チャットモンチー / GLAY チャットモンチーの求愛ツアー 2015 @Zepp Tokyo 7/1
- 2015/07/02
- 17:30
男陣、乙女団という2組のバンドを手に入れ、その2組と作り上げたアルバム「共鳴」をリリースした、チャットモンチー。
アルバムツアーは対バンツアーとなり、柳沢慎吾が出た会場もあるなど、幅広い対バンの面々が各地に出演したが、この日のファイナルの対バンはまさかのGLAY。全盛期にはどっかんどっかんミリオンヒットを連発していたバンドがまさかの登場である。
会場の中には若い人はもちろん、GLAYファンと思しき、それなりに年齢を重ねている人の姿も見受けられる。
19時過ぎ、ステージに張られた紗幕に映像が映し出され、「求愛のテーマ」というべき曲が流れ始める。映像が終わると、幕に「GLAY」の文字が浮かび、幕が落ちるとすでにメンバーがステージに。サポートドラマーを含めた5人編成で、いきなり大ヒット曲「口唇」からスタート。やはりかつてテレビで見ていた時と比べると、TERUの声は少々枯れている感じがしなくもない。しかし、いきなりHISASHIがジャンプを決めるなど、メンバーの演奏には全く翳りは見えない。
TAKUROも後ろを向いてギターを弾きながら顔をひねってコーラスをし、JIROも度々前に出てきてベースを弾くが、TERUの
「Zeppー!」「2階席ー!」
というアジテートが最もダイレクトに客席の温度を上げていく。
こちらも大ヒット曲「誘惑」を演奏すると、
「チャットモンチーは同じ時代を生きる妹みたいな存在で、今日こうしてツアーファイナルに呼んでもらえて本当に嬉しいです。
今日、男が多いね。そんな戦ってる男に捧げます!」
と言って演奏されたのは「SOUL LOVE」。出し惜しみ全くなしのヒット曲連発ぶり。
するとTAKUROがいきなりハットをかぶってTERUに近付くと、
「何この熱い感じ(笑)」
と困惑されながらも、2人が向かい合ってからギターを鳴らし始めると、
「やわらかな風が吹く この場所で」
という歌詞をTERUが歌い始めたのはもちろん「HOWEVER」。壮大なサウンドと、TERUの歌声にこの広い会場が包まれる。
しかし、GLAYのファンでは全くない自分でさえ、歌詞が全てわかる。ここまでそんな曲ばかり。これは本当にとんでもないことである。きっと今はもうこんなにその時代を生きた誰もが歌えるような曲は出てこないだろう。
すると次に演奏したのは、まさかのチャットモンチーのカバー、「真夜中遊園地」。先日のLUNA SEAのフェスではLUNA SEAの曲をカバーしていたらしいが、この心意気と、原曲キーで歌うTERUはたいしたもの。さすがにちょっと声はキツそうな感じはしたが、そもそも男性が原曲キーで歌っているだけですごいことである。ちなみに、この曲を演奏すると決まった時、HISASHIがなかなかギターで音が出せなかったので、この日の朝にTERUが絵莉子に弾いてもらっているところを撮影してHISASHIに見せたというエピソードを話した。
「演奏しようとするとめちゃくちゃ難しい曲」
ということらしい。
すると、近年リリースした曲を続ける。
「YAVAI! YAVAI! かなりYAVAI!」
という、ある意味衝撃的な歌い出しとともに、メッセージ性の強い歌詞が歌われる「百花繚乱」、TERUの振り付けが面白い、夏フェスに出てこの曲をやったらピッタリだろうなと思う「微熱(A)girl サマー」と、かつてのような超王道な名曲ではないが、「今バンドがやりたいことをやっている」ということがわかるという意味で、現役感を感じさせてくれる。
「もっとロックに、暴れていこうぜー!」
とTERUが煽っての「彼女のModern」では、曲中でTERUがTAKUROの肩に手を回し、マイクをTAKUROの口に向けてコーラスさせる、という長年一緒にやってきたバンドならではの絆と、未だにメンバー同士が友人であり続けているという事実を見せてくれる。
それにしても、かつては華美なアレンジのJ-POPというイメージが強かったGLAYの曲であるが、こうしてライブで現在の編成で演奏しているのを見ると、ハードロックをJ-POPのど真ん中でやろうとしていたバンドなんだな、ということが実によくわかる。ギター2人のテクニックは言わずもがな、この日この時間に自分の目が見ていたのは、間違いなくロックバンド「GLAY」であった。
そしてTERUがJIROを紹介すると、JIROがTERUと入れ替わりに中央に出てきてベースを弾き(チャットモンチー「Last Love Letter」のイントロのベースのフレーズを弾いていたような気も?)、そのままJIROが歌い始める「SHUTTER SPEEDSのテーマ」。この曲もリアルタイムだっただけによく覚えている。最初はドラムの横でJIROのことを見守っていたTERUも途中で前に出てきてツインボーカルに。
そしてラストは今年リリースの、自分たちとここにいる人全員にエールを送るかのような「HEROES」。演奏が終わると、メンバーが観客の歓声に応えて手を振りながらステージを去って行き、最後にTAKUROが中央に立って挨拶をして、45分ほどとは思えないくらいに濃密なライブを終えた。
パソコンもiPodもなかった中学生時代、教室でみんなで集まって聴いていたラジカセのカセットテープに入っていたのは、GLAYやラルクやT.M.Revolutionだった。この日、当時聴いていた大ヒット曲を連発しているのを見て、あの頃一緒にいた人たちや、あの頃見ていた景色、文化祭でコピバンしてた友達の姿など、様々な思い出が頭の中にフラッシュバックしてきて、懐かしさのあまりに涙が出ていた。当時は全然ファンじゃなかったのに、自分の記憶やルーツの中で確かにGLAYが生きていた。
1.口唇
2.ROCK'N'ROLL SWINDLE
3.誘惑
4.SOUL LOVE
5.HOWEVER
6.真夜中遊園地
7.百花繚乱
8.微熱(A)girl サマー
9.彼女のModern
10.SHUTTER SPEEDSのテーマ
11.HEROES
HOWEVER
http://youtu.be/gPcPseeICjs
転換中には紗幕に、チャットモンチーの地元徳島で営業していた、チャット商店がテレビで特集された映像が流れる。
そして幕が開くと、暗闇の中、メンバーが次々にステージに。最初は男陣と乙女団の計4人がステージに立ち、シモリョーがシンセではなくギターを弾く「変身」を演奏し始める。そこに合流する絵莉子とアッコ。
「変身しよう」
というフレーズを、
「求愛しよう」「共鳴しよう」「GLAY兄さん」
など、様々なバージョンに変えてコール&レスポンスさせ、他のフレーズは演奏しないという、オープニングのためのようなバージョン。2人時代とは違い、恒岡章と北野愛子のツインドラム、シモリョーのギターと世武裕子のシンセと、実に華やかなサウンド。
そのまま6人編成で、「共鳴」収録の「きみがその気なら」、バンドの代表曲「シャングリラ」を演奏。効果音なども散りばめられ、これはこの編成でしかできない演奏。
「みんな残ってくれて良かったー!GLAYさんでお腹いっぱいになっちゃったもんね」
とアッコは言っていたが、確かにGLAYは未だに東京ドームでライブやったりと次元が違うものの、チャットモンチーだってこのキャパならワンマンでも余裕で売り切れるバンドである。
すると恒岡がドラムソロを叩き出すと、乙女団2がステージを去り、2人と恒岡、シモリョーの男陣編成で演奏されたのは、アッパーな「こころとあたま」、「東京」をテーマにした「いたちごっこ」、そしてかつて徳島から上京した時の「東京」を描いた「東京ハチミツオーケストラ」。
Hi-STANDARDというパンク界のレジェンドバンドで活動してきた恒岡の力強いドラムに加え、男陣と6人編成を含めて、本職のシンセだけでなくギター、ベース、コーラスまでをもこなすthe chef cooks meのシモリョーは、間違いなく現在の編成のMVPと言える存在。アジカンのサポートなどでも活躍しているが、この男が本当に優れたミュージシャンであることが実によくわかる。
すると再び乙女団も合流しての6人編成となり、ダークなエレクトロサウンドの「私が証」、絵莉子とアッコの2人が帽子をかぶってハンドマイクを持ち、「ヤバスギルスキル」を発揮するヒップホップ曲「ぜんぶカン」では絵莉子のフリースタイルにコール&レスポンス、メンバー紹介までも行われる。
すると絵莉子がステージから姿を消し、ステージには乙女団とアッコだけに。そのまま演奏が始まると、麦わら帽子をかぶってステージに現れたのは、松田聖子の歌い方を研究しまくったという絵莉子が演じる橋本聖子。80年代アイドルポップど真ん中の「最後の果実」を演奏すると、橋本聖子は袖にスッと消えていく。しかし、本人たちやスタッフも演出含めてこの曲を気に入っているのか、
「武道館でも絶対やろう!」
ということになっているらしい。
そこからは世武裕子の美しいピアノの調べに乗せて
「いつだって恋がしたいよ あなた以外と」
という衝撃的なフレーズが歌われるバラード「ときめき」、さらにそのカップリングである「隣の女」、さらにアッコのベースのイントロが今聴いてもカッコイイ「Last Love Letter」を乙女団で演奏。
特に男陣と乙女団で演奏する曲に決まりはないらしいが、男陣が絵莉子作詞曲が中心なのに対し、乙女団はアッコが作詞したラブソングが中心になっているというあたりが実に面白い。
そしてラストには男陣も合流し、再び6人編成に。絵莉子がアコギに持ち替えて始まったのは、「例えば、」。
絵莉子とアッコにピンスポットが当たる中、
「僕らにまつわるすべてのことは
ひとつも欠けてはいけなかった
絶対にひとつも」
というフレーズとともに、徐々に他のメンバーに照明が当たっていく。
久美子の脱退、絵莉子の出産など、様々なことがあった。しかし、そのすべての出来事がひとつでも欠けていたら、この6人でこうしてステージに立つことはなかった、まさにそう感じさせてくれた瞬間だった。
アンコールでは6人全員が赤いツアーTシャツを着て登場し、改めてGLAYの凄さを語る。
アッコ「私と世武ちゃんは2人でドーム見に行ったもんな。
あと、私が中学生の時にGLAYが徳島でライブやるってなって、徳島の電話が繋がらなくなって、県内の電話が全部ダウンした」
とGLAYにまつわる思い出を語ると、
「でもまだ見たくない?一緒にやってるとこ見たくない!?」
と言い、なんとTERUをステージに呼び込む。しっかりと6人と同じように赤いツアーTシャツを着て登場したTERUを交えて演奏するのは、GLAYの「グロリアス」。
絵莉子が最初に歌い、2番からTERUも歌うという豪華なマイクリレー。そして何よりHi-STANDARDのドラマーがGLAYの曲を叩いているというのは衝撃であった。
そんな夢のコラボを終えると、TERUとサポートメンバーがステージから去り、2人だけに。すると来年2月に地元徳島でフェスを開催することを発表。タイトル的に、徳島県民のためというよりも、他の地方の人に徳島に来て欲しいという意味合いがあるフェスだと思われる。
そしてこれまでのバンドの歩みを振り返り、
「2人になって作った曲」
と言って演奏されたのは「ドライブ」。絵莉子がボーカル、アッコがドラムという2人ならではの編成で始まる曲だが、途中からサポートメンバーも再びステージに登場して演奏に加わる。まるで、チャットモンチーという名の車のドライブに途中乗車してきたかのように。
「まっすぐに突き抜けよう
その先になにがあっても 目を閉じないでいよう」
というフレーズが、バンドのこれからの決意表明として最後に鳴らされる。かつて、
「希望の光なんてなくったっていいじゃないか」
と歌ったバンドが、様々なことを経験して、これから先の希望を最後に歌っている。そんな意志を感じるこの曲でライブを締めれるというのは本当に大きい。
武道館や徳島のフェスも含め、これからのチャットモンチーにも期待しかない。
演奏が終わると、6人全員で前に出て手をつないで「ありがとうございました!」と観客に一礼してから、ステージを去って行った。まるでこの6人でチャットモンチーであるかのように。
1.変身 (opening)
2.きみがその気なら
3.シャングリラ
4.こころとあたま
5.いたちごっこ
6.東京ハチミツオーケストラ
7.私が証
8.ぜんぶカン
9.最後の果実
10.ときめき
11.隣の女
12.Last Love Letter
13.例えば、
encore
14.グロリアス w/TERU
15.ドライブ
きみがその気なら
http://youtu.be/d-AAvHcMWys
Next→ 7/4 京都大作戦 @京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
アルバムツアーは対バンツアーとなり、柳沢慎吾が出た会場もあるなど、幅広い対バンの面々が各地に出演したが、この日のファイナルの対バンはまさかのGLAY。全盛期にはどっかんどっかんミリオンヒットを連発していたバンドがまさかの登場である。
会場の中には若い人はもちろん、GLAYファンと思しき、それなりに年齢を重ねている人の姿も見受けられる。
19時過ぎ、ステージに張られた紗幕に映像が映し出され、「求愛のテーマ」というべき曲が流れ始める。映像が終わると、幕に「GLAY」の文字が浮かび、幕が落ちるとすでにメンバーがステージに。サポートドラマーを含めた5人編成で、いきなり大ヒット曲「口唇」からスタート。やはりかつてテレビで見ていた時と比べると、TERUの声は少々枯れている感じがしなくもない。しかし、いきなりHISASHIがジャンプを決めるなど、メンバーの演奏には全く翳りは見えない。
TAKUROも後ろを向いてギターを弾きながら顔をひねってコーラスをし、JIROも度々前に出てきてベースを弾くが、TERUの
「Zeppー!」「2階席ー!」
というアジテートが最もダイレクトに客席の温度を上げていく。
こちらも大ヒット曲「誘惑」を演奏すると、
「チャットモンチーは同じ時代を生きる妹みたいな存在で、今日こうしてツアーファイナルに呼んでもらえて本当に嬉しいです。
今日、男が多いね。そんな戦ってる男に捧げます!」
と言って演奏されたのは「SOUL LOVE」。出し惜しみ全くなしのヒット曲連発ぶり。
するとTAKUROがいきなりハットをかぶってTERUに近付くと、
「何この熱い感じ(笑)」
と困惑されながらも、2人が向かい合ってからギターを鳴らし始めると、
「やわらかな風が吹く この場所で」
という歌詞をTERUが歌い始めたのはもちろん「HOWEVER」。壮大なサウンドと、TERUの歌声にこの広い会場が包まれる。
しかし、GLAYのファンでは全くない自分でさえ、歌詞が全てわかる。ここまでそんな曲ばかり。これは本当にとんでもないことである。きっと今はもうこんなにその時代を生きた誰もが歌えるような曲は出てこないだろう。
すると次に演奏したのは、まさかのチャットモンチーのカバー、「真夜中遊園地」。先日のLUNA SEAのフェスではLUNA SEAの曲をカバーしていたらしいが、この心意気と、原曲キーで歌うTERUはたいしたもの。さすがにちょっと声はキツそうな感じはしたが、そもそも男性が原曲キーで歌っているだけですごいことである。ちなみに、この曲を演奏すると決まった時、HISASHIがなかなかギターで音が出せなかったので、この日の朝にTERUが絵莉子に弾いてもらっているところを撮影してHISASHIに見せたというエピソードを話した。
「演奏しようとするとめちゃくちゃ難しい曲」
ということらしい。
すると、近年リリースした曲を続ける。
「YAVAI! YAVAI! かなりYAVAI!」
という、ある意味衝撃的な歌い出しとともに、メッセージ性の強い歌詞が歌われる「百花繚乱」、TERUの振り付けが面白い、夏フェスに出てこの曲をやったらピッタリだろうなと思う「微熱(A)girl サマー」と、かつてのような超王道な名曲ではないが、「今バンドがやりたいことをやっている」ということがわかるという意味で、現役感を感じさせてくれる。
「もっとロックに、暴れていこうぜー!」
とTERUが煽っての「彼女のModern」では、曲中でTERUがTAKUROの肩に手を回し、マイクをTAKUROの口に向けてコーラスさせる、という長年一緒にやってきたバンドならではの絆と、未だにメンバー同士が友人であり続けているという事実を見せてくれる。
それにしても、かつては華美なアレンジのJ-POPというイメージが強かったGLAYの曲であるが、こうしてライブで現在の編成で演奏しているのを見ると、ハードロックをJ-POPのど真ん中でやろうとしていたバンドなんだな、ということが実によくわかる。ギター2人のテクニックは言わずもがな、この日この時間に自分の目が見ていたのは、間違いなくロックバンド「GLAY」であった。
そしてTERUがJIROを紹介すると、JIROがTERUと入れ替わりに中央に出てきてベースを弾き(チャットモンチー「Last Love Letter」のイントロのベースのフレーズを弾いていたような気も?)、そのままJIROが歌い始める「SHUTTER SPEEDSのテーマ」。この曲もリアルタイムだっただけによく覚えている。最初はドラムの横でJIROのことを見守っていたTERUも途中で前に出てきてツインボーカルに。
そしてラストは今年リリースの、自分たちとここにいる人全員にエールを送るかのような「HEROES」。演奏が終わると、メンバーが観客の歓声に応えて手を振りながらステージを去って行き、最後にTAKUROが中央に立って挨拶をして、45分ほどとは思えないくらいに濃密なライブを終えた。
パソコンもiPodもなかった中学生時代、教室でみんなで集まって聴いていたラジカセのカセットテープに入っていたのは、GLAYやラルクやT.M.Revolutionだった。この日、当時聴いていた大ヒット曲を連発しているのを見て、あの頃一緒にいた人たちや、あの頃見ていた景色、文化祭でコピバンしてた友達の姿など、様々な思い出が頭の中にフラッシュバックしてきて、懐かしさのあまりに涙が出ていた。当時は全然ファンじゃなかったのに、自分の記憶やルーツの中で確かにGLAYが生きていた。
1.口唇
2.ROCK'N'ROLL SWINDLE
3.誘惑
4.SOUL LOVE
5.HOWEVER
6.真夜中遊園地
7.百花繚乱
8.微熱(A)girl サマー
9.彼女のModern
10.SHUTTER SPEEDSのテーマ
11.HEROES
HOWEVER
http://youtu.be/gPcPseeICjs
転換中には紗幕に、チャットモンチーの地元徳島で営業していた、チャット商店がテレビで特集された映像が流れる。
そして幕が開くと、暗闇の中、メンバーが次々にステージに。最初は男陣と乙女団の計4人がステージに立ち、シモリョーがシンセではなくギターを弾く「変身」を演奏し始める。そこに合流する絵莉子とアッコ。
「変身しよう」
というフレーズを、
「求愛しよう」「共鳴しよう」「GLAY兄さん」
など、様々なバージョンに変えてコール&レスポンスさせ、他のフレーズは演奏しないという、オープニングのためのようなバージョン。2人時代とは違い、恒岡章と北野愛子のツインドラム、シモリョーのギターと世武裕子のシンセと、実に華やかなサウンド。
そのまま6人編成で、「共鳴」収録の「きみがその気なら」、バンドの代表曲「シャングリラ」を演奏。効果音なども散りばめられ、これはこの編成でしかできない演奏。
「みんな残ってくれて良かったー!GLAYさんでお腹いっぱいになっちゃったもんね」
とアッコは言っていたが、確かにGLAYは未だに東京ドームでライブやったりと次元が違うものの、チャットモンチーだってこのキャパならワンマンでも余裕で売り切れるバンドである。
すると恒岡がドラムソロを叩き出すと、乙女団2がステージを去り、2人と恒岡、シモリョーの男陣編成で演奏されたのは、アッパーな「こころとあたま」、「東京」をテーマにした「いたちごっこ」、そしてかつて徳島から上京した時の「東京」を描いた「東京ハチミツオーケストラ」。
Hi-STANDARDというパンク界のレジェンドバンドで活動してきた恒岡の力強いドラムに加え、男陣と6人編成を含めて、本職のシンセだけでなくギター、ベース、コーラスまでをもこなすthe chef cooks meのシモリョーは、間違いなく現在の編成のMVPと言える存在。アジカンのサポートなどでも活躍しているが、この男が本当に優れたミュージシャンであることが実によくわかる。
すると再び乙女団も合流しての6人編成となり、ダークなエレクトロサウンドの「私が証」、絵莉子とアッコの2人が帽子をかぶってハンドマイクを持ち、「ヤバスギルスキル」を発揮するヒップホップ曲「ぜんぶカン」では絵莉子のフリースタイルにコール&レスポンス、メンバー紹介までも行われる。
すると絵莉子がステージから姿を消し、ステージには乙女団とアッコだけに。そのまま演奏が始まると、麦わら帽子をかぶってステージに現れたのは、松田聖子の歌い方を研究しまくったという絵莉子が演じる橋本聖子。80年代アイドルポップど真ん中の「最後の果実」を演奏すると、橋本聖子は袖にスッと消えていく。しかし、本人たちやスタッフも演出含めてこの曲を気に入っているのか、
「武道館でも絶対やろう!」
ということになっているらしい。
そこからは世武裕子の美しいピアノの調べに乗せて
「いつだって恋がしたいよ あなた以外と」
という衝撃的なフレーズが歌われるバラード「ときめき」、さらにそのカップリングである「隣の女」、さらにアッコのベースのイントロが今聴いてもカッコイイ「Last Love Letter」を乙女団で演奏。
特に男陣と乙女団で演奏する曲に決まりはないらしいが、男陣が絵莉子作詞曲が中心なのに対し、乙女団はアッコが作詞したラブソングが中心になっているというあたりが実に面白い。
そしてラストには男陣も合流し、再び6人編成に。絵莉子がアコギに持ち替えて始まったのは、「例えば、」。
絵莉子とアッコにピンスポットが当たる中、
「僕らにまつわるすべてのことは
ひとつも欠けてはいけなかった
絶対にひとつも」
というフレーズとともに、徐々に他のメンバーに照明が当たっていく。
久美子の脱退、絵莉子の出産など、様々なことがあった。しかし、そのすべての出来事がひとつでも欠けていたら、この6人でこうしてステージに立つことはなかった、まさにそう感じさせてくれた瞬間だった。
アンコールでは6人全員が赤いツアーTシャツを着て登場し、改めてGLAYの凄さを語る。
アッコ「私と世武ちゃんは2人でドーム見に行ったもんな。
あと、私が中学生の時にGLAYが徳島でライブやるってなって、徳島の電話が繋がらなくなって、県内の電話が全部ダウンした」
とGLAYにまつわる思い出を語ると、
「でもまだ見たくない?一緒にやってるとこ見たくない!?」
と言い、なんとTERUをステージに呼び込む。しっかりと6人と同じように赤いツアーTシャツを着て登場したTERUを交えて演奏するのは、GLAYの「グロリアス」。
絵莉子が最初に歌い、2番からTERUも歌うという豪華なマイクリレー。そして何よりHi-STANDARDのドラマーがGLAYの曲を叩いているというのは衝撃であった。
そんな夢のコラボを終えると、TERUとサポートメンバーがステージから去り、2人だけに。すると来年2月に地元徳島でフェスを開催することを発表。タイトル的に、徳島県民のためというよりも、他の地方の人に徳島に来て欲しいという意味合いがあるフェスだと思われる。
そしてこれまでのバンドの歩みを振り返り、
「2人になって作った曲」
と言って演奏されたのは「ドライブ」。絵莉子がボーカル、アッコがドラムという2人ならではの編成で始まる曲だが、途中からサポートメンバーも再びステージに登場して演奏に加わる。まるで、チャットモンチーという名の車のドライブに途中乗車してきたかのように。
「まっすぐに突き抜けよう
その先になにがあっても 目を閉じないでいよう」
というフレーズが、バンドのこれからの決意表明として最後に鳴らされる。かつて、
「希望の光なんてなくったっていいじゃないか」
と歌ったバンドが、様々なことを経験して、これから先の希望を最後に歌っている。そんな意志を感じるこの曲でライブを締めれるというのは本当に大きい。
武道館や徳島のフェスも含め、これからのチャットモンチーにも期待しかない。
演奏が終わると、6人全員で前に出て手をつないで「ありがとうございました!」と観客に一礼してから、ステージを去って行った。まるでこの6人でチャットモンチーであるかのように。
1.変身 (opening)
2.きみがその気なら
3.シャングリラ
4.こころとあたま
5.いたちごっこ
6.東京ハチミツオーケストラ
7.私が証
8.ぜんぶカン
9.最後の果実
10.ときめき
11.隣の女
12.Last Love Letter
13.例えば、
encore
14.グロリアス w/TERU
15.ドライブ
きみがその気なら
http://youtu.be/d-AAvHcMWys
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