the telephones 「武道館 DE DISCO!!! ~SUPER DISCO Hits 10!!! the telephones 10th Anniversary~」 @日本武道館 5/21
- 2015/05/22
- 18:47
昨年末のワンマンで、衝撃の年内での活動休止を発表したthe telephones。その時に同時に告知された、初の武道館ワンマンにして、活動休止前のラストワンマン。この日、5/21はバンドが初ライブを行った日であり、その北浦和KYARAでの初ライブから、ちょうど10年経っての初武道館である。
チケットソールドアウトとなり、端までぎっしり埋まった客席が今か今かと待ちわびる中、18:40頃、急に暗転すると、ステージ上のスクリーンに、初ライブから、これまでに行ってきたワンマンの映像が映し出される。
telephonesはツアーでは毎回仲間を招いてライブをやっていただけに、ワンマンは年に1~2本しかやらなかったが、そのワンマンの大半に参加し、スクリーンに映っているライブをこの目で見てきただけに、この時点ですでに感慨深い。
そしていつものように「happiness,happiness,happiness」がSEとして流れると、メンバーが登場。ドラムの松本誠治が茶髪のモヒカンに髪型が変わる中、いつにも増して客席を入念に見渡しながらそれぞれが定位置へ。
石毛(ボーカル&ギター)が、
「これまでここに立った先輩が、ライブハウス武道館へようこそ!、って言ってきた。でも我々はthe telephones。ライブハウスじゃなくて、ディスコ武道館へようこそー!」
と言ってから最初に演奏されたのは、「D.A.N.C.E to the telephones!!!」。ノブ(シンセサイザー)が早くも激しいアクションで暴れまくると客席から笑いが起こり、石毛のハイトーンボイスが会場を切り裂くように響き渡る。曲中での振り付けを長島涼平(ベース)がやると、観客も一緒になってやるのが定番だが、いつものライブハウスとは違い、全席指定ということで、隣の人との距離感にちょっと戸惑ってしまう。
しかしながら、序盤からキラーチューンが続いたことにより、徐々にその指定席ならではの遠慮っぽさはなくなり、客席も熱量を増していく。「Hyper Jump」では大量のJump審査員がステージに登場して、観客のJumpっぷりを審査。
今年リリースのベストアルバムに収録された「Say DISCO」、最初期の曲であり、近年のライブではおなじみの高速化アレンジが施された「HABANERO」と、新旧のtelephonesの代表曲が次々に演奏されていく。
「今日はオールリクエストライブということで、リクエストされた曲をやっていくけど、まさかこの曲が入るとは思ってなかったぜー!みんな、不思議少女になったつもりで踊ってくれー!」
と言って演奏されたのは、もともとは女性シンガーMichiとのコラボ曲である「WoNdeR WomaN」。Michiが歌っていたパートは、涼平と誠治のリズム隊がカバー。
さらには
「telephones唯一のカバー曲を!」
と、ディズニーコンピに入っていた「Heigh-Ho」。レアな選曲ではあるが、前回のワンマンでもやっていたこともあり、ちゃんと曲が浸透し、客席も思い思いに踊りまくる。
しかしながら、ラストワンマンということで、やはり頭の中には、「今日でライブで聴くのは最後の曲もあるかもしれない」という思いと、「この曲はあの時聴いた、あの場所で聴いた」など、様々な思い出が交錯する。
とりわけ「kiss me,love me,kiss me」は、リリース後のライブで対バンしたBIGMAMAの東出がバイオリンでコラボした、という思い出が脳裏によみがえってくる。
クライマックスを担うことも多かった「A.B.C.DISCO」を終えると、
「今日のライブはリクエストでやってるけど、やっぱりtelephonesの曲は全部良い曲だね。我々にとってはすべての曲が1位です。ただ、リクエストだとやっぱり結果が出るわけで…逆にリクエストで1番人気がなかった曲をやろうと思います(笑)」
と言って演奏されたのは、「JAPAN」収録の「sleep,sleep,sleep」。正直、この曲が人気最下位というのは実に意外。近年はライブでやる機会はほとんどないが、だからこそこの時期の曲は聴いてみたい人も結構いたんじゃないかと思っていたので。実際、盛り上がる曲では全くないが、telephonesが盛り上がるだけのバンドではないことを証明する良曲。
続く、
「死にたいと思ってる時に作った」
という「Homunculus」とともに、中盤の良いアクセントになっていた。
すると、石毛、ノブ、涼平の3人がステージからいなくなり、誠治のドラムソロのコーナーへ。ひとしきり叩き切って大歓声を浴びると、
「普段あんまりしゃべる機会ないから。言わせてください。
ライブハウス武道館へようこそー!」
と、氷室京介が残して以降、数え切れないくらいにロックバンドが言ってきたであろう名台詞を叫ぶ。
すると各々衣装チェンジを行ったメンバーも合流し(ノブは緑のラメ入りシャツ)、再び踊らせまくる流れに。
「A A U U O O O」では、かつてのさいたまスーパーアリーナでのワンマンの時と同様に、大勢のチアリーダー、住職、医者(住職と医者はJump審査員と同じ人)がステージに登場するという演出。
石毛の、
「10年前に北浦和KYARAでライブをして。こうして10年後にここでライブをしていて。さいたまからでも大きなシーンを作れたと思っています。だから、みんなもどこからだってでかいことは出来るよ!」
というさいたま愛溢れるMCの後に演奏されたのはもちろん「SAITAMA DANCE MIRROR BALLERS!!!」。途中で演奏が中断すると、石毛と涼平がそれぞれステージから左右に伸びる花道を進み、そこで向かい合ってギターとベースでバトルを展開。ステージの真横から見ていた人からは、すぐ近くにメンバーが来たことで、実に嬉しかったであろう。実際、涼平は手を伸ばしてハイタッチしたりしていた。
その涼平のベースラインが否が応でも体を動かす「electric girl」から「Ex-Boyfriend」と続くと、
「武道館、もっと一つになろう。一つになるために、同じ曲をみんなで歌おう!」
と言い、「ディスコ!」を叫びまくる「I Hate DISCOOOOOOO!!!」からは終盤戦へ。
普段はノブがカウベルを叩きながらステージ(たまには客席内までも)を走り回る「Baby,Baby,Baby」では、そのノブの姿が見えず、どうしたのかと思っていると、まさかのワイヤーで宙に吊られて空を飛ぶ。緑のシャツを着て飛んでいる様はさながらピーターパンのよう。当たり前だが、この時は一切演奏はしていない。
そのノブが、
「今日は席があるけど、自由に踊ろうぜー!」
と言ってダンスをレクチャーする「Don't Stop The Move,Keep On Dancing!!!」、そして先日出演したミュージックステーションで披露した「Monkey Discooooooo」では、もはや席指定の熱量を明らかにステージも客席も超えていた。石毛はいつものように、そしてMステでもやっていたように、ブリッジしてギターソロを決める。もしかしたら、数あるディスコシリーズの中でも、後にtelephonesを紹介する時に真っ先に出てくるのはこの曲になるのかもしれない。
そして石毛が、
「telephonesをやってて、本当に良かった。
昨日、飯を食いに行こうとしたら、車に轢かれそうになったんだ。もし轢かれてたら、俺は今日ここに立ってない。当たり前のことのようだけど、今日俺たちがここにいるのも、みんながここにいるのも当たり前じゃない」
と言って、最後に演奏されたのは「Odoru ~朝が来ても~」。
「儚い夢が4つ集まった この場所でしか生まれない奇跡さ」
というフレーズは、まさにこの時のため。「4つ」の部分では、石毛が己とメンバー3人を指差す。
そしてこの日客席の椅子に置かれていたフライヤーに混じって入っていた、赤と白のボードを客席の1人1人が曲のアウトロのあたりで掲げる。
石毛は良くファンだけでなく、スタッフや関係者にも感謝を告げるが、その全てが協力して成り立つ、この日客席にいた人全てによるtelephonesに向けての最大限の感謝。客席からは当然その全容は見えないのだが、果たしてステージからはどんな景色が見えていたんだろうか。
もちろんこれで終われるわけもなく、アンコールへ。メンバーが物販のTシャツとサッカーシャツに着替えて登場すると、石毛の口から、7月にニューアルバム「Bye Bye Hello」がリリースされること、そして活動休止前最後のライブが11月3日にさいたまスーパーアリーナで開催されることが発表される。
夏フェスへの出演が多数発表されているので、自分は年末もRADIO CRAZY、CDJ、そしてGTとフェスやイベントに出て終わるものだと思っていた。しかし、そうではなく、telephonesはかつてワンマンを行った、メンバーたちが心から愛する、さいたまスーパーアリーナで最後にすることに決めた。
ワンマンはこの日が最後なので、その日はさいたまに所縁のあるバンドや、仲のいいバンドが出演するという、telephonesによるフェスのようなものになるらしい。
さいたま枠として、ACIDMANや凜として時雨、仲間として、THE BAWDIESや9mm Parabellum Bulletやストレイテナーなど、この日客席に姿を見せていた、これまで共にシーンの中で戦ってきたバンドが出演することになるのだろうか。
すると、SUPER DISCO Hits!!!でのお約束である、新曲を披露。もちろん7月にリリースされるアルバムに入る曲、「Amber Romance」で、石毛がハンドマイクでステージを歩きながら歌う、ドリーミーなポップ感は、これまでの中では「My Final Fantasy」に近い。
そして、愛とディスコを叫ぶ「Love&DISCO」へ。客席にはおなじみの風船が舞うが、前回のワンマン時、活動休止を発表した直後に演奏したのがこの曲だったので、その時は踊ることなく、ただただ立ちすくむしかなかった。そして、「最後のライブ」が発表されたこの時も、何もかもを忘れて踊ることはできなかった。そうするには、あまりにもtelephonesとこの曲には思い出が多過ぎた。
しかし、メンバーがステージを去るも、まだ明らかにやっていない、そしてやらなければならない曲が残っている。なので、再びメンバーが登場。
ここにきてようやくメンバーが誠治の金髪モヒカンをイジる。これは武道館にちなんで、玉ねぎの髪型とのこと。その時、誠治以外の3人は頭にタオルを巻き、メンバー同士でとりとめのない話を続ける。本人たちも言っていたが、すでにライブは3時間にも及んでいたが、それでもこの日を終わらせたくない…そんな思いが伝わってきた。
そして最後の最後、
「私はディスコ!と革命を起こした曲」
と紹介された、「urban disco」。曲が始まると客電が点いて会場が光に包まれ、手拍子が鳴り響く中、何度も何度もとびきり大きな声で「I am disco!」の合唱が武道館の中に響き渡った。
客席を見渡しながら演奏を終えると、観客へ感謝を告げ、おなじみのカメラマン古溪氏を招き、客席をバックに、
「We are!?」「Disco!」
の掛け声で写真撮影。「Hallelujah,Hallelujah,Hallelujah」が終演SEとして流れると、メンバーがスティックやピックを大量にばら撒きながら、客席の写真や動画を撮影。最後には誠治が自身が使用したタオルまでをも客席に投げ込むという長い時間を使ってから、活動休止前最後のワンマンのステージから去って行った。
MCで石毛が言ってように、telephonesには本当に良い曲しかない。それだけに、このバンドの持ち曲は全てライブで聴いたことがあるとはいえ、この日聴きたかった曲を全て聴くことができなかった。
でも、これまで散々「フェスで見れればいい」と言われてきたthe telephonesだが、やはりそんなことはなかった。これまで何度となくワンマンに行く度に思っていたが、「フェスで見れればいいバンド」でも、「ただ単に騒げればいいバンド」でもなかった。
それぐらい、自分の中ではかけがえのない大切なバンド。石毛も
「telephonesをやってて良かった」
と言っていたが、このバンドに出会えて、そしてこうして好きになることができて本当に良かった。
でも、まだ終わったわけじゃない。これから始まるとフェスシーズン、そして11月3日のさいたまスーパーアリーナ。絶対行く。
1.D.A.N.C.E to the telephones!!!
2.Keep Your DISCO!!!
3.sick rocks
4.Yeah Yeah Yeah
5.Hyper Jump
6.Say DISCO
7.HABANERO
8.WoNdeR WomaN
9.Heigh-Ho
10.kiss me,love me,kiss me
11.A.B.C.DISCO
12.sleep,sleep,sleep (sadness of happy poor child)
13.Homunculus
14.Pa Pa Pa La Pa
15.DaDaDa
16.A A U U O O O
17.SAITAMA DANCE MIRROR BALLERS!!!
18.electric girl
19.Ex-Boyfriend
20.I Hate DISCOOOOOOO!!!
21.Baby,Baby,Baby
22.D.E.N.W.A
23.Don't Stop The Move,Keep On Dancing!!!
24.Monkey Discooooooo
25.Odoru ~朝が来ても~
encore1
26.Amber Romance (新曲)
27.Love&DISCO
encore2
28.urban disco
Monkey Discooooooo
http://youtu.be/hynRUScO67A
Next→ 5/23 METROCK 2015 @新木場・若洲公園


チケットソールドアウトとなり、端までぎっしり埋まった客席が今か今かと待ちわびる中、18:40頃、急に暗転すると、ステージ上のスクリーンに、初ライブから、これまでに行ってきたワンマンの映像が映し出される。
telephonesはツアーでは毎回仲間を招いてライブをやっていただけに、ワンマンは年に1~2本しかやらなかったが、そのワンマンの大半に参加し、スクリーンに映っているライブをこの目で見てきただけに、この時点ですでに感慨深い。
そしていつものように「happiness,happiness,happiness」がSEとして流れると、メンバーが登場。ドラムの松本誠治が茶髪のモヒカンに髪型が変わる中、いつにも増して客席を入念に見渡しながらそれぞれが定位置へ。
石毛(ボーカル&ギター)が、
「これまでここに立った先輩が、ライブハウス武道館へようこそ!、って言ってきた。でも我々はthe telephones。ライブハウスじゃなくて、ディスコ武道館へようこそー!」
と言ってから最初に演奏されたのは、「D.A.N.C.E to the telephones!!!」。ノブ(シンセサイザー)が早くも激しいアクションで暴れまくると客席から笑いが起こり、石毛のハイトーンボイスが会場を切り裂くように響き渡る。曲中での振り付けを長島涼平(ベース)がやると、観客も一緒になってやるのが定番だが、いつものライブハウスとは違い、全席指定ということで、隣の人との距離感にちょっと戸惑ってしまう。
しかしながら、序盤からキラーチューンが続いたことにより、徐々にその指定席ならではの遠慮っぽさはなくなり、客席も熱量を増していく。「Hyper Jump」では大量のJump審査員がステージに登場して、観客のJumpっぷりを審査。
今年リリースのベストアルバムに収録された「Say DISCO」、最初期の曲であり、近年のライブではおなじみの高速化アレンジが施された「HABANERO」と、新旧のtelephonesの代表曲が次々に演奏されていく。
「今日はオールリクエストライブということで、リクエストされた曲をやっていくけど、まさかこの曲が入るとは思ってなかったぜー!みんな、不思議少女になったつもりで踊ってくれー!」
と言って演奏されたのは、もともとは女性シンガーMichiとのコラボ曲である「WoNdeR WomaN」。Michiが歌っていたパートは、涼平と誠治のリズム隊がカバー。
さらには
「telephones唯一のカバー曲を!」
と、ディズニーコンピに入っていた「Heigh-Ho」。レアな選曲ではあるが、前回のワンマンでもやっていたこともあり、ちゃんと曲が浸透し、客席も思い思いに踊りまくる。
しかしながら、ラストワンマンということで、やはり頭の中には、「今日でライブで聴くのは最後の曲もあるかもしれない」という思いと、「この曲はあの時聴いた、あの場所で聴いた」など、様々な思い出が交錯する。
とりわけ「kiss me,love me,kiss me」は、リリース後のライブで対バンしたBIGMAMAの東出がバイオリンでコラボした、という思い出が脳裏によみがえってくる。
クライマックスを担うことも多かった「A.B.C.DISCO」を終えると、
「今日のライブはリクエストでやってるけど、やっぱりtelephonesの曲は全部良い曲だね。我々にとってはすべての曲が1位です。ただ、リクエストだとやっぱり結果が出るわけで…逆にリクエストで1番人気がなかった曲をやろうと思います(笑)」
と言って演奏されたのは、「JAPAN」収録の「sleep,sleep,sleep」。正直、この曲が人気最下位というのは実に意外。近年はライブでやる機会はほとんどないが、だからこそこの時期の曲は聴いてみたい人も結構いたんじゃないかと思っていたので。実際、盛り上がる曲では全くないが、telephonesが盛り上がるだけのバンドではないことを証明する良曲。
続く、
「死にたいと思ってる時に作った」
という「Homunculus」とともに、中盤の良いアクセントになっていた。
すると、石毛、ノブ、涼平の3人がステージからいなくなり、誠治のドラムソロのコーナーへ。ひとしきり叩き切って大歓声を浴びると、
「普段あんまりしゃべる機会ないから。言わせてください。
ライブハウス武道館へようこそー!」
と、氷室京介が残して以降、数え切れないくらいにロックバンドが言ってきたであろう名台詞を叫ぶ。
すると各々衣装チェンジを行ったメンバーも合流し(ノブは緑のラメ入りシャツ)、再び踊らせまくる流れに。
「A A U U O O O」では、かつてのさいたまスーパーアリーナでのワンマンの時と同様に、大勢のチアリーダー、住職、医者(住職と医者はJump審査員と同じ人)がステージに登場するという演出。
石毛の、
「10年前に北浦和KYARAでライブをして。こうして10年後にここでライブをしていて。さいたまからでも大きなシーンを作れたと思っています。だから、みんなもどこからだってでかいことは出来るよ!」
というさいたま愛溢れるMCの後に演奏されたのはもちろん「SAITAMA DANCE MIRROR BALLERS!!!」。途中で演奏が中断すると、石毛と涼平がそれぞれステージから左右に伸びる花道を進み、そこで向かい合ってギターとベースでバトルを展開。ステージの真横から見ていた人からは、すぐ近くにメンバーが来たことで、実に嬉しかったであろう。実際、涼平は手を伸ばしてハイタッチしたりしていた。
その涼平のベースラインが否が応でも体を動かす「electric girl」から「Ex-Boyfriend」と続くと、
「武道館、もっと一つになろう。一つになるために、同じ曲をみんなで歌おう!」
と言い、「ディスコ!」を叫びまくる「I Hate DISCOOOOOOO!!!」からは終盤戦へ。
普段はノブがカウベルを叩きながらステージ(たまには客席内までも)を走り回る「Baby,Baby,Baby」では、そのノブの姿が見えず、どうしたのかと思っていると、まさかのワイヤーで宙に吊られて空を飛ぶ。緑のシャツを着て飛んでいる様はさながらピーターパンのよう。当たり前だが、この時は一切演奏はしていない。
そのノブが、
「今日は席があるけど、自由に踊ろうぜー!」
と言ってダンスをレクチャーする「Don't Stop The Move,Keep On Dancing!!!」、そして先日出演したミュージックステーションで披露した「Monkey Discooooooo」では、もはや席指定の熱量を明らかにステージも客席も超えていた。石毛はいつものように、そしてMステでもやっていたように、ブリッジしてギターソロを決める。もしかしたら、数あるディスコシリーズの中でも、後にtelephonesを紹介する時に真っ先に出てくるのはこの曲になるのかもしれない。
そして石毛が、
「telephonesをやってて、本当に良かった。
昨日、飯を食いに行こうとしたら、車に轢かれそうになったんだ。もし轢かれてたら、俺は今日ここに立ってない。当たり前のことのようだけど、今日俺たちがここにいるのも、みんながここにいるのも当たり前じゃない」
と言って、最後に演奏されたのは「Odoru ~朝が来ても~」。
「儚い夢が4つ集まった この場所でしか生まれない奇跡さ」
というフレーズは、まさにこの時のため。「4つ」の部分では、石毛が己とメンバー3人を指差す。
そしてこの日客席の椅子に置かれていたフライヤーに混じって入っていた、赤と白のボードを客席の1人1人が曲のアウトロのあたりで掲げる。
石毛は良くファンだけでなく、スタッフや関係者にも感謝を告げるが、その全てが協力して成り立つ、この日客席にいた人全てによるtelephonesに向けての最大限の感謝。客席からは当然その全容は見えないのだが、果たしてステージからはどんな景色が見えていたんだろうか。
もちろんこれで終われるわけもなく、アンコールへ。メンバーが物販のTシャツとサッカーシャツに着替えて登場すると、石毛の口から、7月にニューアルバム「Bye Bye Hello」がリリースされること、そして活動休止前最後のライブが11月3日にさいたまスーパーアリーナで開催されることが発表される。
夏フェスへの出演が多数発表されているので、自分は年末もRADIO CRAZY、CDJ、そしてGTとフェスやイベントに出て終わるものだと思っていた。しかし、そうではなく、telephonesはかつてワンマンを行った、メンバーたちが心から愛する、さいたまスーパーアリーナで最後にすることに決めた。
ワンマンはこの日が最後なので、その日はさいたまに所縁のあるバンドや、仲のいいバンドが出演するという、telephonesによるフェスのようなものになるらしい。
さいたま枠として、ACIDMANや凜として時雨、仲間として、THE BAWDIESや9mm Parabellum Bulletやストレイテナーなど、この日客席に姿を見せていた、これまで共にシーンの中で戦ってきたバンドが出演することになるのだろうか。
すると、SUPER DISCO Hits!!!でのお約束である、新曲を披露。もちろん7月にリリースされるアルバムに入る曲、「Amber Romance」で、石毛がハンドマイクでステージを歩きながら歌う、ドリーミーなポップ感は、これまでの中では「My Final Fantasy」に近い。
そして、愛とディスコを叫ぶ「Love&DISCO」へ。客席にはおなじみの風船が舞うが、前回のワンマン時、活動休止を発表した直後に演奏したのがこの曲だったので、その時は踊ることなく、ただただ立ちすくむしかなかった。そして、「最後のライブ」が発表されたこの時も、何もかもを忘れて踊ることはできなかった。そうするには、あまりにもtelephonesとこの曲には思い出が多過ぎた。
しかし、メンバーがステージを去るも、まだ明らかにやっていない、そしてやらなければならない曲が残っている。なので、再びメンバーが登場。
ここにきてようやくメンバーが誠治の金髪モヒカンをイジる。これは武道館にちなんで、玉ねぎの髪型とのこと。その時、誠治以外の3人は頭にタオルを巻き、メンバー同士でとりとめのない話を続ける。本人たちも言っていたが、すでにライブは3時間にも及んでいたが、それでもこの日を終わらせたくない…そんな思いが伝わってきた。
そして最後の最後、
「私はディスコ!と革命を起こした曲」
と紹介された、「urban disco」。曲が始まると客電が点いて会場が光に包まれ、手拍子が鳴り響く中、何度も何度もとびきり大きな声で「I am disco!」の合唱が武道館の中に響き渡った。
客席を見渡しながら演奏を終えると、観客へ感謝を告げ、おなじみのカメラマン古溪氏を招き、客席をバックに、
「We are!?」「Disco!」
の掛け声で写真撮影。「Hallelujah,Hallelujah,Hallelujah」が終演SEとして流れると、メンバーがスティックやピックを大量にばら撒きながら、客席の写真や動画を撮影。最後には誠治が自身が使用したタオルまでをも客席に投げ込むという長い時間を使ってから、活動休止前最後のワンマンのステージから去って行った。
MCで石毛が言ってように、telephonesには本当に良い曲しかない。それだけに、このバンドの持ち曲は全てライブで聴いたことがあるとはいえ、この日聴きたかった曲を全て聴くことができなかった。
でも、これまで散々「フェスで見れればいい」と言われてきたthe telephonesだが、やはりそんなことはなかった。これまで何度となくワンマンに行く度に思っていたが、「フェスで見れればいいバンド」でも、「ただ単に騒げればいいバンド」でもなかった。
それぐらい、自分の中ではかけがえのない大切なバンド。石毛も
「telephonesをやってて良かった」
と言っていたが、このバンドに出会えて、そしてこうして好きになることができて本当に良かった。
でも、まだ終わったわけじゃない。これから始まるとフェスシーズン、そして11月3日のさいたまスーパーアリーナ。絶対行く。
1.D.A.N.C.E to the telephones!!!
2.Keep Your DISCO!!!
3.sick rocks
4.Yeah Yeah Yeah
5.Hyper Jump
6.Say DISCO
7.HABANERO
8.WoNdeR WomaN
9.Heigh-Ho
10.kiss me,love me,kiss me
11.A.B.C.DISCO
12.sleep,sleep,sleep (sadness of happy poor child)
13.Homunculus
14.Pa Pa Pa La Pa
15.DaDaDa
16.A A U U O O O
17.SAITAMA DANCE MIRROR BALLERS!!!
18.electric girl
19.Ex-Boyfriend
20.I Hate DISCOOOOOOO!!!
21.Baby,Baby,Baby
22.D.E.N.W.A
23.Don't Stop The Move,Keep On Dancing!!!
24.Monkey Discooooooo
25.Odoru ~朝が来ても~
encore1
26.Amber Romance (新曲)
27.Love&DISCO
encore2
28.urban disco
Monkey Discooooooo
http://youtu.be/hynRUScO67A
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