メレンゲ 「初恋の掟」 @恵比寿LIQUIDROOM 4/24
- 2015/04/24
- 23:14
昨年末から、様々なバンドが解散、活動休止を発表しているが、今年に入り、長年クボケンジ(ボーカル&ギター)、タケシタツヨシ(ベース)、ヤマザキタケシ(ドラム)の3人で活動してきたメレンゲから、ヤマザキタケシが脱退を発表。
よって、この日は3人でのメレンゲのラストライブである。
19時を10分ほど過ぎたところでメンバーが登場。この日のサポートメンバーは、昔からおなじみの皆川真人(シンセ)と、近年おなじみの松江潤(ギター)。
ヤマザキの、まさに旅人が荒野を歩いているかのようなドラムのリズムが先導する「旅人」からライブはスタート。ライブではいつもこの2曲目あたりで演奏される初期曲「チーコ」ではラストのサビ前のブレイクでクボが、
「ありがとうございます!」
とこの日集まった観客へ感謝を告げ、去年リリースの最新アルバム「CAMPFIRE」からの「アンカーリング」と、序盤はメレンゲのギターロックサイドの曲でガンガン攻めていく。
しかし、やはり客席は女性がほとんど(なぜかいつもよりは男性も多かったけど、女性の付き添いであろう人がほとんど)とはいえ、このあたりの曲は、パンクやラウドなどの激しいバンドが好きな自分が聴いても、非常にカッコいい曲だといつ聴いても思う。確かにクボの私小説的な歌詞は文系女子が最も好むものではあるが、男性がこのバンドのかっこよさに気づかないのは実にもったいないと思うだけに、メレンゲがカッコいいロックバンドだってことを、「知ってんの俺だけだっけ?」とすら思ってしまう。
こちらも最初期の曲だが、「チーコ」とは違ってライブで聴けるのはかなりレアな「ムシノユメ」では、序盤はクボの歌がいつもまだ不安定なだけに、特にサビの声を張るフレーズではこの日も不安定さを覗かせた。
そこからも、バンドの代表曲の一つと言える「きらめく世界」など、この日はクボがエレキでひたすら攻める曲が続き、ライブタイトル的にやるんじゃないかと思っていた「初恋のオマケ」、「忘れ物」では松江のギターがシューゲイザーバンドかのようにノイジーに。
「いろいろ、ニュースとか見てくれたと思うけど、今日はとりあえず、楽しく」
と、ヤマザキが参加する最後のライブではあれど、あくまで普段通り、といった空気で、クボは前日にポール・マッカートニーのライブを見に行った話をし、
「ポール見に行った人いる?(誰も手を挙げず)
誰もいない?音楽好きじゃない?ポールよりメレンゲ?」
と、相変わらずの皮肉を混ぜて、ともすると感傷で包まれそうな空気の中、笑わせてくれる。
クボがアコギに持ち替えてからの「タイムマシーンについて」は、この日最初の聴かせる曲。タイトルや歌詞からもすぐわかるように、ドラえもんがモチーフになっている曲なのだが、ファンからの人気も高い(以前、人気投票ライブをやった時に2位になった)だけに、メンバー、特にこの日でこの曲を演奏するのが最後であるヤマザキも思い入れが強い曲なんじゃないかと思う。
続くシングル曲「underworld」も本来は聴かせる曲なのだが、ライブでは後半から一気に転調し、ダンスミュージック的とも言える変化を遂げるだけに、続く昼ドラのようなドロドロした雰囲気の4つ打ちナンバー「楽園」に上手い具合につながる。
未だに日比谷野音で聴いた時の素晴らしさが頭に残っている「ムーンライト」、アニメ「ピンポン」のタイアップになった「”あのヒーローと”僕らについて」、バンドの「これから感」を何度だって感じさせてくれる「アルカディア」と、どちらかというと近年の曲になるが幅広い選曲を見せ、
タケシタ「メレンゲも長いことやってきたけど、さっきやった「楽園」とかは新境地だと思うし、いろいろやってきたなぁと」
クボ「お前が言うとめちゃ薄っぺらく聞こえるわ~(笑)
髪伸ばしやがって(笑)」
と、恒例のタケシタいじりもありつつ、
「ここからは楽しく行こう!」
とヤマザキが言った終盤は、クボと松江が向き合ってギターを弾き合うのが実に楽しそうな「ライカ」、ハイパーなダンスミュージックの要素を取り入れた、皆川の力も大きい「バンドワゴン」、可愛らしい手拍子も響くポップな「ビスケット」と、言葉通りに楽しさを増していき、
「今日は本当にありがとうございました!」
とクボが言ってのあっという間の本編ラストは、これぞメレンゲのギターロックのど真ん中というべき、「夕凪」で終了。
クボが
「山ちゃんはメレンゲを離れるけど、ドラムを辞めるわけじゃないんで。これまでにもいろいろサポートもやってきてるし。
みなさん、これからもメレンゲとヤマザキタケシをよろしくお願いします」
と言ってステージを去って行った。
そんな本編の終わり方だったので、もしかしたらアンコールはないのかも?と思っていたが、タケシタがライブTシャツに着替えて登場して、ワンマンではおなじみの物販紹介をすると、クボとヤマザキもライブTシャツに着替えて登場。(サポートの2人はそのままだったが、2人の分はなかったらしい)
そしてクボがアコギを手にして始まったのは、まさかの最初期の「ストロボ」。この曲をライブで聴くのは本当に久しぶり。ここは「外は真夜中のシーン」ではないが、聴いていると本当に頭の中に情景が浮かんでくる。そういう意味では、最初期の曲であり、最もメレンゲのパブリックイメージな曲とも言える。
さらに、徐々に演奏とクボの歌がエモーションを増していく「願い事」で終了。クボがメンバーを集めると、ヤマザキを中心にしてメンバーが手を取り合って客席に一礼してステージを去って行った。
しかし、まだありそうな雰囲気。するとやはりメンバーが再び登場し、この日は最後まで「ギターロックバンドとしてのメレンゲ」であり続けようとするかのように、「カッシーニ」。途中からクボが歌詞が飛びまくっていたが、あれはただ単に忘れてしまったのか、それとも感極まって歌えなくなってしまったのか。きっとどちらにしても本人は感極まった、とは絶対に言わないだろうけど。
演奏が終わると、ステージにヤマザキだけが残り、
「これからも僕はドラムを続けますし、メレンゲも2人になりますけど、続いていきます。僕はこれからどこでドラムを叩こうとも、体の中にはメレンゲの血が流れているし、元メレンゲの人って言われるんだと思います。その元メレンゲの人って言われても恥じないように精進していきますので、今後もよろしくお願いします」
と、メレンゲのヤマザキタケシとして最後の挨拶をして、メレンゲとしての最後のステージを後にした。
最後のヤマザキの挨拶を除くと、メンバーからは哀愁や感傷は全く感じなかった。しかし、この日演奏された様々な曲のありとあらゆるフレーズや、曲に刻まれた思い出からは、どうしても感じてしまうものがたくさんあったライブだった。
自分は2006年に初めてライブを見てから、この3人以外でのメレンゲを知らない。しかもメレンゲはこれまでにも明言してないだけの活動休止状態や、このままフェードアウトしていくのか?と思うような状況が何回もあった。でも今に至るまで、何度だってちゃんと戻ってきた。もっと多くの人に聴かれるはずのバンドなだけにここでは終われない。
「ここへ来てもっと 夢を見せておくれよ」
山ちゃん、今まで長い間、本当にありがとう。
1.旅人
2.チーコ
3.アンカーリング
4.ムシノユメ
5.きらめく世界
6.初恋のオマケ
7.忘れ物
8.タイムマシーンについて
9.underworld
10.楽園
11.ムーンライト
12.”あのヒーローと”僕らについて
13.アルカディア
14.輝く蛍の輪
15.ライカ
16.バンドワゴン
17.ビスケット
18.夕凪
encore1
19.ストロボ
20.願い事
encore2
21.カッシーニ
夕凪
http://youtu.be/XVXV1jQQv_c
Next→ 4/27 米津玄師 @TSUTAYA O-EAST
よって、この日は3人でのメレンゲのラストライブである。
19時を10分ほど過ぎたところでメンバーが登場。この日のサポートメンバーは、昔からおなじみの皆川真人(シンセ)と、近年おなじみの松江潤(ギター)。
ヤマザキの、まさに旅人が荒野を歩いているかのようなドラムのリズムが先導する「旅人」からライブはスタート。ライブではいつもこの2曲目あたりで演奏される初期曲「チーコ」ではラストのサビ前のブレイクでクボが、
「ありがとうございます!」
とこの日集まった観客へ感謝を告げ、去年リリースの最新アルバム「CAMPFIRE」からの「アンカーリング」と、序盤はメレンゲのギターロックサイドの曲でガンガン攻めていく。
しかし、やはり客席は女性がほとんど(なぜかいつもよりは男性も多かったけど、女性の付き添いであろう人がほとんど)とはいえ、このあたりの曲は、パンクやラウドなどの激しいバンドが好きな自分が聴いても、非常にカッコいい曲だといつ聴いても思う。確かにクボの私小説的な歌詞は文系女子が最も好むものではあるが、男性がこのバンドのかっこよさに気づかないのは実にもったいないと思うだけに、メレンゲがカッコいいロックバンドだってことを、「知ってんの俺だけだっけ?」とすら思ってしまう。
こちらも最初期の曲だが、「チーコ」とは違ってライブで聴けるのはかなりレアな「ムシノユメ」では、序盤はクボの歌がいつもまだ不安定なだけに、特にサビの声を張るフレーズではこの日も不安定さを覗かせた。
そこからも、バンドの代表曲の一つと言える「きらめく世界」など、この日はクボがエレキでひたすら攻める曲が続き、ライブタイトル的にやるんじゃないかと思っていた「初恋のオマケ」、「忘れ物」では松江のギターがシューゲイザーバンドかのようにノイジーに。
「いろいろ、ニュースとか見てくれたと思うけど、今日はとりあえず、楽しく」
と、ヤマザキが参加する最後のライブではあれど、あくまで普段通り、といった空気で、クボは前日にポール・マッカートニーのライブを見に行った話をし、
「ポール見に行った人いる?(誰も手を挙げず)
誰もいない?音楽好きじゃない?ポールよりメレンゲ?」
と、相変わらずの皮肉を混ぜて、ともすると感傷で包まれそうな空気の中、笑わせてくれる。
クボがアコギに持ち替えてからの「タイムマシーンについて」は、この日最初の聴かせる曲。タイトルや歌詞からもすぐわかるように、ドラえもんがモチーフになっている曲なのだが、ファンからの人気も高い(以前、人気投票ライブをやった時に2位になった)だけに、メンバー、特にこの日でこの曲を演奏するのが最後であるヤマザキも思い入れが強い曲なんじゃないかと思う。
続くシングル曲「underworld」も本来は聴かせる曲なのだが、ライブでは後半から一気に転調し、ダンスミュージック的とも言える変化を遂げるだけに、続く昼ドラのようなドロドロした雰囲気の4つ打ちナンバー「楽園」に上手い具合につながる。
未だに日比谷野音で聴いた時の素晴らしさが頭に残っている「ムーンライト」、アニメ「ピンポン」のタイアップになった「”あのヒーローと”僕らについて」、バンドの「これから感」を何度だって感じさせてくれる「アルカディア」と、どちらかというと近年の曲になるが幅広い選曲を見せ、
タケシタ「メレンゲも長いことやってきたけど、さっきやった「楽園」とかは新境地だと思うし、いろいろやってきたなぁと」
クボ「お前が言うとめちゃ薄っぺらく聞こえるわ~(笑)
髪伸ばしやがって(笑)」
と、恒例のタケシタいじりもありつつ、
「ここからは楽しく行こう!」
とヤマザキが言った終盤は、クボと松江が向き合ってギターを弾き合うのが実に楽しそうな「ライカ」、ハイパーなダンスミュージックの要素を取り入れた、皆川の力も大きい「バンドワゴン」、可愛らしい手拍子も響くポップな「ビスケット」と、言葉通りに楽しさを増していき、
「今日は本当にありがとうございました!」
とクボが言ってのあっという間の本編ラストは、これぞメレンゲのギターロックのど真ん中というべき、「夕凪」で終了。
クボが
「山ちゃんはメレンゲを離れるけど、ドラムを辞めるわけじゃないんで。これまでにもいろいろサポートもやってきてるし。
みなさん、これからもメレンゲとヤマザキタケシをよろしくお願いします」
と言ってステージを去って行った。
そんな本編の終わり方だったので、もしかしたらアンコールはないのかも?と思っていたが、タケシタがライブTシャツに着替えて登場して、ワンマンではおなじみの物販紹介をすると、クボとヤマザキもライブTシャツに着替えて登場。(サポートの2人はそのままだったが、2人の分はなかったらしい)
そしてクボがアコギを手にして始まったのは、まさかの最初期の「ストロボ」。この曲をライブで聴くのは本当に久しぶり。ここは「外は真夜中のシーン」ではないが、聴いていると本当に頭の中に情景が浮かんでくる。そういう意味では、最初期の曲であり、最もメレンゲのパブリックイメージな曲とも言える。
さらに、徐々に演奏とクボの歌がエモーションを増していく「願い事」で終了。クボがメンバーを集めると、ヤマザキを中心にしてメンバーが手を取り合って客席に一礼してステージを去って行った。
しかし、まだありそうな雰囲気。するとやはりメンバーが再び登場し、この日は最後まで「ギターロックバンドとしてのメレンゲ」であり続けようとするかのように、「カッシーニ」。途中からクボが歌詞が飛びまくっていたが、あれはただ単に忘れてしまったのか、それとも感極まって歌えなくなってしまったのか。きっとどちらにしても本人は感極まった、とは絶対に言わないだろうけど。
演奏が終わると、ステージにヤマザキだけが残り、
「これからも僕はドラムを続けますし、メレンゲも2人になりますけど、続いていきます。僕はこれからどこでドラムを叩こうとも、体の中にはメレンゲの血が流れているし、元メレンゲの人って言われるんだと思います。その元メレンゲの人って言われても恥じないように精進していきますので、今後もよろしくお願いします」
と、メレンゲのヤマザキタケシとして最後の挨拶をして、メレンゲとしての最後のステージを後にした。
最後のヤマザキの挨拶を除くと、メンバーからは哀愁や感傷は全く感じなかった。しかし、この日演奏された様々な曲のありとあらゆるフレーズや、曲に刻まれた思い出からは、どうしても感じてしまうものがたくさんあったライブだった。
自分は2006年に初めてライブを見てから、この3人以外でのメレンゲを知らない。しかもメレンゲはこれまでにも明言してないだけの活動休止状態や、このままフェードアウトしていくのか?と思うような状況が何回もあった。でも今に至るまで、何度だってちゃんと戻ってきた。もっと多くの人に聴かれるはずのバンドなだけにここでは終われない。
「ここへ来てもっと 夢を見せておくれよ」
山ちゃん、今まで長い間、本当にありがとう。
1.旅人
2.チーコ
3.アンカーリング
4.ムシノユメ
5.きらめく世界
6.初恋のオマケ
7.忘れ物
8.タイムマシーンについて
9.underworld
10.楽園
11.ムーンライト
12.”あのヒーローと”僕らについて
13.アルカディア
14.輝く蛍の輪
15.ライカ
16.バンドワゴン
17.ビスケット
18.夕凪
encore1
19.ストロボ
20.願い事
encore2
21.カッシーニ
夕凪
http://youtu.be/XVXV1jQQv_c
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