フレデリック prdsents UMIMOYASU vol.10special 東阪2マン編 ~カスタネットとタンタンタタンタタン~ ゲスト:東京カランコロン @渋谷CLUB QUATTRO 4/17
- 2015/04/18
- 00:43
「踊ってない夜が気に入らない」という「オドループ」のフレーズの抜群の中毒性と、美女が独特なダンスを繰り広げるPVで一躍話題になった4人組ダンスロックバンド、フレデリック。
フェスなどでも大きな存在感を示す存在になり、5月には待望の新作ミニアルバムがリリースされるという状況で、東京と大阪で2マンライブを開催。
ゲストには東京カランコロンという、何かが起きそうな組み合わせ。
チケットソールドアウトということで満員の中、19時を10分ほど過ぎたあたりで、まずはゲストの東京カランコロン。
米米CLUB「Shake Hip!」のSEでメンバーが登場すると、いちろーは最前の観客とタッチをしまくり、ベース佐藤全部はなぜか人間の頭部の模型を持って登場し、スコープみたいなサングラスをかけている。
恒例の挨拶から「フォークダンスが踊れない」でスタートし、客席から早くも手拍子が発生するというアウェー感は感じられない空気。間奏部分ではいちろーとせんせいの2人が「オドループ」ダンスを踊るという、エンターテイメント精神溢れるリスペクトの表明ぶり。
「16のbeat」「泣き虫ファイター」と、序盤はアッパーな代表曲を続け、MCではメンバーの中で最初にフレデリックと知り合ったという、せんせいと佐藤が
「最初は軽い気持ちだったんですけど…」
と、まるで犯罪を犯した人のインタビューみたいな回りくどい説明をするも、
「要約すると、ライブを見たらすごい良かったってことらしいです」
と、いちろーに一瞬でまとめられる。
そのいちろーはフレデリックのボーカル健司と異様に仲が良いらしく、健司のリクエストにより、「少女ジャンプ」のシングル盤のカップリングに収録されている「ぽっかりsweet」を披露。
いちろーが、
「この曲、誰も知らないだろうけど(笑)」
と自虐していたように、他の曲との温度差はかなりあったけど。
後半は現在絶賛ツアー中の最新アルバム「UTUTU」の曲を連発。アルバムのオープニング曲である「夢かウツツか」、フリッパーズギターへのオマージュと思いきや、本人たちはフリッパーズのことを知らなかったという先行シングル「恋のマシンガン」(初回盤のDVDのメンバーの演技は必見)、佐藤が間奏でトランペットを吹く「僕の辞書」と、アッパーかつポップな曲が続いた中、リード曲の「ヒールに願いを」は、せんせいのボーカルがメインのバラード。アルバムはこれらの曲を含め、シングルカットできそうな曲ばかりだが、この曲をリード曲にしたところにバンドの強い意思を感じる。
「フレデリックは本当に急にめちゃくちゃ仲良くなったんだけど、それは流行りとかもある中で、自分たちのオリジナリティのある音楽をやっているところがあって。僕らもそういうことを考えてやってて、そこに共鳴したところがあって」
と、いちろーが呼んでくれたフレデリックへの感謝を告げると、「×ゲーム」から、ラストのおいたん(ギター)が歌い出しのフレーズを歌う「J-POPって素敵ね」では、
「フレデリックって素敵ね」
「UMIMOYASUって素敵ね」
「カスタネットって素敵ね」
など、フレデリック仕様の歌詞を連発するという愛情表現。
現在絶賛ツアー中ということで、もっと「UTUTU」に寄った内容になるのかと思ったが、間違いなくこの日の対バンでしかあり得ないライブをやってみせた。
1.フォークダンスが踊れない
2.16のbeat
3.泣き虫ファイター
4.ぽっかりsweet
5.夢かウツツか
6.恋のマシンガン
7.僕の辞書
8.ヒールに願いを
9.×ゲーム
10.J-POPって素敵ね
ヒールに願いを
https://youtu.be/PZtEp-iB8jo
そして後攻、フレデリック。SEでの観客の手拍子の見事な揃いっぷりからも高い期待度が伺える。
メンバーが登場すると、
「死んだ魚のような目をした魚のような生き方はしない」
というシュール極まりないサビの「SPAM生活」からスタート。冒頭からフロアはもはや完全にダンスホールと化してガンガン踊りまくっているのだが、そうして踊らせている最大の要素は、康司の否が応でも踊らざるを得なくなるようなぶっといベース。バンド全体のグルーヴも見るたびに進化を遂げているが、その芯にあるのは間違いなくこのベースである。
健司(ちなみに健司と康司は双子)も曲中に度々「渋谷」という単語を入れたり、声を荒げて煽るなど、フロントマンとしての貫禄が段違いに増している中、祭り囃子が狂騒感を生み出す「バジルの宴」のあとの「峠の幽霊」「ウワサの煙の女の子」は、バンドのもう一つの要素であるサイケデリックさが前面に出た曲で、踊らせるというよりも漂わせるという雰囲気。
「体だけじゃなくて、心でも踊って」
という康司のMCを体現しているような曲。
そこからは来月リリースのミニアルバムからの曲をふんだんに演奏。
タイトルがなんとも引っかかる「セーラー服を脱がさないで」は、
「気のせいだ」と「君のセーター」
というサビのフレーズの韻の踏み具合が実に心地いい曲。
するとここでメンバーが楽器を置き、1人1人自己紹介をすることに。赤頭(ギター)とkaz.(ドラム)がしゃべる姿はこういう自主企画やワンマンでしか見れないだけにかなり貴重。ライブ中はマイクすらない赤頭がしゃべりまくる人だというのは意外であった。
続く新曲「DNAです」は、よく健司が「細胞レベルで踊れますかー!」と煽るのをそのまま曲にしたかのようなダンスナンバー。
同じく高速BPMのダンスナンバーで、すでに年明けからライブで披露されていた「愛の迷惑」はもはや新曲とは思えない盛り上がり。
「君に会えて 迷惑なんです」
というサビのフレーズは超シュール。
この日の東京と先週の大阪がソールドアウトしたことや、東京カランコロンへの感謝を告げるMCからはクライマックス。ライブではおなじみの「プロレスごっこのフラフープ」(しかし本当になんというタイトルだろうか)から、本編最後は「踊ってない夜が気に入らない」人々のアンセム「オドループ」。頭上ではミラーボールが回り、モッシュが発生する中、PVのダンスを踊る若い女子たちが、健司の
「あなたたちの歌です!歌ってくれ!」
という煽りで大合唱を巻き起こす…本当にこの1曲はこのバンドの立ち位置をガラッと変えてしまったし、この曲をライブで聴くたびに目の前の景色が変わる。それはリリース前に新曲として初めて聴いたSWEET LOVE SHOWERでのライブの時からずっと変わらない。
アンコールではまず康司と赤頭の2人が登場し、物販の紹介。赤頭がTシャツを4枚重ね着したことにより、1人で全種類のTシャツを着て紹介するという斬新な手法を見せるも、トートバッグにフランスパンをそのまま突っ込んでステージ上をうろつくkaz.に持っていかれ気味になってしまう。
そんなこんなでメンバーが揃うと、このタイミングで東京カランコロンのメンバーを呼び込み、全員でのトークタイム。しかし、明らかに泥酔して顔が真っ赤なカランコロン・佐藤が何もしゃべってないのに名前通りに全部持って行ってしまい、ほとんど内容は耳に残らず。
するとあまりにもカランコロンが好き過ぎる健司がカランコロンに向けて表彰状と寄せ書きを進呈し、全員で記念撮影をしてからカランコロンのメンバーはステージを去っていく。
そしてフレデリックのメンバーが楽器を持つと、この日は散々客を笑わせた健司による、真摯なMC。
「必ずでっかくなってまたここに戻ってくる」
ということを何回も言うと、この日最後に演奏されたのは、すでに公開されているPVもとんでもない勢いで再生回数が上昇している、「新しいことを始めるために終わらせる歌」、新作のリードトラックにしてタイトルトラックでもある「オワラセナイト」。
新曲というよりもはやリリース前からアンセムと化しているかのような熱狂の中、「オドループ」同様にフロアにはPVのダンスを踊る人が続出。
この曲の登場で、「フレデリックはオドループだけは知ってる」という人が多数の状況はさらに変わるはず。いや、その状況こそ「オワラセナイト」。次は間違いなくもっとでかいとこで見れるはず。
そしてシュールな歌詞というイメージのフレデリックだが、「オドループ」の冒頭の
「踊ってるだけで退場 それをそっかそっかって言って」
という明らかに社会についての歌詞など、実はかなりメッセージ性が強い。それだけに新曲も早く歌詞を見ながら聴きたいところ。
ダンス要素が強くなると普通は歌詞の意味性は薄くなっていくものだが、フレデリックは実はかなり言葉を研究しているバンドだと思う。そこにももっと焦点が当たるようになって欲しい。
1.SPAM生活
2.ディスコプール
3.ふしだらフラミンゴ
4.バジルの宴
5.峠の幽霊
6.ウワサの煙の女の子
7.セーターを脱がさないで
8.WARP
9.DNAです
10.愛の迷惑
11.プロレスごっこのフラフープ
12.オドループ
encore
13.オワラセナイト
オドループ
http://youtu.be/PCp2iXA1uLE
オワラセナイト
http://youtu.be/Q3sigAJXG1E
Next→4/18 音楽と人 ローリングサンダーレビュー @新木場STUDIO COAST
フェスなどでも大きな存在感を示す存在になり、5月には待望の新作ミニアルバムがリリースされるという状況で、東京と大阪で2マンライブを開催。
ゲストには東京カランコロンという、何かが起きそうな組み合わせ。
チケットソールドアウトということで満員の中、19時を10分ほど過ぎたあたりで、まずはゲストの東京カランコロン。
米米CLUB「Shake Hip!」のSEでメンバーが登場すると、いちろーは最前の観客とタッチをしまくり、ベース佐藤全部はなぜか人間の頭部の模型を持って登場し、スコープみたいなサングラスをかけている。
恒例の挨拶から「フォークダンスが踊れない」でスタートし、客席から早くも手拍子が発生するというアウェー感は感じられない空気。間奏部分ではいちろーとせんせいの2人が「オドループ」ダンスを踊るという、エンターテイメント精神溢れるリスペクトの表明ぶり。
「16のbeat」「泣き虫ファイター」と、序盤はアッパーな代表曲を続け、MCではメンバーの中で最初にフレデリックと知り合ったという、せんせいと佐藤が
「最初は軽い気持ちだったんですけど…」
と、まるで犯罪を犯した人のインタビューみたいな回りくどい説明をするも、
「要約すると、ライブを見たらすごい良かったってことらしいです」
と、いちろーに一瞬でまとめられる。
そのいちろーはフレデリックのボーカル健司と異様に仲が良いらしく、健司のリクエストにより、「少女ジャンプ」のシングル盤のカップリングに収録されている「ぽっかりsweet」を披露。
いちろーが、
「この曲、誰も知らないだろうけど(笑)」
と自虐していたように、他の曲との温度差はかなりあったけど。
後半は現在絶賛ツアー中の最新アルバム「UTUTU」の曲を連発。アルバムのオープニング曲である「夢かウツツか」、フリッパーズギターへのオマージュと思いきや、本人たちはフリッパーズのことを知らなかったという先行シングル「恋のマシンガン」(初回盤のDVDのメンバーの演技は必見)、佐藤が間奏でトランペットを吹く「僕の辞書」と、アッパーかつポップな曲が続いた中、リード曲の「ヒールに願いを」は、せんせいのボーカルがメインのバラード。アルバムはこれらの曲を含め、シングルカットできそうな曲ばかりだが、この曲をリード曲にしたところにバンドの強い意思を感じる。
「フレデリックは本当に急にめちゃくちゃ仲良くなったんだけど、それは流行りとかもある中で、自分たちのオリジナリティのある音楽をやっているところがあって。僕らもそういうことを考えてやってて、そこに共鳴したところがあって」
と、いちろーが呼んでくれたフレデリックへの感謝を告げると、「×ゲーム」から、ラストのおいたん(ギター)が歌い出しのフレーズを歌う「J-POPって素敵ね」では、
「フレデリックって素敵ね」
「UMIMOYASUって素敵ね」
「カスタネットって素敵ね」
など、フレデリック仕様の歌詞を連発するという愛情表現。
現在絶賛ツアー中ということで、もっと「UTUTU」に寄った内容になるのかと思ったが、間違いなくこの日の対バンでしかあり得ないライブをやってみせた。
1.フォークダンスが踊れない
2.16のbeat
3.泣き虫ファイター
4.ぽっかりsweet
5.夢かウツツか
6.恋のマシンガン
7.僕の辞書
8.ヒールに願いを
9.×ゲーム
10.J-POPって素敵ね
ヒールに願いを
https://youtu.be/PZtEp-iB8jo
そして後攻、フレデリック。SEでの観客の手拍子の見事な揃いっぷりからも高い期待度が伺える。
メンバーが登場すると、
「死んだ魚のような目をした魚のような生き方はしない」
というシュール極まりないサビの「SPAM生活」からスタート。冒頭からフロアはもはや完全にダンスホールと化してガンガン踊りまくっているのだが、そうして踊らせている最大の要素は、康司の否が応でも踊らざるを得なくなるようなぶっといベース。バンド全体のグルーヴも見るたびに進化を遂げているが、その芯にあるのは間違いなくこのベースである。
健司(ちなみに健司と康司は双子)も曲中に度々「渋谷」という単語を入れたり、声を荒げて煽るなど、フロントマンとしての貫禄が段違いに増している中、祭り囃子が狂騒感を生み出す「バジルの宴」のあとの「峠の幽霊」「ウワサの煙の女の子」は、バンドのもう一つの要素であるサイケデリックさが前面に出た曲で、踊らせるというよりも漂わせるという雰囲気。
「体だけじゃなくて、心でも踊って」
という康司のMCを体現しているような曲。
そこからは来月リリースのミニアルバムからの曲をふんだんに演奏。
タイトルがなんとも引っかかる「セーラー服を脱がさないで」は、
「気のせいだ」と「君のセーター」
というサビのフレーズの韻の踏み具合が実に心地いい曲。
するとここでメンバーが楽器を置き、1人1人自己紹介をすることに。赤頭(ギター)とkaz.(ドラム)がしゃべる姿はこういう自主企画やワンマンでしか見れないだけにかなり貴重。ライブ中はマイクすらない赤頭がしゃべりまくる人だというのは意外であった。
続く新曲「DNAです」は、よく健司が「細胞レベルで踊れますかー!」と煽るのをそのまま曲にしたかのようなダンスナンバー。
同じく高速BPMのダンスナンバーで、すでに年明けからライブで披露されていた「愛の迷惑」はもはや新曲とは思えない盛り上がり。
「君に会えて 迷惑なんです」
というサビのフレーズは超シュール。
この日の東京と先週の大阪がソールドアウトしたことや、東京カランコロンへの感謝を告げるMCからはクライマックス。ライブではおなじみの「プロレスごっこのフラフープ」(しかし本当になんというタイトルだろうか)から、本編最後は「踊ってない夜が気に入らない」人々のアンセム「オドループ」。頭上ではミラーボールが回り、モッシュが発生する中、PVのダンスを踊る若い女子たちが、健司の
「あなたたちの歌です!歌ってくれ!」
という煽りで大合唱を巻き起こす…本当にこの1曲はこのバンドの立ち位置をガラッと変えてしまったし、この曲をライブで聴くたびに目の前の景色が変わる。それはリリース前に新曲として初めて聴いたSWEET LOVE SHOWERでのライブの時からずっと変わらない。
アンコールではまず康司と赤頭の2人が登場し、物販の紹介。赤頭がTシャツを4枚重ね着したことにより、1人で全種類のTシャツを着て紹介するという斬新な手法を見せるも、トートバッグにフランスパンをそのまま突っ込んでステージ上をうろつくkaz.に持っていかれ気味になってしまう。
そんなこんなでメンバーが揃うと、このタイミングで東京カランコロンのメンバーを呼び込み、全員でのトークタイム。しかし、明らかに泥酔して顔が真っ赤なカランコロン・佐藤が何もしゃべってないのに名前通りに全部持って行ってしまい、ほとんど内容は耳に残らず。
するとあまりにもカランコロンが好き過ぎる健司がカランコロンに向けて表彰状と寄せ書きを進呈し、全員で記念撮影をしてからカランコロンのメンバーはステージを去っていく。
そしてフレデリックのメンバーが楽器を持つと、この日は散々客を笑わせた健司による、真摯なMC。
「必ずでっかくなってまたここに戻ってくる」
ということを何回も言うと、この日最後に演奏されたのは、すでに公開されているPVもとんでもない勢いで再生回数が上昇している、「新しいことを始めるために終わらせる歌」、新作のリードトラックにしてタイトルトラックでもある「オワラセナイト」。
新曲というよりもはやリリース前からアンセムと化しているかのような熱狂の中、「オドループ」同様にフロアにはPVのダンスを踊る人が続出。
この曲の登場で、「フレデリックはオドループだけは知ってる」という人が多数の状況はさらに変わるはず。いや、その状況こそ「オワラセナイト」。次は間違いなくもっとでかいとこで見れるはず。
そしてシュールな歌詞というイメージのフレデリックだが、「オドループ」の冒頭の
「踊ってるだけで退場 それをそっかそっかって言って」
という明らかに社会についての歌詞など、実はかなりメッセージ性が強い。それだけに新曲も早く歌詞を見ながら聴きたいところ。
ダンス要素が強くなると普通は歌詞の意味性は薄くなっていくものだが、フレデリックは実はかなり言葉を研究しているバンドだと思う。そこにももっと焦点が当たるようになって欲しい。
1.SPAM生活
2.ディスコプール
3.ふしだらフラミンゴ
4.バジルの宴
5.峠の幽霊
6.ウワサの煙の女の子
7.セーターを脱がさないで
8.WARP
9.DNAです
10.愛の迷惑
11.プロレスごっこのフラフープ
12.オドループ
encore
13.オワラセナイト
オドループ
http://youtu.be/PCp2iXA1uLE
オワラセナイト
http://youtu.be/Q3sigAJXG1E
Next→4/18 音楽と人 ローリングサンダーレビュー @新木場STUDIO COAST

音楽と人LIVE 2015 ローリング・サンダー・レビュー @新木場STUDIO COAST 4/19 ホーム
Suck a Stew Dry 春のモラトリアムまつり @渋谷CLUB QUATTRO 4/12