JAPAN JAM BEACH 2015 @幕張海浜公園 5/4
- 2015/05/06
- 17:49
第一回に富士スピードウェイで開催されてから、規模や場所や趣旨を変えながら続いてきた、ロッキンオン主催の春フェス、JAPAN JAM。
去年は海外アーティストも出演して新木場STUDIO COASTで開催されたが、今年は幕張のビーチで、「JAPAN JAM BEACH」として開催。SUMMER SONICでBEACH STAGEとして使われている場所である。
ステージは3つ。SEASIDE STAGE、SKY STAGE、SUNSET STAGE。キャパ自体は全部変わらないが、SEASIDEとSUNSETは時間が被っており、SKYがやっている時間はその2ステージは転換時間となる。
また、今年は去年なかったセッションが復活。一部出演者だけであるが、貴重なコラボライブがまた見れることに。
初日はVIVA LA ROCKに行ったので、この日は2日目。車で行ったら渋滞に巻き込まれ、着いたのはSUNSET STAGEのトップバッター、BLUE ENCOUNTの最後の1曲前のエモいMC中。NICO Touches the Wallsの光村とのセッションすら見逃し、ラストの「もっと光を」だけしか聞けず。
12:15~ アルカラ [SKY STAGE]
時間前からすでにメンバーがステージに揃い、一刻も早くライブをやりたいと言わんばかりの状態のアルカラ。
時間になると、やっとか!と言わんばかりに稲村(ボーカル&ギター)が、
「JAPAN JAM、行くぞー!」
と叫び、いきなりの「キャッチーを科学する」からスタート。
最新アルバムの曲も含め、田原(ギター)も下上(ベース)も広いステージを移動しまくりながらテンションの高い演奏を展開すると、稲村が
「なんか、さっきのブルエンとか、昨日のテレフォンズとか、みんなコラボやってて楽しそうでズルいやん!?
だから俺らも勝手にゲスト呼びました!俺らのマスコットキャラ、くだけねこちゃんです!普段は神戸にいるんやけど、今日はニャンニャンニャンってここまで走ってきてくれました!
今日はこのくだけねこちゃんの歌をやろうと思うんやけど、この曲でギターを弾いてくれるゲスト、cinema staffの辻友貴!」
というと、この日はバンドでは出演していない辻が、この曲でギターを弾くためだけに登場。くだけねこはオスとメスの2匹が登場し、オスは魚のぬいぐるみをメスに投げたりしていた。
そしてくだけねこと辻がステージを去ると、この日はビーチということで、「半径30cmの中を知らない」の最後のサビ前の部分はレゲエバージョンで。
事前に何の告知もされてないにもかかわらず、こんなに楽しませてくれるあたりは、さすがロック界の奇行士。
神戸のライブハウス一帯を使ったネコフェスを開催したりと、ライブハウスへの愛情が強いバンドだが、こういうでかいステージも実によく似合うバンドだと思う。
1.キャッチーを科学する
2.アブノーマルが足りない
3.チクショー
4.愚痴ばっかりのローレロレロ
5.くだけねこのうた
6.夢見る少女でいたい
7.半径30cmの中を知らない
8.ミ・ラ・イ・ノ・オ・ト
キャッチーを科学する
http://youtu.be/x8VIp83HVGY
13:00~ キュウソネコカミ [SEASIDE STAGE]
始まる前からすごい人の数。これだけで今、このバンドがどんな状況にいるのかがすぐわかる。
ONE PIECEの初代主題歌「ウィーアー!」が流れ、メンバーが筋斗雲に乗ったセイヤを騎馬みたいに運んで登場すると、意外にも「JP」からスタート。
代表曲を続ける中、リリース当初は賛否両論の声があった「GALAXY」も、最後方の客まで振り付けを行うなど、もはやすっかりこの曲も代表曲に成長している。
「今日のこのステージ、ゴールデンボンバーからキュウソネコカミっていう流れはメガシャキのCMつながりですね。まぁゴールデンボンバーほど売れてはないですけどね。向こうは家が建つくらい売れましたからね」
とセイヤの軽快なMCから、そのメガシャキのCMで絶賛オンエア中の新曲へ。CMで流れている部分だけ聴くと実にキュウソらしい曲だが、途中でいきなりハウスミュージックに転調し、セイヤとヨコタがそれに合わせて踊りまくるという、フルで聴くとCMで聴いたイメージとは全く違う。このあたりは確実に狙ってやっているだろうが。
「KMDT25」ではサークルではなく盆踊りのやり方を説くも、
「すでにやってる~!」
というくらいに定着し、「DQNなりたい、40代で死にたい」では、向かい合うステージや、海の向こうの木更津のヤンキーに向かって「ヤンキー怖い」コールをさせた。
もはやフェスでトップクラスの動員を誇る存在になったが、そうなったのは曲の良さやパフォーマンスの面白さももちろん、常に自分たちのファンを気遣うライブをする、「思いやり&マナー」の精神があるからだと思う。
1.JP
2.良いDJ
3.ファントムバイブレーション
4.GALAXY
5.メガSHAKE IT
6.KMDT25
7.DQNなりたい、40代で死にたい
8.ウィーアーインディーズバンド!!
9.ビビった
ビビった
http://youtu.be/2jxjDAqulRo
13:45~ ドレスコーズ [SKY STAGE]
事前に告知されていた通り、ねごとの沙田瑞紀(ギター)、少年ナイフのえみ(ドラム)、惑星アブノーマルのテナ・オンディーヌ(キーボード)、そしてかつて毛皮のマリーズでともに活動していた栗本ヒロ子(ベース)の女性4人バンドとともに、志摩遼平が登場。
いきなり毛皮のマリーズの「REBEL SONG」からスタートというサプライズもあったが、その後はドレスコーズの最新アルバムからの曲が中心。女性バンドの演奏は、女性ながら実に力強いが、革ジャン姿でねごとからは想像できないくらいにギターを弾きまくる瑞紀は普段とは別人のよう。
「この最高のロケーションとロックンロール、それだけあれば他になにもいらないじゃないか!」
と、志摩の言葉やアクションからはやはりカリスマのオーラを強く感じる。
そんな中、中盤にはいきなり毛皮のマリーズの最大の名曲「ビューティフル」を演奏。他のドレスコーズの曲も良いが、やはりこうして聴くとこの曲がかなり際立って感じてしまう。
志摩がアコギを弾きながら歌う、「スーパー、スーパーサッド」から、
「みんな、最後まで楽しんでねー!そして、愛に気をつけてねー!」
とラストの「愛に気をつけてね」では、曲中にメンバー紹介に加え、ソロまで披露される形で演奏された。
志摩以外のメンバーが全員脱退して以降、サポートを迎えてライブをやっているが、これからバンドが固まっていくのか、時と場所によってメンバーが変わるのかはまだわからない。
しかし、この日客席はかなり寂しい結果になっていただけに、あまり迷走していると感じないためにもそこは固めたほうが良いと思うんだが。
1.REBEL SONG
2.この悪魔め
3.Lolita
4.Ghost
5.ビューティフル
6.あん・はっぴぃえんど
7.スーパー、スーパーサッド
8.愛に気をつけてね
スーパー、スーパーサッド
http://youtu.be/MMkE0aprGR0
14:30~ THE BAWDIES [SEASIDE STAGE]
ビーチにはあまりに似つかわしくないスーツ姿のロックンロールお祭りバンド、THE BAWDIES。
ここ最近の定番、ウィルソン・ピケットの「ダンス天国」でメンバーが登場し、「NO WAY」でスタートするという展開もここ最近のおなじみの流れ。
しかし、「ROCK ME BABY」でサウンドに異変が。どうも音がスカスカに聴こえると思ったら、MARCYのドラムのバスドラが破けてしまっていた。しかしそれでも中断もやり直しもすることなく、演奏しながら機材を交換してリカバリーするというのは、メンバーとスタッフに拍手せざるを得ない。
リカバリーしてからの「IT'S TOO LATE」では最後にROYがとびきり長いシャウトを響かせると、メンバー同士がMARCYのドラムについて話し始めたのだが、
「勝手にしゃべるんじゃない!」
とROYが制し、この日はROYが桃太郎、TAXMANが犬、JIMが猿、MARCYが雉という役割での寸劇からの、
「お腰につけた…HOT DOG、召し上がれ!」
と「HOT DOG」に突入。
ROYとTAXMANのツインボーカルが爽やかな「KICKS!」、このシチュエーションがたまらなく似合うミドルソング「LEMONADE」、最近のコール&レスポンス曲「SING YOUR SONG」、そしてラストは飛び跳ねまくりの「JUST BE COOL」で終了し、今日が今年のフェス初めということで、TAXMANによるわっしょいも行われて終了。
2度目の武道館を経て、初のホールツアーも控えているが、果たしてそのあとはどうなるだろうか。今年も夏フェスには出まくるだろうけど。
1.NO WAY
2.ROCK ME BABY
3.IT'S TOO LATE
4.HOT DOG
5.KICKS!
6.LEMONADE
7.SING YOUR SONG
8.JUST BE COOL
ROCK ME BABY
http://youtu.be/OzvnPdQt33M
そのあと、空腹を満たすために飲食ブースに行くも、並び過ぎてて食べれず。きゃりーぱみゅぱみゅを聴きながら歩いていたら、OKAMOTO'Sがリハで、本家がやったばかりの「にんじゃりばんばん」、サザンの「勝手にシンドバッド」とカバーを連発していた。
16:00~ The Mirraz [SUNSET STAGE]
リハで「WAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!!!!」「気持ち悪りぃ」「僕らは」さらに新曲まで演奏していたThe Mirraz。
パーカーにサングラス姿という畠山を中心にした4人が登場すると、いきなり新曲。これは先日のワンマンでもやっていたが、EDMの要素を取り入れたダークなサウンドの曲。毒っぽい歌詞が散りばめられており、サウンドこそ変われど、実にミイラズっぽい曲。
「このクソ強い風の中、タオルを投げて飛んでいくとこが見てみたい!」
と言って「SUSHI A GO! GO! GO!」ではタオル回しとタオル投げを煽るも、あまりの風の強さでタオルが飛んで行ってしまうことを警戒してほとんどタオルを投げる人はおらず、思わず畠山も笑いながら、
「お前らタオル投げろよ!」
と言ってしまう。
さらにもう1曲新曲も披露。こちらも最初にやった曲同様に、ダークなEDMサウンドの曲。「パンドラの箱」というフレーズが何度も出てきていたが、このバンドは実際に歌詞カードを見ながら聴いてみないとわからないところがたくさんある。
「今年、JAPAN JAMがビーチでやることになったのは、ミイラズのこの曲があるからだ、っていう話もある」
という明らかな嘘をついた「真夏の屯田兵 ~yeah! yeah! yeah!~」は、先ほどの話は嘘ではあれど、まさにこのシチュエーションで聴くのが実によく似合う曲。もうすっかり気分は夏だ。
ラストは定番曲2曲で終了したが、先日のツアーが散々たる客入りだっただけに心配していた客入りも、さすがにフェスではまずまずといったところか。しかし、その状況をひっくり返せるかは、大胆にシフトチェンジした新曲たちがどう受け入れられるかにかかっている。個人的にはメジャーデビュー直後らへんのアルバム曲よりかはミイラズらしくて好きだが。
1.マジかーそうきたか、やっぱそうきますよね。はいはい、ですよね知ってます。 (新曲)
2.ふぁっきゅー
3.ラストナンバー
4.check it out! check it out! check it out! check it out!
5.SUSHI A GO! GO! GO!
6.パンドラの箱、ツンデレっすね。 (新曲)
7.真夏の屯田兵 ~yeah! yeah! yeah!~
8.スーパーフレア
9.CANのジャケットのモンスターみたいのが現れて世界壊しちゃえばいい
真夏の屯田兵 ~yeah! yeah! yeah!~
http://youtu.be/K6Lle60t_ms
16:45~ KANA-BOON [SKY STAGE]
前日にビバラで見ているKANA-BOON。始まる前からすでにこの日間違いなく最大であろうたくさんの人が待ち受ける中、「タイムアウト」「ウォーリーヒーロー」という2曲でスタートするというのは前日と変わらず。
しかし、
「いやー、暑いですねぇ。野外だと日焼け対策しなきゃいけないですよねぇ。そこでこれ、アネッサ」
と谷口鮪が言ってアネッサを取り出して塗りたくると、そのアネッサのCM曲としてオンエアされている新曲「なんでもねだり」。前日は室内だっただけに、これは野外フェスならでは。
さらに
飯田「ビーチって言うからビキニの女性ばっかりいると思ってきたのに。もうフェスの決まりで、服装はビキニでないといけない、ってしてくれればいいのに(笑)」
鮪「そしたらビキニ女子目当ての男しか来なくなるから、そんなクソみたいなフェスは絶対ダメや(笑)」
というMCもこの場所ならでは。
風の強さに悩まされながらも、何万人いるのかというくらいの人を躍らせまくり、ラストは「フルドライブ」から「シルエット」という鉄壁の流れ。
前日は演奏した「ないものねだり」は時間が短くなった分、ついにセトリから消えたが、このバンドはこれからも「ないものねだり」を超える曲を次々に生み出していく気がする。
1.タイムアウト
2.ウォーリーヒーロー
3.結晶星
4.なんでもねだり
5.1.2. step to you
6.盛者必衰の理、お断り
7.フルドライブ
8.シルエット
なんでもねだり
http://youtu.be/2Vjm3EUKb_4
17:30~ SAKANAMON [SUNSET STAGE]
先日、アルバムをリリースしたばかりというタイミングでの出演となったSAKANAMON。
おなじみのSUPER BUTTER DOG「コミュニケーション・ブレイクダンス」のSEで登場すると、打ち込みも使った「マジックアワー」からスタート。
しかし、藤森(ボーカル&ギター)のマイクスタンドが歌っている最中にどんどん下がってきてしまい、ものすごく腰を曲げながら歌うという格好になってしまっている。ただでさえコミカルな見た目の藤森なだけに、客席からは笑いが起こっていたが。
SAKANAMONならではのギターロック曲を続けると、森野(ベース)が新作の告知。その間に藤森がわけわからない踊りを踊っていて、なかなか集中して告知できていなかったが。
そしてその新作の中からは「ぱらぱらり」を披露。アルバムがかなり幅の広い内容なだけに、この曲だけだとまだほんの一側面。それだけにライブで全曲聴きたいところ。
メンバー紹介を経ると、かねてから告知されていたゲスト、ねごとの蒼山幸子が登場。
これまでSAKANAMONのアルバムには、女性ボーカルとデュエットすることを前提に作られた曲が1曲入っており、今回はそのデュエット曲の中から、「架空の色彩」を蒼山とデュエット。ワンマンなどでもなかなか女性ボーカルは招けないだけに、これは本当に貴重な場面。また、このロケーションに蒼山の声はよく似合う。
しかしデュエット曲を終えてもまだ蒼山はステージに残り、
森野「ねごとはメンバーみんな長女のバンドだから、年齢以上にしっかりしてますよね」
蒼山「SAKANAMONはみんな末っ子のバンドだもんね」
藤森「だからねごとのみなさんには、甘えられたいっていうより甘えたいですよね」
森野「いくらなんでも気持ち悪すぎる!(笑)」
という仲の良さを感じさせるMCをすると、なんと、ねごとの「sharp #」をSAKANAMONの演奏で披露。これは両者のファンには実に嬉しいサプライズだが、藤森が原曲キーでコーラスしていたのは凄い。蒼山がハンドマイクでボーカルのためキーボードの音がなく、本家の演奏よりもシンプルなギターロック、という感じだったが。
予想外のコラボを見せた蒼山がいなくなると、
「まだ踊れますか!?」
と言って「アリカナシカ」を演奏して終了。
改めてこのバンドのスキルの高さを見せつけるようなライブであっただけに、アルバムのツアーのZepp DiverCityワンマンに行こうかとも考えている。
1.マジックアワー
2.幼気な少女
3.ミュージックプランクトン
4.ぱらぱらり
5.架空の色彩 w/蒼山幸子(ねごと)
6.sharp # w/蒼山幸子(ねごと)
7.アリカナシカ
ぱらぱらり
http://youtu.be/1x40I9xurXk
18:15~ レキシ [SKY STAGE]
レキシとしてはロッキンオンのフェスには初登場。
100sの盟友リズム隊を含むサポートメンバーが先に登場し、ステージには「レキシ」の旗が立てられている中、レキシこと池田貴史が登場すると、
「ワーじゃない!盛り上がるんじゃない!盛り上がるとロクなことがない!海もすごい荒れてるし、嫌な予感しかしない!アフロが飛んでいきそうなくらい風が強いし!(笑)」
とのっけから話始めると、その強い風を利用してタイタニックごっこを1人で始めたりと、まだ曲をやっていないのにかなりの時間を消費するといういつものスタイル。
「セコムしてますか?イェーじゃなねぇ。絶対セコムしとらんわ!」
と、なかなか曲に行かないものの、ようやく始まったのは「きらきら武士」。ロッキンオンのフェスには出たとこがないもののアウェー感は全くなく、むしろほとんどの人がちゃんと曲を知っているような楽しみぶり。
「牛若!牛若!」
のコールが起こる「LOVE弁慶」を終えると、
「今日はJAPAN JAMということでね、特別ゲストを招いております。旗本ひろし(秦基博)…と見せかけてやついいちろう!(笑)」
と、どちらかというとがっかりした人のほうが多いであろう中、百姓姿のやついが登場。先ほどは1人でやっていたタイタニックごっこを2人でやったりしながら、「年貢 for you」。やついは割と「年貢」と言うくらいの役割。
曲を終えると早くも、
「次で最後の曲でございます(笑)
大丈夫、次の曲めちゃ長いから。長いし、他にもいろいろ途中に曲やるかもしれん(笑)」
と言うと、早くも
「稲穂っていう 言葉なんて知らなかったよね」
と、安室奈美恵の「CAN YOU CELEBRATE?」の歌詞を「稲穂」に変えて歌う。客席には自前の稲穂を掲げる人の姿も。
「時代は狩りから稲作、そしてスマホへ。スマホはもはや俺の臓器でございます」
と、この日出演したキュウソネコカミの曲の歌詞を入れるサービス精神を見せ、さらに、
「イナゲナイ イナゲナイ イナゲナイ今宵 僕たちは狩りを終えるだろう」
と、SEKAI NO OWARI「Dragon Night」の替え歌を歌いだすと、ステージに赤い髪、コート着用、トランシーバー持参という深瀬そのものな出で立ちの男が登場。一度は去って行ったが、もう一度「イナゲナイ」を歌うと、再び登場したその男は当然深瀬ではなく、やついいちろう(笑)
ちなみにフラッグを持っていたのだが、そのフラッグには「NIHON NO OWARI」と書かれているという芸の細かさ。
そんな感じで言葉の通りに1曲どころか様々な曲をやったのだが、それに見事に対応してちゃんと演奏できるメンバーの技術はすごい。
そしてようやく「狩りから稲作へ」に。
「縄文土器 弥生土器 どっちが好き?」
というサビのフレーズを、「どっちが好きか本気で考えながら歌え!」と言っていたが、そもそも縄文土器と弥生土器の違いを正確に把握している人はそんなにいないはず。
「高床式! 鼠返し!」
「稲穂ー!稲穂っ穂っ穂ー!」
と、レキシならではのコール&レスポンスを交えながら、爆笑のステージが終了。
プロジェクト始動当初、「すぐネタが尽きる」と言われていたが、今に至るまでネタが尽きないどころか、ついに去年は武道館ワンマンまでやってしまった。(しかもソールドアウト)
それは面白さはもちろん、実は音楽的にも実に優れたユニットだからこそ。
始まった時間帯は夕暮れだったが、終わった時間にはすっかり暗くなっていた。
1.きらきら武士
2.LOVE弁慶
3.年貢 for you
4.狩りから稲作へ
年貢 for you
http://youtu.be/OJqNoFi5lcE
19:00~ FACT [SUNSET STAGE]
辺りは完全に夜。このステージのトリは先日、衝撃の解散発表をしたFACT。活動は年内限りなので、もはや貴重なライブになってしまった。
6人のメンバーが登場すると、「slip of the lip」「this is the end」「shadow of envy」とラウドサウンドの曲を続け、客席は砂浜にもかかわらず、モッシュ、左回りのサークルまでも発生。
Kazuki(ギター)は、
「俺ら今日超アウェーじゃね?(笑)」
と言っていたが、確かにこの日はラウド系のバンドこそ他にいないものの、客席の盛り上がりぶりは、全くアウェー感を感じさせない。
Hiro(ボーカル)もEiji(ドラム)も解散のことに関しては特に触れず、Adam(ギター)にいたっては、
「もうあと数曲で俺ら終わるけど」
と言ったあとの「えー!」に対し、
「みんながそういうリアクションしてくれなかったら、すぐ帰ろうかと思った。
…嘘ピョーン!(笑)」
と、流暢な日本語で、どこまでも陽気。Kazukiには、
「お前どこで嘘ピョーンなんて言葉覚えたんだよ(笑)」
と突っ込まれていたが。
ベスト的な選曲であったが、Hiroが打楽器を叩く「ape」、アウトロでグロッケンを叩く、このステージの名前に合わせてやったんじゃないかと思う「sunset」と、暴れなくても見ているだけでも楽しい曲も演奏し、ラストは、
「この曲で、俺たちに最高の景色を見せてくれー!」
と言っての「a fact of life」。今でこそラウドバンドも市民権を獲得し、SiMやFear,and Loathing in Las Vegas、coldrainあたりは巨大な存在になっているが、そのすべての始まりは、このバンドが2009年に「逆輸入能面バンド」としてデビューしたアルバムに収録されていたこの曲だった。5年以上経った今でも、イントロを聴くだけで血が騒ぐ。
結局、解散することに関してはほぼ触れなかったが、終盤、Hiroが
「当たり前と思ってることって、案外当たり前じゃねーかんね」
と言った。これは明らかに解散のことを示唆している。デビューしてから、FACTがいるのがもう当たり前になっていた。
1.slip of the lip
2.this is the end
3.shadow of envy
4.warm
5.the way down
6.Disclosure
7.ape
8.miles away
9.sunset
10.a fact of life
a fact of life
http://youtu.be/xUl62mfn4D4
19:55~ くるり [SKY STAGE]
この日のトリはくるり。前日にビバラでも見ているので、2日連続。しかもその4日前にはワンマンも見ているという、くるり三昧の一週間。
この日も岸田、佐藤、松本大樹、mabanua、権藤知彦の5人編成。リハで「ワンダーフォーゲル」をまるまる1曲演奏すると、本編では「虹」「東京」と初期のシングル曲を続けるのは前日と同じ。というか、結論から言えば、この日やった曲はすべて前日と同じだった。
しかしながら、岸田が
「浜辺でライブやるの夢やってん」
と言ったり、普通のバンドなら絶対フェスではやらない長尺曲「ガロン」の、曲中の佐藤がベースを肩からかけたままグロッケンを叩き、そのベースを後ろから松本が二人羽織のような格好で弾く、という演奏は、カメラがその様子をモニターに長く捉えていたからか、終わったあとに拍手が起きるなど、リアクションは前日よりかなり良かった。(それでもやっぱり演奏中に帰ってる人も結構いたけど)
本編ラストは「ばらの花」。前日同様に原曲のピアノのフレーズを松本がギターで弾くのだが、夜の海辺でこの曲を聴くというのは、人生においてこの先もあるかどうかわからないが、とてつもないセンチメントを湛えていた。このシチュエーションはもうないかもしれないが、それよりも「ガロン」を一週間で3回もライブで聴くという経験は間違いなく今後ないだろう。
すぐさま出てきたアンコールでは、
「みんな気をつけて帰って。我々は赤提灯でも寄ってから帰ります」
と言って、この1日を締める「ロックンロール」。この曲は「晴れ渡る空」の下で聴くのが最も似合うと思っているが、夜に最後の最後に聴くのもなかなかいいじゃないか。
しかし何より、最近フェスでは「もうメインステージじゃないほうがいいんじゃないか?」という動員になることが多くなってきているが、それなりに人が入ってて一安心。でも、夏はどうだろうか。
1.虹
2.東京
3.マーチ
4.青い空
5.Liberty & Gravity
6.ガロン
7.ばらの花
encore
8.ロックンロール
ばらの花
http://youtu.be/fpjIsylnvU8
ビーチで開催されるのは今年初ということもあって、風の強さとそれに伴う砂埃は想像以上にキツく、砂浜を歩くのもなかなか厳しかったが、いろんな出演者も言っていたとおり、あのロケーションは本当に素晴らしい。
来年はVIVA LA ROCKが五月末に開催されるのが決定しているため、今年よりさらに動員が増えるだろうが、あまりに並びすぎていた飲食ブースをどうするかがひとまずの課題になるだろうか。
翌日の最終日も行きたかったけど行けず。
Next→ 5/8 クリープハイプ @NHKホール

去年は海外アーティストも出演して新木場STUDIO COASTで開催されたが、今年は幕張のビーチで、「JAPAN JAM BEACH」として開催。SUMMER SONICでBEACH STAGEとして使われている場所である。
ステージは3つ。SEASIDE STAGE、SKY STAGE、SUNSET STAGE。キャパ自体は全部変わらないが、SEASIDEとSUNSETは時間が被っており、SKYがやっている時間はその2ステージは転換時間となる。
また、今年は去年なかったセッションが復活。一部出演者だけであるが、貴重なコラボライブがまた見れることに。
初日はVIVA LA ROCKに行ったので、この日は2日目。車で行ったら渋滞に巻き込まれ、着いたのはSUNSET STAGEのトップバッター、BLUE ENCOUNTの最後の1曲前のエモいMC中。NICO Touches the Wallsの光村とのセッションすら見逃し、ラストの「もっと光を」だけしか聞けず。
12:15~ アルカラ [SKY STAGE]
時間前からすでにメンバーがステージに揃い、一刻も早くライブをやりたいと言わんばかりの状態のアルカラ。
時間になると、やっとか!と言わんばかりに稲村(ボーカル&ギター)が、
「JAPAN JAM、行くぞー!」
と叫び、いきなりの「キャッチーを科学する」からスタート。
最新アルバムの曲も含め、田原(ギター)も下上(ベース)も広いステージを移動しまくりながらテンションの高い演奏を展開すると、稲村が
「なんか、さっきのブルエンとか、昨日のテレフォンズとか、みんなコラボやってて楽しそうでズルいやん!?
だから俺らも勝手にゲスト呼びました!俺らのマスコットキャラ、くだけねこちゃんです!普段は神戸にいるんやけど、今日はニャンニャンニャンってここまで走ってきてくれました!
今日はこのくだけねこちゃんの歌をやろうと思うんやけど、この曲でギターを弾いてくれるゲスト、cinema staffの辻友貴!」
というと、この日はバンドでは出演していない辻が、この曲でギターを弾くためだけに登場。くだけねこはオスとメスの2匹が登場し、オスは魚のぬいぐるみをメスに投げたりしていた。
そしてくだけねこと辻がステージを去ると、この日はビーチということで、「半径30cmの中を知らない」の最後のサビ前の部分はレゲエバージョンで。
事前に何の告知もされてないにもかかわらず、こんなに楽しませてくれるあたりは、さすがロック界の奇行士。
神戸のライブハウス一帯を使ったネコフェスを開催したりと、ライブハウスへの愛情が強いバンドだが、こういうでかいステージも実によく似合うバンドだと思う。
1.キャッチーを科学する
2.アブノーマルが足りない
3.チクショー
4.愚痴ばっかりのローレロレロ
5.くだけねこのうた
6.夢見る少女でいたい
7.半径30cmの中を知らない
8.ミ・ラ・イ・ノ・オ・ト
キャッチーを科学する
http://youtu.be/x8VIp83HVGY
13:00~ キュウソネコカミ [SEASIDE STAGE]
始まる前からすごい人の数。これだけで今、このバンドがどんな状況にいるのかがすぐわかる。
ONE PIECEの初代主題歌「ウィーアー!」が流れ、メンバーが筋斗雲に乗ったセイヤを騎馬みたいに運んで登場すると、意外にも「JP」からスタート。
代表曲を続ける中、リリース当初は賛否両論の声があった「GALAXY」も、最後方の客まで振り付けを行うなど、もはやすっかりこの曲も代表曲に成長している。
「今日のこのステージ、ゴールデンボンバーからキュウソネコカミっていう流れはメガシャキのCMつながりですね。まぁゴールデンボンバーほど売れてはないですけどね。向こうは家が建つくらい売れましたからね」
とセイヤの軽快なMCから、そのメガシャキのCMで絶賛オンエア中の新曲へ。CMで流れている部分だけ聴くと実にキュウソらしい曲だが、途中でいきなりハウスミュージックに転調し、セイヤとヨコタがそれに合わせて踊りまくるという、フルで聴くとCMで聴いたイメージとは全く違う。このあたりは確実に狙ってやっているだろうが。
「KMDT25」ではサークルではなく盆踊りのやり方を説くも、
「すでにやってる~!」
というくらいに定着し、「DQNなりたい、40代で死にたい」では、向かい合うステージや、海の向こうの木更津のヤンキーに向かって「ヤンキー怖い」コールをさせた。
もはやフェスでトップクラスの動員を誇る存在になったが、そうなったのは曲の良さやパフォーマンスの面白さももちろん、常に自分たちのファンを気遣うライブをする、「思いやり&マナー」の精神があるからだと思う。
1.JP
2.良いDJ
3.ファントムバイブレーション
4.GALAXY
5.メガSHAKE IT
6.KMDT25
7.DQNなりたい、40代で死にたい
8.ウィーアーインディーズバンド!!
9.ビビった
ビビった
http://youtu.be/2jxjDAqulRo
13:45~ ドレスコーズ [SKY STAGE]
事前に告知されていた通り、ねごとの沙田瑞紀(ギター)、少年ナイフのえみ(ドラム)、惑星アブノーマルのテナ・オンディーヌ(キーボード)、そしてかつて毛皮のマリーズでともに活動していた栗本ヒロ子(ベース)の女性4人バンドとともに、志摩遼平が登場。
いきなり毛皮のマリーズの「REBEL SONG」からスタートというサプライズもあったが、その後はドレスコーズの最新アルバムからの曲が中心。女性バンドの演奏は、女性ながら実に力強いが、革ジャン姿でねごとからは想像できないくらいにギターを弾きまくる瑞紀は普段とは別人のよう。
「この最高のロケーションとロックンロール、それだけあれば他になにもいらないじゃないか!」
と、志摩の言葉やアクションからはやはりカリスマのオーラを強く感じる。
そんな中、中盤にはいきなり毛皮のマリーズの最大の名曲「ビューティフル」を演奏。他のドレスコーズの曲も良いが、やはりこうして聴くとこの曲がかなり際立って感じてしまう。
志摩がアコギを弾きながら歌う、「スーパー、スーパーサッド」から、
「みんな、最後まで楽しんでねー!そして、愛に気をつけてねー!」
とラストの「愛に気をつけてね」では、曲中にメンバー紹介に加え、ソロまで披露される形で演奏された。
志摩以外のメンバーが全員脱退して以降、サポートを迎えてライブをやっているが、これからバンドが固まっていくのか、時と場所によってメンバーが変わるのかはまだわからない。
しかし、この日客席はかなり寂しい結果になっていただけに、あまり迷走していると感じないためにもそこは固めたほうが良いと思うんだが。
1.REBEL SONG
2.この悪魔め
3.Lolita
4.Ghost
5.ビューティフル
6.あん・はっぴぃえんど
7.スーパー、スーパーサッド
8.愛に気をつけてね
スーパー、スーパーサッド
http://youtu.be/MMkE0aprGR0
14:30~ THE BAWDIES [SEASIDE STAGE]
ビーチにはあまりに似つかわしくないスーツ姿のロックンロールお祭りバンド、THE BAWDIES。
ここ最近の定番、ウィルソン・ピケットの「ダンス天国」でメンバーが登場し、「NO WAY」でスタートするという展開もここ最近のおなじみの流れ。
しかし、「ROCK ME BABY」でサウンドに異変が。どうも音がスカスカに聴こえると思ったら、MARCYのドラムのバスドラが破けてしまっていた。しかしそれでも中断もやり直しもすることなく、演奏しながら機材を交換してリカバリーするというのは、メンバーとスタッフに拍手せざるを得ない。
リカバリーしてからの「IT'S TOO LATE」では最後にROYがとびきり長いシャウトを響かせると、メンバー同士がMARCYのドラムについて話し始めたのだが、
「勝手にしゃべるんじゃない!」
とROYが制し、この日はROYが桃太郎、TAXMANが犬、JIMが猿、MARCYが雉という役割での寸劇からの、
「お腰につけた…HOT DOG、召し上がれ!」
と「HOT DOG」に突入。
ROYとTAXMANのツインボーカルが爽やかな「KICKS!」、このシチュエーションがたまらなく似合うミドルソング「LEMONADE」、最近のコール&レスポンス曲「SING YOUR SONG」、そしてラストは飛び跳ねまくりの「JUST BE COOL」で終了し、今日が今年のフェス初めということで、TAXMANによるわっしょいも行われて終了。
2度目の武道館を経て、初のホールツアーも控えているが、果たしてそのあとはどうなるだろうか。今年も夏フェスには出まくるだろうけど。
1.NO WAY
2.ROCK ME BABY
3.IT'S TOO LATE
4.HOT DOG
5.KICKS!
6.LEMONADE
7.SING YOUR SONG
8.JUST BE COOL
ROCK ME BABY
http://youtu.be/OzvnPdQt33M
そのあと、空腹を満たすために飲食ブースに行くも、並び過ぎてて食べれず。きゃりーぱみゅぱみゅを聴きながら歩いていたら、OKAMOTO'Sがリハで、本家がやったばかりの「にんじゃりばんばん」、サザンの「勝手にシンドバッド」とカバーを連発していた。
16:00~ The Mirraz [SUNSET STAGE]
リハで「WAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!!!!」「気持ち悪りぃ」「僕らは」さらに新曲まで演奏していたThe Mirraz。
パーカーにサングラス姿という畠山を中心にした4人が登場すると、いきなり新曲。これは先日のワンマンでもやっていたが、EDMの要素を取り入れたダークなサウンドの曲。毒っぽい歌詞が散りばめられており、サウンドこそ変われど、実にミイラズっぽい曲。
「このクソ強い風の中、タオルを投げて飛んでいくとこが見てみたい!」
と言って「SUSHI A GO! GO! GO!」ではタオル回しとタオル投げを煽るも、あまりの風の強さでタオルが飛んで行ってしまうことを警戒してほとんどタオルを投げる人はおらず、思わず畠山も笑いながら、
「お前らタオル投げろよ!」
と言ってしまう。
さらにもう1曲新曲も披露。こちらも最初にやった曲同様に、ダークなEDMサウンドの曲。「パンドラの箱」というフレーズが何度も出てきていたが、このバンドは実際に歌詞カードを見ながら聴いてみないとわからないところがたくさんある。
「今年、JAPAN JAMがビーチでやることになったのは、ミイラズのこの曲があるからだ、っていう話もある」
という明らかな嘘をついた「真夏の屯田兵 ~yeah! yeah! yeah!~」は、先ほどの話は嘘ではあれど、まさにこのシチュエーションで聴くのが実によく似合う曲。もうすっかり気分は夏だ。
ラストは定番曲2曲で終了したが、先日のツアーが散々たる客入りだっただけに心配していた客入りも、さすがにフェスではまずまずといったところか。しかし、その状況をひっくり返せるかは、大胆にシフトチェンジした新曲たちがどう受け入れられるかにかかっている。個人的にはメジャーデビュー直後らへんのアルバム曲よりかはミイラズらしくて好きだが。
1.マジかーそうきたか、やっぱそうきますよね。はいはい、ですよね知ってます。 (新曲)
2.ふぁっきゅー
3.ラストナンバー
4.check it out! check it out! check it out! check it out!
5.SUSHI A GO! GO! GO!
6.パンドラの箱、ツンデレっすね。 (新曲)
7.真夏の屯田兵 ~yeah! yeah! yeah!~
8.スーパーフレア
9.CANのジャケットのモンスターみたいのが現れて世界壊しちゃえばいい
真夏の屯田兵 ~yeah! yeah! yeah!~
http://youtu.be/K6Lle60t_ms
16:45~ KANA-BOON [SKY STAGE]
前日にビバラで見ているKANA-BOON。始まる前からすでにこの日間違いなく最大であろうたくさんの人が待ち受ける中、「タイムアウト」「ウォーリーヒーロー」という2曲でスタートするというのは前日と変わらず。
しかし、
「いやー、暑いですねぇ。野外だと日焼け対策しなきゃいけないですよねぇ。そこでこれ、アネッサ」
と谷口鮪が言ってアネッサを取り出して塗りたくると、そのアネッサのCM曲としてオンエアされている新曲「なんでもねだり」。前日は室内だっただけに、これは野外フェスならでは。
さらに
飯田「ビーチって言うからビキニの女性ばっかりいると思ってきたのに。もうフェスの決まりで、服装はビキニでないといけない、ってしてくれればいいのに(笑)」
鮪「そしたらビキニ女子目当ての男しか来なくなるから、そんなクソみたいなフェスは絶対ダメや(笑)」
というMCもこの場所ならでは。
風の強さに悩まされながらも、何万人いるのかというくらいの人を躍らせまくり、ラストは「フルドライブ」から「シルエット」という鉄壁の流れ。
前日は演奏した「ないものねだり」は時間が短くなった分、ついにセトリから消えたが、このバンドはこれからも「ないものねだり」を超える曲を次々に生み出していく気がする。
1.タイムアウト
2.ウォーリーヒーロー
3.結晶星
4.なんでもねだり
5.1.2. step to you
6.盛者必衰の理、お断り
7.フルドライブ
8.シルエット
なんでもねだり
http://youtu.be/2Vjm3EUKb_4
17:30~ SAKANAMON [SUNSET STAGE]
先日、アルバムをリリースしたばかりというタイミングでの出演となったSAKANAMON。
おなじみのSUPER BUTTER DOG「コミュニケーション・ブレイクダンス」のSEで登場すると、打ち込みも使った「マジックアワー」からスタート。
しかし、藤森(ボーカル&ギター)のマイクスタンドが歌っている最中にどんどん下がってきてしまい、ものすごく腰を曲げながら歌うという格好になってしまっている。ただでさえコミカルな見た目の藤森なだけに、客席からは笑いが起こっていたが。
SAKANAMONならではのギターロック曲を続けると、森野(ベース)が新作の告知。その間に藤森がわけわからない踊りを踊っていて、なかなか集中して告知できていなかったが。
そしてその新作の中からは「ぱらぱらり」を披露。アルバムがかなり幅の広い内容なだけに、この曲だけだとまだほんの一側面。それだけにライブで全曲聴きたいところ。
メンバー紹介を経ると、かねてから告知されていたゲスト、ねごとの蒼山幸子が登場。
これまでSAKANAMONのアルバムには、女性ボーカルとデュエットすることを前提に作られた曲が1曲入っており、今回はそのデュエット曲の中から、「架空の色彩」を蒼山とデュエット。ワンマンなどでもなかなか女性ボーカルは招けないだけに、これは本当に貴重な場面。また、このロケーションに蒼山の声はよく似合う。
しかしデュエット曲を終えてもまだ蒼山はステージに残り、
森野「ねごとはメンバーみんな長女のバンドだから、年齢以上にしっかりしてますよね」
蒼山「SAKANAMONはみんな末っ子のバンドだもんね」
藤森「だからねごとのみなさんには、甘えられたいっていうより甘えたいですよね」
森野「いくらなんでも気持ち悪すぎる!(笑)」
という仲の良さを感じさせるMCをすると、なんと、ねごとの「sharp #」をSAKANAMONの演奏で披露。これは両者のファンには実に嬉しいサプライズだが、藤森が原曲キーでコーラスしていたのは凄い。蒼山がハンドマイクでボーカルのためキーボードの音がなく、本家の演奏よりもシンプルなギターロック、という感じだったが。
予想外のコラボを見せた蒼山がいなくなると、
「まだ踊れますか!?」
と言って「アリカナシカ」を演奏して終了。
改めてこのバンドのスキルの高さを見せつけるようなライブであっただけに、アルバムのツアーのZepp DiverCityワンマンに行こうかとも考えている。
1.マジックアワー
2.幼気な少女
3.ミュージックプランクトン
4.ぱらぱらり
5.架空の色彩 w/蒼山幸子(ねごと)
6.sharp # w/蒼山幸子(ねごと)
7.アリカナシカ
ぱらぱらり
http://youtu.be/1x40I9xurXk
18:15~ レキシ [SKY STAGE]
レキシとしてはロッキンオンのフェスには初登場。
100sの盟友リズム隊を含むサポートメンバーが先に登場し、ステージには「レキシ」の旗が立てられている中、レキシこと池田貴史が登場すると、
「ワーじゃない!盛り上がるんじゃない!盛り上がるとロクなことがない!海もすごい荒れてるし、嫌な予感しかしない!アフロが飛んでいきそうなくらい風が強いし!(笑)」
とのっけから話始めると、その強い風を利用してタイタニックごっこを1人で始めたりと、まだ曲をやっていないのにかなりの時間を消費するといういつものスタイル。
「セコムしてますか?イェーじゃなねぇ。絶対セコムしとらんわ!」
と、なかなか曲に行かないものの、ようやく始まったのは「きらきら武士」。ロッキンオンのフェスには出たとこがないもののアウェー感は全くなく、むしろほとんどの人がちゃんと曲を知っているような楽しみぶり。
「牛若!牛若!」
のコールが起こる「LOVE弁慶」を終えると、
「今日はJAPAN JAMということでね、特別ゲストを招いております。旗本ひろし(秦基博)…と見せかけてやついいちろう!(笑)」
と、どちらかというとがっかりした人のほうが多いであろう中、百姓姿のやついが登場。先ほどは1人でやっていたタイタニックごっこを2人でやったりしながら、「年貢 for you」。やついは割と「年貢」と言うくらいの役割。
曲を終えると早くも、
「次で最後の曲でございます(笑)
大丈夫、次の曲めちゃ長いから。長いし、他にもいろいろ途中に曲やるかもしれん(笑)」
と言うと、早くも
「稲穂っていう 言葉なんて知らなかったよね」
と、安室奈美恵の「CAN YOU CELEBRATE?」の歌詞を「稲穂」に変えて歌う。客席には自前の稲穂を掲げる人の姿も。
「時代は狩りから稲作、そしてスマホへ。スマホはもはや俺の臓器でございます」
と、この日出演したキュウソネコカミの曲の歌詞を入れるサービス精神を見せ、さらに、
「イナゲナイ イナゲナイ イナゲナイ今宵 僕たちは狩りを終えるだろう」
と、SEKAI NO OWARI「Dragon Night」の替え歌を歌いだすと、ステージに赤い髪、コート着用、トランシーバー持参という深瀬そのものな出で立ちの男が登場。一度は去って行ったが、もう一度「イナゲナイ」を歌うと、再び登場したその男は当然深瀬ではなく、やついいちろう(笑)
ちなみにフラッグを持っていたのだが、そのフラッグには「NIHON NO OWARI」と書かれているという芸の細かさ。
そんな感じで言葉の通りに1曲どころか様々な曲をやったのだが、それに見事に対応してちゃんと演奏できるメンバーの技術はすごい。
そしてようやく「狩りから稲作へ」に。
「縄文土器 弥生土器 どっちが好き?」
というサビのフレーズを、「どっちが好きか本気で考えながら歌え!」と言っていたが、そもそも縄文土器と弥生土器の違いを正確に把握している人はそんなにいないはず。
「高床式! 鼠返し!」
「稲穂ー!稲穂っ穂っ穂ー!」
と、レキシならではのコール&レスポンスを交えながら、爆笑のステージが終了。
プロジェクト始動当初、「すぐネタが尽きる」と言われていたが、今に至るまでネタが尽きないどころか、ついに去年は武道館ワンマンまでやってしまった。(しかもソールドアウト)
それは面白さはもちろん、実は音楽的にも実に優れたユニットだからこそ。
始まった時間帯は夕暮れだったが、終わった時間にはすっかり暗くなっていた。
1.きらきら武士
2.LOVE弁慶
3.年貢 for you
4.狩りから稲作へ
年貢 for you
http://youtu.be/OJqNoFi5lcE
19:00~ FACT [SUNSET STAGE]
辺りは完全に夜。このステージのトリは先日、衝撃の解散発表をしたFACT。活動は年内限りなので、もはや貴重なライブになってしまった。
6人のメンバーが登場すると、「slip of the lip」「this is the end」「shadow of envy」とラウドサウンドの曲を続け、客席は砂浜にもかかわらず、モッシュ、左回りのサークルまでも発生。
Kazuki(ギター)は、
「俺ら今日超アウェーじゃね?(笑)」
と言っていたが、確かにこの日はラウド系のバンドこそ他にいないものの、客席の盛り上がりぶりは、全くアウェー感を感じさせない。
Hiro(ボーカル)もEiji(ドラム)も解散のことに関しては特に触れず、Adam(ギター)にいたっては、
「もうあと数曲で俺ら終わるけど」
と言ったあとの「えー!」に対し、
「みんながそういうリアクションしてくれなかったら、すぐ帰ろうかと思った。
…嘘ピョーン!(笑)」
と、流暢な日本語で、どこまでも陽気。Kazukiには、
「お前どこで嘘ピョーンなんて言葉覚えたんだよ(笑)」
と突っ込まれていたが。
ベスト的な選曲であったが、Hiroが打楽器を叩く「ape」、アウトロでグロッケンを叩く、このステージの名前に合わせてやったんじゃないかと思う「sunset」と、暴れなくても見ているだけでも楽しい曲も演奏し、ラストは、
「この曲で、俺たちに最高の景色を見せてくれー!」
と言っての「a fact of life」。今でこそラウドバンドも市民権を獲得し、SiMやFear,and Loathing in Las Vegas、coldrainあたりは巨大な存在になっているが、そのすべての始まりは、このバンドが2009年に「逆輸入能面バンド」としてデビューしたアルバムに収録されていたこの曲だった。5年以上経った今でも、イントロを聴くだけで血が騒ぐ。
結局、解散することに関してはほぼ触れなかったが、終盤、Hiroが
「当たり前と思ってることって、案外当たり前じゃねーかんね」
と言った。これは明らかに解散のことを示唆している。デビューしてから、FACTがいるのがもう当たり前になっていた。
1.slip of the lip
2.this is the end
3.shadow of envy
4.warm
5.the way down
6.Disclosure
7.ape
8.miles away
9.sunset
10.a fact of life
a fact of life
http://youtu.be/xUl62mfn4D4
19:55~ くるり [SKY STAGE]
この日のトリはくるり。前日にビバラでも見ているので、2日連続。しかもその4日前にはワンマンも見ているという、くるり三昧の一週間。
この日も岸田、佐藤、松本大樹、mabanua、権藤知彦の5人編成。リハで「ワンダーフォーゲル」をまるまる1曲演奏すると、本編では「虹」「東京」と初期のシングル曲を続けるのは前日と同じ。というか、結論から言えば、この日やった曲はすべて前日と同じだった。
しかしながら、岸田が
「浜辺でライブやるの夢やってん」
と言ったり、普通のバンドなら絶対フェスではやらない長尺曲「ガロン」の、曲中の佐藤がベースを肩からかけたままグロッケンを叩き、そのベースを後ろから松本が二人羽織のような格好で弾く、という演奏は、カメラがその様子をモニターに長く捉えていたからか、終わったあとに拍手が起きるなど、リアクションは前日よりかなり良かった。(それでもやっぱり演奏中に帰ってる人も結構いたけど)
本編ラストは「ばらの花」。前日同様に原曲のピアノのフレーズを松本がギターで弾くのだが、夜の海辺でこの曲を聴くというのは、人生においてこの先もあるかどうかわからないが、とてつもないセンチメントを湛えていた。このシチュエーションはもうないかもしれないが、それよりも「ガロン」を一週間で3回もライブで聴くという経験は間違いなく今後ないだろう。
すぐさま出てきたアンコールでは、
「みんな気をつけて帰って。我々は赤提灯でも寄ってから帰ります」
と言って、この1日を締める「ロックンロール」。この曲は「晴れ渡る空」の下で聴くのが最も似合うと思っているが、夜に最後の最後に聴くのもなかなかいいじゃないか。
しかし何より、最近フェスでは「もうメインステージじゃないほうがいいんじゃないか?」という動員になることが多くなってきているが、それなりに人が入ってて一安心。でも、夏はどうだろうか。
1.虹
2.東京
3.マーチ
4.青い空
5.Liberty & Gravity
6.ガロン
7.ばらの花
encore
8.ロックンロール
ばらの花
http://youtu.be/fpjIsylnvU8
ビーチで開催されるのは今年初ということもあって、風の強さとそれに伴う砂埃は想像以上にキツく、砂浜を歩くのもなかなか厳しかったが、いろんな出演者も言っていたとおり、あのロケーションは本当に素晴らしい。
来年はVIVA LA ROCKが五月末に開催されるのが決定しているため、今年よりさらに動員が増えるだろうが、あまりに並びすぎていた飲食ブースをどうするかがひとまずの課題になるだろうか。
翌日の最終日も行きたかったけど行けず。
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