the band apart 7th album ”謎のオープンワールド” release live SMOOTH LIKE BUTTER TOUR @EX THEATER ROPPONGI 6/26
- 2015/06/27
- 01:44
今年、新作アルバム「謎のオープンワールド」をリリースした、バンアパことthe band apart。前作「街の14景」に続いて、全編日本語詞となった今作は、これからこのバンドは日本語詞で歌っていくという姿勢を改めて示すとともに、短編小説集のようだった前作に続き、今作はオープニングとエンディング、さらにはインタールードとして「save point)という2曲もあり、まるで1本のゲームをプレイしているかのよう。
そんなゲームのようなアルバムの内容を象徴するかのように、19時を過ぎた頃、「(opening)」がSEとして流れると、メンバーが登場するよりも先に、スクリーンに映像が。最新のアー写のようにメンバーがドット絵になっており、MOTHER2の丸パクリと言ってもいいような内容の映像。タイトルまでもソックリ。後で荒井(ボーカル&ギター)も、
「訴えられる可能性すらある(笑)」
と言っていたが。
そしてメンバーが1人ずつステージに現れると、最新作からのラウド&ファストな「笑うDJ」でスタート。川崎(ギター)はいきなりタッピングを炸裂させるが、4人の音塊の強さがのっけからとんでもないレベル。もともと演奏自体は他のバンドが羨むほどだが、この仕上がりぶりは30本もの長きツアーを経てきたからこそ。
すると木暮(ドラム)の4つ打ちのイントロによる「higher」から、いきなりのキラーチューン連発。川崎のギターにはいくつかアレンジが加えられているが、どれもイントロだけで名曲確定クラスの曲たちである。
また、各曲では映像も効果的に使われるのはこれまでと異なる演出。かつて武道館ですらなんの演出もなかったバンドとは思えないほど。
荒井の挨拶と、原(ベース)の、
「やっぱり納豆なんですよ。ツアーでいろんなとこに行って、いろんなもん食べてるけど、納豆が美味いっていう(笑)
あと天下一品ね。天下一品がこの世で一番美味いってことに、この年になって気付きましたね(笑)」
と、唐突に食べ物の話ばかりになるMC。
前回のツアー時にもすでに新曲として演奏されていた「廃棄CITY」からは意外な曲も織り交ぜ、タイトル通りに歌詞も面白い「殺し屋がいっぱい」、この日の曲の中で最も静閑な空気に包まれた「遊覧船」と、新作の幅の広さをライブでも存分に体験させてくれる。
するとここでは木暮が、
「もう15年くらいバンドやってると、飽きないの?って言われることもあるんだけど、全然飽きないどころか、今でも楽しくて。それはツアーに出てくれたlostageとかASPARAGUSとかFRONTIER BACKYARDの存在がでかくて。FRONTIERなんかこの前、前の2人がキーボードで1人がベースっていうYMOみたいな編成でライブやってて。変化をすることを恐れないっていうか、俺たちもそうやってやってきたけど、10年以上一緒にやってて、今でもこうして仲良くやってるのはそういうとこなんだろうなって。ASPARAGUSの活動の仕方とかも本当にリスペクトしてるしね。
次の曲はまーちゃん(原)が作った曲なんですけど、俺たちの今を言い表してるなって思った曲です」
と言って演奏されたのは「禁断の宮殿」。
「高名な奴に威張られても 奇妙な論理押し付けて来ても
禁断の宮殿を脅かす そんな力は 何一つないのさ」
というサビの歌詞を聴くと、脅かされることのない「禁断の宮殿」は、バンアパそのもののことだということがよくわかる。
荒井と原の重厚なコーラスで曲が始まる「Falling」、新作の中でも最もアッパーな「月と暁」、ファンからの人気が高い、メンバーの演奏のぶつかり合いが堪能できる「KATANA」と最新から懐かしの曲を横断しつつ、
「ツアー中はメンバーとスタッフみんなでよくテニスをした」
という荒井のMCからのスタッフいじり、
「東京はクソだと思ってて、だから地方で羽を伸ばすんだけど…やっぱり東京が最高ですね。天下一品がいっぱいありますからね(笑)」
「みなさん知らないだろうから教えてあげるけど、吉野家の牛丼は生卵かけないほうが美味いですからね」
「川崎はクソみたいににらめっこが強い」
など、原のツアーとは全く無関係な話までも展開し、川崎いじりを含めたオリジナルのにらめっこの話はかなりの長編となった。でも何度話を振られても、川崎は全くしゃべろうとせず。
そんな、楽屋ノリのような空気を漂わせつつも、「昔の曲」と「Still awake」から、新作の「ピルグリム」、日本語歌詞の曲の中で最大のキラーチューンとなっており、客席の真上のミラーボールが回る様子が美しい「夜の向こうへ」を終えると、
「みんなも知ってのとおり、俺たちはちょっと前から日本語でやってるんだけど、日本語でやるって決めた時に、割と近しい人から、お前ら日本語でやったら売れねーよ、って言われたことがあって。まぁそもそもそんなに言うほど売れてもないんだけど(笑)
でもその時のことをバネにここまで頑張って、みたいには俺は1mmも思わないのね。むしろ今こうやって思い出すだけでもムカつくっていう(笑)
で、なんでそう思うかっていうと、俺たちがまだやってるからで。辞めようとも全く思ってないし。だからさっき木暮も言ってたけど、変化を恐れずに、死ぬまでやっていきたいと思います」
という荒井の所信表明のようなMCには思わず客席からも「最高だー!」という声が上がり、木暮は声のほうにスティックを向けて応える。そしてライブが終わっていくことを予感させる「最終列車」から、本編ラストは「消える前に」で強烈な余韻を残してメンバーはステージを去っていった。
アンコールでは荒井がTシャツを着替えて登場し、再び楽屋トークのようなMC。しかしこれは、どこかツアーが終わって欲しくないために、少しでも長くステージにいようとしているようにも見えた。原が
「MCでスベった方が演奏はエモくなりますね。もう全てを捨て去るしかないですからね(笑)」
というように少々スベったりもしながら、最初期の「August Green」、そして再びトークをチラッと挟んでの、「K. and his bike」。何故だろうか、この曲は聴くと夏の到来を予感させる。現に夏フェスで良くやっていた時期もあった。
演奏を終えると、荒井が客席をiPhoneで撮影してから、客席をバックに記念撮影をしようとするも、原と川崎がいない。と思ったら、何故か2人が手を繋いで再登場という衝撃の姿に爆笑。そして記念撮影をし、原の一本締めもすると、スクリーンにはゲームのエンディング画面のように、ツアーの各会場で終演後に荒井が撮影した客席の画像が映し出されていた。
昔BEAT CRUSADERSののヒダカトオルが「バンアパ以降、インディーズはバンアパみたいなバンドばかりになった」と言っていたが、その筆頭だったUNCHAINやLEGO BIG MORLは別の方向へ進化を遂げ、インディーズにはもうバンアパみたいなバンドはほとんど居なくなった。「カッコイイからあんなバンドやりたい」だけでは到達できないぐらいの場所に、このバンドはいる。
MCで言っていたように、80歳過ぎて、3曲くらいしか曲やらないで、あとはずっとしゃべってる、みたいな感じになったとしても、ずっとライブ行きます。
1.笑うDJ
2.higher
3.photograph
4.free fall
5.廃棄CITY
6.the noise
7.The Sun
8.殺し屋がいっぱい
9.遊覧船
10.クレメンタイン
11.裸足のラストデイ
12.禁断の宮殿
13.Falling
14.月と暁
15.KATANA
16.Still awake
17.ピルグリム
18.夜の向こうへ
19.最終列車
20.消える前に
encore
21.August Green
22.K. and his bike
ピルグリム
http://youtu.be/nba_DfNBQI0
Next→6/28 Hello Sleepwalkers @恵比寿リキッドルーム
そんなゲームのようなアルバムの内容を象徴するかのように、19時を過ぎた頃、「(opening)」がSEとして流れると、メンバーが登場するよりも先に、スクリーンに映像が。最新のアー写のようにメンバーがドット絵になっており、MOTHER2の丸パクリと言ってもいいような内容の映像。タイトルまでもソックリ。後で荒井(ボーカル&ギター)も、
「訴えられる可能性すらある(笑)」
と言っていたが。
そしてメンバーが1人ずつステージに現れると、最新作からのラウド&ファストな「笑うDJ」でスタート。川崎(ギター)はいきなりタッピングを炸裂させるが、4人の音塊の強さがのっけからとんでもないレベル。もともと演奏自体は他のバンドが羨むほどだが、この仕上がりぶりは30本もの長きツアーを経てきたからこそ。
すると木暮(ドラム)の4つ打ちのイントロによる「higher」から、いきなりのキラーチューン連発。川崎のギターにはいくつかアレンジが加えられているが、どれもイントロだけで名曲確定クラスの曲たちである。
また、各曲では映像も効果的に使われるのはこれまでと異なる演出。かつて武道館ですらなんの演出もなかったバンドとは思えないほど。
荒井の挨拶と、原(ベース)の、
「やっぱり納豆なんですよ。ツアーでいろんなとこに行って、いろんなもん食べてるけど、納豆が美味いっていう(笑)
あと天下一品ね。天下一品がこの世で一番美味いってことに、この年になって気付きましたね(笑)」
と、唐突に食べ物の話ばかりになるMC。
前回のツアー時にもすでに新曲として演奏されていた「廃棄CITY」からは意外な曲も織り交ぜ、タイトル通りに歌詞も面白い「殺し屋がいっぱい」、この日の曲の中で最も静閑な空気に包まれた「遊覧船」と、新作の幅の広さをライブでも存分に体験させてくれる。
するとここでは木暮が、
「もう15年くらいバンドやってると、飽きないの?って言われることもあるんだけど、全然飽きないどころか、今でも楽しくて。それはツアーに出てくれたlostageとかASPARAGUSとかFRONTIER BACKYARDの存在がでかくて。FRONTIERなんかこの前、前の2人がキーボードで1人がベースっていうYMOみたいな編成でライブやってて。変化をすることを恐れないっていうか、俺たちもそうやってやってきたけど、10年以上一緒にやってて、今でもこうして仲良くやってるのはそういうとこなんだろうなって。ASPARAGUSの活動の仕方とかも本当にリスペクトしてるしね。
次の曲はまーちゃん(原)が作った曲なんですけど、俺たちの今を言い表してるなって思った曲です」
と言って演奏されたのは「禁断の宮殿」。
「高名な奴に威張られても 奇妙な論理押し付けて来ても
禁断の宮殿を脅かす そんな力は 何一つないのさ」
というサビの歌詞を聴くと、脅かされることのない「禁断の宮殿」は、バンアパそのもののことだということがよくわかる。
荒井と原の重厚なコーラスで曲が始まる「Falling」、新作の中でも最もアッパーな「月と暁」、ファンからの人気が高い、メンバーの演奏のぶつかり合いが堪能できる「KATANA」と最新から懐かしの曲を横断しつつ、
「ツアー中はメンバーとスタッフみんなでよくテニスをした」
という荒井のMCからのスタッフいじり、
「東京はクソだと思ってて、だから地方で羽を伸ばすんだけど…やっぱり東京が最高ですね。天下一品がいっぱいありますからね(笑)」
「みなさん知らないだろうから教えてあげるけど、吉野家の牛丼は生卵かけないほうが美味いですからね」
「川崎はクソみたいににらめっこが強い」
など、原のツアーとは全く無関係な話までも展開し、川崎いじりを含めたオリジナルのにらめっこの話はかなりの長編となった。でも何度話を振られても、川崎は全くしゃべろうとせず。
そんな、楽屋ノリのような空気を漂わせつつも、「昔の曲」と「Still awake」から、新作の「ピルグリム」、日本語歌詞の曲の中で最大のキラーチューンとなっており、客席の真上のミラーボールが回る様子が美しい「夜の向こうへ」を終えると、
「みんなも知ってのとおり、俺たちはちょっと前から日本語でやってるんだけど、日本語でやるって決めた時に、割と近しい人から、お前ら日本語でやったら売れねーよ、って言われたことがあって。まぁそもそもそんなに言うほど売れてもないんだけど(笑)
でもその時のことをバネにここまで頑張って、みたいには俺は1mmも思わないのね。むしろ今こうやって思い出すだけでもムカつくっていう(笑)
で、なんでそう思うかっていうと、俺たちがまだやってるからで。辞めようとも全く思ってないし。だからさっき木暮も言ってたけど、変化を恐れずに、死ぬまでやっていきたいと思います」
という荒井の所信表明のようなMCには思わず客席からも「最高だー!」という声が上がり、木暮は声のほうにスティックを向けて応える。そしてライブが終わっていくことを予感させる「最終列車」から、本編ラストは「消える前に」で強烈な余韻を残してメンバーはステージを去っていった。
アンコールでは荒井がTシャツを着替えて登場し、再び楽屋トークのようなMC。しかしこれは、どこかツアーが終わって欲しくないために、少しでも長くステージにいようとしているようにも見えた。原が
「MCでスベった方が演奏はエモくなりますね。もう全てを捨て去るしかないですからね(笑)」
というように少々スベったりもしながら、最初期の「August Green」、そして再びトークをチラッと挟んでの、「K. and his bike」。何故だろうか、この曲は聴くと夏の到来を予感させる。現に夏フェスで良くやっていた時期もあった。
演奏を終えると、荒井が客席をiPhoneで撮影してから、客席をバックに記念撮影をしようとするも、原と川崎がいない。と思ったら、何故か2人が手を繋いで再登場という衝撃の姿に爆笑。そして記念撮影をし、原の一本締めもすると、スクリーンにはゲームのエンディング画面のように、ツアーの各会場で終演後に荒井が撮影した客席の画像が映し出されていた。
昔BEAT CRUSADERSののヒダカトオルが「バンアパ以降、インディーズはバンアパみたいなバンドばかりになった」と言っていたが、その筆頭だったUNCHAINやLEGO BIG MORLは別の方向へ進化を遂げ、インディーズにはもうバンアパみたいなバンドはほとんど居なくなった。「カッコイイからあんなバンドやりたい」だけでは到達できないぐらいの場所に、このバンドはいる。
MCで言っていたように、80歳過ぎて、3曲くらいしか曲やらないで、あとはずっとしゃべってる、みたいな感じになったとしても、ずっとライブ行きます。
1.笑うDJ
2.higher
3.photograph
4.free fall
5.廃棄CITY
6.the noise
7.The Sun
8.殺し屋がいっぱい
9.遊覧船
10.クレメンタイン
11.裸足のラストデイ
12.禁断の宮殿
13.Falling
14.月と暁
15.KATANA
16.Still awake
17.ピルグリム
18.夜の向こうへ
19.最終列車
20.消える前に
encore
21.August Green
22.K. and his bike
ピルグリム
http://youtu.be/nba_DfNBQI0
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