SATANIC CARNIVAL '15 @幕張メッセ 6/20
- 2015/06/21
- 01:13
去年に続き、今年もPIZZA OF DEATH RECORDSが開催する、パンク・ラウドロックの祭典、SATANIC CARNIVALが開催。
今年も幕張メッセの9~11ホールを使い、東北ライブハウス大作戦など、様々なブースが出展。この規模ですらチケットは早々に売り切れ、海浜幕張駅前には「譲ってください」のボードを持った人が並ぶという状況のため、物販エリアは大盛況。去年は雨だったが、今年は暑いくらいに晴れているのも大きい。
今年もステージはメインのSATAN STAGEと、サブのEVIL STAGEの2ステージ構成。サブとはいえ、EVIL STAGEも1万人くらいは収容できる大きさ。
11:00~ SHIMA [EVIL STAGE] (OPENING ACT)
今年のオープニングアクトは、北九州の4人組バンド、SHIMA。
「ZMS」というキーワード(「ありがとうございます」の短縮系、「ざいます」という意味らしい)を掲げ、かつての青春パンクを彷彿とさせるキャッチー極まりないサビのメロディーを武器に、いきなりほぼ満員となった客席を、「ZMS」ジャンプなどで朝イチからガンガン踊らせる。
わずか20分にも満たない出番であったが、「ほぼ100%が初見」「CDが1500枚しか売れてない」バンドとは思えない熱狂ぶりになったのは、
「メンバーが1人辞めて4人になった時、辞めようかとも思ってたんだけど、諦めなくて良かったー!」
というバンドの熱さももちろん、この場を全力で楽しもうとする観客の力によるものも間違いなくあったと思う。
1.PARISLOTTE
2.Usual Things
3.REWARD
4.WAWAWA
11:30~ OVER ARM THROW [SATAN STAGE]
今年のメインステージのトップバッターはOVER ARM THROW。EVIL STAGEにも規模が大きいバンドがたくさん出ているだけに、このステージは抜擢感が強いが、スリーピースのメロコアの王道と言うべき、ファストなビートと美メロの応酬で、普段のライブハウスと全く変わらないであろう景色を作り上げていく。
ギター&ボーカルの菊池は悪ノリ全開というか、
「どうしても俺がしゃべると変な空気になっちゃう(笑)
昔から通信簿に、決定打に欠ける、って書かれてたから(笑)」
と軽いMCが多いが、対照的にベースの鈴野は、
「15年前にここ幕張で開催された、AIR JAMを俺はUNLIMITSの大月ってやつと見に来てて。そこで俺たちが並んでる時に、大月に声かけてた友達が、菊池だったの。あのフェスを見てから、本当にバンドやろうと思ってステージを見ていた俺が、今はステージの上に立ってる。バンドやってるやつ、こっからのステージ見てみたいだろー!」
と、どこまでも熱い。
最後の「All right, all wrong」ではその鈴野がベースを置いて、客席にダイブ。本当にいつものライブハウスと変わらずに、このメインステージでライブをやってみせた。
1.MUSIC
2.Unity! Freedom! Oppotunity!
3.closing
4.ZINNIA
5.Rotation
6.S.O.G
7.Dear my songs
8.Thanks
9.All right,all wrong
12:05~ BACK LIFT [EVIL STAGE]
こちらは名古屋のスリーピースバンド、BACK LIFT。ベース&ボーカルの小林がメインボーカルであるが、ギター深谷、ドラム都築もボーカルとコーラスに加わることにより、日本語を交えた緩急のあるパンクサウンドのシンガロング率が高まっている。
去年は客としてこのイベントに来ていたらしいが、今年は出演者として来れたことに感謝しつつ、
「去年、親友のフォーリミ(04 Limited Sazabys)が出てて。GENが俺たちBACK LIFTのTシャツ着てライブやってくれて。それを客席で見てて、本当に嬉しくて。俺たちが今年、こうやって出れたことで、ちょっとは気持ちを返せたかな、って」
というMCにはたくさんの温かい拍手が起こった。かなり差がついてしまったが、これは名古屋のライブハウスシーンでともに戦ってきたこのバンドだからこそ言えること。果たして少しでも追いつくことができるだろうか?
1.LIFTING ME UP
2.I NEED
3.sign
4.This is myself
5.NEVER SAY DIE
6.THE MEMORY MAKES ME SMILE
7.THE TIME WITH YOU
8.GO OVER
12:40~ BUZZ THE BEARS [EVIL STAGE]
すでに各地の様々な大型フェスにも出演しているスリーピースバンド、BUZZ THE BEARS。序盤からとことん陽性なサウンドと、四つ打ちを駆使したリズムで踊らせる。もちろんダイバーも多々発生しているのだが、パンクバンドとはいえ、暴れるというよりも踊るという楽しみ方のほうが強いのがこのバンドの特徴。
「こんな最高の日に、雨なんて降るわけがない!」
と越智(ボーカル&ギター)が言ってからの「雨」からは合唱合宿響き渡るアンセム3連発。四つ打ち曲が多く、パンクキッズ以外にも受け入れられそうな存在だが、それはまず何よりもメロディーあってこそと思えるくらいにメロディーがいいからこそ、いろんなフェスから声がかかる存在になれたのだと思う。
オリックスの伊藤光選手の入場曲である「光り」は本当に名曲。
1.サンライズ
2.クライマー
3.シェアタイム
4.ピエロ
5.雨
6.約束
7.光り
8.全てを
13:15~ WANIMA [EVIL STAGE]
サウンドチェックでHi-STANDARDの「STAY GOLD」を演奏した段階ですでに客席は沸騰しきっていたが、
「日本で一番、サタニックが好きー!」
という松本健太(ボーカル&ベース)の叫びとともに始まったWANIMA。
「Hey Lady」の歌い出しの「アイヤー」から、それまでの空気が一変し、端から端までモッシュ&ダイブの応酬に。
演奏自体は荒いところもあったが、まだミニアルバム一枚しか出してないバンドとは思えないほどのスケール感。
途中には長渕剛「とんぼ」のコール&レスポンスもありつつ、披露された新曲は、「BIG UP」の系統にあたる、松本いわく「エロい新曲」。しかし「BIG UP」がスカのリズムになっているのに対し、この曲はれっきとしたパンクサウンド。
BACK LIFT同様に、このバンドも去年は客席から見ている側だったのが今年はステージに立てたことに感謝を告げると、一瞬で駆け抜けるような「昨日の歌」から、前述の「BIG UP」、そして最後は暴れるだけでなく、聴いていて様々な感情が去来する「1106」。
あっという間の30分だったが、1万人規模のこのステージすら、今の段階で狭すぎると感じてしまう。これから、このバンドは間違いなく時代を変える。それはハイスタのような一大シーンを形成するようなものにはならないかもしれないが、停滞感を感じる、パンクシーンから、さらなるオーバーグラウンドなシーンに風穴を開けてくれるはず。
1.Hey Lady
2.雨上がり
3.つづくもの
4.新曲
5.昨日の歌
6.BIG UP
7.1106
13:55~ HAWAIIAN6 [EVIL STAGE]
ここまでは陽性のバンドが多かっただけに、同じスリーピースのパンクでも、HAWAIIAN6のダークなサウンドはこのバンドのものでしかないと確認させてくれる。
しかし、途中でなぜか真っ暗になり、MCになっても照明がつかない。なんとこのステージの電気が落ちてしまったという。するとHATANO(ドラム)が、
「みんな意外と知らないと思うけど、俺たちPIZZA OF DEATHのバンドなのよ。照明がないから、PIZZAのビジュアル系って言われて、対バンのバンドを慄かせていた俺たちの姿をみんなに見せられないのは残念だけど(笑)
こうして、昔のPIZZAと変わんねえなって思えるイベントをやってて。俺たちも東北の人たちのおかげでこうしてバンドを続ける理由ができて」
と、照明が使えないことを利用したかのようなMCで笑いを誘い、後半は希望を強く感じさせる展開へ。しかし、2マンとかだと平気で20曲くらいやるだけに、9曲やっても短く感じてしまう。
1.LIGHT AND SHADOW
2.I BELIEVE
3.THE LIGHTNING
4.A PIECE OF STARDUST
5.MAGIC
6.PROMISE
7.TINY SOUL
8.ETERNAL WISH,TWINKLE STAR
9.RAINBOW,RAINBOW
14:30~ coldrain [SATAN STAGE]
メインステージに登場するのはcoldrain。バンドロゴがステージ背面で光る中、これまでのパンクバンドとは一線を画す、ツインギターを擁する重く、強いサウンドが広い会場を支配する。
Masato(ボーカル)の歌唱と咆哮も全くサウンドに負けることなく響いていたが、この異様な気合いの入り具合は、一ヶ月半に渡ってアメリカでレコーディングしていたことから解放されたからなのか、
「メロコアと肩を並べたいと思って、これまでずっと戦ってきました。俺たち、ラウドロックバンドです」
という、非パンクバンド代表としてのプライドによるものか。
王道感の強いセトリで、モッシュ、ダイブはもちろん、サークル、ヘドバンなど、なんでもありな狂騒ぶりだったが、知名度が全く違うはずのOVER ARM THROWに比べると、少々客席は空いていた。
一括りにされがちだが、やはりパンクとラウドは違うということか。
1.Awear and Awake
2.To Be Alive
3.Evolve
4.No Escape
5.Inside of Me
6.THE WAR IS ON
7.Six Feet Under
8.The Revelation
15:30~ MONGOL800 [SATAN STAGE]
パンクを出自としながらも、青春パンクというシーンから出てきただけに、このフェスに名を連ねるパンクバンドとはちょっと距離感のある、MONGOL800。
しかしながら、「あなたに」でスタートしたライブは、のっけから大合唱を巻き起こし、アウェー感は一切なく、むしろ歓迎感しかない。
さらに「DON'T WORRY BE HAPPY」と、アンセム連発なのだが、先月のMETROCKで見た時と観客のノリが全く違い、モッシュも発生しまくるし、ダイバーも続出しまくり。
「小さな恋のうた」ではキヨサクがマイクを客席に向けると、割れんばかりの大合唱。
これにはキヨサクも本当に嬉しそうな顔をして、
「おかげさまで全国のいろんなフェスに出てきましたが、このフェスほどライブハウスでやってる感じがするフェスは他にありません!」
と言う。しかし、すぐさま沖縄のことについて話始め、
「改めて戦争反対でございます。戦後70年経って、未だに平和が訪れない沖縄の歌」
と、自身のスタンスを明確にした上で、新曲「ひめゆり」を演奏。
終盤はまさにフェス感の強いお祭りナンバーが続いたが、一口にパンクと言っても実際にはいろんなタイプのバンドがいる中で、そんな違いすら超越するような名曲をこのバンドは持っている、ということを再認識させられた。でも、「MESSAGE」ってもう15年くらい前のアルバムなのか…。
1.あなたに
2.DON'T WORRY BE HAPPY
3.OKINAWA CALLING
4.小さな恋のうた
5.ひめゆり
6.Love song
7.Party
8.New Life
そのあと、EVIL STAGEに行くと、locofrankが満員の中、最後の1曲で「START」が聴けた。
16:50~ 怒髪天 [EVIL STAGE]
今年のラインアップではかなりの違和感を感じる、大ベテラン怒髪天。この時間、SATAN STAGEではFear,and Loathing in Las Vegasがライブ中という厳しい時間なためか、これまでのこのステージと比べると、客席はやや余裕がある。
メンバーが登場すると、やはりパンクでもラウドでもないだけに、逆に新鮮に聴こえる。どこか「酒」をテーマにしたように感じるセトリで、
「横山(Ken Yokoyama)とは昔からの知り合いでね。よくPIZZAのイベントに呼ばれて出たりしてたんだけど、楽屋は和気藹々、ステージ出たらシーン、みたいな感じでね(笑)でも今日はそんなことはないね。
今日はゲスの極み乙女。も隣でやるからね。俺のほうがゲスの極みだけど(笑)
でも今向こうでやってる、Las Vegasも見たかったねぇ。すごいよね、あのピコピコしたやつ(笑)アニメの寄生獣の主題歌なんでしょ?カッコいいよねぇ。俺たちが主題歌やったら、シンイチとミギー、みたいなタイトルの古いタイプの曲になるからね(笑)
とりあえず、今日のラインアップの中で、俺たちだけバンド名が漢字で申し訳ない(笑)」
と、相変わらず増子の爆笑MCで楽しませてくれる。
怒髪天ならではの歌詞になった「日本全国酒飲み音頭」のカバーもあり、最後は最新作からの「宜しく候」と、酒まみれの選曲。さすがに5曲というのは物足りなさを感じてしまうが。
1.GREAT NUMBER
2.酒燃料爆進曲
3.時代遅れTARO
4.日本全国酒飲み音頭
5.宜しく候
そのあとSATAN STAGEで、PIZZA OF DEATHの元締めであるKen Yokoyamaを途中まで。「Punk Rock Dream」から始まり、新曲、さらにはハスキン「WALK」のカバーなどを演奏し、9月か10月にアルバムが出ること、さらには
「ロックンロールと政治とち○ことま○この話は全部一緒でしょ!?どれも生活のことだよ!」
「このフェスは俺は運営に関わってなくて、スタッフがやってるんだけど、俺が望んだのは、ストリート感とライブハウス感を感じるフェスにすること。そうじゃないJ-POPみたいなフェスだったらやる意味ないな、って」
など、さすがの名言を連発していた。
18:15~ 04 Limited Sazabys [EVIL STAGE]
Ken Yokoyamaを途中で抜けたのは、このバンドをしっかり見たかったから。名古屋発の新世代パンクバンドのヒーロー、フォーリミ。2年連続でのこのフェスへの出演である。
メンバーが登場すると、「remember」からの「monolith」でいきなり沸点へ。当然ダイバーが次から次へステージ方向へ流れていく。
「もう最高、最高。偉大なバンドがたくさん出てて、俺たちにバトンが渡されて。
去年も出させてもらったんですけど、あれから一年でいろんな経験したし、たくさんライブをやってきました!去年はなかった曲をやります!」
とGEN(ボーカル&ベース)が言っての、突き抜けるような爽快感の「swim」、GENのラップのような歌唱も聴きどころの「knife」と、最新作の収録曲が続くと、
「イベントも終盤になってきて、外はもう暗くなってると思う。夜空から、幕張に流星群が降り注ぎますように!」
と「midnight cruising」から、ラストはギターのみの歌い出しで、壁のようにダイバーが乱立しまくり、バンド全員での演奏になった瞬間に一斉にステージ方向へ倒れていく様が壮観な「Buster call」。
客席はこの日のアクトの中で最も平均年齢が低く、若い人ばかりだったと思われるが、彼らはかつてメンバーが「偉大なバンド」を見ていたのと同じ目でこのバンドを見ている。きっと、将来このバンドが本当に偉大なバンドになった時、この客席にいた人がステージに立つようになっているのだろう。そうやってロックは転がっていく。
1.Remember
2.monolith
3.fiction
4.Chicken race
5.swim
6.knife
7.midnight cruising
8.Buster call
19:00~ 10-FEET [SATAN STAGE]
こちらも去年に続いての出演となる、10-FEET。「4REST」から始まったライブは、メンバーがやや音作りに苦戦しているような場面もあれど、良くも悪くも安定感抜群のセトリ。もちろん「RIVER」では幕張バージョンに
「あの花見川~」
と歌詞を変える。
「普段人見知りなやつー!普段全然ダイブとかしたことないやつー!今日くらいはさらけ出してみようやー!」
と、TAKUMAのMCはどこまでも熱いが、客席でウェーブを巻き起こしながら、この日はこのライブのためにスタッフが特効を仕込んでくれたことを明かし、
「今日のライブの1番良いところでKOUICHIがボタン押したら、バーン!ってなるから…」
と言った瞬間、KOUICHIがボタンを押してしまい、MC中に爆発音とともに銀テープが炸裂してしまう。
そうして特効を無駄遣いしてしまいながら、後半は、
「普段、警戒してばかりだと、心をガードしてしまって、傷つくことはなくなるかもしれんけど、感動することもなくなってしまう。たまには傷つくの覚悟で、普段より心開いてみてもいいんやないか!?」
「お前ら、小さいことで怒ったりすんなよ!最後まで仲良くやれよ!」
と、シリアスかつ客席を思いやったMCをしつつ、曲自体もシリアスなものを演奏し、ラストは
「みんな、隣の人と肩を組めー!」
と言って、一体感を演出した「goes on」。
終わったあと、そこら中に散らかっていた銀テープをすぐさまかき集めて、分担してゴミ置き場に持っていく、このバンドのファンの方々のマナーも素晴らしかった。こんな人たちが集う、このバンド主催のフェス、京都大作戦に、今年はついに行ける。
1.4REST
2.RIVER
3.2%
4.1sec.
5.freedom
6.STONE COLD BREAK
7.VIBES BY VIBES
8.その向こうへ
9.蜃気楼
10.goes on
20:20~ FACT [SATAN STAGE]
今年のトリは、去年はトップバッターで出演し、今年限りで解散することを発表している、FACT。
静閑なインスト曲のSEでメンバーが登場すると、いきなりトリプルギターの分厚いサウンドと、レーザー光線、さらにはステージ背面には映像までも映し出されるという演出。
FACTはPIZZA OF DEATHのバンドではないが、このイベントのスタッフがこのバンドのことを本当に大事な存在だと思っているのがよくわかる。
Hiroがパーカッションを叩く「ape」、大合唱が起きる「slip of the lip」「the shadow of envy」、最新作からの「the way down」と、幅広い選曲。
Adamが、
「パンクとかラウドだけのフェスってあんまりないじゃん?俺は日本人じゃないけど、日本のシーンがこうして育ってるのは本当に凄いよ!」
と言うと、Kazukiも
「マジでこのフェス、warped tourとかより全然すげえよ!」
と、世界を見てきた人ならではの言葉でこのフェスを讃える。
「disclosure」ではHiroが客席に突入して歌い、かつ観客にも歌わせ、幾何学的なギターのリフが切なさを助長する「miles away」、そして、
「陽は勝手に昇って沈んでいくじゃん?
…俺たちは今年で沈んでいくけど、また昇ることがあったら、その時はよろしくな。
今日、また最高の思い出が一つできました。ありがとうございました!」
と、涙ぐみながらHiroが語り、曲の終わりではグロッケンを奏でる。
そしてラストはもちろん「a fact of life」で、最後にして最大の熱狂を巻き起こした。
しかしながら、JAPAN JAMではやらなかったアンコールにメンバーが登場すると、
「いろいろな意味を込めて」
と、「rise」を演奏。Hiroが言った通り、このバンドは今年で終わる。でも、そこからまた各メンバーの新しい活動が始まる。そうやってまた昇っていく。
でも、まだ見れる。ロッキンもあるし、初のワンマンもある。だから、これだけ素晴らしいライブを見ても、まだ別れは言わない。
1.worm
2.drag
3.ape
4.slip of the lip
5.the shadow of envy
6.the way down
7.wait
8.disclosure
9.miles away
10.sunset
11.a fact of life
encore
12.rise
SATANIC CARNIVALに出てるバンドは、みな年間100本ライブをやってるような、ライブ猛者バンドばっかりだが、その中でも個人的ベストアクトはダントツでWANIMA。あの30分程度だけでも、決して安くはないチケット代を払った価値はある。
そしてオープニングアクトからトリまで見ていて、どっちのステージも見た限り、知名度は違えど、ガラガラというアクトはほとんどなかった。それは来た人が、知ってるバンドの知ってる曲だけでなく、フェス全体を楽しもうとしている姿勢そのもの。そういう客が多いのはいいイベントの証。
今やパンクが聴く音楽の中心ではない自分にとって、このフェスはそんな自分が音楽が好きになった原点がパンクであるということ、今でもパンクをカッコいいと思えるということを確認できる場所。見てみたいバンドがまだたくさんいるだけに、また来年もよろしくお願いします。
Next→ 6/21 やついフェス @渋谷O-EAST他

今年も幕張メッセの9~11ホールを使い、東北ライブハウス大作戦など、様々なブースが出展。この規模ですらチケットは早々に売り切れ、海浜幕張駅前には「譲ってください」のボードを持った人が並ぶという状況のため、物販エリアは大盛況。去年は雨だったが、今年は暑いくらいに晴れているのも大きい。
今年もステージはメインのSATAN STAGEと、サブのEVIL STAGEの2ステージ構成。サブとはいえ、EVIL STAGEも1万人くらいは収容できる大きさ。
11:00~ SHIMA [EVIL STAGE] (OPENING ACT)
今年のオープニングアクトは、北九州の4人組バンド、SHIMA。
「ZMS」というキーワード(「ありがとうございます」の短縮系、「ざいます」という意味らしい)を掲げ、かつての青春パンクを彷彿とさせるキャッチー極まりないサビのメロディーを武器に、いきなりほぼ満員となった客席を、「ZMS」ジャンプなどで朝イチからガンガン踊らせる。
わずか20分にも満たない出番であったが、「ほぼ100%が初見」「CDが1500枚しか売れてない」バンドとは思えない熱狂ぶりになったのは、
「メンバーが1人辞めて4人になった時、辞めようかとも思ってたんだけど、諦めなくて良かったー!」
というバンドの熱さももちろん、この場を全力で楽しもうとする観客の力によるものも間違いなくあったと思う。
1.PARISLOTTE
2.Usual Things
3.REWARD
4.WAWAWA
11:30~ OVER ARM THROW [SATAN STAGE]
今年のメインステージのトップバッターはOVER ARM THROW。EVIL STAGEにも規模が大きいバンドがたくさん出ているだけに、このステージは抜擢感が強いが、スリーピースのメロコアの王道と言うべき、ファストなビートと美メロの応酬で、普段のライブハウスと全く変わらないであろう景色を作り上げていく。
ギター&ボーカルの菊池は悪ノリ全開というか、
「どうしても俺がしゃべると変な空気になっちゃう(笑)
昔から通信簿に、決定打に欠ける、って書かれてたから(笑)」
と軽いMCが多いが、対照的にベースの鈴野は、
「15年前にここ幕張で開催された、AIR JAMを俺はUNLIMITSの大月ってやつと見に来てて。そこで俺たちが並んでる時に、大月に声かけてた友達が、菊池だったの。あのフェスを見てから、本当にバンドやろうと思ってステージを見ていた俺が、今はステージの上に立ってる。バンドやってるやつ、こっからのステージ見てみたいだろー!」
と、どこまでも熱い。
最後の「All right, all wrong」ではその鈴野がベースを置いて、客席にダイブ。本当にいつものライブハウスと変わらずに、このメインステージでライブをやってみせた。
1.MUSIC
2.Unity! Freedom! Oppotunity!
3.closing
4.ZINNIA
5.Rotation
6.S.O.G
7.Dear my songs
8.Thanks
9.All right,all wrong
12:05~ BACK LIFT [EVIL STAGE]
こちらは名古屋のスリーピースバンド、BACK LIFT。ベース&ボーカルの小林がメインボーカルであるが、ギター深谷、ドラム都築もボーカルとコーラスに加わることにより、日本語を交えた緩急のあるパンクサウンドのシンガロング率が高まっている。
去年は客としてこのイベントに来ていたらしいが、今年は出演者として来れたことに感謝しつつ、
「去年、親友のフォーリミ(04 Limited Sazabys)が出てて。GENが俺たちBACK LIFTのTシャツ着てライブやってくれて。それを客席で見てて、本当に嬉しくて。俺たちが今年、こうやって出れたことで、ちょっとは気持ちを返せたかな、って」
というMCにはたくさんの温かい拍手が起こった。かなり差がついてしまったが、これは名古屋のライブハウスシーンでともに戦ってきたこのバンドだからこそ言えること。果たして少しでも追いつくことができるだろうか?
1.LIFTING ME UP
2.I NEED
3.sign
4.This is myself
5.NEVER SAY DIE
6.THE MEMORY MAKES ME SMILE
7.THE TIME WITH YOU
8.GO OVER
12:40~ BUZZ THE BEARS [EVIL STAGE]
すでに各地の様々な大型フェスにも出演しているスリーピースバンド、BUZZ THE BEARS。序盤からとことん陽性なサウンドと、四つ打ちを駆使したリズムで踊らせる。もちろんダイバーも多々発生しているのだが、パンクバンドとはいえ、暴れるというよりも踊るという楽しみ方のほうが強いのがこのバンドの特徴。
「こんな最高の日に、雨なんて降るわけがない!」
と越智(ボーカル&ギター)が言ってからの「雨」からは合唱合宿響き渡るアンセム3連発。四つ打ち曲が多く、パンクキッズ以外にも受け入れられそうな存在だが、それはまず何よりもメロディーあってこそと思えるくらいにメロディーがいいからこそ、いろんなフェスから声がかかる存在になれたのだと思う。
オリックスの伊藤光選手の入場曲である「光り」は本当に名曲。
1.サンライズ
2.クライマー
3.シェアタイム
4.ピエロ
5.雨
6.約束
7.光り
8.全てを
13:15~ WANIMA [EVIL STAGE]
サウンドチェックでHi-STANDARDの「STAY GOLD」を演奏した段階ですでに客席は沸騰しきっていたが、
「日本で一番、サタニックが好きー!」
という松本健太(ボーカル&ベース)の叫びとともに始まったWANIMA。
「Hey Lady」の歌い出しの「アイヤー」から、それまでの空気が一変し、端から端までモッシュ&ダイブの応酬に。
演奏自体は荒いところもあったが、まだミニアルバム一枚しか出してないバンドとは思えないほどのスケール感。
途中には長渕剛「とんぼ」のコール&レスポンスもありつつ、披露された新曲は、「BIG UP」の系統にあたる、松本いわく「エロい新曲」。しかし「BIG UP」がスカのリズムになっているのに対し、この曲はれっきとしたパンクサウンド。
BACK LIFT同様に、このバンドも去年は客席から見ている側だったのが今年はステージに立てたことに感謝を告げると、一瞬で駆け抜けるような「昨日の歌」から、前述の「BIG UP」、そして最後は暴れるだけでなく、聴いていて様々な感情が去来する「1106」。
あっという間の30分だったが、1万人規模のこのステージすら、今の段階で狭すぎると感じてしまう。これから、このバンドは間違いなく時代を変える。それはハイスタのような一大シーンを形成するようなものにはならないかもしれないが、停滞感を感じる、パンクシーンから、さらなるオーバーグラウンドなシーンに風穴を開けてくれるはず。
1.Hey Lady
2.雨上がり
3.つづくもの
4.新曲
5.昨日の歌
6.BIG UP
7.1106
13:55~ HAWAIIAN6 [EVIL STAGE]
ここまでは陽性のバンドが多かっただけに、同じスリーピースのパンクでも、HAWAIIAN6のダークなサウンドはこのバンドのものでしかないと確認させてくれる。
しかし、途中でなぜか真っ暗になり、MCになっても照明がつかない。なんとこのステージの電気が落ちてしまったという。するとHATANO(ドラム)が、
「みんな意外と知らないと思うけど、俺たちPIZZA OF DEATHのバンドなのよ。照明がないから、PIZZAのビジュアル系って言われて、対バンのバンドを慄かせていた俺たちの姿をみんなに見せられないのは残念だけど(笑)
こうして、昔のPIZZAと変わんねえなって思えるイベントをやってて。俺たちも東北の人たちのおかげでこうしてバンドを続ける理由ができて」
と、照明が使えないことを利用したかのようなMCで笑いを誘い、後半は希望を強く感じさせる展開へ。しかし、2マンとかだと平気で20曲くらいやるだけに、9曲やっても短く感じてしまう。
1.LIGHT AND SHADOW
2.I BELIEVE
3.THE LIGHTNING
4.A PIECE OF STARDUST
5.MAGIC
6.PROMISE
7.TINY SOUL
8.ETERNAL WISH,TWINKLE STAR
9.RAINBOW,RAINBOW
14:30~ coldrain [SATAN STAGE]
メインステージに登場するのはcoldrain。バンドロゴがステージ背面で光る中、これまでのパンクバンドとは一線を画す、ツインギターを擁する重く、強いサウンドが広い会場を支配する。
Masato(ボーカル)の歌唱と咆哮も全くサウンドに負けることなく響いていたが、この異様な気合いの入り具合は、一ヶ月半に渡ってアメリカでレコーディングしていたことから解放されたからなのか、
「メロコアと肩を並べたいと思って、これまでずっと戦ってきました。俺たち、ラウドロックバンドです」
という、非パンクバンド代表としてのプライドによるものか。
王道感の強いセトリで、モッシュ、ダイブはもちろん、サークル、ヘドバンなど、なんでもありな狂騒ぶりだったが、知名度が全く違うはずのOVER ARM THROWに比べると、少々客席は空いていた。
一括りにされがちだが、やはりパンクとラウドは違うということか。
1.Awear and Awake
2.To Be Alive
3.Evolve
4.No Escape
5.Inside of Me
6.THE WAR IS ON
7.Six Feet Under
8.The Revelation
15:30~ MONGOL800 [SATAN STAGE]
パンクを出自としながらも、青春パンクというシーンから出てきただけに、このフェスに名を連ねるパンクバンドとはちょっと距離感のある、MONGOL800。
しかしながら、「あなたに」でスタートしたライブは、のっけから大合唱を巻き起こし、アウェー感は一切なく、むしろ歓迎感しかない。
さらに「DON'T WORRY BE HAPPY」と、アンセム連発なのだが、先月のMETROCKで見た時と観客のノリが全く違い、モッシュも発生しまくるし、ダイバーも続出しまくり。
「小さな恋のうた」ではキヨサクがマイクを客席に向けると、割れんばかりの大合唱。
これにはキヨサクも本当に嬉しそうな顔をして、
「おかげさまで全国のいろんなフェスに出てきましたが、このフェスほどライブハウスでやってる感じがするフェスは他にありません!」
と言う。しかし、すぐさま沖縄のことについて話始め、
「改めて戦争反対でございます。戦後70年経って、未だに平和が訪れない沖縄の歌」
と、自身のスタンスを明確にした上で、新曲「ひめゆり」を演奏。
終盤はまさにフェス感の強いお祭りナンバーが続いたが、一口にパンクと言っても実際にはいろんなタイプのバンドがいる中で、そんな違いすら超越するような名曲をこのバンドは持っている、ということを再認識させられた。でも、「MESSAGE」ってもう15年くらい前のアルバムなのか…。
1.あなたに
2.DON'T WORRY BE HAPPY
3.OKINAWA CALLING
4.小さな恋のうた
5.ひめゆり
6.Love song
7.Party
8.New Life
そのあと、EVIL STAGEに行くと、locofrankが満員の中、最後の1曲で「START」が聴けた。
16:50~ 怒髪天 [EVIL STAGE]
今年のラインアップではかなりの違和感を感じる、大ベテラン怒髪天。この時間、SATAN STAGEではFear,and Loathing in Las Vegasがライブ中という厳しい時間なためか、これまでのこのステージと比べると、客席はやや余裕がある。
メンバーが登場すると、やはりパンクでもラウドでもないだけに、逆に新鮮に聴こえる。どこか「酒」をテーマにしたように感じるセトリで、
「横山(Ken Yokoyama)とは昔からの知り合いでね。よくPIZZAのイベントに呼ばれて出たりしてたんだけど、楽屋は和気藹々、ステージ出たらシーン、みたいな感じでね(笑)でも今日はそんなことはないね。
今日はゲスの極み乙女。も隣でやるからね。俺のほうがゲスの極みだけど(笑)
でも今向こうでやってる、Las Vegasも見たかったねぇ。すごいよね、あのピコピコしたやつ(笑)アニメの寄生獣の主題歌なんでしょ?カッコいいよねぇ。俺たちが主題歌やったら、シンイチとミギー、みたいなタイトルの古いタイプの曲になるからね(笑)
とりあえず、今日のラインアップの中で、俺たちだけバンド名が漢字で申し訳ない(笑)」
と、相変わらず増子の爆笑MCで楽しませてくれる。
怒髪天ならではの歌詞になった「日本全国酒飲み音頭」のカバーもあり、最後は最新作からの「宜しく候」と、酒まみれの選曲。さすがに5曲というのは物足りなさを感じてしまうが。
1.GREAT NUMBER
2.酒燃料爆進曲
3.時代遅れTARO
4.日本全国酒飲み音頭
5.宜しく候
そのあとSATAN STAGEで、PIZZA OF DEATHの元締めであるKen Yokoyamaを途中まで。「Punk Rock Dream」から始まり、新曲、さらにはハスキン「WALK」のカバーなどを演奏し、9月か10月にアルバムが出ること、さらには
「ロックンロールと政治とち○ことま○この話は全部一緒でしょ!?どれも生活のことだよ!」
「このフェスは俺は運営に関わってなくて、スタッフがやってるんだけど、俺が望んだのは、ストリート感とライブハウス感を感じるフェスにすること。そうじゃないJ-POPみたいなフェスだったらやる意味ないな、って」
など、さすがの名言を連発していた。
18:15~ 04 Limited Sazabys [EVIL STAGE]
Ken Yokoyamaを途中で抜けたのは、このバンドをしっかり見たかったから。名古屋発の新世代パンクバンドのヒーロー、フォーリミ。2年連続でのこのフェスへの出演である。
メンバーが登場すると、「remember」からの「monolith」でいきなり沸点へ。当然ダイバーが次から次へステージ方向へ流れていく。
「もう最高、最高。偉大なバンドがたくさん出てて、俺たちにバトンが渡されて。
去年も出させてもらったんですけど、あれから一年でいろんな経験したし、たくさんライブをやってきました!去年はなかった曲をやります!」
とGEN(ボーカル&ベース)が言っての、突き抜けるような爽快感の「swim」、GENのラップのような歌唱も聴きどころの「knife」と、最新作の収録曲が続くと、
「イベントも終盤になってきて、外はもう暗くなってると思う。夜空から、幕張に流星群が降り注ぎますように!」
と「midnight cruising」から、ラストはギターのみの歌い出しで、壁のようにダイバーが乱立しまくり、バンド全員での演奏になった瞬間に一斉にステージ方向へ倒れていく様が壮観な「Buster call」。
客席はこの日のアクトの中で最も平均年齢が低く、若い人ばかりだったと思われるが、彼らはかつてメンバーが「偉大なバンド」を見ていたのと同じ目でこのバンドを見ている。きっと、将来このバンドが本当に偉大なバンドになった時、この客席にいた人がステージに立つようになっているのだろう。そうやってロックは転がっていく。
1.Remember
2.monolith
3.fiction
4.Chicken race
5.swim
6.knife
7.midnight cruising
8.Buster call
19:00~ 10-FEET [SATAN STAGE]
こちらも去年に続いての出演となる、10-FEET。「4REST」から始まったライブは、メンバーがやや音作りに苦戦しているような場面もあれど、良くも悪くも安定感抜群のセトリ。もちろん「RIVER」では幕張バージョンに
「あの花見川~」
と歌詞を変える。
「普段人見知りなやつー!普段全然ダイブとかしたことないやつー!今日くらいはさらけ出してみようやー!」
と、TAKUMAのMCはどこまでも熱いが、客席でウェーブを巻き起こしながら、この日はこのライブのためにスタッフが特効を仕込んでくれたことを明かし、
「今日のライブの1番良いところでKOUICHIがボタン押したら、バーン!ってなるから…」
と言った瞬間、KOUICHIがボタンを押してしまい、MC中に爆発音とともに銀テープが炸裂してしまう。
そうして特効を無駄遣いしてしまいながら、後半は、
「普段、警戒してばかりだと、心をガードしてしまって、傷つくことはなくなるかもしれんけど、感動することもなくなってしまう。たまには傷つくの覚悟で、普段より心開いてみてもいいんやないか!?」
「お前ら、小さいことで怒ったりすんなよ!最後まで仲良くやれよ!」
と、シリアスかつ客席を思いやったMCをしつつ、曲自体もシリアスなものを演奏し、ラストは
「みんな、隣の人と肩を組めー!」
と言って、一体感を演出した「goes on」。
終わったあと、そこら中に散らかっていた銀テープをすぐさまかき集めて、分担してゴミ置き場に持っていく、このバンドのファンの方々のマナーも素晴らしかった。こんな人たちが集う、このバンド主催のフェス、京都大作戦に、今年はついに行ける。
1.4REST
2.RIVER
3.2%
4.1sec.
5.freedom
6.STONE COLD BREAK
7.VIBES BY VIBES
8.その向こうへ
9.蜃気楼
10.goes on
20:20~ FACT [SATAN STAGE]
今年のトリは、去年はトップバッターで出演し、今年限りで解散することを発表している、FACT。
静閑なインスト曲のSEでメンバーが登場すると、いきなりトリプルギターの分厚いサウンドと、レーザー光線、さらにはステージ背面には映像までも映し出されるという演出。
FACTはPIZZA OF DEATHのバンドではないが、このイベントのスタッフがこのバンドのことを本当に大事な存在だと思っているのがよくわかる。
Hiroがパーカッションを叩く「ape」、大合唱が起きる「slip of the lip」「the shadow of envy」、最新作からの「the way down」と、幅広い選曲。
Adamが、
「パンクとかラウドだけのフェスってあんまりないじゃん?俺は日本人じゃないけど、日本のシーンがこうして育ってるのは本当に凄いよ!」
と言うと、Kazukiも
「マジでこのフェス、warped tourとかより全然すげえよ!」
と、世界を見てきた人ならではの言葉でこのフェスを讃える。
「disclosure」ではHiroが客席に突入して歌い、かつ観客にも歌わせ、幾何学的なギターのリフが切なさを助長する「miles away」、そして、
「陽は勝手に昇って沈んでいくじゃん?
…俺たちは今年で沈んでいくけど、また昇ることがあったら、その時はよろしくな。
今日、また最高の思い出が一つできました。ありがとうございました!」
と、涙ぐみながらHiroが語り、曲の終わりではグロッケンを奏でる。
そしてラストはもちろん「a fact of life」で、最後にして最大の熱狂を巻き起こした。
しかしながら、JAPAN JAMではやらなかったアンコールにメンバーが登場すると、
「いろいろな意味を込めて」
と、「rise」を演奏。Hiroが言った通り、このバンドは今年で終わる。でも、そこからまた各メンバーの新しい活動が始まる。そうやってまた昇っていく。
でも、まだ見れる。ロッキンもあるし、初のワンマンもある。だから、これだけ素晴らしいライブを見ても、まだ別れは言わない。
1.worm
2.drag
3.ape
4.slip of the lip
5.the shadow of envy
6.the way down
7.wait
8.disclosure
9.miles away
10.sunset
11.a fact of life
encore
12.rise
SATANIC CARNIVALに出てるバンドは、みな年間100本ライブをやってるような、ライブ猛者バンドばっかりだが、その中でも個人的ベストアクトはダントツでWANIMA。あの30分程度だけでも、決して安くはないチケット代を払った価値はある。
そしてオープニングアクトからトリまで見ていて、どっちのステージも見た限り、知名度は違えど、ガラガラというアクトはほとんどなかった。それは来た人が、知ってるバンドの知ってる曲だけでなく、フェス全体を楽しもうとしている姿勢そのもの。そういう客が多いのはいいイベントの証。
今やパンクが聴く音楽の中心ではない自分にとって、このフェスはそんな自分が音楽が好きになった原点がパンクであるということ、今でもパンクをカッコいいと思えるということを確認できる場所。見てみたいバンドがまだたくさんいるだけに、また来年もよろしくお願いします。
Next→ 6/21 やついフェス @渋谷O-EAST他

