THE PINBALLS 対バン:Large House Satisfaction @渋谷Star lounge 5/2
- 2015/05/03
- 01:27
揃いの黒のスーツを纏った4人組ロックンロールバンド、THE PINBALLSが、昨年リリースしたフルアルバムのLP盤を今年発売し、対バンツアーを開催。ファイナルとなる東京は渋谷のStar loungeの対バンは、Large House Satisfactionという、実に濃い組み合わせに。
先攻はLarge House Satisfaction。18時を10分ほど過ぎたところでステージを覆っていた赤い幕が外され、「CM」のイントロのSEでメンバー3人が登場すると、そのまま「CM」の演奏が始まってスタート。
折しもこの日から世間はゴールデンウィークに本格的に突入したわけだが、小林兄弟の弟、要司(ボーカル&ギター)の野獣のような歌と、兄賢司(ベース)、田中秀作(ドラム)の力強く太いリズム隊が、その連休ならではの弛緩的な空気を切り裂いていく。
最小限のスリーピース編成だが、鳴ってる音以外には何も必要ない、と言わんばかりの圧倒的な迫力のバンドサウンドである。
曲によっては手拍子を煽りながら、実に濃くて黒いロックンロールを次々と投下。見た目は非常に怖そうに見える賢司も、
「THE PINBALLS、レコードリリースおめでとうございます。昔俺らが1stシングルリリースした時のファイナルに出てもらって。それで今日はこうしてTHE PINBALLSのファイナルに呼んでもらえて本当に嬉しいです」
と、言い方はやはりふてぶてしいが、文字にすると素直極まりない感謝の言葉を述べる。
アッパーな曲を連発した前半からすでにゲストにもかかわらずアウェー感は微塵もなく(むしろこのバンド目当ての人のほうが多いんじゃないかと思うほど)、「愛悩」ではゆったり踊らせると、ここで新曲を披露。去年からの開かれた楽曲のモードを継承するかのような、キャッチーな四つ打ちダンスロック。しかし、始める前に田中が叩き始めた瞬間に賢司が喋り始めてしまってやり直す、というまだ慣れてない新曲ならではの場面もあったが。
そのまま、開かれてきたバンドの中でも最も開かれている、爽快な「Stand by you」へ。
あまり喋らない要司も、客席の盛り上がりぶりを見ると曲中に、
「今日は100点!」
と叫び、「Traffic」「尖端」というロックンロールナンバーでクライマックスを迎えると、
「今日は我々、Large House Satisfactionのワンマンライブに来てくれてありがとう。次で最後の曲です」
と嘯きながら「I'm In Time」。ワンマンだったらさすがに20曲くらいはやるだろうと思ったが、対バンでこの曲数はなかなか貴重だし、このバンドはライブの度にかなりセトリを変えてくるので、何度見てもマンネリを感じることはない。
去年は多数の夏フェスに出演して一躍名を上げたが、果たして今年は?そして新曲のリリース形態は?
1.CM
2.POISON
3.Phantom
4.アノキシア
5.Monkey
6.愛悩
7.新曲
8.Stand by you
9.Traffic
10.尖端
11.I'm In Time
Stand by you
http://youtu.be/YB_-vvGqe5Y
そして後攻はTHE PINBALLS。黒のスーツで揃えた古川(ボーカル)、中屋(ギター)、森下(ベース)、石原(ドラム)の4人が登場し、「サイコ」からスタートすると、しゃがれたボーカル、うなりをあげるギター、エイトビートのタイトなリズム隊と、見た目も含めてわかりやすすぎるくらいにわかりやすいガレージ・ロックンロールを展開。
ほぼMCなし、楽曲の交換も全くなく、曲間の時間が全くないままに、非常にテンポ良く曲を続けていく。レコードリリースとは言いつつも、内容は去年のフルアルバムと変わらないため、その曲が中心になるかと思いきや、そんなこともなく選曲はかなり幅広い。
なので「十匹の熊」「片目のウィリー」という過去作のリード曲も演奏されたのだが、情景が頭に浮かんでくる歌詞と、ここまでの押しまくる曲とは一線を画す、聴かせるバンドサウンドの「樫の木島の夜の唄」以降は、LP、つまり最新作の曲を次々と披露していく。
「春だね。春の曲!」
と「way of 春風」、続けざまに、
「春の次は…そう、夏だ!」
と「真夏のシューメイカー」を続けるあたりは実にニクい。アルバム自体が四季をテーマにしているだけあって、最新アルバムからは、勢いだけではない、確かな作家性も感じることができる。
曲数自体はそれなりに多いが、前述の通りに曲間がほとんどなく、MCらしいMCも全くしてないため、体感的には非常にあっという間のラストは「アンテナ」から「プリンキピア」で、古川がドラムセットに登って大きなジャンプを決めて終了。
しかしアンコールにすぐさま登場すると、古川はLarge House SatisfactionのTシャツを着て登場し、
「あいつらに素直に言いたくないんだけど」
と、付き合いの長さ故の照れもありながら、この日のファイナルに出てくれたことに対しての感謝を告げ、
「新曲やるけど、新曲だからってミスるなんて、そんなバンドカッコ悪いよな(笑)」
と、先ほどLargeが新曲をやった時にミスったことを笑いにし、「ニンジャスレイヤー」というアニメのエンディングに使われて一躍脚光を浴びた新曲「劇場支配人のテーマ」を披露。性急なガレージ・ロックンロールでありながらもキラーチューン揃いのバンドではあるが、その中でも現状の決定打と言っても過言ではないくらいの、一度聴いただけでわかるくらいの名曲。この曲がしっかりバンドの存在を知らない人にも届くような機会を得たのは実に良いこと。
しかしこれだけでは終わらず、さらなるアンコールに応えるべく古川が登場すると、1人1人メンバーを紹介しながら呼び込み、
「今日は祭りだから!」
と、祭り囃子のビートも取り入れた「carnival come」で終了。アルバムの最後を担う「まぬけなドンキー」を最後に聴きたかったところもあるが、それはまた次以降の機会にということか。
しかし、本当に潔いくらいのスピード感。ツアーファイナルでメインアクトにも関わらず、1時間くらいしかやってない。その1時間で数々の名曲が放たれたが、新曲は次のリリースが待ち遠しくなるくらいの名曲ぶり。
THE BAWDIES、go!go!vanillas以外のロックンロールバンドはあまりロックシーンの真ん中に行くことができていないが、それだけにその新曲は、THE PINBALLSがこれからそこに行こうという点でも重要な曲になりそうな気がしている。
1.サイコ
2.FREAK'S SHOW
3.十匹の熊
4.yeah yeah yeah
5.片目のウィリー
6.sugar sweet
7.樫の木島の夜の唄
8.protect her, St.Christpher
9.way of 春風
10.真夏のシューメイカー
11.deep sea song
12.アンテナ
13.プリンキピア
encore1
14.劇場支配人のテーマ (新曲)
encore2
15.carnival come
片目のウィリー
http://youtu.be/4qjaz_nH6BM
Next→ 5/3 VIVA LA ROCK @さいたまスーパーアリーナ
先攻はLarge House Satisfaction。18時を10分ほど過ぎたところでステージを覆っていた赤い幕が外され、「CM」のイントロのSEでメンバー3人が登場すると、そのまま「CM」の演奏が始まってスタート。
折しもこの日から世間はゴールデンウィークに本格的に突入したわけだが、小林兄弟の弟、要司(ボーカル&ギター)の野獣のような歌と、兄賢司(ベース)、田中秀作(ドラム)の力強く太いリズム隊が、その連休ならではの弛緩的な空気を切り裂いていく。
最小限のスリーピース編成だが、鳴ってる音以外には何も必要ない、と言わんばかりの圧倒的な迫力のバンドサウンドである。
曲によっては手拍子を煽りながら、実に濃くて黒いロックンロールを次々と投下。見た目は非常に怖そうに見える賢司も、
「THE PINBALLS、レコードリリースおめでとうございます。昔俺らが1stシングルリリースした時のファイナルに出てもらって。それで今日はこうしてTHE PINBALLSのファイナルに呼んでもらえて本当に嬉しいです」
と、言い方はやはりふてぶてしいが、文字にすると素直極まりない感謝の言葉を述べる。
アッパーな曲を連発した前半からすでにゲストにもかかわらずアウェー感は微塵もなく(むしろこのバンド目当ての人のほうが多いんじゃないかと思うほど)、「愛悩」ではゆったり踊らせると、ここで新曲を披露。去年からの開かれた楽曲のモードを継承するかのような、キャッチーな四つ打ちダンスロック。しかし、始める前に田中が叩き始めた瞬間に賢司が喋り始めてしまってやり直す、というまだ慣れてない新曲ならではの場面もあったが。
そのまま、開かれてきたバンドの中でも最も開かれている、爽快な「Stand by you」へ。
あまり喋らない要司も、客席の盛り上がりぶりを見ると曲中に、
「今日は100点!」
と叫び、「Traffic」「尖端」というロックンロールナンバーでクライマックスを迎えると、
「今日は我々、Large House Satisfactionのワンマンライブに来てくれてありがとう。次で最後の曲です」
と嘯きながら「I'm In Time」。ワンマンだったらさすがに20曲くらいはやるだろうと思ったが、対バンでこの曲数はなかなか貴重だし、このバンドはライブの度にかなりセトリを変えてくるので、何度見てもマンネリを感じることはない。
去年は多数の夏フェスに出演して一躍名を上げたが、果たして今年は?そして新曲のリリース形態は?
1.CM
2.POISON
3.Phantom
4.アノキシア
5.Monkey
6.愛悩
7.新曲
8.Stand by you
9.Traffic
10.尖端
11.I'm In Time
Stand by you
http://youtu.be/YB_-vvGqe5Y
そして後攻はTHE PINBALLS。黒のスーツで揃えた古川(ボーカル)、中屋(ギター)、森下(ベース)、石原(ドラム)の4人が登場し、「サイコ」からスタートすると、しゃがれたボーカル、うなりをあげるギター、エイトビートのタイトなリズム隊と、見た目も含めてわかりやすすぎるくらいにわかりやすいガレージ・ロックンロールを展開。
ほぼMCなし、楽曲の交換も全くなく、曲間の時間が全くないままに、非常にテンポ良く曲を続けていく。レコードリリースとは言いつつも、内容は去年のフルアルバムと変わらないため、その曲が中心になるかと思いきや、そんなこともなく選曲はかなり幅広い。
なので「十匹の熊」「片目のウィリー」という過去作のリード曲も演奏されたのだが、情景が頭に浮かんでくる歌詞と、ここまでの押しまくる曲とは一線を画す、聴かせるバンドサウンドの「樫の木島の夜の唄」以降は、LP、つまり最新作の曲を次々と披露していく。
「春だね。春の曲!」
と「way of 春風」、続けざまに、
「春の次は…そう、夏だ!」
と「真夏のシューメイカー」を続けるあたりは実にニクい。アルバム自体が四季をテーマにしているだけあって、最新アルバムからは、勢いだけではない、確かな作家性も感じることができる。
曲数自体はそれなりに多いが、前述の通りに曲間がほとんどなく、MCらしいMCも全くしてないため、体感的には非常にあっという間のラストは「アンテナ」から「プリンキピア」で、古川がドラムセットに登って大きなジャンプを決めて終了。
しかしアンコールにすぐさま登場すると、古川はLarge House SatisfactionのTシャツを着て登場し、
「あいつらに素直に言いたくないんだけど」
と、付き合いの長さ故の照れもありながら、この日のファイナルに出てくれたことに対しての感謝を告げ、
「新曲やるけど、新曲だからってミスるなんて、そんなバンドカッコ悪いよな(笑)」
と、先ほどLargeが新曲をやった時にミスったことを笑いにし、「ニンジャスレイヤー」というアニメのエンディングに使われて一躍脚光を浴びた新曲「劇場支配人のテーマ」を披露。性急なガレージ・ロックンロールでありながらもキラーチューン揃いのバンドではあるが、その中でも現状の決定打と言っても過言ではないくらいの、一度聴いただけでわかるくらいの名曲。この曲がしっかりバンドの存在を知らない人にも届くような機会を得たのは実に良いこと。
しかしこれだけでは終わらず、さらなるアンコールに応えるべく古川が登場すると、1人1人メンバーを紹介しながら呼び込み、
「今日は祭りだから!」
と、祭り囃子のビートも取り入れた「carnival come」で終了。アルバムの最後を担う「まぬけなドンキー」を最後に聴きたかったところもあるが、それはまた次以降の機会にということか。
しかし、本当に潔いくらいのスピード感。ツアーファイナルでメインアクトにも関わらず、1時間くらいしかやってない。その1時間で数々の名曲が放たれたが、新曲は次のリリースが待ち遠しくなるくらいの名曲ぶり。
THE BAWDIES、go!go!vanillas以外のロックンロールバンドはあまりロックシーンの真ん中に行くことができていないが、それだけにその新曲は、THE PINBALLSがこれからそこに行こうという点でも重要な曲になりそうな気がしている。
1.サイコ
2.FREAK'S SHOW
3.十匹の熊
4.yeah yeah yeah
5.片目のウィリー
6.sugar sweet
7.樫の木島の夜の唄
8.protect her, St.Christpher
9.way of 春風
10.真夏のシューメイカー
11.deep sea song
12.アンテナ
13.プリンキピア
encore1
14.劇場支配人のテーマ (新曲)
encore2
15.carnival come
片目のウィリー
http://youtu.be/4qjaz_nH6BM
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