KANA-BOON KANA-BOONのとぅるとぅるかむとぅるーTOUR 2015 ~夢のアリーナ編~ @日本武道館 3/31
- 2015/03/31
- 23:31
一昨日のTHE BAWDIESに続き、この日はKANA-BOONの武道館ワンマン。年明けのクアトロツアーから一気に規模が拡大しているが、武道館ですら即完し、チケットが取れないという人もたくさんいただけに、適正キャパはさらにその上、横浜アリーナやさいたまスーパーアリーナあたりだろう。
アリーナツアーに向けていろいろな企画を用意しているとは言っていたが、武道館に立つ使命を自分達で理解しているTHE BAWDIESに対し、関西出身だからか武道館にはほとんど思い入れがないと言っていたKANA-BOONはどんなライブを見せるのか。そんなことを言いながらベースの飯田は緊張で眠れなかったらしいが。
ツアータイトルにちなんでか、場内には終始ドリカムの曲がBGMで流れる中、開演予定の18:30をかなり過ぎた18:45頃、ステージを囲むように張られた紗幕に、時計の映像が映し出され、秒針が徐々に進んでいき、10秒前から自然発生的にカウントダウンが始まり、真上にピタリと止まったところで、紗幕の中からメンバーが演奏する音が聞こえ、紗幕が落ちるとそこにはすでに演奏しているメンバーの姿が。
最新アルバム「TIME」の「タイムアウト」から始まり、谷口鮪のラップのような歌唱も挟まれる「LOL」と続いたあとに1stの4つ打ちロック「ウォーリーヒーロー」と続くと、「TIME」がいかにリズムが進化しているアルバムかがよくわかる。飯田と小泉のリズム隊(特に小泉のドラム)もツアーを経る度に力強くなっている。新世代のギターヒーロー古賀も序盤からキレのあるギターを弾きまくる。
鮪の挨拶的なMCからは、ライブではおなじみのイントロのアレンジが加わった「ワールド」、1stアルバムからの意外な選曲「MUSiC」、さらには古賀のギターのイントロが切なさを感じさせる「結晶星」と幅広い楽曲を続けていく。
するとここで、
「武道館でライブができるというバンドの夢が1つ叶いましたが、ここでメンバー個人の夢を叶えたいと思います」
と鮪が言うと、ステージに運び込まれたのは鮪の解体セット。職人も登場して本物の鮪の解体を行い、鮪の中落ちを鮪が食す、という夢を叶える。
さらには鮪の解体中にステージから消えていた飯田がアリーナの客席の間をセグウェイで走り回るという夢も叶える。
「なんか、このあと曲やりづらいな(笑)」
と、そりゃそうなるだろうという鮪の一言からは、まさに車のクラクション音から始まる「クラクション」、カップリング曲「ロックンロールスター」、そして
「鮪の解体見てお腹空いたんじゃないですか?」
と言って始まった「ないものねだり」では、
「ゆらゆらゆらゆら 僕の心~」
のコール&レスポンスを、アリーナ、1階、2階、さらには男子と女子に分けて行い、最後には
「ぶどぶどぶどぶど ぶど武道館~ カンカン~」
というこの場限りのコール&レスポンス。全席指定であるため、もっとスペースを気にせず踊りたい、という空気があちこちから伝わってくる。あまりにも演奏に熱が入り過ぎたのか、飯田は曲終わりでステージに倒れこんだ。
そしてここで3人目の夢を叶える時間。ここはドラムの小泉が手を縛られてから箱の中に入って、箱に棒を刺されまくるも無傷で生還、というイリュージョン。何故か出てくる時はゴリラのマスクを被っていたのを古賀に執拗に突っ込まれていた。
やはり、
「なんかこのあとやりづらいなぁ(笑)でもやらなきゃいけない。生きていかなきゃいけなう。生きてゆく」
と、別れを歌った「生きてゆく」からは、サウンド自体はアッパーであれど、歌詞からは切なさが滲み出る「スコールスコール」、「TIME」の中でも最もシリアスな、鮪の過去の生い立ちがあってこその曲である「愛にまみれて」と、ただ楽しく踊って歌えるだけではない曲が続く。しかし、「愛にまみれて」の時に古賀のエフェクターが不調であり、冷たく響くような音があまり聞こえなかったのはちょっと残念であったし、本人も悔いが残ったと思う。
するとまだ夢を叶えてない男、古賀がステージからいなくなり、その間に3人が古賀の良いところを挙げていこうとするも何も出てこず(古賀の両親や親族も来ていたのに)、というお約束にも近いやり取りを経て登場した古賀はいつもの黒シャツから白シャツに変わっている。
そんな古賀の夢は、「空を飛ぶ」ということで、ワイヤーに吊るされて、二階席くらいの高さまで舞い上がる。白シャツにしたのは、黒だと飛んだ時に見えづらいからとのこと。
しかしただ飛ぶだけではないのが古賀隼人、飛ぶ際にギターを持っていたのだが、「盛者必衰の理、お断り」のイントロと間奏のギターソロを空を飛びながら弾くという荒技をやってのける。武道館で空を飛びながらギターを弾いた人は今までいるのだろうか?(いるとすればKISS?)
古賀が白シャツを脱ぎ捨て(黒シャツの上に白シャツを着ていただけ)、すでに音を鳴らしていたメンバーに合流してギターを鳴らすと、鮪が
「行くぞー!」
と叫び、ステージ前から大量のスモークが湧き上がった「フルドライブ」、
「桜が咲いてますね。いい時期にここでワンマンできましたね」
と、あたかも「さくらのうた」か「桜の詩」をやるかのような前振りをしてから、
「では冬の曲を」
と見事に期待を裏切ってみせた「スノーグローブ」では雪が舞っているかのような演出もあり。
鮪がかつての恩師や自分たちが世話になったライブハウス、そして来てくれた人たちへの感謝を告げてから、あっという間のラスト曲「シルエット」。金テープも炸裂する中、サビで一気に爆発するエモーション。名曲ばかりのこのバンドの曲の中でもトップクラスの名曲だと思う。メンバー自身が大ファンであるNARUTOとの相乗効果もあるんだろうけど。
アンコール前にはスクリーンにメンバーが映り、ランダムで選んだ座席にメンバーがプレゼントをつけた映像が。プレゼントの内容はメンバーのプリクラや直筆メッセージカードとのこと。
映像が終わってメンバーが登場すると、おなじみの物販紹介から、アネッサのCMタイアップに決定している5月リリースの新曲「なんでもねだり」を披露。
「あれも欲しい これも欲しい」
というサビのフレーズが印象的な、タイトル通りに「ないものねだり」と同じタイプの、男女のやり取りを歌詞にした曲。しかし、クリープハイプの「憂、燦々」同様にBPMが速くない曲というのは、資生堂からそういうオーダーがあるのだろうか。
KANA-BOONのイメージそのものな高速4つ打ちナンバー「1.2. step to you」を続けると、
「僕らは夢を1つ1つ叶えてここまでやってきました。僕らは夢っていうものを本当に大事にしていて。夢があったからこうしてここに立てたと思ってます。
だからみんなも、KANA-BOONが頑張って夢を叶えてるから、俺も頑張ろうって思ってくれてもいいし、こんな浪人生崩れみたいな奴らがやってるなら俺もやってやるよってパンク精神でもいいし。そうやって夢を持ってくれたら嬉しいです。
これからも僕らのそばにいてください。今日はありがとうございました。最後に、この日のために作った曲」
と言って、最後に演奏されたのは、「TIME」の最後に収録された「パレード」。
「パレードの先頭を走れ」
というまさにこれからのバンド自身に言い聞かせるようなフレーズを、万感の思いを込めて鳴らす。
クアトロではこの曲(や、「TIME」の他数曲)は演奏されなかった。つまり、この日、ここでこうしてようやく「TIME」は完成を迎えたのである。
演奏が終わると、メンバーが雑誌の企画で作ったダルマ、とぅるまさんにみんなで目を入れて終了。
アッパーな曲も、バラードも、シングル曲もアルバム曲もカップリング曲も新曲までも、全てがキラーチューンであり、現在のアンセムとして鳴り響いた初武道館だった。
そんな武道館ですらも、もはやこのバンドには狭く感じる。次は、そしてこれからはどんな夢を叶えてゆくんだろうか。
1.タイムアウト
2.LOL
3.ウォーリーヒーロー
4.ターミナル
5.ワールド
6.MUSiC
7.結晶星
8.クラクション
9.ロックンロールスター
10.ないものねだり
11.生きてゆく
12.スコールスコール
13.愛にまみれて
14.盛者必衰の理、お断り
15.フルドライブ
16.スノーグローブ
17.シルエット
encore
18.なんでもねだり (新曲)
19.1.2. step to you
20.パレード
シルエット
http://youtu.be/ZFoJYI7Q4iA
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アリーナツアーに向けていろいろな企画を用意しているとは言っていたが、武道館に立つ使命を自分達で理解しているTHE BAWDIESに対し、関西出身だからか武道館にはほとんど思い入れがないと言っていたKANA-BOONはどんなライブを見せるのか。そんなことを言いながらベースの飯田は緊張で眠れなかったらしいが。
ツアータイトルにちなんでか、場内には終始ドリカムの曲がBGMで流れる中、開演予定の18:30をかなり過ぎた18:45頃、ステージを囲むように張られた紗幕に、時計の映像が映し出され、秒針が徐々に進んでいき、10秒前から自然発生的にカウントダウンが始まり、真上にピタリと止まったところで、紗幕の中からメンバーが演奏する音が聞こえ、紗幕が落ちるとそこにはすでに演奏しているメンバーの姿が。
最新アルバム「TIME」の「タイムアウト」から始まり、谷口鮪のラップのような歌唱も挟まれる「LOL」と続いたあとに1stの4つ打ちロック「ウォーリーヒーロー」と続くと、「TIME」がいかにリズムが進化しているアルバムかがよくわかる。飯田と小泉のリズム隊(特に小泉のドラム)もツアーを経る度に力強くなっている。新世代のギターヒーロー古賀も序盤からキレのあるギターを弾きまくる。
鮪の挨拶的なMCからは、ライブではおなじみのイントロのアレンジが加わった「ワールド」、1stアルバムからの意外な選曲「MUSiC」、さらには古賀のギターのイントロが切なさを感じさせる「結晶星」と幅広い楽曲を続けていく。
するとここで、
「武道館でライブができるというバンドの夢が1つ叶いましたが、ここでメンバー個人の夢を叶えたいと思います」
と鮪が言うと、ステージに運び込まれたのは鮪の解体セット。職人も登場して本物の鮪の解体を行い、鮪の中落ちを鮪が食す、という夢を叶える。
さらには鮪の解体中にステージから消えていた飯田がアリーナの客席の間をセグウェイで走り回るという夢も叶える。
「なんか、このあと曲やりづらいな(笑)」
と、そりゃそうなるだろうという鮪の一言からは、まさに車のクラクション音から始まる「クラクション」、カップリング曲「ロックンロールスター」、そして
「鮪の解体見てお腹空いたんじゃないですか?」
と言って始まった「ないものねだり」では、
「ゆらゆらゆらゆら 僕の心~」
のコール&レスポンスを、アリーナ、1階、2階、さらには男子と女子に分けて行い、最後には
「ぶどぶどぶどぶど ぶど武道館~ カンカン~」
というこの場限りのコール&レスポンス。全席指定であるため、もっとスペースを気にせず踊りたい、という空気があちこちから伝わってくる。あまりにも演奏に熱が入り過ぎたのか、飯田は曲終わりでステージに倒れこんだ。
そしてここで3人目の夢を叶える時間。ここはドラムの小泉が手を縛られてから箱の中に入って、箱に棒を刺されまくるも無傷で生還、というイリュージョン。何故か出てくる時はゴリラのマスクを被っていたのを古賀に執拗に突っ込まれていた。
やはり、
「なんかこのあとやりづらいなぁ(笑)でもやらなきゃいけない。生きていかなきゃいけなう。生きてゆく」
と、別れを歌った「生きてゆく」からは、サウンド自体はアッパーであれど、歌詞からは切なさが滲み出る「スコールスコール」、「TIME」の中でも最もシリアスな、鮪の過去の生い立ちがあってこその曲である「愛にまみれて」と、ただ楽しく踊って歌えるだけではない曲が続く。しかし、「愛にまみれて」の時に古賀のエフェクターが不調であり、冷たく響くような音があまり聞こえなかったのはちょっと残念であったし、本人も悔いが残ったと思う。
するとまだ夢を叶えてない男、古賀がステージからいなくなり、その間に3人が古賀の良いところを挙げていこうとするも何も出てこず(古賀の両親や親族も来ていたのに)、というお約束にも近いやり取りを経て登場した古賀はいつもの黒シャツから白シャツに変わっている。
そんな古賀の夢は、「空を飛ぶ」ということで、ワイヤーに吊るされて、二階席くらいの高さまで舞い上がる。白シャツにしたのは、黒だと飛んだ時に見えづらいからとのこと。
しかしただ飛ぶだけではないのが古賀隼人、飛ぶ際にギターを持っていたのだが、「盛者必衰の理、お断り」のイントロと間奏のギターソロを空を飛びながら弾くという荒技をやってのける。武道館で空を飛びながらギターを弾いた人は今までいるのだろうか?(いるとすればKISS?)
古賀が白シャツを脱ぎ捨て(黒シャツの上に白シャツを着ていただけ)、すでに音を鳴らしていたメンバーに合流してギターを鳴らすと、鮪が
「行くぞー!」
と叫び、ステージ前から大量のスモークが湧き上がった「フルドライブ」、
「桜が咲いてますね。いい時期にここでワンマンできましたね」
と、あたかも「さくらのうた」か「桜の詩」をやるかのような前振りをしてから、
「では冬の曲を」
と見事に期待を裏切ってみせた「スノーグローブ」では雪が舞っているかのような演出もあり。
鮪がかつての恩師や自分たちが世話になったライブハウス、そして来てくれた人たちへの感謝を告げてから、あっという間のラスト曲「シルエット」。金テープも炸裂する中、サビで一気に爆発するエモーション。名曲ばかりのこのバンドの曲の中でもトップクラスの名曲だと思う。メンバー自身が大ファンであるNARUTOとの相乗効果もあるんだろうけど。
アンコール前にはスクリーンにメンバーが映り、ランダムで選んだ座席にメンバーがプレゼントをつけた映像が。プレゼントの内容はメンバーのプリクラや直筆メッセージカードとのこと。
映像が終わってメンバーが登場すると、おなじみの物販紹介から、アネッサのCMタイアップに決定している5月リリースの新曲「なんでもねだり」を披露。
「あれも欲しい これも欲しい」
というサビのフレーズが印象的な、タイトル通りに「ないものねだり」と同じタイプの、男女のやり取りを歌詞にした曲。しかし、クリープハイプの「憂、燦々」同様にBPMが速くない曲というのは、資生堂からそういうオーダーがあるのだろうか。
KANA-BOONのイメージそのものな高速4つ打ちナンバー「1.2. step to you」を続けると、
「僕らは夢を1つ1つ叶えてここまでやってきました。僕らは夢っていうものを本当に大事にしていて。夢があったからこうしてここに立てたと思ってます。
だからみんなも、KANA-BOONが頑張って夢を叶えてるから、俺も頑張ろうって思ってくれてもいいし、こんな浪人生崩れみたいな奴らがやってるなら俺もやってやるよってパンク精神でもいいし。そうやって夢を持ってくれたら嬉しいです。
これからも僕らのそばにいてください。今日はありがとうございました。最後に、この日のために作った曲」
と言って、最後に演奏されたのは、「TIME」の最後に収録された「パレード」。
「パレードの先頭を走れ」
というまさにこれからのバンド自身に言い聞かせるようなフレーズを、万感の思いを込めて鳴らす。
クアトロではこの曲(や、「TIME」の他数曲)は演奏されなかった。つまり、この日、ここでこうしてようやく「TIME」は完成を迎えたのである。
演奏が終わると、メンバーが雑誌の企画で作ったダルマ、とぅるまさんにみんなで目を入れて終了。
アッパーな曲も、バラードも、シングル曲もアルバム曲もカップリング曲も新曲までも、全てがキラーチューンであり、現在のアンセムとして鳴り響いた初武道館だった。
そんな武道館ですらも、もはやこのバンドには狭く感じる。次は、そしてこれからはどんな夢を叶えてゆくんだろうか。
1.タイムアウト
2.LOL
3.ウォーリーヒーロー
4.ターミナル
5.ワールド
6.MUSiC
7.結晶星
8.クラクション
9.ロックンロールスター
10.ないものねだり
11.生きてゆく
12.スコールスコール
13.愛にまみれて
14.盛者必衰の理、お断り
15.フルドライブ
16.スノーグローブ
17.シルエット
encore
18.なんでもねだり (新曲)
19.1.2. step to you
20.パレード
シルエット
http://youtu.be/ZFoJYI7Q4iA
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