音楽と人LIVE 2015 ローリング・サンダー・レビュー @新木場STUDIO COAST 4/19
- 2015/04/20
- 16:11
これまでもちょくちょくライブイベントを行ってきた音楽雑誌「音楽と人」が初めて大規模イベントを開催。
新木場STUDIO COASTで2days、3ステージ制という規模で、まさに音楽と人ならではの濃い出演者と、トークショーなどのこのイベントでしか見れない試みもある2日間。
しかし、チケット代が1日7500円という、「2日通し券の値段と間違えてるんじゃないのか?」という値段設定のためか、直前まで主催者や出演者のUstreamでは「動員がかなり厳しい」という声が聞かれていた。
そんな状況だからか、多数の無料招待客を招いたので、この1日目はその無料招待での参加。諸事情にて、オープニングアクトとメインステージのトップバッター、THE COLLECTORSに間に合わず。
13:50~ Drop's [TENT STAGE]
そんな訳でこの日最初に見たのは、COASTの外のスペースにあるテントをステージにしたTENT STAGEのトップバッターである、北海道の5人組ガールズバンド、Drop's。
近年のガールズバンドとこのバンドが全く異なるのは、このバンドはThe Birthdayに憧れて結成したバンドであり、ブルースやロックンロールの影響が強いところである。
よって、ライブを見ても良い意味で「可愛い」という要素は全くなく、「カッコいい」という言葉しか浮かんでこない。
序盤はそんな渋めな曲が中心で、まるでこういう音楽をやるためと思うようなスモーキーなボーカルの中野ミホもギターのみならずハープも吹いたりするのだが、
「音楽と人はずっと買って読んでる憧れの雑誌」
と言ってこのイベントに出れたことへの喜びを伝えるのみの短いMCのあとは、シングル曲を連発。
こうした音楽性の曲に恋愛の歌詞が乗るのはガールズバンドならではだと思うが、名曲「コール・ミー」など、このあたりの曲は渋いだけでなくポップな要素があるのがさすが。
しかし、CDで聴くよりも、ライブのほうが中野ミホのボーカルはずっと上手い。これで平均年齢21歳なんだから恐ろしいことこの上ないし、彼女たちがこういう音楽を選んだのは実に頼もしい。
1.カルーセル・ワルツ
2.恋は春色
3.アイスクリーム・シアター
4.メトロ・ランデブー
5.カモメのbaby
6.コール・ミー
7.さらば青春
8.未来
コール・ミー
http://youtu.be/abrvf-bK90o
14:35~ 山田将司×菅原卓郎×佐々木亮介 [ARENA STAGE]
この日のイベントの目玉企画。THE BACK HORN、9mm Parabellum Bullet、a flood of circleのボーカル3人のコラボ。
ステージに置かれたマイクスタンド3本。しかし、最初に登場したのは卓郎と亮介の2人。
亮介「ボス(将司)はもうちょっとしたら出てきますんで」
卓郎「ボス、この3人の中では年上だからね」
亮介「この前ボスと札幌で20時間くらい飲みましたよ(笑)札幌で1番場末のスナックを探す、って言って。見つからなかったけど(笑)」
と話し、2人がアコギをジャカジャカと弾き始めたのは、THE BACK HORN「コバルトブルー」。しかし、上手に亮介、下手に卓郎という立ち位置だったのだが、お互いの音が聞こえないということで、亮介が真ん中の、本来はボスの位置に移動してもう一度やり直す。
すると亮介がいったんステージを去り、卓郎だけで9mmの「The Revolutionary」。このように2人でいない1人の曲を歌い、1人になると自身の曲を歌うという展開。
なので、ボスこと将司が登場すると、前日に新宿LOFTの弾き語りイベントに出た時に楽屋でひたすら練習しまくって、共演のドラチックアラスカのヒジカタに迷惑をかけたという、フラッドの「Human License」を2人で歌う。しかし、3人とも個性のあるボーカリストなだけに、他の人の曲を歌うと、曲のイメージが全然違って聴こえる。
卓郎が去ると将司1人でTHE BACK HORN初期の「何処へ行く」、再び亮介が登場すると、最初の札幌で20時間飲んだ話をしてから、亮介のギターのボディが割れ、将司のギターの弦が切れるというアクシデントに見舞われながら、
「ブルースを歌います」
と言ってから歌ったのは、もちろん9mmのブルース、「Black Market Blues」。
ちなみに将司はTHE BACK HORNのドキュメンタリーDVDのTシャツを着ていたのだが、そのTシャツとDVDを自らアピールすると、亮介に
「まさかの宣伝!?ここで!?」
と突っ込まれていた。
将司が去ると亮介が再び真ん中に立ち、何を歌うか決めていないという中、1人でフラッドの「I LOVE YOU」を歌うと、ついに3人が集結。
しばしトークをしたあと、
「これからやる曲、THE YELLOW MONKEYが表紙だった時の音楽と人に、この曲が出たくらいの時のライブレポートが載ってた」
と卓郎が言って始まったのは、ハイロウズの「日曜日よりの使者」というまさかの選曲。
「シャラララ シャララララ」
のフレーズでは観客にも歌わせ、ギターソロでは亮介の呼び込みで、THE BACK HORNの菅波栄純がものすごくラフな格好で登場し、はしゃぎながらギターソロを弾き、ソロが終わるとそのままステージを去った。
このコラボはやはり貴重であったし、最後の曲も意外性があったが、欲を言えば3人でやる曲がもうちょっと欲しかったところ。なかなか全員集まって合わせる時間もなかっただろうけども。
1.コバルトブルー (卓郎×亮介)
2.The Revolutionary (卓郎)
3.Human License (将司×卓郎)
4.何処へ行く (将司)
5.Black Market Blues (将司×亮介)
6.I LOVE YOU (亮介)
7.日曜日よりの使者 (将司×卓郎×亮介×栄純)
日曜日よりの使者 / ハイロウズ
http://youtu.be/Q8_hxYS36WU
15:30~ 加藤ひさし(THE COLLECTORS) × 増子直純(怒髪天) 生大放談(トークライブ) [LOUNGE STAGE]
普段のこの会場でのライブ時には主に物販スペースとして使われているエリアに作られたLOUNGE STAGE。
そこで行われる企画が、このベテランフロントマン同士の対談。
音楽と人編集長・金光裕史が司会で、「今回のイベントのチケットが全然売れなかったことに対して」というテーマでトークが始まると、
増子「次やるんなら恵比寿リキッドルームか、良くて赤坂BLITZあたりじゃない?」
金光「やけに生々しいですね(笑)」
増子「あと、Ustreamでも言ったけど、ロッキンオンジャパンにイベントの広告を載せてもらうとか(笑)」
金光「それ、Ustreamでアーカイブできなかった話なんで勘弁してくださいよ(笑)」
増子「その広告のキャッチコピーが、「ロッキンオンジャパンではできないことをうちはやります」ってやつで(笑)」
金光「実際、ロッキンオンに電話したんですよ。広告載せてくれないか?って。知らない中じゃないんで」
増子「マジで!?どうだったの?」
金光「いや…、ため息交じりに、もっと大人になれよ、って言われました(笑)
ていうかお二人ともそんなにロッキンオンのこと言っちゃって、載せてもらえなくなったら困るんじゃないんですか?」
増子・加藤「いや、全然(笑)」
と、かなり際どい話題を連発し、何故か増子はこの日日比谷野音でワンマンを行うフラワーカンパニーズのグレートマエカワに電話をかけるのだが、当然出るわけもない。
すると、コレクターズがアニメ「おじゃる丸」に曲を提供した時の話になり、
加藤「おじゃる丸に曲出したらさー、歌詞がセクシャル過ぎる部分があるから直してくれって言われてさー(笑)」
増子「そもそもなんでおじゃる丸の歌詞にそんなセクシャルな表現使ったんだよ!(笑)」
加藤「いや、「唇の真ん中に」っていうフレーズがダメ、っていうんですよ」
増子「そんなの無視すりゃいいんだよ!(笑)
俺らも前にアニメのタイアップに曲出したらさー、「アニソンみたいな曲ですね」って言われてさ(笑)
そりゃそうだろう、アニソンのつもりで作ってるんだから!」
と、爆笑トークを展開。30分ほどだったが、もっと聞きたいくらい。そしてフラワーカンパニーズに電話したネタは、このあと怒髪天のライブまで引っ張られることに。
16:10~ POLYSICS [ARENA STAGE]
ロッキン、VIVA LA ROCK(MUSICA主催)、そしてこのイベントと、主要邦ロック雑誌のフェスにすべて出演しているという愛されバンド、POLYSICS。
フェスでは万単位の人を動員できるバンドなだけに、この最前ブロックですらガラガラという状況はある意味で驚異的。
いつもと変わらぬ熱量でアッパーな曲を次々に投下し、リリースされたばかりのミニアルバムからは「Dr Pepper!!!!!」を披露。この長き日本の音楽シーンにおいて、Dr Pepperのテーマで曲を作ったのは間違いなくこのバンドだけだろう。
ハヤシが、
「音楽と人は、本当に素敵な雑誌で。1番新しいミニアルバムの取材では、音楽の話を一切してないっていう(笑)
でも自分で読み返してみても、本当に面白いインタビューになってるなぁって。
でPOLYSICSは結構様々なトリビュートアルバムに参加させてもらってるんだけど、音楽と人のイベントで共演したことで参加させてもらった、BUCK-TICKのトリビュートアルバムに入ってる曲を、せっかくなんでやります!」
と言って、BUCK-TICKの「Sid Vicious ON THE BEACH」のカバーを披露という実にレアな選曲。グラム要素の強いBUCK-TICKの曲すらも、POLYSICSにかかれば一気にニューウェーブに変貌してしまう。もはやポリの持ち曲と言っても通じてしまうくらいに。
後半はさらにエンジンを踏み込んだ、アッパーな曲を連発。人は少ないながらもたくさんの手が挙がった「Electric Surfin' Go Go」で締めると、
「ツアーもあるから、また会おうぜー!」
とハヤシが言って終了。これからもいろんなフェスやイベントで見まくれるはず。
1.Young OH! OH!
2.How are you?
3.カジャカジャグー
4.Dr Pepper!!!!!
5.Let'sダバダバ
6.Rocket
7.Sid Vicious ON THE BEACH
8.Lucky Star
9.Shout Aloud!
10.シーラカンスイズアンドロイド
11.Electric Surfin' Go Go
Dr Pepper!!!!!
http://youtu.be/LGOUXmQZzIU
17:35~ THE BACK HORN [ARENA STAGE]
怒髪天・増子直純、フラッド・佐々木亮介、Drop's・中野ミホなど、ゲスト大集結で、バンドメンバーにクハラカズユキ(The Birthday)らを迎えた、TENT STAGEでの古市コータローソロバンドが入場規制で入れなかったため、そのままARENA STAGEでTHE BACK HORN。
いつものSEで登場し、「コワレモノ」からスタートするという流れもここ最近のおなじみの流れだが、音楽と人で長年編集長との対談コラムをやっているドラムの松田が、
「音楽と人は我々がメジャーデビューからずっとお世話になっている雑誌です」
と、このイベントに出れたことへの感慨を口にすると、次々と繰り出されるバンド初期の曲たち。これはこのイベントだからこその選曲だったのだろうか。
後半の「ブラックホールバースデイ」からは栄純も将司も暴れまくりで、とりわけ栄純の暴れっぷりはもはや笑えてくるレベル。
先ほどの弾き語りコラボでは将司以外の2人が歌った「コバルトブルー」ももちろん将司ボーカルで。
ラストの「シンフォニア」まで含め、THE BACK HORNの曲は決して明るい曲ではない。でも、ライブを見たあとに心から前向きな気持ちになれるのは、全身全霊を込めて歌い、演奏するバンドの姿からとてつもない生命力を感じられるからこそ。やはりすごいバンドだ。
1.コワレモノ
2.怪しき雲ゆき
3.サニー
4.冬のミルク
5.風船
6.ブラックホールバースデイ
7.コバルトブルー
8.シンフォニア
コワレモノ (Live)
http://youtu.be/0UxUO64pbdQ
18:25~ MO'SOME TONEBENDER [TENT STAGE]
THE BACK HORN松田と同様に、音楽と人で長年コラムを連載している、百々和宏率いるMO'SOME TONEBENDERが初日のTENT STAGEのトリとして登場。
近年のおなじみの編成であるサポートドラム水野雅昭を加えた4人で登場すると、中央に立つ巨漢ベーシスト・武井が存在感を放つ中、爆音ロックンロールがスタート…したかと思いきや、どうにも音が小さい。
武井が後ろのアンプを操作していると、たまらず百々が演奏をストップさせ、
「アンプの電源が全部落ちとる。これが音楽と人クオリティ(笑)」
とアクシデントすらも和ませ、演奏再開すると、いつものように爆音ロックンロールパーティーに。
武井が翌週リリースのニューアルバムの発売日とタワレコ渋谷店のインストアライブの日、さらに7月のクアトロワンマンの日を、観客が覚えるまでしつこく告知し、そのニューアルバムから、「トーキョーロスト」「メタルボーイ」の2曲を披露。まさにモーサムそのものというような爆裂ロックナンバー。
すると武井がステージから飛び降りて客席前の柵まで詰め寄って煽りながら歌う「FEEVEER」と、お祭り状態に。
新曲も含め、近年の曲が中心だったが、ラストには「ロッキンルーラ」「DUM DUM PARTY」という代表曲を続けるサービス精神も。
ステージが狭かったので、夏のUKFCでここのメインステージで見せたような武井のど派手なパフォーマンスが見れなかったのは少し残念ではあったが、逆に狭いライブハウスで見ているかのようなライブであった。
1.メタリックブルー
2.ヒューマンビーイング
3.トーキョーロスト
4.メタルボーイ
5.FEEVEER
6.shining
7.ロッキンルーラ
8.DUM DUM PARTY
FEEVEER
http://youtu.be/clOQfOpIWYI
19:10~ 怒髪天 [ARENA STAGE]
メインステージのトリが怒髪天というあたりが実に音楽と人らしいチョイス。
メンバー4人が登場して、熱い漢のR&Eを演奏しながら、合間のMCでは増子直純のトークショー時同様に、日比谷野音でワンマンをやっているフラワーカンパニーズのグレートマエカワに電話をかけ、
「フラカンもこっちに出ればいいのに、なんで被せたのか。スケジュールの擦り合わせをしなかったのか。
これから我々の組合、怒髪天、フラカン、Theピーズ、SCOOBIE DO、コレクターズは、正月にみんなで集まって、年間のスケジュールを擦り合わせていきたい(笑)」
と笑わせ、
「明日浅井さんとか出るけど、浅井さんのピック投げとかすごいよね。動物園のゴリラみたいで(笑)動物園のゴリラ、ものすごい勢いでうんこ投げてくるからね(笑)」
と、他の出演者までもいじり、
「先週、ここでやったBRAHMANのイベントに出たんだけど、もう満員でね。キッズばかりで。長いズボン穿いてるやつ1人もいなかったもん(笑)みんな無理矢理切ったようなズボン穿いてて(笑)
出演者もBRAHMANとか、SiMとかね。すごいよ。SiMって聞いたら、俺たち世代は絶対「(しむ)らけん」って言っちゃうもん(笑)もしくは「加藤」か「茶」か(笑)まぁドリフ世代もだんだん死に絶えてきてますからね(笑)」
「今日のタイムテーブルもどういうことなんだ、っていうね。うちのドラムの坂さんがラウンジでソロやっている時に、俺が古市コータローさんのゲストで出てるっていう。なんで同じバンド同士で被せるんだっていう(笑)
身内で刺しあっちゃって(笑)」
と、もはやとどまることを知らない爆笑MCっぷり。
増子が体力をすべて使い果たすかのように熱唱した「ド真ん中節」を終えると、最後には新曲を披露。
「この新曲、この間のSAとの対バンの時にリハでやったんだよ。SAのボーカルのTAISEIは本当に真面目な良い男だ。そんな真面目なTAISEIがこの曲を聞いて、「狂ってるね!」って言ってた(笑)」
と言うように、もはや悪ノリで作ったんじゃないかというくらいの曲だった。
アンコールでもやはりグレートに電話をかけ、あまりの繋がらなさにボーカルの鈴木圭介にも電話するも、結局繋がらず。
そして楽屋に残っている出演者を全員ステージに呼び込み、全員で手をブンブン振る「オトナノススメ」。
すでに酒を飲んでいる武藤昭平、クハラカズユキ、モーサム百々らベテラン勢がステージ真ん中で存在感を放つ中、フラッド亮介、POLYSICSフミ、Drop'sの面々は端っこで遠慮がち。
しかし、最後には上原子が亮介にギターを渡して弾かせ、ラストのキメでは観客も含めて全員をしゃがませ、
「俺が、生きててー!って言ったら、良かったー!って言ってジャンプだー!」
と、最後までフラカン(「深夜高速」のサビのフレーズ)ネタを引っ張って終了した。こんなことを出来るのはこのバンドだけ。そう考えると、怒髪天がトリで良かった。
1.GREAT NUMBER
2.酒燃料爆進曲
3.濁声交響曲
4.人生○×絵かきうた
5.己 DANCE
6.労働CALLING
7.ひともしごろ
8.ド真ん中節
9.宜しく候
encore
10.オトナノススメ
宜しく候
http://youtu.be/KehsU81FXfQ
この日は無料招待が当たったので急遽参加を決めたが、元々は2daysの2日目に参加する予定だったので、2日目に続く。
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新木場STUDIO COASTで2days、3ステージ制という規模で、まさに音楽と人ならではの濃い出演者と、トークショーなどのこのイベントでしか見れない試みもある2日間。
しかし、チケット代が1日7500円という、「2日通し券の値段と間違えてるんじゃないのか?」という値段設定のためか、直前まで主催者や出演者のUstreamでは「動員がかなり厳しい」という声が聞かれていた。
そんな状況だからか、多数の無料招待客を招いたので、この1日目はその無料招待での参加。諸事情にて、オープニングアクトとメインステージのトップバッター、THE COLLECTORSに間に合わず。
13:50~ Drop's [TENT STAGE]
そんな訳でこの日最初に見たのは、COASTの外のスペースにあるテントをステージにしたTENT STAGEのトップバッターである、北海道の5人組ガールズバンド、Drop's。
近年のガールズバンドとこのバンドが全く異なるのは、このバンドはThe Birthdayに憧れて結成したバンドであり、ブルースやロックンロールの影響が強いところである。
よって、ライブを見ても良い意味で「可愛い」という要素は全くなく、「カッコいい」という言葉しか浮かんでこない。
序盤はそんな渋めな曲が中心で、まるでこういう音楽をやるためと思うようなスモーキーなボーカルの中野ミホもギターのみならずハープも吹いたりするのだが、
「音楽と人はずっと買って読んでる憧れの雑誌」
と言ってこのイベントに出れたことへの喜びを伝えるのみの短いMCのあとは、シングル曲を連発。
こうした音楽性の曲に恋愛の歌詞が乗るのはガールズバンドならではだと思うが、名曲「コール・ミー」など、このあたりの曲は渋いだけでなくポップな要素があるのがさすが。
しかし、CDで聴くよりも、ライブのほうが中野ミホのボーカルはずっと上手い。これで平均年齢21歳なんだから恐ろしいことこの上ないし、彼女たちがこういう音楽を選んだのは実に頼もしい。
1.カルーセル・ワルツ
2.恋は春色
3.アイスクリーム・シアター
4.メトロ・ランデブー
5.カモメのbaby
6.コール・ミー
7.さらば青春
8.未来
コール・ミー
http://youtu.be/abrvf-bK90o
14:35~ 山田将司×菅原卓郎×佐々木亮介 [ARENA STAGE]
この日のイベントの目玉企画。THE BACK HORN、9mm Parabellum Bullet、a flood of circleのボーカル3人のコラボ。
ステージに置かれたマイクスタンド3本。しかし、最初に登場したのは卓郎と亮介の2人。
亮介「ボス(将司)はもうちょっとしたら出てきますんで」
卓郎「ボス、この3人の中では年上だからね」
亮介「この前ボスと札幌で20時間くらい飲みましたよ(笑)札幌で1番場末のスナックを探す、って言って。見つからなかったけど(笑)」
と話し、2人がアコギをジャカジャカと弾き始めたのは、THE BACK HORN「コバルトブルー」。しかし、上手に亮介、下手に卓郎という立ち位置だったのだが、お互いの音が聞こえないということで、亮介が真ん中の、本来はボスの位置に移動してもう一度やり直す。
すると亮介がいったんステージを去り、卓郎だけで9mmの「The Revolutionary」。このように2人でいない1人の曲を歌い、1人になると自身の曲を歌うという展開。
なので、ボスこと将司が登場すると、前日に新宿LOFTの弾き語りイベントに出た時に楽屋でひたすら練習しまくって、共演のドラチックアラスカのヒジカタに迷惑をかけたという、フラッドの「Human License」を2人で歌う。しかし、3人とも個性のあるボーカリストなだけに、他の人の曲を歌うと、曲のイメージが全然違って聴こえる。
卓郎が去ると将司1人でTHE BACK HORN初期の「何処へ行く」、再び亮介が登場すると、最初の札幌で20時間飲んだ話をしてから、亮介のギターのボディが割れ、将司のギターの弦が切れるというアクシデントに見舞われながら、
「ブルースを歌います」
と言ってから歌ったのは、もちろん9mmのブルース、「Black Market Blues」。
ちなみに将司はTHE BACK HORNのドキュメンタリーDVDのTシャツを着ていたのだが、そのTシャツとDVDを自らアピールすると、亮介に
「まさかの宣伝!?ここで!?」
と突っ込まれていた。
将司が去ると亮介が再び真ん中に立ち、何を歌うか決めていないという中、1人でフラッドの「I LOVE YOU」を歌うと、ついに3人が集結。
しばしトークをしたあと、
「これからやる曲、THE YELLOW MONKEYが表紙だった時の音楽と人に、この曲が出たくらいの時のライブレポートが載ってた」
と卓郎が言って始まったのは、ハイロウズの「日曜日よりの使者」というまさかの選曲。
「シャラララ シャララララ」
のフレーズでは観客にも歌わせ、ギターソロでは亮介の呼び込みで、THE BACK HORNの菅波栄純がものすごくラフな格好で登場し、はしゃぎながらギターソロを弾き、ソロが終わるとそのままステージを去った。
このコラボはやはり貴重であったし、最後の曲も意外性があったが、欲を言えば3人でやる曲がもうちょっと欲しかったところ。なかなか全員集まって合わせる時間もなかっただろうけども。
1.コバルトブルー (卓郎×亮介)
2.The Revolutionary (卓郎)
3.Human License (将司×卓郎)
4.何処へ行く (将司)
5.Black Market Blues (将司×亮介)
6.I LOVE YOU (亮介)
7.日曜日よりの使者 (将司×卓郎×亮介×栄純)
日曜日よりの使者 / ハイロウズ
http://youtu.be/Q8_hxYS36WU
15:30~ 加藤ひさし(THE COLLECTORS) × 増子直純(怒髪天) 生大放談(トークライブ) [LOUNGE STAGE]
普段のこの会場でのライブ時には主に物販スペースとして使われているエリアに作られたLOUNGE STAGE。
そこで行われる企画が、このベテランフロントマン同士の対談。
音楽と人編集長・金光裕史が司会で、「今回のイベントのチケットが全然売れなかったことに対して」というテーマでトークが始まると、
増子「次やるんなら恵比寿リキッドルームか、良くて赤坂BLITZあたりじゃない?」
金光「やけに生々しいですね(笑)」
増子「あと、Ustreamでも言ったけど、ロッキンオンジャパンにイベントの広告を載せてもらうとか(笑)」
金光「それ、Ustreamでアーカイブできなかった話なんで勘弁してくださいよ(笑)」
増子「その広告のキャッチコピーが、「ロッキンオンジャパンではできないことをうちはやります」ってやつで(笑)」
金光「実際、ロッキンオンに電話したんですよ。広告載せてくれないか?って。知らない中じゃないんで」
増子「マジで!?どうだったの?」
金光「いや…、ため息交じりに、もっと大人になれよ、って言われました(笑)
ていうかお二人ともそんなにロッキンオンのこと言っちゃって、載せてもらえなくなったら困るんじゃないんですか?」
増子・加藤「いや、全然(笑)」
と、かなり際どい話題を連発し、何故か増子はこの日日比谷野音でワンマンを行うフラワーカンパニーズのグレートマエカワに電話をかけるのだが、当然出るわけもない。
すると、コレクターズがアニメ「おじゃる丸」に曲を提供した時の話になり、
加藤「おじゃる丸に曲出したらさー、歌詞がセクシャル過ぎる部分があるから直してくれって言われてさー(笑)」
増子「そもそもなんでおじゃる丸の歌詞にそんなセクシャルな表現使ったんだよ!(笑)」
加藤「いや、「唇の真ん中に」っていうフレーズがダメ、っていうんですよ」
増子「そんなの無視すりゃいいんだよ!(笑)
俺らも前にアニメのタイアップに曲出したらさー、「アニソンみたいな曲ですね」って言われてさ(笑)
そりゃそうだろう、アニソンのつもりで作ってるんだから!」
と、爆笑トークを展開。30分ほどだったが、もっと聞きたいくらい。そしてフラワーカンパニーズに電話したネタは、このあと怒髪天のライブまで引っ張られることに。
16:10~ POLYSICS [ARENA STAGE]
ロッキン、VIVA LA ROCK(MUSICA主催)、そしてこのイベントと、主要邦ロック雑誌のフェスにすべて出演しているという愛されバンド、POLYSICS。
フェスでは万単位の人を動員できるバンドなだけに、この最前ブロックですらガラガラという状況はある意味で驚異的。
いつもと変わらぬ熱量でアッパーな曲を次々に投下し、リリースされたばかりのミニアルバムからは「Dr Pepper!!!!!」を披露。この長き日本の音楽シーンにおいて、Dr Pepperのテーマで曲を作ったのは間違いなくこのバンドだけだろう。
ハヤシが、
「音楽と人は、本当に素敵な雑誌で。1番新しいミニアルバムの取材では、音楽の話を一切してないっていう(笑)
でも自分で読み返してみても、本当に面白いインタビューになってるなぁって。
でPOLYSICSは結構様々なトリビュートアルバムに参加させてもらってるんだけど、音楽と人のイベントで共演したことで参加させてもらった、BUCK-TICKのトリビュートアルバムに入ってる曲を、せっかくなんでやります!」
と言って、BUCK-TICKの「Sid Vicious ON THE BEACH」のカバーを披露という実にレアな選曲。グラム要素の強いBUCK-TICKの曲すらも、POLYSICSにかかれば一気にニューウェーブに変貌してしまう。もはやポリの持ち曲と言っても通じてしまうくらいに。
後半はさらにエンジンを踏み込んだ、アッパーな曲を連発。人は少ないながらもたくさんの手が挙がった「Electric Surfin' Go Go」で締めると、
「ツアーもあるから、また会おうぜー!」
とハヤシが言って終了。これからもいろんなフェスやイベントで見まくれるはず。
1.Young OH! OH!
2.How are you?
3.カジャカジャグー
4.Dr Pepper!!!!!
5.Let'sダバダバ
6.Rocket
7.Sid Vicious ON THE BEACH
8.Lucky Star
9.Shout Aloud!
10.シーラカンスイズアンドロイド
11.Electric Surfin' Go Go
Dr Pepper!!!!!
http://youtu.be/LGOUXmQZzIU
17:35~ THE BACK HORN [ARENA STAGE]
怒髪天・増子直純、フラッド・佐々木亮介、Drop's・中野ミホなど、ゲスト大集結で、バンドメンバーにクハラカズユキ(The Birthday)らを迎えた、TENT STAGEでの古市コータローソロバンドが入場規制で入れなかったため、そのままARENA STAGEでTHE BACK HORN。
いつものSEで登場し、「コワレモノ」からスタートするという流れもここ最近のおなじみの流れだが、音楽と人で長年編集長との対談コラムをやっているドラムの松田が、
「音楽と人は我々がメジャーデビューからずっとお世話になっている雑誌です」
と、このイベントに出れたことへの感慨を口にすると、次々と繰り出されるバンド初期の曲たち。これはこのイベントだからこその選曲だったのだろうか。
後半の「ブラックホールバースデイ」からは栄純も将司も暴れまくりで、とりわけ栄純の暴れっぷりはもはや笑えてくるレベル。
先ほどの弾き語りコラボでは将司以外の2人が歌った「コバルトブルー」ももちろん将司ボーカルで。
ラストの「シンフォニア」まで含め、THE BACK HORNの曲は決して明るい曲ではない。でも、ライブを見たあとに心から前向きな気持ちになれるのは、全身全霊を込めて歌い、演奏するバンドの姿からとてつもない生命力を感じられるからこそ。やはりすごいバンドだ。
1.コワレモノ
2.怪しき雲ゆき
3.サニー
4.冬のミルク
5.風船
6.ブラックホールバースデイ
7.コバルトブルー
8.シンフォニア
コワレモノ (Live)
http://youtu.be/0UxUO64pbdQ
18:25~ MO'SOME TONEBENDER [TENT STAGE]
THE BACK HORN松田と同様に、音楽と人で長年コラムを連載している、百々和宏率いるMO'SOME TONEBENDERが初日のTENT STAGEのトリとして登場。
近年のおなじみの編成であるサポートドラム水野雅昭を加えた4人で登場すると、中央に立つ巨漢ベーシスト・武井が存在感を放つ中、爆音ロックンロールがスタート…したかと思いきや、どうにも音が小さい。
武井が後ろのアンプを操作していると、たまらず百々が演奏をストップさせ、
「アンプの電源が全部落ちとる。これが音楽と人クオリティ(笑)」
とアクシデントすらも和ませ、演奏再開すると、いつものように爆音ロックンロールパーティーに。
武井が翌週リリースのニューアルバムの発売日とタワレコ渋谷店のインストアライブの日、さらに7月のクアトロワンマンの日を、観客が覚えるまでしつこく告知し、そのニューアルバムから、「トーキョーロスト」「メタルボーイ」の2曲を披露。まさにモーサムそのものというような爆裂ロックナンバー。
すると武井がステージから飛び降りて客席前の柵まで詰め寄って煽りながら歌う「FEEVEER」と、お祭り状態に。
新曲も含め、近年の曲が中心だったが、ラストには「ロッキンルーラ」「DUM DUM PARTY」という代表曲を続けるサービス精神も。
ステージが狭かったので、夏のUKFCでここのメインステージで見せたような武井のど派手なパフォーマンスが見れなかったのは少し残念ではあったが、逆に狭いライブハウスで見ているかのようなライブであった。
1.メタリックブルー
2.ヒューマンビーイング
3.トーキョーロスト
4.メタルボーイ
5.FEEVEER
6.shining
7.ロッキンルーラ
8.DUM DUM PARTY
FEEVEER
http://youtu.be/clOQfOpIWYI
19:10~ 怒髪天 [ARENA STAGE]
メインステージのトリが怒髪天というあたりが実に音楽と人らしいチョイス。
メンバー4人が登場して、熱い漢のR&Eを演奏しながら、合間のMCでは増子直純のトークショー時同様に、日比谷野音でワンマンをやっているフラワーカンパニーズのグレートマエカワに電話をかけ、
「フラカンもこっちに出ればいいのに、なんで被せたのか。スケジュールの擦り合わせをしなかったのか。
これから我々の組合、怒髪天、フラカン、Theピーズ、SCOOBIE DO、コレクターズは、正月にみんなで集まって、年間のスケジュールを擦り合わせていきたい(笑)」
と笑わせ、
「明日浅井さんとか出るけど、浅井さんのピック投げとかすごいよね。動物園のゴリラみたいで(笑)動物園のゴリラ、ものすごい勢いでうんこ投げてくるからね(笑)」
と、他の出演者までもいじり、
「先週、ここでやったBRAHMANのイベントに出たんだけど、もう満員でね。キッズばかりで。長いズボン穿いてるやつ1人もいなかったもん(笑)みんな無理矢理切ったようなズボン穿いてて(笑)
出演者もBRAHMANとか、SiMとかね。すごいよ。SiMって聞いたら、俺たち世代は絶対「(しむ)らけん」って言っちゃうもん(笑)もしくは「加藤」か「茶」か(笑)まぁドリフ世代もだんだん死に絶えてきてますからね(笑)」
「今日のタイムテーブルもどういうことなんだ、っていうね。うちのドラムの坂さんがラウンジでソロやっている時に、俺が古市コータローさんのゲストで出てるっていう。なんで同じバンド同士で被せるんだっていう(笑)
身内で刺しあっちゃって(笑)」
と、もはやとどまることを知らない爆笑MCっぷり。
増子が体力をすべて使い果たすかのように熱唱した「ド真ん中節」を終えると、最後には新曲を披露。
「この新曲、この間のSAとの対バンの時にリハでやったんだよ。SAのボーカルのTAISEIは本当に真面目な良い男だ。そんな真面目なTAISEIがこの曲を聞いて、「狂ってるね!」って言ってた(笑)」
と言うように、もはや悪ノリで作ったんじゃないかというくらいの曲だった。
アンコールでもやはりグレートに電話をかけ、あまりの繋がらなさにボーカルの鈴木圭介にも電話するも、結局繋がらず。
そして楽屋に残っている出演者を全員ステージに呼び込み、全員で手をブンブン振る「オトナノススメ」。
すでに酒を飲んでいる武藤昭平、クハラカズユキ、モーサム百々らベテラン勢がステージ真ん中で存在感を放つ中、フラッド亮介、POLYSICSフミ、Drop'sの面々は端っこで遠慮がち。
しかし、最後には上原子が亮介にギターを渡して弾かせ、ラストのキメでは観客も含めて全員をしゃがませ、
「俺が、生きててー!って言ったら、良かったー!って言ってジャンプだー!」
と、最後までフラカン(「深夜高速」のサビのフレーズ)ネタを引っ張って終了した。こんなことを出来るのはこのバンドだけ。そう考えると、怒髪天がトリで良かった。
1.GREAT NUMBER
2.酒燃料爆進曲
3.濁声交響曲
4.人生○×絵かきうた
5.己 DANCE
6.労働CALLING
7.ひともしごろ
8.ド真ん中節
9.宜しく候
encore
10.オトナノススメ
宜しく候
http://youtu.be/KehsU81FXfQ
この日は無料招待が当たったので急遽参加を決めたが、元々は2daysの2日目に参加する予定だったので、2日目に続く。
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