Base Ball Bear 日比谷ノンフィクションIV @日比谷野外大音楽堂 6/13
- 2015/06/14
- 15:32
アルバム「二十九歳」のツアー、さらにはインディーズ時代の曲のみをやるライブと、10周年を迎えても全く勢いを緩めることのないBase Ball Bearの4回目の日比谷野音ワンマン。
前回のIIIは他のライブに行っていて行けなかったので、日比谷ノンフィクションはサカナクションがゲストとして出演した、5年前のII以来。その時はサカナクションの山口一郎と「kimino-me」をコラボしたりしたが、果たして今回はどうなるだろうか。
GRAPEVINE、GO!GO!7188、くるり、ミッシェル・ガン・エレファントと、同年代からしたら間違いなくこれまでに聴いてきた曲たちがBGMで流れる中、18時過ぎになるとBGMが止まり、おなじみXTCのSEが流れ、湯浅(ギター)を先頭にメンバーが登場。フロント3人が黒い服を着る中、堀之内(ドラム)の1人だけ真っ赤な服が実に目立つ。
いつものように中央に集まってからそれぞれの位置に着くと、関根のベースラインと湯浅のカッティングのイントロに「あれ?これって…?」と思っていたら、いきなりRHYMESTERが登場しての「The CUT」コラボという最高の先制攻撃。
Mummy Dと宇多丸が揃いのパーカーとジーンズ姿で、
「いきなりめちゃくちゃ盛り上げちゃっていいですか!」
と煽り、さすがのラップを見せる。いきなりこのコラボになったのは、この日の夜に宇多丸のラジオがあるため、この時間にしか出れなかったからとのこと。
するとステージ後ろの暗幕が落ち、「日比谷ノンフィクションIV」と書かれたフラッグが姿を現わす。
そしてRHYMESTERがステージを去ると、「CRAZY FOR YOUの季節」と序盤は攻めのギターロックな展開。小出はところどころ歌詞が怪しいところはあるが、声はよく出ている。
「二十九歳」のリードトラックとして発売前からフェスやイベントで披露し、タイトルが話題になった「そんなに好きじゃなかった」から、岡村靖幸と小出のコラボシングルとしてリリースされた「愛はおしゃれじゃない」をベボベのみのバージョンで。岡村靖幸も自身のライブで単独で披露しているのを見ているだけに、両者のサウンドの違いが明確で面白い。
するとここで最近恒例の、MCという名の長いフリートークへ。
今回で4年目の野音ワンマンだが、IIの時は2daysやったので、今日で5回目、すべて6月という梅雨の時期にもかかわらず、一回も雨が降っていないという晴れバンドエピソードを語りつつ、湯浅が全くマイクを通さないで頷いていることに堀之内が
「マイク使えよ!」
とすぐさま突っ込んだり、話している最中の小出の顔に虫が直撃してそのまま帰ろうとしたり、小出が1996年にこの会場で行われたヒップホップイベント「さんぴんCAMP」に強い影響を受けていること、この会場で閃光ライオットの審査員をやった時に出場していたラッパーPAGEにさんぴんCAMPのことを聞いたら全く知らなかったというエピソードなどを語る。
が、やはり長い。話したいことがたくさんあるのはわかるが、最後のほうはリアクションもちょっと薄めになってしまっていた。
そして最後にRHYMESTERの主催イベント「人間交差点」にオファーされていたが、レコーディングスケジュールの都合で出演を断ってしまったことを語り、
「人間交差点というイベントと同じタイトルの曲があります」
と言ってようやく演奏に突入したのは「スクランブル」。そこからの3曲は聴かせるタイプの曲だが、堀之内のスネアのサウンドが印象的な「ラブ & ポップ」は実に久々にライブで聴いた。
すると、「最近は起きてスタジオに行ってレコーディングして帰って寝て、また起きてスタジオに行って…という繰り返しの生活をしている」
と再び小出が語り出すと、
「もう煮詰まると、バンドってなんだろう?ってことまで考えちゃって。今やストリーミングとかで音楽が聴ける時代じゃないですか。もうアルバムのジャケットなんかスマホだったらこんな小ささですよ?そしたらバンドの4人が写ってても、どれが誰だかわからないですよ。ソロの人がバーンと写ってるほうが全然わかりやすい。
音的にもね、シンセとかキーボードがあったほうが絶対わかりやすいんですよ。鍵盤ってドの音を押したら絶対ドの音しか出ないから。でもギターはどんなにチューニングしても、絶対ズレるんですよ。0.00いくつかくらいは周波数が絶対ズレる。
だから、シンセ入れたりとか同期入れたほうがそれに合わせて演奏出来るし、ストリーミングやMP3で聴いても絶対、いわゆる聴きやすい音になるんですよ。
でも、僕らがやりたいのはそういうことじゃないし、僕らが聴いてカッコイイって思ったのはそういう音楽じゃない。そうやって音がズレたりしながらも、メンバーだけで、人間だけで、全部人力でやってる。
僕はそういうものをロックと呼びたいし、これから雑誌でインタビューされたら、この長い話をしてやろうと思ってます(笑)」
と、珍しくロック論、バンド論を展開。アイドルやアニソンなどにも造詣が深い小出がこういうことを言うとは思わなかったが、確かにこのバンドはこれまで全く打ち込みや同期などを使ってこなかった。(ヒャダインとのコラボ曲だけは違うけど)
そういう意味でも、実に納得出来るというか、「ああ、いろんなタイプの音楽を聴いてても、やはりこの人はロックバンドの人でしかいられないんだろうな」と思った。
「次にやる曲も、同期や打ち込みを使えば絶対もっと聴きやすくなるであろう曲です」
と言って演奏されたのは「Tabibito In The Dark」。サビ前のタメにタメたアレンジ、そしてすっかり薄暗くなったからこそ生きる、曲に合わせた鮮やかな照明。その照明はおなじみのダンス湯浅将平を間奏に挟んだ「十字架You and I」ではうごめくバンドのグルーヴに合わせたかのように赤くステージを染め上げる。
そこからはクライマックスへ。イントロで大歓声が巻き起こったバンド最大のヒット曲「changes」、夏バンドとしてもおなじみのこのバンドの初期の夏ソング「electric summer」と湯浅のタッピングギターが炸裂する「UNDER THE STAR LIGHT」では関根のコーラスも爽やかに野外に響き渡る。
落ち着いた曲の始まりから、
「見ないことにされてた 僕の世界が 君のことずっと待ってる」
という小出の苦悩や葛藤をいきなり開けたサビで突き抜けたかのように歌われる「魔王」を終えると、
「ありがとうございました、Base Ball Bearでした」
と言って、歌詞の通りに飛翔感溢れる夏ソング「PERFECT BLUE」で爽やかに本編を締めくくった。
アンコールではメンバーが物販のTシャツに着替えて登場し、8月から3ヶ月連続でシングルが発売されること、その8月発売のシングルにこの日のライブCDが付くこと、秋から再びツアーが始まることが発表され、その8月リリースのシングルからの新曲、「それって、for誰? part.1」を披露。
まさに「それって誰に向けてんの?」というテーマそのものの歌詞の曲であると思われるのだが、タイトル以外のフレーズはなかなか聞き取れなかっただけに、歌詞カードをしっかり見ながら聴きたいところ。サウンドは「二十九歳」以降のこのバンドのど真ん中と言っていいもので、ストレートなギターロックでありながらこのバンドの曲でしかないというのはこれまでと同様。
そしてラストは爽やかさの極みのような「BREEEEZE GIRL」で、
「もうすぐ夏が来る」
というフレーズが、来るべき夏への期待を持たせながら、演奏を終えるとメンバーがピックなどを客席に投げ入れ、ステージに並んで一礼してからステージを去って行った。かと思ったら小出はステージ脇にいるカメラにめちゃくちゃアピールしていた。
今や新しく出てくるバンドはほぼ年下になったが、年下であっても見た目は年上っぽい人ばかりの中、Base Ball Bearのメンバーだけはデビューから今に至るまで、年上な人たちという感じが全くしない。それは男子メンバーの子供っぽさによるものだと思うが、今でも高校の違うクラスにいそうな感じがするのは、自分も彼らと同じように大人になれずに同じように歳を重ねてきたからだろうか。
そしてBase Ball Bearと言えば、やはり夏ソング。今年も当然ロッキンに出るが、06年に新設だったWING TENTに初出演して以降、浴衣でライブやったりとかメインステージになったりとか、これまでのすべての出演を見てきた。今年はLAKE STAGEが濃厚だが、ずっと見てきたあの会場で、どの夏ソングを聴けるのか。
1.The Cut feat.RHYMESTER
2.CRAZY FOR YOUの季節
3.Transfer Girl
4.yellow
5.そんなに好きじゃなかった
6.愛はおしゃれじゃない
7.スクランブル
8.ホワイトワイライト
9.ラブ & ポップ
10.Tabibito In The Dark
11.十字架You and I
12.changes
13.electric summer
14.UNDER THE STAR LIGHT
15.魔王
16.PERFECT BLUE
encore
17.それって、for 誰? part1 (新曲)
18.BREEEEZE GIRL
The Cut feat.RHYMESTER
http://youtu.be/_gzOzwaRA2E
Next→6/14 THE BAWDIES @中野サンプラザ
前回のIIIは他のライブに行っていて行けなかったので、日比谷ノンフィクションはサカナクションがゲストとして出演した、5年前のII以来。その時はサカナクションの山口一郎と「kimino-me」をコラボしたりしたが、果たして今回はどうなるだろうか。
GRAPEVINE、GO!GO!7188、くるり、ミッシェル・ガン・エレファントと、同年代からしたら間違いなくこれまでに聴いてきた曲たちがBGMで流れる中、18時過ぎになるとBGMが止まり、おなじみXTCのSEが流れ、湯浅(ギター)を先頭にメンバーが登場。フロント3人が黒い服を着る中、堀之内(ドラム)の1人だけ真っ赤な服が実に目立つ。
いつものように中央に集まってからそれぞれの位置に着くと、関根のベースラインと湯浅のカッティングのイントロに「あれ?これって…?」と思っていたら、いきなりRHYMESTERが登場しての「The CUT」コラボという最高の先制攻撃。
Mummy Dと宇多丸が揃いのパーカーとジーンズ姿で、
「いきなりめちゃくちゃ盛り上げちゃっていいですか!」
と煽り、さすがのラップを見せる。いきなりこのコラボになったのは、この日の夜に宇多丸のラジオがあるため、この時間にしか出れなかったからとのこと。
するとステージ後ろの暗幕が落ち、「日比谷ノンフィクションIV」と書かれたフラッグが姿を現わす。
そしてRHYMESTERがステージを去ると、「CRAZY FOR YOUの季節」と序盤は攻めのギターロックな展開。小出はところどころ歌詞が怪しいところはあるが、声はよく出ている。
「二十九歳」のリードトラックとして発売前からフェスやイベントで披露し、タイトルが話題になった「そんなに好きじゃなかった」から、岡村靖幸と小出のコラボシングルとしてリリースされた「愛はおしゃれじゃない」をベボベのみのバージョンで。岡村靖幸も自身のライブで単独で披露しているのを見ているだけに、両者のサウンドの違いが明確で面白い。
するとここで最近恒例の、MCという名の長いフリートークへ。
今回で4年目の野音ワンマンだが、IIの時は2daysやったので、今日で5回目、すべて6月という梅雨の時期にもかかわらず、一回も雨が降っていないという晴れバンドエピソードを語りつつ、湯浅が全くマイクを通さないで頷いていることに堀之内が
「マイク使えよ!」
とすぐさま突っ込んだり、話している最中の小出の顔に虫が直撃してそのまま帰ろうとしたり、小出が1996年にこの会場で行われたヒップホップイベント「さんぴんCAMP」に強い影響を受けていること、この会場で閃光ライオットの審査員をやった時に出場していたラッパーPAGEにさんぴんCAMPのことを聞いたら全く知らなかったというエピソードなどを語る。
が、やはり長い。話したいことがたくさんあるのはわかるが、最後のほうはリアクションもちょっと薄めになってしまっていた。
そして最後にRHYMESTERの主催イベント「人間交差点」にオファーされていたが、レコーディングスケジュールの都合で出演を断ってしまったことを語り、
「人間交差点というイベントと同じタイトルの曲があります」
と言ってようやく演奏に突入したのは「スクランブル」。そこからの3曲は聴かせるタイプの曲だが、堀之内のスネアのサウンドが印象的な「ラブ & ポップ」は実に久々にライブで聴いた。
すると、「最近は起きてスタジオに行ってレコーディングして帰って寝て、また起きてスタジオに行って…という繰り返しの生活をしている」
と再び小出が語り出すと、
「もう煮詰まると、バンドってなんだろう?ってことまで考えちゃって。今やストリーミングとかで音楽が聴ける時代じゃないですか。もうアルバムのジャケットなんかスマホだったらこんな小ささですよ?そしたらバンドの4人が写ってても、どれが誰だかわからないですよ。ソロの人がバーンと写ってるほうが全然わかりやすい。
音的にもね、シンセとかキーボードがあったほうが絶対わかりやすいんですよ。鍵盤ってドの音を押したら絶対ドの音しか出ないから。でもギターはどんなにチューニングしても、絶対ズレるんですよ。0.00いくつかくらいは周波数が絶対ズレる。
だから、シンセ入れたりとか同期入れたほうがそれに合わせて演奏出来るし、ストリーミングやMP3で聴いても絶対、いわゆる聴きやすい音になるんですよ。
でも、僕らがやりたいのはそういうことじゃないし、僕らが聴いてカッコイイって思ったのはそういう音楽じゃない。そうやって音がズレたりしながらも、メンバーだけで、人間だけで、全部人力でやってる。
僕はそういうものをロックと呼びたいし、これから雑誌でインタビューされたら、この長い話をしてやろうと思ってます(笑)」
と、珍しくロック論、バンド論を展開。アイドルやアニソンなどにも造詣が深い小出がこういうことを言うとは思わなかったが、確かにこのバンドはこれまで全く打ち込みや同期などを使ってこなかった。(ヒャダインとのコラボ曲だけは違うけど)
そういう意味でも、実に納得出来るというか、「ああ、いろんなタイプの音楽を聴いてても、やはりこの人はロックバンドの人でしかいられないんだろうな」と思った。
「次にやる曲も、同期や打ち込みを使えば絶対もっと聴きやすくなるであろう曲です」
と言って演奏されたのは「Tabibito In The Dark」。サビ前のタメにタメたアレンジ、そしてすっかり薄暗くなったからこそ生きる、曲に合わせた鮮やかな照明。その照明はおなじみのダンス湯浅将平を間奏に挟んだ「十字架You and I」ではうごめくバンドのグルーヴに合わせたかのように赤くステージを染め上げる。
そこからはクライマックスへ。イントロで大歓声が巻き起こったバンド最大のヒット曲「changes」、夏バンドとしてもおなじみのこのバンドの初期の夏ソング「electric summer」と湯浅のタッピングギターが炸裂する「UNDER THE STAR LIGHT」では関根のコーラスも爽やかに野外に響き渡る。
落ち着いた曲の始まりから、
「見ないことにされてた 僕の世界が 君のことずっと待ってる」
という小出の苦悩や葛藤をいきなり開けたサビで突き抜けたかのように歌われる「魔王」を終えると、
「ありがとうございました、Base Ball Bearでした」
と言って、歌詞の通りに飛翔感溢れる夏ソング「PERFECT BLUE」で爽やかに本編を締めくくった。
アンコールではメンバーが物販のTシャツに着替えて登場し、8月から3ヶ月連続でシングルが発売されること、その8月発売のシングルにこの日のライブCDが付くこと、秋から再びツアーが始まることが発表され、その8月リリースのシングルからの新曲、「それって、for誰? part.1」を披露。
まさに「それって誰に向けてんの?」というテーマそのものの歌詞の曲であると思われるのだが、タイトル以外のフレーズはなかなか聞き取れなかっただけに、歌詞カードをしっかり見ながら聴きたいところ。サウンドは「二十九歳」以降のこのバンドのど真ん中と言っていいもので、ストレートなギターロックでありながらこのバンドの曲でしかないというのはこれまでと同様。
そしてラストは爽やかさの極みのような「BREEEEZE GIRL」で、
「もうすぐ夏が来る」
というフレーズが、来るべき夏への期待を持たせながら、演奏を終えるとメンバーがピックなどを客席に投げ入れ、ステージに並んで一礼してからステージを去って行った。かと思ったら小出はステージ脇にいるカメラにめちゃくちゃアピールしていた。
今や新しく出てくるバンドはほぼ年下になったが、年下であっても見た目は年上っぽい人ばかりの中、Base Ball Bearのメンバーだけはデビューから今に至るまで、年上な人たちという感じが全くしない。それは男子メンバーの子供っぽさによるものだと思うが、今でも高校の違うクラスにいそうな感じがするのは、自分も彼らと同じように大人になれずに同じように歳を重ねてきたからだろうか。
そしてBase Ball Bearと言えば、やはり夏ソング。今年も当然ロッキンに出るが、06年に新設だったWING TENTに初出演して以降、浴衣でライブやったりとかメインステージになったりとか、これまでのすべての出演を見てきた。今年はLAKE STAGEが濃厚だが、ずっと見てきたあの会場で、どの夏ソングを聴けるのか。
1.The Cut feat.RHYMESTER
2.CRAZY FOR YOUの季節
3.Transfer Girl
4.yellow
5.そんなに好きじゃなかった
6.愛はおしゃれじゃない
7.スクランブル
8.ホワイトワイライト
9.ラブ & ポップ
10.Tabibito In The Dark
11.十字架You and I
12.changes
13.electric summer
14.UNDER THE STAR LIGHT
15.魔王
16.PERFECT BLUE
encore
17.それって、for 誰? part1 (新曲)
18.BREEEEZE GIRL
The Cut feat.RHYMESTER
http://youtu.be/_gzOzwaRA2E
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