の上に立つ。
曲が終わり、細美がステージから去ると、
「去年まで毎年誘われてたけど、ずっと断ってて、今年来た理由は、悪いマスコミとあの、タ…タラコクチビルを懲らしめてやろうと思ったからで…」
と、時事ネタも交えながらのTOSHI-LOWのMC。
「あのタラコクチビルを倒すにはどうすればいいかと思ってトレーニングしてきて、懐に飛び込んでショートアッパーだな…」
と、武井壮みたいな、TAKUMAの倒し方講座を始め、楽屋でTAKUMAを倒したことを報告すると、
「その2m近い、もはやクチビルのお化けみたいなやつをかっさばいてみたら、中からピカピカの赤ん坊みたいな裸のTAKUMAが出てきて。なんかこんな映画を去年見たな、って思って。新一とミギーみたいに、TAKUMAとビルーって感じで、こいつはクチビルに寄生されてたんだな、って。
だからTAKUMAはここ何年かの記憶がない。京都大作戦の記憶もない。だからみんな、TAKUMAに教えてやろうぜ。このフェスがどんなフェスかって。
違法駐車はしない。チケット転売したりしない。ゴミは途中のコンビニや駅に捨てないで、ちゃんと持って帰る、そんなフェスだって。
思えばここ数年、TAKUMAはずっと元気がないように見えた。きっと、いろんなやつからいろんな文句とかを言われてきたんだと思う。
だから、京都大作戦が俺たちに何をしてくれるか?じゃない、俺たちが京都大作戦に何ができるかを考える最初の年にしよう。
バンドと政治も同じ。フェスと国も同じ。誰がやるか、じゃない。俺たちがやるんだ」
と、最初のTAKUMAいじりからは予想もつかないほどに完璧にまとめあげたMCに大歓声が起こる中、福島第一原発で働く作業員の映像が流れる「鼎の問」。
演奏が終わり、最前列にいる観客とハイタッチしながら去っていくTOSHI-LOW。立ちすくむ観客からの鳴り止まない拍手。このライブを見れただけでも、千葉からこの場所まで来て、本当に良かった。
1.The only way
2.賽の河原
3.露命
4.SEE OFF
5.BEYOND THE MOUNTAIN
6.其限 ~sorekiri~
7.終夜 ~yomosugara~
8.警醒
9.Placebo
10.鼎の問
其限 ~sorekiri~
http://youtu.be/jx-gqVt8Z_k
17:30~ サンボマスター [源氏ノ舞台]
直前のBRAHMANと全く空気が変わり、
「アホミラクル!アホミラクル!」
を合言葉に、もはや完全に泥沼と化した客席と降りしきる雨を含めて楽しんでいこうという、ヤケクソにも似た状況。
今年リリースされた新作アルバムからの「可能性」も新たに加わったフェス仕様のセトリで、
「楽しい!楽しい!」
と、自分に言い聞かせるように、かつその言葉を観客に言わせることによって、本当に楽しく感じさせる。
ちなみに以前まではものすごい頭髪の量だったベースの近藤は、ちょっとさっぱり(それでも普通の人よりははるかに長い)している。
「できっこないを やらなくちゃ」で圧倒的な一体感を生み出すと、
「俺は忌野清志郎にもなれないし、The Beatlesにもブルーハーツにもなれない。あんたらもTAKUMA君みたいにハンサムじゃないし、ホルモンのナヲちゃんみたいに美人じゃないのはわかってるよ。
でも俺はあんたらにも、10-FEETのメンバーにも死んで欲しくねぇわけ。だから、生きてくれ!しかも楽しんで!」
という、このフェスに関わる全ての人へ山口隆がメッセージを送ってのラストは「ロックンロール イズ ノットデッド」。
これだけのメンバーが揃う中で、サンボマスターがこのトリ前という大事な時間に出た意味は間違いなくあった。
1.ミラクルをキミとおこしたいんです
2.世界をかえさせておくれよ
3.可能性
4.世界はそれを愛と呼ぶんだぜ
5.できっこないを やらなくちゃ
6.ロックンロール イズ ノットデッド
可能性
http://youtu.be/VwtkceEaShU
18:40~ 10-FEET [源氏ノ舞台]
いよいよ初日も最後のアーティスト、主催の10-FEET。雨は止むどころか、この時間になってより強さを増している。
「そして伝説へ…」のSEでメンバーが登場すると、いきなりの「RIVER」でスタート。ちなみにこの日はトランペット奏者を加えた4人編成。
歌詞の「流れ行く川」を「流れ行く宇治川」バージョンで聴くのは当然この日が初。
しかもいきなり曲中でTAKUMAが呼び込むと、kjが登場。
「昨日、京都駅でタクシー乗ったんだよ。そしたら、運転手から、京都大作戦行くんですか?、って話しかけられて。すごくない?二条城でも本願寺でもなくて、京都大作戦が一番最初に出てくるんだよ?」
と、MCも交えながら歌い、
「助けてのその一言は」
からのパートは観客に歌わせる。
さらに先ほどDragon Ashがカバーした「SHOES」の本家バージョンでは先ほどとは逆にkjが10-FEETに加わる形で演奏。
「freedom」では鞍馬ノ間でバスケットの試合をしている大阪籠球会のメンバーが登場してダンサーと言ってもいいような動きとフォーメーションを10-FEETのメンバーとともに見せる。ああ、これがずっとスペシャで見てきた、京都大作戦での10-FEETのライブだ、という感慨。
「ロックバンドがやるフェスは各々の趣向が出るし偏りがある。俺らのフェスの武器は出演者同士や客席との身内感、距離の近さにあると思う。SiMも今月DEAD POP FESTIVALやるけど、第1回から伝説になりそうやな。みんな関西から応援行こうや」
という、TAKUMAのMC。今年、SiMはこのフェスには出ていない。(メンバーは見に来ていたらしいが)普通だったら出演していないバンドのフェスをライブのMCで言うようなことはしないだろう。でも、それを言うのはやはりTAKUMAの人柄によるものだと思うし、それこそがこのフェスの距離の近さによるものだと思う。
いつにも増して感動的だった「2%」、全ての負の感情を吹き飛ばすような「その向こうへ」で本編は終了。
しかし、ここでクロークが混む前に荷物を出しに行ったので、アンコールはステージは見えずに音漏れを遠くで聴くだけという展開になってしまった。みんなが待ちわびていた新曲、まだタイトルも決まってないようだが、どちらかというと聴かせるタイプのこの曲はシングルのタイトル曲になるんだろうか?
トリの10-FEETとその前のサンボマスターは共にフェスの持ち時間だと、いつもやる曲はほとんど変わらない。なのに、毎回違ったライブに感じるし、違った感動がある。それは曲や演奏が良いのは当然として、さらにそれに加えて、人間性がそうさせているところが大きいと思う。
1.RIVER
2.focus
3.SHOES
4.STONE COLD BREAK
5.freedom
6.2%
7.1sec.
8.その向こうへ
encore
9.BE FRIENDS AGAIN
10.新曲
11.4REST
RIVER
http://youtu.be/MPfOYr5YkiM
この日、テレビや携帯の画面じゃなくて、自分の目で京都大作戦の10-FEETのライブを初めて見て。いきなりkjが出てきたりしているのを見て、なんでこのフェスがこの規模のフェスになって、出演者や観客から本当に大事に思われてるフェスになったのかが少しわかった気がした。
でも何よりもすごいと思ったのは本当に参加者。あんだけ泥沼みたいな足元なのに、跳んだり、サークル組んだり、ダイブしたり。自分はそこまではできなかったが、本当に晴れてても雨降ってても全く変わらずにフェスを楽しめるっていう人ばかりが来ていた。今まで行った大雨のフェスはもっと人が減ったり、立って見ているだけの人ばかりだった。京都大作戦で一番すごいのは、本当にここに尽きる。
しかし、まだなんかフワフワしている。本当に自分がスペシャで見ていたあの会場にいたのか。バス乗って寝てたら京都だったからあまりピンと来てなかったのかもしれない。けど、確かにライブをこの目で見て、TOSHI-LOWや山口隆やTAKUMAの声をこの耳で聴いた。
せっかくの京都だし、今度は観光とかもしたいな、とも思ってはいるが、観光する時間があったらライブみたいというスタンスなので、おそらく一生観光できそうにない。
とりあえず、次来る時は晴れますように。
Next→ 7/9 Syrup16g @NHKホール


毎年スペシャで映像を見ていた自分としては、ついに念願の初参戦である。
夜行バスで京都へ行き、朝7時半頃に会場へ。すでに入場は長蛇の列。そこから開場、物販に並び、クロークに荷物を預けるまでに4時間ほど。まさかここまで並ばされるとは。しかもオフィシャル物販はまだまだ並んでる人が尽きない。ここはなんとか改善して欲しいところ。現に自分もメインステージのトップバッター、SHANKは全く見れず。
ステージは、メインステージの源氏ノ舞台とセカンドステージの牛若ノ舞台、さらに屋内でバスケットボールの大会が行われる鞍馬ノ間の3ステージ。
今年からチケットがICカードの「万能札」になり、入場はこの万能札をかざすだけ、クレジットカードと紐付けしていれば物販や飲食の会計も現金なしでできるなど、このシステムはなかなか画期的。ただ、身分証確認はされなかったので、チケットが取れないフェスとしての転売対策にはまだならないだろう。
パラパラと雨が降る中、源氏ノ舞台のトップのSHANKは見れなかったため、牛若ノ舞台へ。
11:35~ 04 Limited Sazabys [牛若ノ舞台]
今年の牛若ノ舞台のトップを飾るのは、パンク新世代のヒーローとして、今年様々な夏フェスに出演する、フォーリミこと04 Limited Sazabys。
始まる前からすでに満員の人が待ち受ける中、SEが流れてメンバーが登場。
「名古屋から来ました、04 Limited Sazabysです!」
というGEN(ボーカル&ベース)のおなじみの挨拶から、「monolith」でスタートするといきなりダイブ、モッシュの嵐となるのだが、そこへ
「きっと間違えられないな 憧れのこの京都大作戦のステージを!」
とGENが歌詞を変えて歌うので、客席のボルテージもますます上がる。
その歌詞を変えた部分もそうだが、この日バンドは何度もこのフェスに憧れていて、出るのが夢だったということを話していた。
しかし、ダイバーの有無に関わらず、このステージはステージ自体が低いため、メンバーが実に見づらい。かろうじて頭は見えるものの、いつも見ていて楽しくなるRYU-TA(ギター)の弾きながらのアクションなんかは全然見えない。
そんな中、新作「CAVU」の曲と過去曲を織り交ぜたセトリで展開していくのだが、フェスの30分のセトリでも毎回大胆にやる曲を変えてくるあたりは有り難いし、さすがに本数こなしているバンドだけはある。
憧れのステージへの思いを爆発させるようなエモーショナルな演奏が続き、「Chicken race」でダイブやモッシュだけではない踊れる要素を見せ、
「ちょっと雨降ってるから、今日という日を泳いでいこう!」
とキラーチューン「swim」、そして
「今日、この京都大作戦に出るっていう夢が叶いました。いつか、僕らも地元名古屋でこういう温かいフェスをやりたい。そしてそこに10-FEETに出てもらうっていうのが、次の新しい夢です。今日はありがとうございました!」
と言うと、ラストは壁のように最前にリフトされた人々が並び、サビで一斉にステージ側に向かってダイブしていく光景が圧巻の「Buster call」。初出演にして、もはやこの規模では収まりきらないことを証明するかのような30分。次はきっと源氏ノ舞台に立っているだろう。
1.monolith
2.fiction
3.Do it Do it
4.Remember
5.knife
6.Chicken race
7.swim
8.Buster call
fiction
http://youtu.be/cAm_hgAfduA
そのあと源氏ノ舞台のdustboxをチラ見。ドラマーが変わってもやる曲も変わらないし、バンド自体も全然変わらないな、と思っていたのだが、
「俺たち、メンバーチェンジしたんだよ。それで4月に京都で初めてこのメンバーでライブやって。不安だったよ。今年は大作戦出れないかもしれないって思って。でも今年も呼んでくれた10-FEET、感謝してる。本当にありがとう」
というMCは、変わらないようでいて、メンバーが変わったことで、バンドそのものが確かに変わったことを感じた。
12:40~ tricot [牛若ノ舞台]
過去にもこのフェスのこのステージに出演しており、滋賀と京都の出身ということで、凱旋となるtricot。
サポートドラマー山口美代子(detroit7)を含めた4人がSEもなしにステージに登場すると、イッキュウ(ボーカル&ギター)はいつものように長い白シャツ姿。
するといきなりの「爆裂パニエさん」からスタート。序盤はバンドも観客側もちょっと硬さや探っている感じ。しかもキダ(ギター)は間違えて、
「見放題ー!」
と、この日大阪で行われてるサーキット型フェスの名前を叫んでしまうという痛恨のミス。
そんな空気がガラッと変わったのは、最新アルバム「AND」収録の「庭」。変拍子ばかりで実にリズムに乗りにくいのはこのバンドの特徴ではあるが、この曲ではいきなり曲中でサンバに急展開し、キダがホイッスル、ヒロミ(ベース)がカウベル、イッキュウがマラカスを手にし、一大ダンス天国へ。
すると「99.974°C」のイントロではヒロミが客席に突入し、観客の上でベースを弾き、続いてキダも客席に突入、ラストの「MATSURI」ではハンドマイクのイッキュウも突入すると、再びヒロミも突入し、キダはスピーカーの上によじ登ってギターを弾くという爆裂ぶり。やっぱりこのバンドはただのガールズバンドではなかった。
1.爆裂パニエさん
2.POOL
3.E
4.庭
5.99.974°C
6.MATSURI
E
http://youtu.be/uvMyCFAVIqs
13:45~ 細美武士 [牛若ノ舞台]
tricotが終わると、すぐさまギターを持ってステージに登場してきた細美武士。サウンドチェックがてらに「なごり雪」を歌い、
「じゃあ次はThe BeatlesのLet It Beをやるね」
と言いながら、また「なごり雪」をやる(笑)(この流れがもう1回続く)
「tricotにさ、シャツの中身はパンツなの?パンツじゃないの?って聞いたんだけどさ、パンツじゃないです、って言われた(笑)」
と、イッキュウへのセクハラ気味な質問もしつつ、弾き語りではおなじみのベン・E・キングの「Stand by me」までやって、いったんステージから去る。
ちなみにこの段階で客席は満員だったのだが、外には2000人近くの待機列ができていたらしい。
開始時間になると再びステージに登場し、
「セキュリティ出てきたけど、ダイブとか弾き語りじゃ絶対ないから(笑)休んでていいですよ。じゃあ夏に合う曲」
と言って最初に歌い始めたのは、ELLEGARDENの「BBQ Riot Song」。これにはいきなり歓声が起こり、無数の腕が上がる。
続くシンディ・ローパーの「True Colors」も弾き語りではおなじみの選曲だが、ここで背後からただならぬ気配を感じ、その鬼のような気配を醸し出す男、BRAHMANのTOSHI-LOWをステージに呼び込む。
TOSHI-LOW「今年、京都大作戦出ないって言ってたじゃん」
細美「本当はMONOEYESで来たかったんだけど、メンバーのスケジュールが合わなくて…っていうか、TOSHI-LOWだよ!俺に来いって言ったの!このフェス出るの初めてだから一緒に来て、って!」
TOSHI-LOW「いや、やっぱり初めてのとこだとご飯食べるとことかちょっと不安じゃん?(笑)」
細美「とりあえずBRAHMANの曲やるから一緒に歌って」
TOSHI-LOW「ええ!?このあと俺たちのライブでもこの曲やるんだよ!?」
細美「とりあえず早くやらないと時間押したらヤバいじゃん」
TOSHI-LOW「どうせ押すんだから、もう次のなむばさん?(NAMBA69)、今からセッティング始めていいよ(笑)」
という、あまりにも仲良すぎるだろうというやり取りから、BRAHMANの「Placebo」。TOSHI-LOWは客席に突っ込んで人の上に立って歌い、細美がコーラス。TOSHI-LOWにいじられた難波章浩も袖で見ていた。
TOSHI-LOW「後で俺たちがやる時にも出てね。今みたいなことやるから、一緒にやってね」
と言いつつ、いったんTOSHI-LOWはステージを去る。
すると、リリースされたばかりのMONOEYES「My Instant Song」を弾き語り。すでにエルレの曲と同様にみんなの歌になっている。
そしてまたもTOSHI-LOWを呼び込み、
細美「昨日MONOEYESのレコードが完成して…」
TOSHI-LOW「MONOBRIGHT?」
細美「MONOBRIGHT!?ヒダカさん?」
TOSHI-LOW「ヒダカ?あんなジジイどうだっていいよ(笑)
でも俺はバンド名は、ちゃんとして細美。のほうがいいと思ってたんだけどね」
細美「凛として時雨、みたいな感じでね」
TOSHI-LOW「ほら、靴紐ほどけてるしさ。大丈夫?」
細美「大丈夫大丈夫。俺、一応東北ライブハウス大作戦の特攻隊長の名刺も持ってるし」
TOSHI-LOW「俺は役職はないの?」
細美「TOSHI-LOWは…鬼じゃない?」
TOSHI-LOW「役職が妖怪!?(笑)」
という、いきなりのヒダカトオルいじりから始まり、愉快なやり取りからブルーハーツの「青空」を観客と一緒に大合唱。
そしてTOSHI-LOWが、
「最後、いい曲やってね。みんなが願いたくなるようなやつやってね」
と言うと、最後はその通りに願いたくなるELLEGARDENの「Make A Wish」。
「京都の声を聞かせてくれ!」
と言うと、またも大合唱。しかも主旋律は観客に歌わせ、細美はハモりという、観客いてこそのアレンジ。
これから細美武士はMONOEYESとthe HIATUSで様々な夏フェスに出演する。まだMONOEYESはライブをやっていないだけに、果たしてどんな景色を見せてくれるだろうか。
リハ.なごり雪
リハ.Let It Be
リハ.Stand by me
1.BBQ Riot Song
2.True Colors
3.Placebo w/TOSHI-LOW
4.My Instant Song
5.青空 w/TOSHI-LOW
6.Make A Wish
My Instant Song (MONOEYES)
http://youtu.be/pppstt1_YZw
14:15~ ACIDMAN [源氏ノ舞台]
細美武士終わりでの移動がかなり混雑していたため、着いた時にはすでに始まっていた、このフェス常連の1組、ACIDMAN。
激しいバンドが多く出ているフェスだからか、選曲もアッパーな曲が多めで、バンドの演奏も実にエモーショナル。
しかしながら、
「一つお詫びしたいことがあって…。ドラムの一悟君が、いっ祭がっ祭感じな祭というフェスのタイトルを、いっぱいおっぱい揉みなさいに勘違いしていました(笑)
痴漢はぶっ飛ばす!」
という大木のMCにはズッコケそうになる。
アッパーな曲が続いたセトリだったが、最後をバラードの「世界が終わる夜」でしめくくるのはこのバンドならでは。
しかし、ACIDMANよりdustboxのほうがはるかに人が入っていたし、ACIDMANの「世界が終わる夜に」以外の曲でダイバーが続出しているのを見ると、普段ACIDMANのライブを見ている時との客層の違いをまざまざと感じる。
1.造花が笑う
2.アイソトープ
3.新世界
4.Stay in my hand
5.ある証明
6.世界が終わる夜
世界が終わる夜
http://youtu.be/ZPzF7T5q9-Y
15:20~ Dragon Ash [源氏ノ舞台]
このフェスの顔、Dragon Ash。あの「陽はまたのぼりくりかえす」のイントロが流れる中、観客のハンドクラップに導かれてメンバーが登場。そしてそのまま「陽はまたのぼりくりかえす」を演奏。
すると一転して「Fantasista」では客席から大きなコーラスが巻き起こる中、ステージに10-FEETのTAKUMAが登場し、ATSUSHIの横でダンスを踊る。
さらに「Life goes on」とベスト的な曲が続き、ベースのkenkenをフィーチャーした「The Live」では圧倒的なベースの演奏とkenkenのボーカルを見せつける。
そしてイントロで大歓声が上がった「百合の咲く場所で」では客席に巨大サークルがいくつも出現し、kjは
「10-FEETのことが大好きなやつー!俺は大好きだー!」
と叫び、あっという間のラストはこのフェスではおなじみの10-FEETのカバー「SHOES」。当然のようにTAKUMAが再びステージに登場し、kjとのツインボーカルというのはこの場所、この瞬間ならでは。
最後はTAKUMAのジャンプにバンドのキメを任せるも、大ジャンプするかと思いきや、まさかの小ジャンプでメンバーに突っ込まれまくりながら終了。
Dragon Ashのライブ自体は年間何回も見ているが、このフェスで見るDragon Ashのライブは、今まで見てきたライブとは明らかに違うものだった。
1.陽はまたのぼりくりかえす
2.Fantasista
3.Life goes on
4.The Live
5.百合の咲く場所で
6.SHOES w/ TAKUMA
Fantasista
http://youtu.be/JpkUXgGCENI
16:25~ BRAHMAN [源氏ノ舞台]
雨が強くなり、客席が徐々に泥沼になっていく中に登場したのはBRAHMAN。20周年を総括するような映像がスクリーンに流れてからメンバーが登場するという演出からして、初出演にもかかわらず、このフェスがこのバンドをいかに特別な存在に思っているかがよくわかる。
「The only way」から始まると、畳み掛けるように曲を連発していくが、リリースされたばかりのニューシングル収録曲「其限 ~sorekiri~」「終夜 ~yomosugara~」がセトリに入ってくるあたりがこれまでとは違う、20年を迎えたBRAHMANのモード。また、これらの曲がその前に演奏された曲のようにハードコア、パンク的な激しい曲ではないのが尚更。
しかしながら「警醒」でTOSHI-LOWが客席に突入し、ダイバーを掻き分けながら歌うと、
「バンド、仲間、ライブ、京都大作戦。あいつにも見せてやりたかったな」
と言っての「Placebo」では細美武士がコーラスとして登場し、先ほどの弾き語りの時に言ったように、TOSHI-LOWの逆サイドの客席に突っ込んで観客の上に立つ。
曲が終わり、細美がステージから去ると、
「去年まで毎年誘われてたけど、ずっと断ってて、今年来た理由は、悪いマスコミとあの、タ…タラコクチビルを懲らしめてやろうと思ったからで…」
と、時事ネタも交えながらのTOSHI-LOWのMC。
「あのタラコクチビルを倒すにはどうすればいいかと思ってトレーニングしてきて、懐に飛び込んでショートアッパーだな…」
と、武井壮みたいな、TAKUMAの倒し方講座を始め、楽屋でTAKUMAを倒したことを報告すると、
「その2m近い、もはやクチビルのお化けみたいなやつをかっさばいてみたら、中からピカピカの赤ん坊みたいな裸のTAKUMAが出てきて。なんかこんな映画を去年見たな、って思って。新一とミギーみたいに、TAKUMAとビルーって感じで、こいつはクチビルに寄生されてたんだな、って。
だからTAKUMAはここ何年かの記憶がない。京都大作戦の記憶もない。だからみんな、TAKUMAに教えてやろうぜ。このフェスがどんなフェスかって。
違法駐車はしない。チケット転売したりしない。ゴミは途中のコンビニや駅に捨てないで、ちゃんと持って帰る、そんなフェスだって。
思えばここ数年、TAKUMAはずっと元気がないように見えた。きっと、いろんなやつからいろんな文句とかを言われてきたんだと思う。
だから、京都大作戦が俺たちに何をしてくれるか?じゃない、俺たちが京都大作戦に何ができるかを考える最初の年にしよう。
バンドと政治も同じ。フェスと国も同じ。誰がやるか、じゃない。俺たちがやるんだ」
と、最初のTAKUMAいじりからは予想もつかないほどに完璧にまとめあげたMCに大歓声が起こる中、福島第一原発で働く作業員の映像が流れる「鼎の問」。
演奏が終わり、最前列にいる観客とハイタッチしながら去っていくTOSHI-LOW。立ちすくむ観客からの鳴り止まない拍手。このライブを見れただけでも、千葉からこの場所まで来て、本当に良かった。
1.The only way
2.賽の河原
3.露命
4.SEE OFF
5.BEYOND THE MOUNTAIN
6.其限 ~sorekiri~
7.終夜 ~yomosugara~
8.警醒
9.Placebo
10.鼎の問
其限 ~sorekiri~
http://youtu.be/jx-gqVt8Z_k
17:30~ サンボマスター [源氏ノ舞台]
直前のBRAHMANと全く空気が変わり、
「アホミラクル!アホミラクル!」
を合言葉に、もはや完全に泥沼と化した客席と降りしきる雨を含めて楽しんでいこうという、ヤケクソにも似た状況。
今年リリースされた新作アルバムからの「可能性」も新たに加わったフェス仕様のセトリで、
「楽しい!楽しい!」
と、自分に言い聞かせるように、かつその言葉を観客に言わせることによって、本当に楽しく感じさせる。
ちなみに以前まではものすごい頭髪の量だったベースの近藤は、ちょっとさっぱり(それでも普通の人よりははるかに長い)している。
「できっこないを やらなくちゃ」で圧倒的な一体感を生み出すと、
「俺は忌野清志郎にもなれないし、The Beatlesにもブルーハーツにもなれない。あんたらもTAKUMA君みたいにハンサムじゃないし、ホルモンのナヲちゃんみたいに美人じゃないのはわかってるよ。
でも俺はあんたらにも、10-FEETのメンバーにも死んで欲しくねぇわけ。だから、生きてくれ!しかも楽しんで!」
という、このフェスに関わる全ての人へ山口隆がメッセージを送ってのラストは「ロックンロール イズ ノットデッド」。
これだけのメンバーが揃う中で、サンボマスターがこのトリ前という大事な時間に出た意味は間違いなくあった。
1.ミラクルをキミとおこしたいんです
2.世界をかえさせておくれよ
3.可能性
4.世界はそれを愛と呼ぶんだぜ
5.できっこないを やらなくちゃ
6.ロックンロール イズ ノットデッド
可能性
http://youtu.be/VwtkceEaShU
18:40~ 10-FEET [源氏ノ舞台]
いよいよ初日も最後のアーティスト、主催の10-FEET。雨は止むどころか、この時間になってより強さを増している。
「そして伝説へ…」のSEでメンバーが登場すると、いきなりの「RIVER」でスタート。ちなみにこの日はトランペット奏者を加えた4人編成。
歌詞の「流れ行く川」を「流れ行く宇治川」バージョンで聴くのは当然この日が初。
しかもいきなり曲中でTAKUMAが呼び込むと、kjが登場。
「昨日、京都駅でタクシー乗ったんだよ。そしたら、運転手から、京都大作戦行くんですか?、って話しかけられて。すごくない?二条城でも本願寺でもなくて、京都大作戦が一番最初に出てくるんだよ?」
と、MCも交えながら歌い、
「助けてのその一言は」
からのパートは観客に歌わせる。
さらに先ほどDragon Ashがカバーした「SHOES」の本家バージョンでは先ほどとは逆にkjが10-FEETに加わる形で演奏。
「freedom」では鞍馬ノ間でバスケットの試合をしている大阪籠球会のメンバーが登場してダンサーと言ってもいいような動きとフォーメーションを10-FEETのメンバーとともに見せる。ああ、これがずっとスペシャで見てきた、京都大作戦での10-FEETのライブだ、という感慨。
「ロックバンドがやるフェスは各々の趣向が出るし偏りがある。俺らのフェスの武器は出演者同士や客席との身内感、距離の近さにあると思う。SiMも今月DEAD POP FESTIVALやるけど、第1回から伝説になりそうやな。みんな関西から応援行こうや」
という、TAKUMAのMC。今年、SiMはこのフェスには出ていない。(メンバーは見に来ていたらしいが)普通だったら出演していないバンドのフェスをライブのMCで言うようなことはしないだろう。でも、それを言うのはやはりTAKUMAの人柄によるものだと思うし、それこそがこのフェスの距離の近さによるものだと思う。
いつにも増して感動的だった「2%」、全ての負の感情を吹き飛ばすような「その向こうへ」で本編は終了。
しかし、ここでクロークが混む前に荷物を出しに行ったので、アンコールはステージは見えずに音漏れを遠くで聴くだけという展開になってしまった。みんなが待ちわびていた新曲、まだタイトルも決まってないようだが、どちらかというと聴かせるタイプのこの曲はシングルのタイトル曲になるんだろうか?
トリの10-FEETとその前のサンボマスターは共にフェスの持ち時間だと、いつもやる曲はほとんど変わらない。なのに、毎回違ったライブに感じるし、違った感動がある。それは曲や演奏が良いのは当然として、さらにそれに加えて、人間性がそうさせているところが大きいと思う。
1.RIVER
2.focus
3.SHOES
4.STONE COLD BREAK
5.freedom
6.2%
7.1sec.
8.その向こうへ
encore
9.BE FRIENDS AGAIN
10.新曲
11.4REST
RIVER
http://youtu.be/MPfOYr5YkiM
この日、テレビや携帯の画面じゃなくて、自分の目で京都大作戦の10-FEETのライブを初めて見て。いきなりkjが出てきたりしているのを見て、なんでこのフェスがこの規模のフェスになって、出演者や観客から本当に大事に思われてるフェスになったのかが少しわかった気がした。
でも何よりもすごいと思ったのは本当に参加者。あんだけ泥沼みたいな足元なのに、跳んだり、サークル組んだり、ダイブしたり。自分はそこまではできなかったが、本当に晴れてても雨降ってても全く変わらずにフェスを楽しめるっていう人ばかりが来ていた。今まで行った大雨のフェスはもっと人が減ったり、立って見ているだけの人ばかりだった。京都大作戦で一番すごいのは、本当にここに尽きる。
しかし、まだなんかフワフワしている。本当に自分がスペシャで見ていたあの会場にいたのか。バス乗って寝てたら京都だったからあまりピンと来てなかったのかもしれない。けど、確かにライブをこの目で見て、TOSHI-LOWや山口隆やTAKUMAの声をこの耳で聴いた。
せっかくの京都だし、今度は観光とかもしたいな、とも思ってはいるが、観光する時間があったらライブみたいというスタンスなので、おそらく一生観光できそうにない。
とりあえず、次来る時は晴れますように。
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