The SALOVERS 無期限活動休止ラストライブ 「青春の象徴 恋のすべて」追加公演 @東京キネマ倶楽部 3/23
- 2015/03/23
- 23:22
前日の学芸大学メイプルハウスに続き、The SALOVERSのワンマン。元々は東京は25日の渋谷QUATTROでの一本をもって解散するはずだったが、その日のチケットがあまりにも取れなかったという声が相次いだため、急遽このキネマ倶楽部での追加公演が決定した。
キネマ倶楽部の客席は満員。それこそ、これだけ多くの人が普段のライブから来ていたらバンドの行く末も変わっていたんじゃないかと思ってしまうほどに。
やや遅めの19:30、BGMが止まり、場内が暗転すると、「ビオトープ -生物生育空間-」のダンサブルなリミックスがSEとして流れ、メンバーが登場。
何も言わず、静寂を切り裂くような古舘(ボーカル&ギター)のギターのイントロ。インディーのデビューミニアルバムの1曲目に収録されていた「China」だ。自分が初めて聴いたサラバーズの曲もこれ。この曲から全てが始まったと言っても過言ではない。
さらに同作から「フランシスコサンセット」。サビではメンバー全員がマイクに向かって歌うのだが、その姿が、このバンドは誰かメンバーが変わっても続いていくバンドではない、この4人だからこそサラバーズであったことをこの上ない形で示していた。
前日はアコースティックで演奏された新作からの「シンセサイザー」は、通常の編成で聴くとやはりエモさが増して聞こえる。ギターの藤井清也が作曲したらしいが、今後の彼の人生でまた作曲することがあり、それが世に出ていくことがあるのだろうか。
「SAD GIRL」「Hey My Sister」は2ndミニアルバムから。まだ序盤だが、バンド最大の持ち味の衝動を炸裂させ、前日やその前の大阪ワンマン、インストアライブなどもあったからか、バンドの演奏はここにきて過去最高レベルの仕上がりぶり。
「Hey My Sister」では歌詞をこのキネマ倶楽部の最寄り駅である「鶯谷」に変えて歌うという、この日限り、本当にもう2度と聞くことができないアレンジを加える。
MCでは、前作のアルバムから新作のリリースまでの2年半、あまりメンバー同士が会わなかったので、何をしていたのかという話に。(映画「日々ロック」にメンバー全員で出演したり、イベントやフェスに出ていたりしたはずだけど)
小林(ベース)「酒に溺れていた」
藤井「寝てた(この日も電車で寝過ごして遅れてきたらしい)」
藤川「古舘とゴルフしに行ったりしたじゃん」
と、要するになんにもしていなかったという結論に。ちなみに藤井、小林、藤川の3人は留年しているが、古舘はこの日の午前中に無事に大学を卒業したとのこと。
すると藤川の性急なドラムのイントロが印象的な「パーカーの子」、前日にはアンコールで最後の最後に演奏された「さらさら」と、新作にしてラストアルバムからの曲が続く。
そこからは一気に雰囲気が変わり、「バンドを始めた頃」から一気に聴かせるモードに突入。このあたりの曲は古舘の作家性溢れる歌詞が魅力だが、バンドの状況が頭にあるだけに、どうしてもしみじみとしてしまう。
ちょうど折り返し地点では藤川の気合い入れ(案の定前日に続いてグダグダ)から、
「クソッタレ クソッタレ」
というヤケクソブチ切れソング「文学のススメ」で衝動を炸裂させていく。
もはや止まることを忘れたかのようにひたすらにアッパーな曲を連発していったのだが、新作からの「千客万来」は明らかに小林の音がズレまくり、それを明らかに横目で気にした古舘も万全とは言い難い演奏になってしまった。
しかし「ディタラトゥエンティ」では小林が頭を振りまくりながらの圧巻の演奏とグルーヴを見せつけると、ライブではおなじみの中華風のギターのイントロが追加された「オールド台湾」では「台湾!」の大合唱が会場を包み、古舘が
「オールドキネマ倶楽部で会おう!」
と歌詞を変えて叫ぶと、ステージから金テープが炸裂した。今まで、ワンマンも含めて数えきれないくらいにこのバンドのライブを見てきたが、こんな演出は今までしたことがなかった。キャパ的にやろうとしてもできなかったというのもあったのかもしれないが、それよりも明らかに最後だからこそ、という感じがしていたように見えた。
アッパーかつ速いテンポの曲で衝動を燃やしてきた中、最終盤で演奏された「愛しておくれ」は、テンポこそ早くないものの、エモーショナルさはこの日演奏された曲の中でも随一。
ラストのサビではメンバーのみならず、客席も大合唱し、目が潤まずにはいられない光景だった。ちなみにプロデューサーのいしわたり淳治さんはこの曲の歌詞がサラバーズの中で1番好きだと以前答えてくれた。
そしてまだあと10曲くらいやってほしいとすら思えるくらいにあっという間のラストは、去年の夏に先行で配信リリースされ、ラストアルバムにも収録された「喉が涸れるまで」。この曲の少年性は、まさにサラバーズのメンバーそのものだった。この日演奏した曲の中で1番リアルに響いた。
アンコールではキネマ倶楽部のステージの下手側にある螺旋階段の上のスペースに用意されたアコースティックセットで演奏。メンバーは全員物販のニット帽(開場した時には売り切れてた)を着用した状態で「アンデスの街で」、そして前日も演奏した「ニーチェに聞く」ではやはりメンバーのソロもありながらも、古舘と小林、藤井と藤川がそれぞれ2人で1本のマイクを分け合ってサビを歌っているのが本当に微笑ましくも美しい光景だった。
アコースティックが終わると階段を降りて通常のステージへ。それまでにメンバーは全員ニット帽を客席に投げ入れた。
そしてラストに演奏されたのは「Disaster of Youth」。
「友情を犠牲にしてまで 夢を追うのに疲れただけさ」
「少年は大志を抱きすぎて死んだ」
「青春の向こう側で待ち合わせをしよう」
という歌詞はバンドの終わりそのものをリアルに歌っている。だからこそ、CDで聴いていると辛くなる時もあるのだが、自ら幕引きを選んだ以上、この曲は前日、この日、そしてあさっても絶対に演奏しなくてはならない曲。
すると、
「本当はこれで終わりなんだけど…」
と言い、このままだと悔いが残るという「千客万来」をリベンジ演奏。今度は小林の音もしっかり合った、完成系としての演奏であった。
しかし、当然これでは終わらない。引っ込んだメンバーがすぐさま出て来てのトドメの「サリンジャー」。やはりこの曲をやってくれなければ、もうこの日限りで見れない人は収まらなかっただろう。
曲が終わり、メンバーが去ると、ステージのスクリーンに映像が。そこに次々と映し出される、メンバー4人が街中を歩いたり、佇んだり、はしゃいだりする画像。その姿はまさに、「青春の象徴 恋のすべて」であった。
この日、2階の関係者席には鹿野淳や、a flood of circleの渡邉一丘らがいた。サラバーズとフラッドの共通点は、プロデューサーがいしわたり淳治ということしか思い浮かばないが、もしも両者に交流があったのなら、その2組での対バンを見てみたかった。
終演後、客席にいた満員の観客は、みななかなか帰ろうとしなかった。きっと、ここから出てしまうと、その瞬間にサラバーズとの歴史が終わってしまう人もたくさんいたはず。あさってのクアトロが終わる時には自分もその状態になっている。いよいよ、実感が湧いてきてしまった。
この日のライブは、衝動を燃やし続けてきた彼らの、燃え尽きる前の最後の一夜。でも、こんなにサラバーズにしかできないようなライブがまだ出来るんなら、まだ間に合うから、辞めるのをやめてみないか?
1.China
2.フランシスコサンセット
3.シンセサイザー
4.SAD GIRL
5.Hey My Sister
6.パーカーの子
7.さらさら
8.バンドを始めた頃
9.夏の夜 (mindless ver.)
10.セイタカアワダチソウ
11.文学のススメ
12.チンギスハンとヘップバーン
13.仏教ソング
14.HOT HOT HOT!
15.千客万来
16.ディタラトゥエンティ
17.オールド台湾
18.床には君のカーディガン
19.愛しておくれ
20.喉が涸れるまで
encore
21.アンデスの街で
22.ニーチェに聞く
23.Disaster of Youth
24.千客万来
encore2
25.サリンジャー
千客万来
http://youtu.be/in7fNmcPLb8
Next→ 3/25 The SALOVERS @渋谷CLUB QUATTRO
キネマ倶楽部の客席は満員。それこそ、これだけ多くの人が普段のライブから来ていたらバンドの行く末も変わっていたんじゃないかと思ってしまうほどに。
やや遅めの19:30、BGMが止まり、場内が暗転すると、「ビオトープ -生物生育空間-」のダンサブルなリミックスがSEとして流れ、メンバーが登場。
何も言わず、静寂を切り裂くような古舘(ボーカル&ギター)のギターのイントロ。インディーのデビューミニアルバムの1曲目に収録されていた「China」だ。自分が初めて聴いたサラバーズの曲もこれ。この曲から全てが始まったと言っても過言ではない。
さらに同作から「フランシスコサンセット」。サビではメンバー全員がマイクに向かって歌うのだが、その姿が、このバンドは誰かメンバーが変わっても続いていくバンドではない、この4人だからこそサラバーズであったことをこの上ない形で示していた。
前日はアコースティックで演奏された新作からの「シンセサイザー」は、通常の編成で聴くとやはりエモさが増して聞こえる。ギターの藤井清也が作曲したらしいが、今後の彼の人生でまた作曲することがあり、それが世に出ていくことがあるのだろうか。
「SAD GIRL」「Hey My Sister」は2ndミニアルバムから。まだ序盤だが、バンド最大の持ち味の衝動を炸裂させ、前日やその前の大阪ワンマン、インストアライブなどもあったからか、バンドの演奏はここにきて過去最高レベルの仕上がりぶり。
「Hey My Sister」では歌詞をこのキネマ倶楽部の最寄り駅である「鶯谷」に変えて歌うという、この日限り、本当にもう2度と聞くことができないアレンジを加える。
MCでは、前作のアルバムから新作のリリースまでの2年半、あまりメンバー同士が会わなかったので、何をしていたのかという話に。(映画「日々ロック」にメンバー全員で出演したり、イベントやフェスに出ていたりしたはずだけど)
小林(ベース)「酒に溺れていた」
藤井「寝てた(この日も電車で寝過ごして遅れてきたらしい)」
藤川「古舘とゴルフしに行ったりしたじゃん」
と、要するになんにもしていなかったという結論に。ちなみに藤井、小林、藤川の3人は留年しているが、古舘はこの日の午前中に無事に大学を卒業したとのこと。
すると藤川の性急なドラムのイントロが印象的な「パーカーの子」、前日にはアンコールで最後の最後に演奏された「さらさら」と、新作にしてラストアルバムからの曲が続く。
そこからは一気に雰囲気が変わり、「バンドを始めた頃」から一気に聴かせるモードに突入。このあたりの曲は古舘の作家性溢れる歌詞が魅力だが、バンドの状況が頭にあるだけに、どうしてもしみじみとしてしまう。
ちょうど折り返し地点では藤川の気合い入れ(案の定前日に続いてグダグダ)から、
「クソッタレ クソッタレ」
というヤケクソブチ切れソング「文学のススメ」で衝動を炸裂させていく。
もはや止まることを忘れたかのようにひたすらにアッパーな曲を連発していったのだが、新作からの「千客万来」は明らかに小林の音がズレまくり、それを明らかに横目で気にした古舘も万全とは言い難い演奏になってしまった。
しかし「ディタラトゥエンティ」では小林が頭を振りまくりながらの圧巻の演奏とグルーヴを見せつけると、ライブではおなじみの中華風のギターのイントロが追加された「オールド台湾」では「台湾!」の大合唱が会場を包み、古舘が
「オールドキネマ倶楽部で会おう!」
と歌詞を変えて叫ぶと、ステージから金テープが炸裂した。今まで、ワンマンも含めて数えきれないくらいにこのバンドのライブを見てきたが、こんな演出は今までしたことがなかった。キャパ的にやろうとしてもできなかったというのもあったのかもしれないが、それよりも明らかに最後だからこそ、という感じがしていたように見えた。
アッパーかつ速いテンポの曲で衝動を燃やしてきた中、最終盤で演奏された「愛しておくれ」は、テンポこそ早くないものの、エモーショナルさはこの日演奏された曲の中でも随一。
ラストのサビではメンバーのみならず、客席も大合唱し、目が潤まずにはいられない光景だった。ちなみにプロデューサーのいしわたり淳治さんはこの曲の歌詞がサラバーズの中で1番好きだと以前答えてくれた。
そしてまだあと10曲くらいやってほしいとすら思えるくらいにあっという間のラストは、去年の夏に先行で配信リリースされ、ラストアルバムにも収録された「喉が涸れるまで」。この曲の少年性は、まさにサラバーズのメンバーそのものだった。この日演奏した曲の中で1番リアルに響いた。
アンコールではキネマ倶楽部のステージの下手側にある螺旋階段の上のスペースに用意されたアコースティックセットで演奏。メンバーは全員物販のニット帽(開場した時には売り切れてた)を着用した状態で「アンデスの街で」、そして前日も演奏した「ニーチェに聞く」ではやはりメンバーのソロもありながらも、古舘と小林、藤井と藤川がそれぞれ2人で1本のマイクを分け合ってサビを歌っているのが本当に微笑ましくも美しい光景だった。
アコースティックが終わると階段を降りて通常のステージへ。それまでにメンバーは全員ニット帽を客席に投げ入れた。
そしてラストに演奏されたのは「Disaster of Youth」。
「友情を犠牲にしてまで 夢を追うのに疲れただけさ」
「少年は大志を抱きすぎて死んだ」
「青春の向こう側で待ち合わせをしよう」
という歌詞はバンドの終わりそのものをリアルに歌っている。だからこそ、CDで聴いていると辛くなる時もあるのだが、自ら幕引きを選んだ以上、この曲は前日、この日、そしてあさっても絶対に演奏しなくてはならない曲。
すると、
「本当はこれで終わりなんだけど…」
と言い、このままだと悔いが残るという「千客万来」をリベンジ演奏。今度は小林の音もしっかり合った、完成系としての演奏であった。
しかし、当然これでは終わらない。引っ込んだメンバーがすぐさま出て来てのトドメの「サリンジャー」。やはりこの曲をやってくれなければ、もうこの日限りで見れない人は収まらなかっただろう。
曲が終わり、メンバーが去ると、ステージのスクリーンに映像が。そこに次々と映し出される、メンバー4人が街中を歩いたり、佇んだり、はしゃいだりする画像。その姿はまさに、「青春の象徴 恋のすべて」であった。
この日、2階の関係者席には鹿野淳や、a flood of circleの渡邉一丘らがいた。サラバーズとフラッドの共通点は、プロデューサーがいしわたり淳治ということしか思い浮かばないが、もしも両者に交流があったのなら、その2組での対バンを見てみたかった。
終演後、客席にいた満員の観客は、みななかなか帰ろうとしなかった。きっと、ここから出てしまうと、その瞬間にサラバーズとの歴史が終わってしまう人もたくさんいたはず。あさってのクアトロが終わる時には自分もその状態になっている。いよいよ、実感が湧いてきてしまった。
この日のライブは、衝動を燃やし続けてきた彼らの、燃え尽きる前の最後の一夜。でも、こんなにサラバーズにしかできないようなライブがまだ出来るんなら、まだ間に合うから、辞めるのをやめてみないか?
1.China
2.フランシスコサンセット
3.シンセサイザー
4.SAD GIRL
5.Hey My Sister
6.パーカーの子
7.さらさら
8.バンドを始めた頃
9.夏の夜 (mindless ver.)
10.セイタカアワダチソウ
11.文学のススメ
12.チンギスハンとヘップバーン
13.仏教ソング
14.HOT HOT HOT!
15.千客万来
16.ディタラトゥエンティ
17.オールド台湾
18.床には君のカーディガン
19.愛しておくれ
20.喉が涸れるまで
encore
21.アンデスの街で
22.ニーチェに聞く
23.Disaster of Youth
24.千客万来
encore2
25.サリンジャー
千客万来
http://youtu.be/in7fNmcPLb8
Next→ 3/25 The SALOVERS @渋谷CLUB QUATTRO
The SALOVERS 無期限活動休止ラストライブ 「青春の象徴 恋のすべて」 @渋谷CLUB QUATTRO 3/25 ホーム
The SALOVERS 「青春の象徴 恋のすべて」 発売記念イベント ~サラバーズのすべてはここにある!メイプルハウス編~ @学芸大学メイプルハウス 3/22