VIVA LA ROCK 2015 @さいたまスーパーアリーナ 5/3
- 2015/05/05
- 21:15
去年からゴールデンウィークにさいたまスーパーアリーナで開催されるようになった、鹿野淳と雑誌MUSICAによるフェス、VIVA LA ROCK。
去年はいろいろ課題もありつつも1回目にしては成功と言える内容となり、今年が2年目。
今年は野外にステージが一つ増え、この日はそのステージにまさかの銀杏BOYZが出演。そもそもはこの日は幕張のJAPAN JAMに参加する予定だったが、銀杏BOYZが発表されたことにより、急遽こっちに行くことに。
気持ち良いくらいに晴れ、会場外のエリアであるVIVA LA GARDENでもたくさんの飲食ブースが並び、実に良い雰囲気。
銀杏BOYZの物販で新作Tシャツを買ってから、入場してメインステージへ。
11:00~ KANA-BOON [STAR STAGE]
昨年は2番目のVIVA! STAGEのトリだったKANA-BOON、武道館ワンマンを経た今年はメインステージのトップバッターとして登場。
2ndアルバム「TIME」の「タイムアウト」からスタートすると、ライブでのイントロのアレンジがカッコイイ「ウォーリーヒーロー」と、このバンドの代名詞とも言える、高速4つ打ちロックを次々に繰り出し、満員の客席をガンガン踊らせていく。
昨年もそうだったが、この日5/3はボーカル谷口鮪の誕生日ということで、ベースの飯田が、
「男として、裸の写真集を」
と言って谷口に渡したのは、大相撲力士名鑑。古賀(ギター)も、「孤独の向き合い方」というような本をプレゼントするも、小泉(ドラム)は特になし。
「クラクション」「結晶星」というあたりでちょっとギアを変えると、
「お腹空きましたか?フェス飯とかいろいろありますけど、何が食べたいですか?チャーハンですか?」
とおなじみ「ないものねだり」から、
「初めてCM曲になった新曲を」
と言って、アネッサのCMで大量オンエアされている新曲「なんでもねだり」へ。武道館で初めて聴いたときは、「なんだこの曲?」という感じだったが、CMで流れてるのを何度も見てから聴いたからか、このバンド特有の耳から離れない中毒性を感じるようになってきた。
ラストは「フルドライブ」からの「シルエット」という必殺のコンボで締めると、ライブ後には「Happy Birthday」が流れる中、スタッフがケーキを持って登場し、谷口がケーキを頬張る。去年はトリだったため、ケーキが食べれない状態になってしまったが、今年はそこへのリベンジも果たした。
やはり武道館ワンマンのあとだけに、曲数は少なく感じでしまうが、来年以降、間違いなくこのキャパでワンマンが見れるようになっているはず。
1.タイムアウト
2.ウォーリーヒーロー
3.盛者必衰の理、お断り
4.1.2 step to you
5.クラクション
6.結晶星
7.ないものねだり
8.なんでもねだり
9.フルドライブ
10.シルエット
なんでもねだり
http://youtu.be/2Vjm3EUKb_4
12:15~ Hello Sleepwalkers [CAVE STAGE]
去年は入場規制が頻発して物議を醸した、屋内では1番小さいCAVE STAGEに、Hello Sleepwalkersが初登場。
オープニングこそ静かにメンバーが登場したが、いざ音が鳴り始めると、大爆発。
トリプルギターならではの繊細なフレーズを担うタソコと、爆発力を見せるシュンタロウとナルミ。2人のツインボーカルも、この場をかっさらってやろうという気合いに溢れている。
「円盤飛来」の途中からはシュンタロウがギターを置いてハンドマイクで絶唱し、打ち込みも大胆に使った「Worker Ant」では、ナルミもハンドマイクで、客席にマイクを向けて、
「もくもく働こう」
のフレーズをコーラスさせる。
去年のこの日はちょうどワンマンツアーの初日だったということで、去年と今日、こうしてたくさんの人の前でライブを出来ていることへの感謝を告げると、後半はさらに激しさを増した、凄まじいパフォーマンスを見せた。
デビュー時から曲の完成度はずば抜けていたが、ライブでの進化を感じさせてくれるのは、間違いなく近年の曲。これからさらに進化していくのを恐ろしくすら感じるが、それに見合ったキャパでライブをできるようになって欲しい。
1.天地創造
2.月面歩行
3.円盤飛来
4.Worker Ant
5.百鬼夜行
6.猿は木から何処へ落ちる
7.午夜の待ち合わせ
百鬼夜行
http://youtu.be/Xht9jXIjj3E
13:20~ ドラマチックアラスカ [CAVE STAGE]
ドアラの愛称で人気を拡大しつつあるドラマチックアラスカ、初出演。
CDで聴いた限りは正統派ギターロックバンドというイメージだったが、ライブでは4つ打ちのダンスロックでひたすら攻め続ける。
爆弾ジョニーではキーボードであるロマンチック☆安田ならぬ、ドラマチック☆安田のギターもうなりを上げ、ダイバーが次々に出現するほどの盛り上がりぶりに。
190cmを超える長身ベース・マルオカのマイクスタンドにヒジカタは頭が届かない、というメンバーの特徴を見せるやり取りで笑いを取りつつ、
「次で最後の曲です!」
と言って演奏された「星になる」ではコール&レスポンスも巻き起こすも、
「さっき、最後の曲って言ったけど…今ので最後なんて、無理無理無理!」
と言って、さらに最新シングル「無理無理無理」をブッ込んだ。
「誰も知らない、からもっとでかいところに行きたい!来年はここじゃなくてもっとでかいステージで会いましょう!」
とヒジカタは言っていたが、果たしてここからさらにでかいとこまで到達できるだろうか?
1.リダイヤル
2.エキセントリック・アルカホリック
3.東京ワンダー
4.ハイアンドブルー
5.打ち上げ花火
6.星になる
7.無理無理無理
無理無理無理
http://youtu.be/GoH3uKrJTwQ
14:00~ くるり [STAR STAGE]
つい数日前に、1stアルバムと2ndアルバムの完全再現ライブを行った、くるり。岸田と佐藤に加え、松本大樹(ギター)、mabanua(ドラム)、権藤知彦(ユーフォニウム、ブリューゲルホルン、トランペット、ディジリドゥ)という編成もその時と同様。
なので、その1st、2ndの曲が中心になるだろうという予想だったが、最初の「虹」から、前半は完全に予想通り。
岸田の
「普段は緩い感じでやってるんやけど、フェスやから楽しい、みんなで歌える曲を。そんなにないけど(笑)」
という挨拶程度のMCのあとは、「Liberty & Gravity」。これは再現ライブではやらなかったが、この編成でもできるのか。
すると、まさかの「ガロン」。佐藤がウッドベースやグロッケンを弾き(グロッケンの時は松本が後ろから手を回してベースを弾く)、岸田もシンセを操作するという、見ているぶんには面白いが、いかんせんフェスでやるには曲が渋すぎる。
しかし、ラストには、ワンマンの時は「練習してないからできない」と言ってやらなかった「ばらの花」と「ロックンロール」というサービス精神。「ばらの花」、キーボードがいないだけに、松本がギターでキーボードのフレーズを奏でていた。でもファンファンのコーラスがなかったのは少し物足りなかった。
ただ、スタンディングエリアはおそらく埋まってたのは5割くらい。去年もそうだったが、そろそろ大型フェスのメインステージはキツくなってきている気がする。
1.虹
2.東京
3.マーチ
4.青い空
5.Liberty & Gravity
6.ガロン
7.ばらの花
8.ロックンロール
東京
http://youtu.be/9osrk5jXCUY
14:50~ plenty [VIVA! STAGE]
屋内ながら、太陽の光が見えることにより、どこか爽やかな空気を感じるこの時間のVIVA! STAGEに、去年同様にplentyが登場。
去年のこのステージで、ヒラマミキオと中畑大樹のサポート2人に別れを告げ、今年は新ドラマー中村一太を含めた3人編成での出演となったのだが、2人時代にも名曲を数々生み出してはいたが、スリーピースに戻ったことにより、初期のヒリヒリするようなギターロックに回帰。江沼もひたすらエレキをノイジーに掻き鳴らし、「そうそう、これが見たかったんだよ!」と思わずにはいられない。
「去年の時点ですでに加入が決まっていたので、去年のこのステージを見に来ていた」
と中村も話していたが、新田も挨拶程度ではあれどマイク越しにしゃべるようになるという、演奏面以外での変化も生まれてきている。
かといってそこまで初期曲をやったわけではないということを踏まえると、これは原点回帰ではなく、現在進行形としてのplentyのサウンドであると言える。
去年よりも客席はやや寂しくなったが、これから確実にまた面白くなっていきそう。
1.空から降る一億の星
2.体温
3.シャララ
4.明日から王様
5.先生のススメ
6.その叙情に
7.枠
体温
http://youtu.be/0qD8n27E4Nk
15:30~ VIVA LA J-ROCK ANTHEMS [STAR STAGE]
今回の、そしてこの日の目玉企画。プロデューサーでありベーシストの亀田誠治がバンマスとなり、ドラムにピエール中野(凛として時雨)、ギターに長岡亮介(ペトロールズ、ex.東京事変)と津野米咲(赤い公園)という編成で、ゲストボーカルを招いてJ-ROCKのアンセムを鳴り響かせようというもの。
スクリーンにやや大げさな趣旨説明が流れると、メンバーが登場し、最初に演奏されたのは、BUMP OF CHICKEN「天体観測」。歌うのは、自身のバンドでもライブでカバーしていた、キュウソネコカミのヤマサキセイヤ。
普段から歌っている曲だからか、気負いはほとんど感じられない。強いて挙げるならばこのメンバーの演奏で歌っていることくらいか。
スクリーンには、まるでみんなで歌うためかのように、曲の歌詞が流れる中、セイヤが客席に突入。このSTAR STAGEでステージから飛び降りて客席まで行ったのは初めてだという。
演奏後は客席に突入したことについて亀田誠治と話していたが、興奮しているのが実によく伝わってきた。
続いては、この日の夜に出演する、BOOM BOOM SATELLITESの川島道行が登場しての、hideの「ピンクスパイダー」。長岡のギターが重厚なサウンドを作り出す中、川島は明らかに歌詞のカンペをチラチラ見ながら歌っていた。しかし、それも致し方ないというのは、川島は長いキャリアの中で、日本語ボーカル曲を歌ったのは初めてのこと。
ちなみにピエール中野はBOOM BOOM SATELLITESの大ファンであり、自らのドラムセットのライトシンバルは、BOOM BOOM SATELLITESが使ってるものと同じものを探し出して、10年以上にわたって使い続けているらしい。
続いて登場したのは大森靖子。
「YUKIさんのファンクラブに入ってたんですけど、本名だともう絶対追いつけなくなっちゃうから、鶴瓶って名前でファンクラブに入ってて。そしたら誕生日とかにYUKIさんからのメッセージが、鶴瓶さんへ、って書いてあって、全然嬉しくなかった(笑)」
というエピソードを明かしてから歌うのは、JUDY & MARYの「そばかす」。大森は完全にYUKIに合わせたような歌い方なのだが、その姿はYUKIが憑依しているようでもあり、だけど、確実に大森靖子そのもの。結論から言うと、これがこの企画で1番良かった。
続いてはあのファンキーなイントロが流れる中、ウルフルズの「ガッツだぜ!!」が始まると、ステージに登場したのは、派手なサングラスをかけたKREVA。ヴォコーダーを駆使しながら、ラップではない通常の歌を歌い、もちろん「ガッツだぜ」のフレーズは大合唱。ステージングもスターのオーラに溢れる、さすがと言えるもの。
そしてステージには高橋優が。曲の前に、
「主催の鹿野さんが、亀田さんに、「高橋はこのアーティストだけを聴いて育ってきたんです!」ってこの曲に僕を推薦してくれたんですけど、僕はあんまりこの方のことを知らなくて。人並みに知ってるくらいなんですけど。
多分、鹿野さんはイメージでそう言ってたと思うんです(笑)でもやるってなったからには、と思って、目一杯練習してきました」
と、舞台裏を明かし、尾崎豊の「15の夜」。確かに、BRAHMANやTHE YELLOW MONKEYがルーツである高橋優だが、見た目や音楽性から尾崎豊がルーツと思われても納得な部分はある。そんなあまり知らないという曲も圧倒的な歌唱力で歌いこなすのはさすが。
ちなみにこの曲では津野はピアノを演奏。このマルチプレイヤーぶりも、若くしてこのバンドに名を連ねるようになった理由だろう。
そして、ラストのボーカルは、KEYTALKの首藤&寺中の2人。しかし、登場した首藤の白いTシャツには「くわた」とマジックで書かれ、寺中はサングラス着用で、「仕込み」と書かれたスケッチブック持参と、ネタの匂いがプンプンしている。
するとやはり首藤のモノマネボーカル全開でのサザン「勝手にシンドバッド」が始まる。しかしモノマネしてるだけはあってか、首藤はこの曲をかなり歌い慣れている。寺中はというと、
「今何時?」
のコーラスに合わせてスケッチブックをめくり、
「だいたい16時くらい」
など、リアルな時間をカメラに向かって報告。
さらに間奏部分では、
「今日はさらにすごいゲストが来ています!」
と言うと、今度は寺中が、ミスチル桜井、平井堅、ASKAのモノマネ連発。どれもモノマネとしてのクオリティは高いが、ASKAはバンドメンバーがドン引きして演奏が止まるというネタっぷりであった。
終了後、亀田が挨拶すると、あたりからは「来年もやってほしい」「帰ったら原曲聴いてみよう」という声が聞こえた。
尾崎豊以外はリアルタイムで聴いて育ってきただけに、聴いていて、「この時代を生きてきたんだよなぁ」と感慨深くなってしまった。それが本人の歌と演奏じゃなくても、こうして歌い継がれていくのは曲の力だと思うし、何よりみんなで歌っていて、楽しかった。だから、亀田さん、また来年も是非やってください。
1.天体観測 / BUMP OF CHICKEN feat.ヤマサキセイヤ(キュウソネコカミ)
2.ピンクスパイダー / hide feat.川島道行 (BOOM BOOM SATELLITES)
3.そばかす / JUDY & MARY feat.大森靖子
4.ガッツだぜ!! / ウルフルズ feat.KREVA
5.15の夜 / 尾崎豊 feat.高橋優
6.勝手にシンドバッド / サザンオールスターズ feat.KEYTALK寺中&首藤
そばかす
http://youtu.be/FvEou2nNDcU
17:10~ 銀杏BOYZ [TSUBASA STAGE]
この時間のために、ceroもAwesome City Clubも諦め、50分くらい前から、まだセッティングすら始まっていないステージ前で待機。
しかし、20分くらい前になると、無料ステージということもあってか、あまりにも大勢の人が詰めかけ、「もっと前に詰めてください!」というアナウンスがしきりに行なわれる。
すると開始時間直前に、今度は鹿野淳がステージに。客席、というかスーパーアリーナの周りが、あまりにも人が押し寄せ過ぎたことにより混雑しすぎており、やはり「前に詰めてください」と呼びかける。
そしてそこから5分ほど経ち、マイクスタンドとアコギ、椅子のみが置かれたステージに、峯田和伸が白いシャツに黒のサスペンダーで登場。
「峯田ー!」という歓声に交じり、一部からはなぜか「死ねー!」という言葉も飛び交い、
「なんで出てきて20秒で死ねって言われなくちゃならないのか(笑)
でも、もう10年以上銀杏BOYZやってますけどね、こうやって死ね!って言ってくる人は、なんか心の中のモヤモヤしてるものを俺にぶつけてきてくれてると思ってるの。
まぁずっと死ね死ね言われてきて、メンバー3人死にましたけど!
みんなテレビやネットの音楽じゃ満たされなくてここに来たんでしょ!なんでテレビ出てる歌手は俺が思ってること歌ってくれないんだろって思ってここに来たんでしょ!歌いますよ!」
と言って、
「君と別れて僕は石ころになって…」
と歌い出した最初の曲は「東京」。
10分にも及ぶ大バラードだが、この曲を構成する、泣きの要素の1番大きな部分を担っていた、チン中村のギターはもうない。ただ、峯田和伸の声とギターのみ。それでも、本当に久しぶりにライブで聴くこの曲、ここはさいたまであるが、
「2人の夢が 東京の空に消えていく」
というフレーズをこんなに晴れた空の下で聴かされたら、この曲を好きな人はもれなくウルっとしてしまうはず。
「次、新曲やるんだけど、普段なんかやるせない日常を送っていて。それは甘さ、味のなくなってしまったガムのようなもので。足元には味のなくなったガムがいっぱい落ちてる。
そのガムの味は愛や温もりだと思うんだけど、俺はもう愛や温もりは歌えない。俺が歌えるのは、罪や嫉妬。完成まで1年半くらいかかったけど」
という新曲「生きたい」。
「地震が怖いです 放射能が怖いです でも1番怖いのは自分の罪です」
など、生々しい歌詞が並ぶ、これは本人が頭で考えていたことをそのまま歌詞にしたんだろうか?という、非常に長尺の曲だが、「家がなくて毎日知らない誰かに抱かれて生きてる」という女が言う、
「私、いつか幸せになれるかな?私の子供の名前は光にしたい」
という歌詞。これは紛れもなく、「人間」のセルフアンサーだった「光」の2015年の峯田和伸からのアンサーだ。
そして「新訳 銀河鉄道の夜」では「さいたまスーパーアリーナで降ります」と歌詞を変えて歌い、
「でかい地震があって。変わるものと変わらないものがあって。人が変わらないようにしようとするもの、俺はそれを歌いたい」
と「BABY BABY」。サビでは大合唱。ずっとこの曲を聴いてきた人たちがみんなでこの曲を歌っている。それだけで、最高の光景だった。
「ビバラ、呼んでくれてありがとうございました。普段は全然接点ないけど。でも今度アルバム出して、ツアーもやりますから。これからも銀杏BOYZをよろしく」
と言って、ラストは弾き語りではなく、カラオケでのとびきりロマンチックな「ぽあだむ」。度々客席にマイクを向けて歌わせ、間奏では踊りまくり、最後には後転すらも決める。
しかし、アンコールを求める声が止まず。トリとはいえ3組しか出ないし、野外ステージだし、果たして出てくるんだろうかと思っていると、本当にアンコールに応えて再び登場。
すると、もはやシャツすら脱ぎ捨て、ボイパを駆使しての「愛してるってゆってよね」から、あのシンセのイントロが響き渡り、「I DON'T WANNA DIE FOREVER」。駅前に響く「イエス!」の大合唱と、堰を切ったように起こるモッシュとダイブの嵐。ここはライブハウスではなく、駅前。新都心。これはもはや暴動と言える光景。この光景を見たら、音楽は何だって出来るんじゃないか、って思えてくる。初めてGOING STEADYを聴いた時みたいに。
最後、
「ありがとうございました。恋と退屈と銀杏BOYZでした」
と言って、唾を吐いてステージから去った峯田和伸。この、フェス全体から見たらわずか50分ほど。でもこの50分のためだけでも、ここに来た価値は間違いなくあった。
無料ステージだっただけに、銀杏を知らない人、初めて見た人はどう思ったんだろうか。
ただ、「アルバムとツアー」は、これまでのように気長に待とうと思う。いつもみたいにすぐには出ないと思うから。とりあえずは次は来月のやついフェスで。こんな短期間で銀杏BOYZが見れるなんて、嬉しくてしょうがない。
1.東京
2.生きたい (新曲)
3.新訳 銀河鉄道の夜
4.BABY BABY
5.ぽあだむ
encore
6.愛してるってゆってよね
7.I DON'T WANNA DIE FOREVER
新訳 銀河鉄道の夜
http://youtu.be/r0yT3h66guk
18:30~ スピッツ [STAR STAGE]
この日、カバー企画や銀杏BOYZなど、様々な目玉があったが、最もチケット販売に貢献したであろうサプライズが、このキャパですらワンマンではチケット取れない、スピッツの出演。
サポートのクジヒロコ(キーボード)を含めた5人が登場すると、実に自然体といった様子で、「夢追い虫」からスタート。しかし、草野マサムネは昔から本当に声が変わらない。これは本当にすごいことだと思う。
先ほどこのステージではJ-ROCKアンセムを披露していたが、まさに生けるアンセムバンドと言えるような名曲を惜しげもなく連発。「チェリー」では、満員のスタンディングエリア、スタンド席はもちろん、この日はここまでは空いていた上のスタンド席からも、イントロで大歓声が上がった。
「埼玉県民だけじゃないかもしれないけど言わせてもらうぜ…埼玉最高ー!」
と草野が叫ぶと、現在ドラマの主題歌になっている新曲「雪風」も披露。これもまたさすがのスピッツクオリティな曲。
この日、会場内BGMとして流れていた「運命の人」も打ち込みを駆使しながら披露すると、三輪(ギター)と崎山(ドラム)が笑顔で演奏する中、田村(ベース)はピョンピョン飛び跳ねながら演奏する。
「今日、スピッツが最年長なんだけど…若手バンドには負けられない!」
と言っていたが、田村のベーシストとしての運動量は、他の若手バンドにも全く負けていない。
それを証明するかのように、ライブは激しさを増していき、最後はロックバンド・スピッツを見せつけるかのような「8823」。田村はベースをブンブン振り回すという、癒される曲が多いバンドというイメージで見たら衝撃的だろうな、というアクションを見せた。
今年は春からいろいろとフェスに出ているだけに、夏にも期待せざるを得ない。そして、草野は東北ライブハウス大作戦のラババンをしていた。
1.夢追い虫
2.不死身のビーナス
3.春の歌
4.チェリー
5.魔法のコトバ
6.雪風
7.運命の人
8.野生のポルカ
9.恋する凡人
10.8823
運命の人
http://youtu.be/P1dV8I-wxIo
20:00~ [Alexandros] [STAR STAGE]
初日のメインステージのトリは、2年連続出演の[Alexandros]。スピッツと比べても遜色ないくらいの人の動員ぶりが、今のこのバンドの状況を示している。
川上(ボーカル&ギター)とサトヤス(ドラム)がサングラスをかけて登場すると、SEの「Burger Queen」を途中からバンド演奏に。
すると「Stimulator」で一気にハイパーなバンドサウンドに火がつき、メンバーが煽りまくる「Waitress,Waitress!」と、この日もキラーチューンを連発。
最新シングル収録曲である「ワタリドリ」「Dracula La」を続けて演奏すると、1番後ろまで詰まった客席を見て、すでにサングラスを外している川上が、
「こんな景色を見れて、本当に音楽をやってて良かったなって。普通はワンマンでこういうこと言うのかもしれないけど、フェスで見るこの景色が本当に最高です」
と、ついに大型フェスでメインステージのトリができるようになったからこそ見ることができた光景について語る。
いよいよ来月発売になったアルバムの告知をすると、その中から新曲を初披露。印象としては「city」のリズムに似た曲で、全編英語歌詞のため、タイトルを察することはできないが、「これもシングルにしないでアルバム曲にしたのか~」というくらいのクオリティなだけに、アルバムへの期待は否応なしに高まる。
そしてラストは川上がハンドマイクでステージ上を動き回りながら歌う「Kick & Spin」で終了。
しかし当然アンコールに応えてメンバーが再び登場すると、
「みんなに捧げます!」
と言っての「Starrrrrr」で大合唱を巻き起こした。
もはやこの大規模フェスのメインステージのトリにも全く違和感なし。これから、この規模の会場でもガンガンワンマンをやっていくようになると思う。
1.Burger Queen
2.Sitimulator
3.Waitress,Waitress!
4.city
5.ワタリドリ
6.Dracula La
7.Run Away
8.新曲
9.Kick & Spin
encore
10.Starrrrrr
ワタリドリ
http://youtu.be/O_DLtVuiqhI
21:05~ BOOM BOOM SATELLITES [VIVA! STAGE]
本来ならメインステージのトリである[Alexandros]でアクトは終了なのだが、この日はバンド側からのたっての希望もあり、クロージングアクトとして、BOOM BOOM SATELLITESが2年連続でこのフェスに出演。
これまでの川島、中野にサポートドラマーの福田洋子、さらには今回はサポートギターとして、以前までくるりのサポートメンバーでもあった、山本幹宗を加えての4人編成。
去年はまだアルバム発売前だっただけに新曲だった「ONLY BLOOD」から始まり、強力なビートで踊らせる、というよりは、精悍なサウンドスケープで漂わせる、という感じのセットリスト。これは時間帯や、クロージングアクトという役割を考慮してのものだろうか。
ようやく踊らせるようになったのは、いったん川島と山本がステージからいなくなり、途中から再合流する、近年はフェスでもよくやっている「FOGBOUND」。と思ったら、この曲で早くも終了。
「最後まで残ってくれてありがとう。最後に写真を撮ります」
と言って、メンバー4人が固まって、観客を背に集合写真を撮る。去年からこうして写真を撮るようになったが、去年はそういうことを絶対しなそうなこのバンドがなぜ写真を撮るようにしたのか、わからなかった。でも、昨年末に発表された、一年前の春の川島の脳腫瘍の再発と、それに伴う手術。一時は余命宣告すらもされたが(今は臨床段階の治験を受け、回復している)それを経て、自分たちがライブをした場所、そこで待っていてくれた人たちと一緒に過ごした瞬間を忘れないように写真に撮っているんじゃないかと思う。
アンコールに応えて再びメンバーが登場すると、トリプルギターでのハードなリフが脳を覚醒させる「DRESS LIKE AN ANGEL」で躍らせまくり、
「遅くまでいてくれて本当にありがとう。気をつけて帰って!」
と言って、初日を締めた。
ただ、時間帯のこともあってか、去年はメインステージに出ていたにもかかわらず、客席はガラガラだった。くるりといい、この世代のバンドもなかなかキツくなってきたなぁ。確かに、セトリ的にはこの日はかなり渋めだったが。
1.ONLY BLOOD
2.A HUNDRED SUNS
3.BLIND BIRD
4.EMBRACE
5.NINE
6.FOGBOUND
encore
7.DRESS LIKE AN ANGEL
A HUNDRED SUNS
http://youtu.be/jlqTeCQehOs
なんやかんやで2年連続の参加となったこのフェス。いろいろスペシャルな企画とかも見れて楽しかったが、やはり個人的には銀杏BOYZ。もう出れるフェスがどんどんなくなってきてるだけに、銀杏を出してくれたことに本当に感謝。来年また来るかどうかはJAPAN JAM次第だけど。
Next→ 5/4 JAPAN JAM BEACH


去年はいろいろ課題もありつつも1回目にしては成功と言える内容となり、今年が2年目。
今年は野外にステージが一つ増え、この日はそのステージにまさかの銀杏BOYZが出演。そもそもはこの日は幕張のJAPAN JAMに参加する予定だったが、銀杏BOYZが発表されたことにより、急遽こっちに行くことに。
気持ち良いくらいに晴れ、会場外のエリアであるVIVA LA GARDENでもたくさんの飲食ブースが並び、実に良い雰囲気。
銀杏BOYZの物販で新作Tシャツを買ってから、入場してメインステージへ。
11:00~ KANA-BOON [STAR STAGE]
昨年は2番目のVIVA! STAGEのトリだったKANA-BOON、武道館ワンマンを経た今年はメインステージのトップバッターとして登場。
2ndアルバム「TIME」の「タイムアウト」からスタートすると、ライブでのイントロのアレンジがカッコイイ「ウォーリーヒーロー」と、このバンドの代名詞とも言える、高速4つ打ちロックを次々に繰り出し、満員の客席をガンガン踊らせていく。
昨年もそうだったが、この日5/3はボーカル谷口鮪の誕生日ということで、ベースの飯田が、
「男として、裸の写真集を」
と言って谷口に渡したのは、大相撲力士名鑑。古賀(ギター)も、「孤独の向き合い方」というような本をプレゼントするも、小泉(ドラム)は特になし。
「クラクション」「結晶星」というあたりでちょっとギアを変えると、
「お腹空きましたか?フェス飯とかいろいろありますけど、何が食べたいですか?チャーハンですか?」
とおなじみ「ないものねだり」から、
「初めてCM曲になった新曲を」
と言って、アネッサのCMで大量オンエアされている新曲「なんでもねだり」へ。武道館で初めて聴いたときは、「なんだこの曲?」という感じだったが、CMで流れてるのを何度も見てから聴いたからか、このバンド特有の耳から離れない中毒性を感じるようになってきた。
ラストは「フルドライブ」からの「シルエット」という必殺のコンボで締めると、ライブ後には「Happy Birthday」が流れる中、スタッフがケーキを持って登場し、谷口がケーキを頬張る。去年はトリだったため、ケーキが食べれない状態になってしまったが、今年はそこへのリベンジも果たした。
やはり武道館ワンマンのあとだけに、曲数は少なく感じでしまうが、来年以降、間違いなくこのキャパでワンマンが見れるようになっているはず。
1.タイムアウト
2.ウォーリーヒーロー
3.盛者必衰の理、お断り
4.1.2 step to you
5.クラクション
6.結晶星
7.ないものねだり
8.なんでもねだり
9.フルドライブ
10.シルエット
なんでもねだり
http://youtu.be/2Vjm3EUKb_4
12:15~ Hello Sleepwalkers [CAVE STAGE]
去年は入場規制が頻発して物議を醸した、屋内では1番小さいCAVE STAGEに、Hello Sleepwalkersが初登場。
オープニングこそ静かにメンバーが登場したが、いざ音が鳴り始めると、大爆発。
トリプルギターならではの繊細なフレーズを担うタソコと、爆発力を見せるシュンタロウとナルミ。2人のツインボーカルも、この場をかっさらってやろうという気合いに溢れている。
「円盤飛来」の途中からはシュンタロウがギターを置いてハンドマイクで絶唱し、打ち込みも大胆に使った「Worker Ant」では、ナルミもハンドマイクで、客席にマイクを向けて、
「もくもく働こう」
のフレーズをコーラスさせる。
去年のこの日はちょうどワンマンツアーの初日だったということで、去年と今日、こうしてたくさんの人の前でライブを出来ていることへの感謝を告げると、後半はさらに激しさを増した、凄まじいパフォーマンスを見せた。
デビュー時から曲の完成度はずば抜けていたが、ライブでの進化を感じさせてくれるのは、間違いなく近年の曲。これからさらに進化していくのを恐ろしくすら感じるが、それに見合ったキャパでライブをできるようになって欲しい。
1.天地創造
2.月面歩行
3.円盤飛来
4.Worker Ant
5.百鬼夜行
6.猿は木から何処へ落ちる
7.午夜の待ち合わせ
百鬼夜行
http://youtu.be/Xht9jXIjj3E
13:20~ ドラマチックアラスカ [CAVE STAGE]
ドアラの愛称で人気を拡大しつつあるドラマチックアラスカ、初出演。
CDで聴いた限りは正統派ギターロックバンドというイメージだったが、ライブでは4つ打ちのダンスロックでひたすら攻め続ける。
爆弾ジョニーではキーボードであるロマンチック☆安田ならぬ、ドラマチック☆安田のギターもうなりを上げ、ダイバーが次々に出現するほどの盛り上がりぶりに。
190cmを超える長身ベース・マルオカのマイクスタンドにヒジカタは頭が届かない、というメンバーの特徴を見せるやり取りで笑いを取りつつ、
「次で最後の曲です!」
と言って演奏された「星になる」ではコール&レスポンスも巻き起こすも、
「さっき、最後の曲って言ったけど…今ので最後なんて、無理無理無理!」
と言って、さらに最新シングル「無理無理無理」をブッ込んだ。
「誰も知らない、からもっとでかいところに行きたい!来年はここじゃなくてもっとでかいステージで会いましょう!」
とヒジカタは言っていたが、果たしてここからさらにでかいとこまで到達できるだろうか?
1.リダイヤル
2.エキセントリック・アルカホリック
3.東京ワンダー
4.ハイアンドブルー
5.打ち上げ花火
6.星になる
7.無理無理無理
無理無理無理
http://youtu.be/GoH3uKrJTwQ
14:00~ くるり [STAR STAGE]
つい数日前に、1stアルバムと2ndアルバムの完全再現ライブを行った、くるり。岸田と佐藤に加え、松本大樹(ギター)、mabanua(ドラム)、権藤知彦(ユーフォニウム、ブリューゲルホルン、トランペット、ディジリドゥ)という編成もその時と同様。
なので、その1st、2ndの曲が中心になるだろうという予想だったが、最初の「虹」から、前半は完全に予想通り。
岸田の
「普段は緩い感じでやってるんやけど、フェスやから楽しい、みんなで歌える曲を。そんなにないけど(笑)」
という挨拶程度のMCのあとは、「Liberty & Gravity」。これは再現ライブではやらなかったが、この編成でもできるのか。
すると、まさかの「ガロン」。佐藤がウッドベースやグロッケンを弾き(グロッケンの時は松本が後ろから手を回してベースを弾く)、岸田もシンセを操作するという、見ているぶんには面白いが、いかんせんフェスでやるには曲が渋すぎる。
しかし、ラストには、ワンマンの時は「練習してないからできない」と言ってやらなかった「ばらの花」と「ロックンロール」というサービス精神。「ばらの花」、キーボードがいないだけに、松本がギターでキーボードのフレーズを奏でていた。でもファンファンのコーラスがなかったのは少し物足りなかった。
ただ、スタンディングエリアはおそらく埋まってたのは5割くらい。去年もそうだったが、そろそろ大型フェスのメインステージはキツくなってきている気がする。
1.虹
2.東京
3.マーチ
4.青い空
5.Liberty & Gravity
6.ガロン
7.ばらの花
8.ロックンロール
東京
http://youtu.be/9osrk5jXCUY
14:50~ plenty [VIVA! STAGE]
屋内ながら、太陽の光が見えることにより、どこか爽やかな空気を感じるこの時間のVIVA! STAGEに、去年同様にplentyが登場。
去年のこのステージで、ヒラマミキオと中畑大樹のサポート2人に別れを告げ、今年は新ドラマー中村一太を含めた3人編成での出演となったのだが、2人時代にも名曲を数々生み出してはいたが、スリーピースに戻ったことにより、初期のヒリヒリするようなギターロックに回帰。江沼もひたすらエレキをノイジーに掻き鳴らし、「そうそう、これが見たかったんだよ!」と思わずにはいられない。
「去年の時点ですでに加入が決まっていたので、去年のこのステージを見に来ていた」
と中村も話していたが、新田も挨拶程度ではあれどマイク越しにしゃべるようになるという、演奏面以外での変化も生まれてきている。
かといってそこまで初期曲をやったわけではないということを踏まえると、これは原点回帰ではなく、現在進行形としてのplentyのサウンドであると言える。
去年よりも客席はやや寂しくなったが、これから確実にまた面白くなっていきそう。
1.空から降る一億の星
2.体温
3.シャララ
4.明日から王様
5.先生のススメ
6.その叙情に
7.枠
体温
http://youtu.be/0qD8n27E4Nk
15:30~ VIVA LA J-ROCK ANTHEMS [STAR STAGE]
今回の、そしてこの日の目玉企画。プロデューサーでありベーシストの亀田誠治がバンマスとなり、ドラムにピエール中野(凛として時雨)、ギターに長岡亮介(ペトロールズ、ex.東京事変)と津野米咲(赤い公園)という編成で、ゲストボーカルを招いてJ-ROCKのアンセムを鳴り響かせようというもの。
スクリーンにやや大げさな趣旨説明が流れると、メンバーが登場し、最初に演奏されたのは、BUMP OF CHICKEN「天体観測」。歌うのは、自身のバンドでもライブでカバーしていた、キュウソネコカミのヤマサキセイヤ。
普段から歌っている曲だからか、気負いはほとんど感じられない。強いて挙げるならばこのメンバーの演奏で歌っていることくらいか。
スクリーンには、まるでみんなで歌うためかのように、曲の歌詞が流れる中、セイヤが客席に突入。このSTAR STAGEでステージから飛び降りて客席まで行ったのは初めてだという。
演奏後は客席に突入したことについて亀田誠治と話していたが、興奮しているのが実によく伝わってきた。
続いては、この日の夜に出演する、BOOM BOOM SATELLITESの川島道行が登場しての、hideの「ピンクスパイダー」。長岡のギターが重厚なサウンドを作り出す中、川島は明らかに歌詞のカンペをチラチラ見ながら歌っていた。しかし、それも致し方ないというのは、川島は長いキャリアの中で、日本語ボーカル曲を歌ったのは初めてのこと。
ちなみにピエール中野はBOOM BOOM SATELLITESの大ファンであり、自らのドラムセットのライトシンバルは、BOOM BOOM SATELLITESが使ってるものと同じものを探し出して、10年以上にわたって使い続けているらしい。
続いて登場したのは大森靖子。
「YUKIさんのファンクラブに入ってたんですけど、本名だともう絶対追いつけなくなっちゃうから、鶴瓶って名前でファンクラブに入ってて。そしたら誕生日とかにYUKIさんからのメッセージが、鶴瓶さんへ、って書いてあって、全然嬉しくなかった(笑)」
というエピソードを明かしてから歌うのは、JUDY & MARYの「そばかす」。大森は完全にYUKIに合わせたような歌い方なのだが、その姿はYUKIが憑依しているようでもあり、だけど、確実に大森靖子そのもの。結論から言うと、これがこの企画で1番良かった。
続いてはあのファンキーなイントロが流れる中、ウルフルズの「ガッツだぜ!!」が始まると、ステージに登場したのは、派手なサングラスをかけたKREVA。ヴォコーダーを駆使しながら、ラップではない通常の歌を歌い、もちろん「ガッツだぜ」のフレーズは大合唱。ステージングもスターのオーラに溢れる、さすがと言えるもの。
そしてステージには高橋優が。曲の前に、
「主催の鹿野さんが、亀田さんに、「高橋はこのアーティストだけを聴いて育ってきたんです!」ってこの曲に僕を推薦してくれたんですけど、僕はあんまりこの方のことを知らなくて。人並みに知ってるくらいなんですけど。
多分、鹿野さんはイメージでそう言ってたと思うんです(笑)でもやるってなったからには、と思って、目一杯練習してきました」
と、舞台裏を明かし、尾崎豊の「15の夜」。確かに、BRAHMANやTHE YELLOW MONKEYがルーツである高橋優だが、見た目や音楽性から尾崎豊がルーツと思われても納得な部分はある。そんなあまり知らないという曲も圧倒的な歌唱力で歌いこなすのはさすが。
ちなみにこの曲では津野はピアノを演奏。このマルチプレイヤーぶりも、若くしてこのバンドに名を連ねるようになった理由だろう。
そして、ラストのボーカルは、KEYTALKの首藤&寺中の2人。しかし、登場した首藤の白いTシャツには「くわた」とマジックで書かれ、寺中はサングラス着用で、「仕込み」と書かれたスケッチブック持参と、ネタの匂いがプンプンしている。
するとやはり首藤のモノマネボーカル全開でのサザン「勝手にシンドバッド」が始まる。しかしモノマネしてるだけはあってか、首藤はこの曲をかなり歌い慣れている。寺中はというと、
「今何時?」
のコーラスに合わせてスケッチブックをめくり、
「だいたい16時くらい」
など、リアルな時間をカメラに向かって報告。
さらに間奏部分では、
「今日はさらにすごいゲストが来ています!」
と言うと、今度は寺中が、ミスチル桜井、平井堅、ASKAのモノマネ連発。どれもモノマネとしてのクオリティは高いが、ASKAはバンドメンバーがドン引きして演奏が止まるというネタっぷりであった。
終了後、亀田が挨拶すると、あたりからは「来年もやってほしい」「帰ったら原曲聴いてみよう」という声が聞こえた。
尾崎豊以外はリアルタイムで聴いて育ってきただけに、聴いていて、「この時代を生きてきたんだよなぁ」と感慨深くなってしまった。それが本人の歌と演奏じゃなくても、こうして歌い継がれていくのは曲の力だと思うし、何よりみんなで歌っていて、楽しかった。だから、亀田さん、また来年も是非やってください。
1.天体観測 / BUMP OF CHICKEN feat.ヤマサキセイヤ(キュウソネコカミ)
2.ピンクスパイダー / hide feat.川島道行 (BOOM BOOM SATELLITES)
3.そばかす / JUDY & MARY feat.大森靖子
4.ガッツだぜ!! / ウルフルズ feat.KREVA
5.15の夜 / 尾崎豊 feat.高橋優
6.勝手にシンドバッド / サザンオールスターズ feat.KEYTALK寺中&首藤
そばかす
http://youtu.be/FvEou2nNDcU
17:10~ 銀杏BOYZ [TSUBASA STAGE]
この時間のために、ceroもAwesome City Clubも諦め、50分くらい前から、まだセッティングすら始まっていないステージ前で待機。
しかし、20分くらい前になると、無料ステージということもあってか、あまりにも大勢の人が詰めかけ、「もっと前に詰めてください!」というアナウンスがしきりに行なわれる。
すると開始時間直前に、今度は鹿野淳がステージに。客席、というかスーパーアリーナの周りが、あまりにも人が押し寄せ過ぎたことにより混雑しすぎており、やはり「前に詰めてください」と呼びかける。
そしてそこから5分ほど経ち、マイクスタンドとアコギ、椅子のみが置かれたステージに、峯田和伸が白いシャツに黒のサスペンダーで登場。
「峯田ー!」という歓声に交じり、一部からはなぜか「死ねー!」という言葉も飛び交い、
「なんで出てきて20秒で死ねって言われなくちゃならないのか(笑)
でも、もう10年以上銀杏BOYZやってますけどね、こうやって死ね!って言ってくる人は、なんか心の中のモヤモヤしてるものを俺にぶつけてきてくれてると思ってるの。
まぁずっと死ね死ね言われてきて、メンバー3人死にましたけど!
みんなテレビやネットの音楽じゃ満たされなくてここに来たんでしょ!なんでテレビ出てる歌手は俺が思ってること歌ってくれないんだろって思ってここに来たんでしょ!歌いますよ!」
と言って、
「君と別れて僕は石ころになって…」
と歌い出した最初の曲は「東京」。
10分にも及ぶ大バラードだが、この曲を構成する、泣きの要素の1番大きな部分を担っていた、チン中村のギターはもうない。ただ、峯田和伸の声とギターのみ。それでも、本当に久しぶりにライブで聴くこの曲、ここはさいたまであるが、
「2人の夢が 東京の空に消えていく」
というフレーズをこんなに晴れた空の下で聴かされたら、この曲を好きな人はもれなくウルっとしてしまうはず。
「次、新曲やるんだけど、普段なんかやるせない日常を送っていて。それは甘さ、味のなくなってしまったガムのようなもので。足元には味のなくなったガムがいっぱい落ちてる。
そのガムの味は愛や温もりだと思うんだけど、俺はもう愛や温もりは歌えない。俺が歌えるのは、罪や嫉妬。完成まで1年半くらいかかったけど」
という新曲「生きたい」。
「地震が怖いです 放射能が怖いです でも1番怖いのは自分の罪です」
など、生々しい歌詞が並ぶ、これは本人が頭で考えていたことをそのまま歌詞にしたんだろうか?という、非常に長尺の曲だが、「家がなくて毎日知らない誰かに抱かれて生きてる」という女が言う、
「私、いつか幸せになれるかな?私の子供の名前は光にしたい」
という歌詞。これは紛れもなく、「人間」のセルフアンサーだった「光」の2015年の峯田和伸からのアンサーだ。
そして「新訳 銀河鉄道の夜」では「さいたまスーパーアリーナで降ります」と歌詞を変えて歌い、
「でかい地震があって。変わるものと変わらないものがあって。人が変わらないようにしようとするもの、俺はそれを歌いたい」
と「BABY BABY」。サビでは大合唱。ずっとこの曲を聴いてきた人たちがみんなでこの曲を歌っている。それだけで、最高の光景だった。
「ビバラ、呼んでくれてありがとうございました。普段は全然接点ないけど。でも今度アルバム出して、ツアーもやりますから。これからも銀杏BOYZをよろしく」
と言って、ラストは弾き語りではなく、カラオケでのとびきりロマンチックな「ぽあだむ」。度々客席にマイクを向けて歌わせ、間奏では踊りまくり、最後には後転すらも決める。
しかし、アンコールを求める声が止まず。トリとはいえ3組しか出ないし、野外ステージだし、果たして出てくるんだろうかと思っていると、本当にアンコールに応えて再び登場。
すると、もはやシャツすら脱ぎ捨て、ボイパを駆使しての「愛してるってゆってよね」から、あのシンセのイントロが響き渡り、「I DON'T WANNA DIE FOREVER」。駅前に響く「イエス!」の大合唱と、堰を切ったように起こるモッシュとダイブの嵐。ここはライブハウスではなく、駅前。新都心。これはもはや暴動と言える光景。この光景を見たら、音楽は何だって出来るんじゃないか、って思えてくる。初めてGOING STEADYを聴いた時みたいに。
最後、
「ありがとうございました。恋と退屈と銀杏BOYZでした」
と言って、唾を吐いてステージから去った峯田和伸。この、フェス全体から見たらわずか50分ほど。でもこの50分のためだけでも、ここに来た価値は間違いなくあった。
無料ステージだっただけに、銀杏を知らない人、初めて見た人はどう思ったんだろうか。
ただ、「アルバムとツアー」は、これまでのように気長に待とうと思う。いつもみたいにすぐには出ないと思うから。とりあえずは次は来月のやついフェスで。こんな短期間で銀杏BOYZが見れるなんて、嬉しくてしょうがない。
1.東京
2.生きたい (新曲)
3.新訳 銀河鉄道の夜
4.BABY BABY
5.ぽあだむ
encore
6.愛してるってゆってよね
7.I DON'T WANNA DIE FOREVER
新訳 銀河鉄道の夜
http://youtu.be/r0yT3h66guk
18:30~ スピッツ [STAR STAGE]
この日、カバー企画や銀杏BOYZなど、様々な目玉があったが、最もチケット販売に貢献したであろうサプライズが、このキャパですらワンマンではチケット取れない、スピッツの出演。
サポートのクジヒロコ(キーボード)を含めた5人が登場すると、実に自然体といった様子で、「夢追い虫」からスタート。しかし、草野マサムネは昔から本当に声が変わらない。これは本当にすごいことだと思う。
先ほどこのステージではJ-ROCKアンセムを披露していたが、まさに生けるアンセムバンドと言えるような名曲を惜しげもなく連発。「チェリー」では、満員のスタンディングエリア、スタンド席はもちろん、この日はここまでは空いていた上のスタンド席からも、イントロで大歓声が上がった。
「埼玉県民だけじゃないかもしれないけど言わせてもらうぜ…埼玉最高ー!」
と草野が叫ぶと、現在ドラマの主題歌になっている新曲「雪風」も披露。これもまたさすがのスピッツクオリティな曲。
この日、会場内BGMとして流れていた「運命の人」も打ち込みを駆使しながら披露すると、三輪(ギター)と崎山(ドラム)が笑顔で演奏する中、田村(ベース)はピョンピョン飛び跳ねながら演奏する。
「今日、スピッツが最年長なんだけど…若手バンドには負けられない!」
と言っていたが、田村のベーシストとしての運動量は、他の若手バンドにも全く負けていない。
それを証明するかのように、ライブは激しさを増していき、最後はロックバンド・スピッツを見せつけるかのような「8823」。田村はベースをブンブン振り回すという、癒される曲が多いバンドというイメージで見たら衝撃的だろうな、というアクションを見せた。
今年は春からいろいろとフェスに出ているだけに、夏にも期待せざるを得ない。そして、草野は東北ライブハウス大作戦のラババンをしていた。
1.夢追い虫
2.不死身のビーナス
3.春の歌
4.チェリー
5.魔法のコトバ
6.雪風
7.運命の人
8.野生のポルカ
9.恋する凡人
10.8823
運命の人
http://youtu.be/P1dV8I-wxIo
20:00~ [Alexandros] [STAR STAGE]
初日のメインステージのトリは、2年連続出演の[Alexandros]。スピッツと比べても遜色ないくらいの人の動員ぶりが、今のこのバンドの状況を示している。
川上(ボーカル&ギター)とサトヤス(ドラム)がサングラスをかけて登場すると、SEの「Burger Queen」を途中からバンド演奏に。
すると「Stimulator」で一気にハイパーなバンドサウンドに火がつき、メンバーが煽りまくる「Waitress,Waitress!」と、この日もキラーチューンを連発。
最新シングル収録曲である「ワタリドリ」「Dracula La」を続けて演奏すると、1番後ろまで詰まった客席を見て、すでにサングラスを外している川上が、
「こんな景色を見れて、本当に音楽をやってて良かったなって。普通はワンマンでこういうこと言うのかもしれないけど、フェスで見るこの景色が本当に最高です」
と、ついに大型フェスでメインステージのトリができるようになったからこそ見ることができた光景について語る。
いよいよ来月発売になったアルバムの告知をすると、その中から新曲を初披露。印象としては「city」のリズムに似た曲で、全編英語歌詞のため、タイトルを察することはできないが、「これもシングルにしないでアルバム曲にしたのか~」というくらいのクオリティなだけに、アルバムへの期待は否応なしに高まる。
そしてラストは川上がハンドマイクでステージ上を動き回りながら歌う「Kick & Spin」で終了。
しかし当然アンコールに応えてメンバーが再び登場すると、
「みんなに捧げます!」
と言っての「Starrrrrr」で大合唱を巻き起こした。
もはやこの大規模フェスのメインステージのトリにも全く違和感なし。これから、この規模の会場でもガンガンワンマンをやっていくようになると思う。
1.Burger Queen
2.Sitimulator
3.Waitress,Waitress!
4.city
5.ワタリドリ
6.Dracula La
7.Run Away
8.新曲
9.Kick & Spin
encore
10.Starrrrrr
ワタリドリ
http://youtu.be/O_DLtVuiqhI
21:05~ BOOM BOOM SATELLITES [VIVA! STAGE]
本来ならメインステージのトリである[Alexandros]でアクトは終了なのだが、この日はバンド側からのたっての希望もあり、クロージングアクトとして、BOOM BOOM SATELLITESが2年連続でこのフェスに出演。
これまでの川島、中野にサポートドラマーの福田洋子、さらには今回はサポートギターとして、以前までくるりのサポートメンバーでもあった、山本幹宗を加えての4人編成。
去年はまだアルバム発売前だっただけに新曲だった「ONLY BLOOD」から始まり、強力なビートで踊らせる、というよりは、精悍なサウンドスケープで漂わせる、という感じのセットリスト。これは時間帯や、クロージングアクトという役割を考慮してのものだろうか。
ようやく踊らせるようになったのは、いったん川島と山本がステージからいなくなり、途中から再合流する、近年はフェスでもよくやっている「FOGBOUND」。と思ったら、この曲で早くも終了。
「最後まで残ってくれてありがとう。最後に写真を撮ります」
と言って、メンバー4人が固まって、観客を背に集合写真を撮る。去年からこうして写真を撮るようになったが、去年はそういうことを絶対しなそうなこのバンドがなぜ写真を撮るようにしたのか、わからなかった。でも、昨年末に発表された、一年前の春の川島の脳腫瘍の再発と、それに伴う手術。一時は余命宣告すらもされたが(今は臨床段階の治験を受け、回復している)それを経て、自分たちがライブをした場所、そこで待っていてくれた人たちと一緒に過ごした瞬間を忘れないように写真に撮っているんじゃないかと思う。
アンコールに応えて再びメンバーが登場すると、トリプルギターでのハードなリフが脳を覚醒させる「DRESS LIKE AN ANGEL」で躍らせまくり、
「遅くまでいてくれて本当にありがとう。気をつけて帰って!」
と言って、初日を締めた。
ただ、時間帯のこともあってか、去年はメインステージに出ていたにもかかわらず、客席はガラガラだった。くるりといい、この世代のバンドもなかなかキツくなってきたなぁ。確かに、セトリ的にはこの日はかなり渋めだったが。
1.ONLY BLOOD
2.A HUNDRED SUNS
3.BLIND BIRD
4.EMBRACE
5.NINE
6.FOGBOUND
encore
7.DRESS LIKE AN ANGEL
A HUNDRED SUNS
http://youtu.be/jlqTeCQehOs
なんやかんやで2年連続の参加となったこのフェス。いろいろスペシャルな企画とかも見れて楽しかったが、やはり個人的には銀杏BOYZ。もう出れるフェスがどんどんなくなってきてるだけに、銀杏を出してくれたことに本当に感謝。来年また来るかどうかはJAPAN JAM次第だけど。
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