ねごと presents お口ポカーン?! 「初の全国ワンマンツアー2015 ~VISIONは続くよどこまでも♪~」 @Zepp DiverCity 6/7
- 2015/06/07
- 23:52
今年3rdフルアルバム「VISION」をリリースしたねごとの、意外にも初となる全国ワンマンツアー。2ndアルバム「5」リリース時はZepp Tokyo、前作ミニアルバム時はEX THEATERとすでにワンマンは見ているので、初のワンマンツアーとはいえ、ワンマンということ自体はそこまで特別な感じではない。
しかし今回のツアーが特別なのは、客席に女性専用エリアというスペースが設けられていること。この日は上手最前、ギター沙田瑞紀の目の前と、下手最後方のエリアが女性専用エリアに。
これはリーダーである藤咲佑(ベース)の発案によるものらしいが、この案が出てくるのはガールズバンドのメンバーならでは。
18時過ぎ、会場が暗転すると、ステージに4つある円形のスクリーンにバンドのマスコット、バクの絵が映し出されてメンバーが登場し、「VISION」の1曲目である「未来航路」からスタート。
さらにこの最序盤の段階で、これまでのライブではクライマックスに演奏されることが多かった「sharp #」を早くも演奏。この段階でこれまでとは全くモードが違うことがわかるが、早くもコール&レスポンスを巻き起こした「アンモナイト!」などシングル曲を連発した序盤から、バンドの演奏は実に力強い。
蒼山幸子(ボーカル&キーボード)の挨拶程度のMCから、女子限定エリアを作った張本人である藤咲が、
「私は身長が145cmしかなくて。ライブハウス行っても全然ステージが見えないのね。だから来てくれる女の子に、少しでもみんなと一緒に楽しんでもらいたくて…」
というと、その女子限定エリアにいる人から、
「ありがとうー!」
という声が。「言ってもらえたの初めて」と言っていたが、これは発案者としてはめちゃくちゃ嬉しかったはず。
4人のアンサンブルのぶつかり合いが、「VISION」の中でも最大の聴きどころの1つだと思う「GREA CITY KIDS」からは、「コーラルブルー」「透き通る衝動」と、タイトル通りに爽やかな曲の流れへ。
最新の曲と最初期の曲だが、並んで聴いても違和感が全くないというか、「透き通る衝動」の演奏とコーラスワークはかつてと比べて格段に進化している。
「ドリーミードライバー」「ふわりのこと」という、こちらの新旧の2曲は聴き入るゾーン。1stアルバムリリース時から名曲と言われていた「ふわりのこと」は、今になっても全く色褪せない名曲ぶり。
そんな曲に浸りきった流れをぶった切るのが、普段は1番しゃべるのに、ステージ上では全く喋らなくなるという沙田のMC。
「VISION」について語るという内容で、「盛り上がり第一主義的なフェスの流れに迎合しない内容のアルバムに」という、今多くのバンドが考えているであろうことを形にしたアルバムに出来た、ということを口にしていたのだが、いかんせん語り口がグダグダ過ぎるために、普通の人の何倍も時間がかかっていた。演奏自体は格段に進化しているが、このMCだけは本当に全然上手くならない。
その長いMCを終えると、「エイリアンエステート」からは円形のスクリーンが大活躍。宇宙の映像が映し出されたかと思ったら、藤咲と澤村小夜子(ドラム)のリズム隊が曲を引っ張る「透明な魚」では球状の水槽の中を魚が泳ぐという映像に。
そして代表曲「ループ」から「nameless」という流れでは、バンドの演奏の爆発力をこの上ない形で見せつけると、ライブ中のドリンクがココアであることから、「バンホーテン」と呼ばれるようになった澤村のMC。相変わらず他のメンバーのMC中にお菓子を食べていることを告白するマイペースかつ天然ぶりを発揮しつつも、ツアーファイナルということで、MCの内容自体は至ってまともなもの。
そして「アルバムの中でも特に大事にしている」という「endless」ではサビでミラーボールが回りだし、曲の雰囲気も相まって、宇宙空間の中のダンスフロアのように。
手拍子が響く「シンクロマニカ」、CMタイアップとしてバンドの代表曲となった「カロン」と続けるが、ここへ来てバンドの演奏力はさらに力強さを増し、蒼山のボーカルは非常に伸びやかで、かつてのように声がひっくり返ったり、歌いきれないということは全くない。
そしてラストは蒼山が歌詞を噛みしめるように歌い、丁寧に演奏された「Time machine」から、バンドの演奏が極まった「憧憬」。アルバムの最後を飾る曲であり、アルバムの中で最もエモーショナルな曲。この曲は最後にしか演奏されないだろうなと思ってはいたが、実際にライブで演奏されているのを見ると、ワンマンでしか演奏されないであろうというのは実にもったいない曲。アッパーなシングル曲で最後を締めるということはこれまでにも多かったが、ついにアルバム曲でもそれができるようになった。
アンコールでは先に澤村がサングラスをかけて登場し、キーボードを弾きながら自作の「バンホーテンのうた」を歌うと、ツアーTシャツに着替えた沙田が物販紹介をして、紹介したグッズを客席に投げ込む。その際、藤咲のマイクスタンドで喋ろうとしたのだが、かなり腰を曲げる形になり(身長差20cmの理想のカップルとのこと)、自身のマイクスタンドへ戻る。そのあと出てきた藤咲が、身長をネタにされたことにより沙田を叩きまくるという場面もあり。
するといきなり沙田がドラム、澤村がベース、蒼山がギター、そして藤咲がボーカルという形にパートチェンジして「ループ」を演奏。全員担当ではない楽器にもかかわらず、ちゃんと形になっていたのに驚いた。
そして、11月23日にリキッドルームで自主企画ライブ(一応フェスと銘打たれている)が開催されることが発表されると、4日前に発売されたばかりの最新シングル「DESTINY」収録の2曲を披露。
アニメ「銀魂」のタイアップになっているタイトル曲「DESTINY」は、
「デ、デ、ディスティニー」
というサビのフレーズと浮遊感のあるサウンドが心地良いポップな曲。
カップリングの「夜風とポラリス」は、沙田がギターを激しくかきむしるハードなサウンドとポップなメロディーが融合した、実にねごとらしい曲。
そしてラストは「Re:myend!」。
つい最近まで、ねごとはワンマンですらアンコールをやらなかった。しかし、今は当たり前のようにアンコールをやっている。かつては怖かったというライブへの自信がつき、聴かせたい、やりたい曲がまだまだあるということ。そのアンコールでやったのが最新シングル収録の2曲というのが、バンドのこれからにさらに期待が感じられて良かった。
演奏を終えると写真撮影。藤咲がセルカ棒を使って撮影し、さらにカメラマンが登場して撮影。撮影が終わると、沙田と藤咲が客席にピックを、蒼山がタオルを、そして澤村がバンホーテンの紙パックを客席に投げ込んでステージを去って行った。
かつて初ワンマンの時に全く声が出ずに悔し涙を流した蒼山が、声の伸びやかさはもちろん、フロントマンとしてバンドを引っ張っていこうとする頼もしい姿に感動さえ覚えた。
しかし、そのライブの内容の良さとは裏腹に、客席にはかなり空白があった。「5」の時のZepp Tokyoワンマンはまだ埋まっていたが、この感じは赤坂BLITZあたりが適正キャパのように感じる。
しかしかつて1stアルバムの時の渋谷AXは瞬殺でソールドアウトしただけに、その時と比べると停滞感は否めない。
それは、その最も売り出していたタイミングでライブが良くなかったというのが致命的だったと個人的には思う。しかし、そこから悔しい思いをしてきた日々を乗り越え、完全にライブバンドと言えるようなバンドになった。メンバーもこの日、
「もっとでかい景色をみんなに見せたい」
と言っていただけに、まだまだここでは終われない。ここからさらに「崇いVISION」へ。
1.未来航路
2.sharp #
3.アンモナイト!
4.黄昏のラプソディ
5.GREAT CITY KIDS
6.コーラルブルー
7.透き通る衝動
8.ドリーミードライバー
9.ふわりのこと
10.エイリアンエステート
11.真夜中のアンセム
12.透明な魚
13.ループ
14.nameless
15.endless
16.シンクロマニカ
17.カロン
18.Time machine
19.憧憬
encore
20.DESTINY
21.夜風とポラリス
22.Re:myend!
DESTINY
http://youtu.be/zpr4vN5aAOI
Next→ 6/13 Base Ball Bear @日比谷野外大音楽堂
しかし今回のツアーが特別なのは、客席に女性専用エリアというスペースが設けられていること。この日は上手最前、ギター沙田瑞紀の目の前と、下手最後方のエリアが女性専用エリアに。
これはリーダーである藤咲佑(ベース)の発案によるものらしいが、この案が出てくるのはガールズバンドのメンバーならでは。
18時過ぎ、会場が暗転すると、ステージに4つある円形のスクリーンにバンドのマスコット、バクの絵が映し出されてメンバーが登場し、「VISION」の1曲目である「未来航路」からスタート。
さらにこの最序盤の段階で、これまでのライブではクライマックスに演奏されることが多かった「sharp #」を早くも演奏。この段階でこれまでとは全くモードが違うことがわかるが、早くもコール&レスポンスを巻き起こした「アンモナイト!」などシングル曲を連発した序盤から、バンドの演奏は実に力強い。
蒼山幸子(ボーカル&キーボード)の挨拶程度のMCから、女子限定エリアを作った張本人である藤咲が、
「私は身長が145cmしかなくて。ライブハウス行っても全然ステージが見えないのね。だから来てくれる女の子に、少しでもみんなと一緒に楽しんでもらいたくて…」
というと、その女子限定エリアにいる人から、
「ありがとうー!」
という声が。「言ってもらえたの初めて」と言っていたが、これは発案者としてはめちゃくちゃ嬉しかったはず。
4人のアンサンブルのぶつかり合いが、「VISION」の中でも最大の聴きどころの1つだと思う「GREA CITY KIDS」からは、「コーラルブルー」「透き通る衝動」と、タイトル通りに爽やかな曲の流れへ。
最新の曲と最初期の曲だが、並んで聴いても違和感が全くないというか、「透き通る衝動」の演奏とコーラスワークはかつてと比べて格段に進化している。
「ドリーミードライバー」「ふわりのこと」という、こちらの新旧の2曲は聴き入るゾーン。1stアルバムリリース時から名曲と言われていた「ふわりのこと」は、今になっても全く色褪せない名曲ぶり。
そんな曲に浸りきった流れをぶった切るのが、普段は1番しゃべるのに、ステージ上では全く喋らなくなるという沙田のMC。
「VISION」について語るという内容で、「盛り上がり第一主義的なフェスの流れに迎合しない内容のアルバムに」という、今多くのバンドが考えているであろうことを形にしたアルバムに出来た、ということを口にしていたのだが、いかんせん語り口がグダグダ過ぎるために、普通の人の何倍も時間がかかっていた。演奏自体は格段に進化しているが、このMCだけは本当に全然上手くならない。
その長いMCを終えると、「エイリアンエステート」からは円形のスクリーンが大活躍。宇宙の映像が映し出されたかと思ったら、藤咲と澤村小夜子(ドラム)のリズム隊が曲を引っ張る「透明な魚」では球状の水槽の中を魚が泳ぐという映像に。
そして代表曲「ループ」から「nameless」という流れでは、バンドの演奏の爆発力をこの上ない形で見せつけると、ライブ中のドリンクがココアであることから、「バンホーテン」と呼ばれるようになった澤村のMC。相変わらず他のメンバーのMC中にお菓子を食べていることを告白するマイペースかつ天然ぶりを発揮しつつも、ツアーファイナルということで、MCの内容自体は至ってまともなもの。
そして「アルバムの中でも特に大事にしている」という「endless」ではサビでミラーボールが回りだし、曲の雰囲気も相まって、宇宙空間の中のダンスフロアのように。
手拍子が響く「シンクロマニカ」、CMタイアップとしてバンドの代表曲となった「カロン」と続けるが、ここへ来てバンドの演奏力はさらに力強さを増し、蒼山のボーカルは非常に伸びやかで、かつてのように声がひっくり返ったり、歌いきれないということは全くない。
そしてラストは蒼山が歌詞を噛みしめるように歌い、丁寧に演奏された「Time machine」から、バンドの演奏が極まった「憧憬」。アルバムの最後を飾る曲であり、アルバムの中で最もエモーショナルな曲。この曲は最後にしか演奏されないだろうなと思ってはいたが、実際にライブで演奏されているのを見ると、ワンマンでしか演奏されないであろうというのは実にもったいない曲。アッパーなシングル曲で最後を締めるということはこれまでにも多かったが、ついにアルバム曲でもそれができるようになった。
アンコールでは先に澤村がサングラスをかけて登場し、キーボードを弾きながら自作の「バンホーテンのうた」を歌うと、ツアーTシャツに着替えた沙田が物販紹介をして、紹介したグッズを客席に投げ込む。その際、藤咲のマイクスタンドで喋ろうとしたのだが、かなり腰を曲げる形になり(身長差20cmの理想のカップルとのこと)、自身のマイクスタンドへ戻る。そのあと出てきた藤咲が、身長をネタにされたことにより沙田を叩きまくるという場面もあり。
するといきなり沙田がドラム、澤村がベース、蒼山がギター、そして藤咲がボーカルという形にパートチェンジして「ループ」を演奏。全員担当ではない楽器にもかかわらず、ちゃんと形になっていたのに驚いた。
そして、11月23日にリキッドルームで自主企画ライブ(一応フェスと銘打たれている)が開催されることが発表されると、4日前に発売されたばかりの最新シングル「DESTINY」収録の2曲を披露。
アニメ「銀魂」のタイアップになっているタイトル曲「DESTINY」は、
「デ、デ、ディスティニー」
というサビのフレーズと浮遊感のあるサウンドが心地良いポップな曲。
カップリングの「夜風とポラリス」は、沙田がギターを激しくかきむしるハードなサウンドとポップなメロディーが融合した、実にねごとらしい曲。
そしてラストは「Re:myend!」。
つい最近まで、ねごとはワンマンですらアンコールをやらなかった。しかし、今は当たり前のようにアンコールをやっている。かつては怖かったというライブへの自信がつき、聴かせたい、やりたい曲がまだまだあるということ。そのアンコールでやったのが最新シングル収録の2曲というのが、バンドのこれからにさらに期待が感じられて良かった。
演奏を終えると写真撮影。藤咲がセルカ棒を使って撮影し、さらにカメラマンが登場して撮影。撮影が終わると、沙田と藤咲が客席にピックを、蒼山がタオルを、そして澤村がバンホーテンの紙パックを客席に投げ込んでステージを去って行った。
かつて初ワンマンの時に全く声が出ずに悔し涙を流した蒼山が、声の伸びやかさはもちろん、フロントマンとしてバンドを引っ張っていこうとする頼もしい姿に感動さえ覚えた。
しかし、そのライブの内容の良さとは裏腹に、客席にはかなり空白があった。「5」の時のZepp Tokyoワンマンはまだ埋まっていたが、この感じは赤坂BLITZあたりが適正キャパのように感じる。
しかしかつて1stアルバムの時の渋谷AXは瞬殺でソールドアウトしただけに、その時と比べると停滞感は否めない。
それは、その最も売り出していたタイミングでライブが良くなかったというのが致命的だったと個人的には思う。しかし、そこから悔しい思いをしてきた日々を乗り越え、完全にライブバンドと言えるようなバンドになった。メンバーもこの日、
「もっとでかい景色をみんなに見せたい」
と言っていただけに、まだまだここでは終われない。ここからさらに「崇いVISION」へ。
1.未来航路
2.sharp #
3.アンモナイト!
4.黄昏のラプソディ
5.GREAT CITY KIDS
6.コーラルブルー
7.透き通る衝動
8.ドリーミードライバー
9.ふわりのこと
10.エイリアンエステート
11.真夜中のアンセム
12.透明な魚
13.ループ
14.nameless
15.endless
16.シンクロマニカ
17.カロン
18.Time machine
19.憧憬
encore
20.DESTINY
21.夜風とポラリス
22.Re:myend!
DESTINY
http://youtu.be/zpr4vN5aAOI
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