The SALOVERS 「青春の象徴 恋のすべて」 発売記念イベント ~サラバーズのすべてはここにある!メイプルハウス編~ @学芸大学メイプルハウス 3/22
- 2015/03/22
- 20:14
年明けに衝撃の無期限活動休止(実質的な解散)を発表した、The SALOVERS。長らくアルバムが発売されなかったが、先日、ついに2ndにしてラストアルバム「青春の象徴 恋のすべて」を発売。そのアルバムのタワーレコード購入者の中から抽選で当選した人だけが参加できる、発売記念無料イベントが開催。
メンバーが昔からよく利用していたという学芸大学メイプルハウス、キャパ的には150くらいという、ラストライブの渋谷クアトロが手に入らないくらいの即完となった状況としては凄まじく狭い会場での開催で、残り3本となったライブのうちの貴重な1本。
初上陸となる学芸大学メイプルハウスは東急東横線学芸大学駅から徒歩3分ほどの地下にあるライブハウスで、一軒にAステージとBステージの2つのステージがあるという珍しい作り。
17時半に呼び出しが始まり、中に入るも、あまりの狭さに少しばかりビックリ。
18時過ぎ、まずはドラムの藤川雄太が登場すると、
「今日はパーティーなんで!」
と、どうしても沈みがちになってしまう(人によってはこの日が最後のサラバーズのライブだという人もいるはず)空気を和らげようとする中、他のメンバーも合流。
古舘(ボーカル&ギター)、藤井(ギター)、小林(ベース)がマイクの前の椅子に座ると、小林はアコースティックベース、藤川のドラムセットもアコースティックで、古舘と藤井はどちらかがエレキ、どちらかがアコギという、アコースティックセットで、ラストアルバムの1曲目の「Disaster of Youth」からスタートし、そのまま「シンセサイザー」と、まずはアルバム通りの流れ。
この2曲はまさに「バンドの終わり」そのものを歌っている曲なのだが、通常の、衝動が炸裂するようなサウンドではなく、アコースティックサウンド(アルバムには歌詞カードがついていない)だと1フレーズ、1フレーズがはっきりと聞き取れる。
ちなみに「シンセサイザー」はギター藤井が作曲したとのことだが、これまでの活動では古舘以外のメンバーが作曲するなんて全く思えなかったので、これは古舘以外のメンバーのこれからの可能性を感じさせる。しかし、その可能性がこのバンドで結実するのを見ることができないのは残念でしょうがないが。
「今日、開演前に客席がずっとみんな棒立ちだったのを見て、大丈夫かな?って思ったんだけど、今日のライブは抽選で当たった人しか来れないライブだから、みんな友達がいないんだよね」
と古舘がこのなんとも重苦しさを感じてしまう状況を説明し、ワンマンでは古舘が仕切るので、この日のライブの仕切りを任せているという藤川に打開を求めるも、藤川は緊張によるものなのか、全くMCに慣れておらず、バンドを始めたばかりの人のMCを見ているかのような下手っぷり。
新作の「セイタカアワダチソウ」からの「雨降りのベイサイド」「Night in gale」という過去曲を交えた流れは、このバンドの衝動だけではない、情景が頭の中に浮かんでくるようなセンチメンタルさを醸し出す。
「雨降りのベイサイド」前の、
藤川「この曲、久しぶりにやるよね。この曲、好き?」
小林「え?いや、好きだけど」
藤川「どこが好き?」
小林「雄太のドラムかな」
という、寒さすら感じるやり取りもあり、
古舘「ここは高校生の時からずっとやってた場所で。二子玉川のライブハウスにデモ持って行ったら落とされて、あんなとこ絶対行かねー!って思って。それで当時オリジナルがなかったんで、デモにはカバーを録音してたんだけど、くるりの「東京」のカバーを入れてて。それでここの店長にデモを持ってきたら、くるりやってるのいいねぇ~って言ってもらってライブやらせてもらえるようになって。
あと、姉ちゃんが海外留学してたんですけど、帰ってきたらめちゃアメリカナイズされてて。歌いたいから、とか言って、ここで急に俺と2人でライブやって(笑)「サリンジャー」の1番を俺が歌って、2番を姉ちゃんが英語で歌う、みたいな地獄絵図みたいなことやって(笑)客3人くらいしかいなかったけど(笑)
それで終わった後も先輩のバンド見ないと店長に怒られるから見てたら、姉ちゃんが爆睡し出した、っていうこともありました(笑)」
と、この場所での思い出を語る。
CDでも遊び心満載だった「ニーチェに聞く」では、曲中のメンバーのソロパートで、藤井はリコーダーソロ、小林はベースで「カノン」を弾き(CDではレッチリだった)、藤川はシェイカーを振りまくる。MCも含め、こういう微笑ましいやり取りを見ていると、本当にあと数日で解散するバンドを見ているとは思えない。
高校生の頃にこの場所に通い詰めてる時からやっていたという「Dub Song」は、タイトルこそダブだが、その要素は皆無で、むしろ歌詞としては「Love Song」というタイトルのほうがしっくりくる曲。アコースティックだとより一層そう感じる。
するとメンバーが椅子をどかし、通常のバンドセットに転換。藤川はアコースティックセットの後ろに置かれた通常のドラムセットに移動し、「床には君のカーディガン」からは一気にそれまでの空気から変わる。
久々にライブで聴く「ペンシルフィッシュ」は、古舘の歌唱が凄まじいエモーショナルさを放出していたのだが、
藤川「今のエモかったね~」
と、自分たちで言ってしまう。
そしてあっという間のラストは、ここで昔からずっと演奏してきたという「曇り空」から、ラストはやはり「サリンジャー」。小林は頭をガンガン振りまくって演奏していたが、やはりこの曲の衝動こそがサラバーズの最大の持ち味であった。
アンコールを待つ手拍子に応えてメンバーが再び登場するも、
「やるつもりなかったから何をやるか全く決めてない」
ということで(実際、このバンドはイベントなどでトリの時でもアンコールをやらない時があった)、どうするか悩んでいると、客席から、
「「何処かの土地で」!」という声も上がったが(そう叫んだ主は、この曲にコーラスで参加し、ライブにも参加したことのあるシンガーソングライターの田中茉裕であった。メンバーは気づいてなかったっぽいけど)、
「新しいアルバムからの曲をやりたい」
ということで、新作からの爽やかなギターロック曲「さらさら」を披露して、これまでのライブと同じようにあっさりとメンバーはステージを去って行った。
最後の時が近付いてきているということで、いろいろと思い出したりすることもあるが、それは最後のライブを終えてから。
しかし、この日のアコースティックはおそらくワンマンではやらないと思われるだけに、最後の機会だったであろう。
とりあえずはまた明日、キネマ倶楽部にて。あと、2本。
1.Disaster of Youth
2.シンセサイザー
3.セイタカアワダチソウ
4.雨降りのベイサイド
5.Night in gale
6.ニーチェに聞く
7.Dub Song
8.床には君のカーディガン
9.ペンシルフィッシュ
10.曇り空
11.サリンジャー
encore
12.さらさら
サリンジャー
http://youtu.be/MWcsqmj1C6I
Next→ 3/23 The SALOVERS @東京キネマ倶楽部
メンバーが昔からよく利用していたという学芸大学メイプルハウス、キャパ的には150くらいという、ラストライブの渋谷クアトロが手に入らないくらいの即完となった状況としては凄まじく狭い会場での開催で、残り3本となったライブのうちの貴重な1本。
初上陸となる学芸大学メイプルハウスは東急東横線学芸大学駅から徒歩3分ほどの地下にあるライブハウスで、一軒にAステージとBステージの2つのステージがあるという珍しい作り。
17時半に呼び出しが始まり、中に入るも、あまりの狭さに少しばかりビックリ。
18時過ぎ、まずはドラムの藤川雄太が登場すると、
「今日はパーティーなんで!」
と、どうしても沈みがちになってしまう(人によってはこの日が最後のサラバーズのライブだという人もいるはず)空気を和らげようとする中、他のメンバーも合流。
古舘(ボーカル&ギター)、藤井(ギター)、小林(ベース)がマイクの前の椅子に座ると、小林はアコースティックベース、藤川のドラムセットもアコースティックで、古舘と藤井はどちらかがエレキ、どちらかがアコギという、アコースティックセットで、ラストアルバムの1曲目の「Disaster of Youth」からスタートし、そのまま「シンセサイザー」と、まずはアルバム通りの流れ。
この2曲はまさに「バンドの終わり」そのものを歌っている曲なのだが、通常の、衝動が炸裂するようなサウンドではなく、アコースティックサウンド(アルバムには歌詞カードがついていない)だと1フレーズ、1フレーズがはっきりと聞き取れる。
ちなみに「シンセサイザー」はギター藤井が作曲したとのことだが、これまでの活動では古舘以外のメンバーが作曲するなんて全く思えなかったので、これは古舘以外のメンバーのこれからの可能性を感じさせる。しかし、その可能性がこのバンドで結実するのを見ることができないのは残念でしょうがないが。
「今日、開演前に客席がずっとみんな棒立ちだったのを見て、大丈夫かな?って思ったんだけど、今日のライブは抽選で当たった人しか来れないライブだから、みんな友達がいないんだよね」
と古舘がこのなんとも重苦しさを感じてしまう状況を説明し、ワンマンでは古舘が仕切るので、この日のライブの仕切りを任せているという藤川に打開を求めるも、藤川は緊張によるものなのか、全くMCに慣れておらず、バンドを始めたばかりの人のMCを見ているかのような下手っぷり。
新作の「セイタカアワダチソウ」からの「雨降りのベイサイド」「Night in gale」という過去曲を交えた流れは、このバンドの衝動だけではない、情景が頭の中に浮かんでくるようなセンチメンタルさを醸し出す。
「雨降りのベイサイド」前の、
藤川「この曲、久しぶりにやるよね。この曲、好き?」
小林「え?いや、好きだけど」
藤川「どこが好き?」
小林「雄太のドラムかな」
という、寒さすら感じるやり取りもあり、
古舘「ここは高校生の時からずっとやってた場所で。二子玉川のライブハウスにデモ持って行ったら落とされて、あんなとこ絶対行かねー!って思って。それで当時オリジナルがなかったんで、デモにはカバーを録音してたんだけど、くるりの「東京」のカバーを入れてて。それでここの店長にデモを持ってきたら、くるりやってるのいいねぇ~って言ってもらってライブやらせてもらえるようになって。
あと、姉ちゃんが海外留学してたんですけど、帰ってきたらめちゃアメリカナイズされてて。歌いたいから、とか言って、ここで急に俺と2人でライブやって(笑)「サリンジャー」の1番を俺が歌って、2番を姉ちゃんが英語で歌う、みたいな地獄絵図みたいなことやって(笑)客3人くらいしかいなかったけど(笑)
それで終わった後も先輩のバンド見ないと店長に怒られるから見てたら、姉ちゃんが爆睡し出した、っていうこともありました(笑)」
と、この場所での思い出を語る。
CDでも遊び心満載だった「ニーチェに聞く」では、曲中のメンバーのソロパートで、藤井はリコーダーソロ、小林はベースで「カノン」を弾き(CDではレッチリだった)、藤川はシェイカーを振りまくる。MCも含め、こういう微笑ましいやり取りを見ていると、本当にあと数日で解散するバンドを見ているとは思えない。
高校生の頃にこの場所に通い詰めてる時からやっていたという「Dub Song」は、タイトルこそダブだが、その要素は皆無で、むしろ歌詞としては「Love Song」というタイトルのほうがしっくりくる曲。アコースティックだとより一層そう感じる。
するとメンバーが椅子をどかし、通常のバンドセットに転換。藤川はアコースティックセットの後ろに置かれた通常のドラムセットに移動し、「床には君のカーディガン」からは一気にそれまでの空気から変わる。
久々にライブで聴く「ペンシルフィッシュ」は、古舘の歌唱が凄まじいエモーショナルさを放出していたのだが、
藤川「今のエモかったね~」
と、自分たちで言ってしまう。
そしてあっという間のラストは、ここで昔からずっと演奏してきたという「曇り空」から、ラストはやはり「サリンジャー」。小林は頭をガンガン振りまくって演奏していたが、やはりこの曲の衝動こそがサラバーズの最大の持ち味であった。
アンコールを待つ手拍子に応えてメンバーが再び登場するも、
「やるつもりなかったから何をやるか全く決めてない」
ということで(実際、このバンドはイベントなどでトリの時でもアンコールをやらない時があった)、どうするか悩んでいると、客席から、
「「何処かの土地で」!」という声も上がったが(そう叫んだ主は、この曲にコーラスで参加し、ライブにも参加したことのあるシンガーソングライターの田中茉裕であった。メンバーは気づいてなかったっぽいけど)、
「新しいアルバムからの曲をやりたい」
ということで、新作からの爽やかなギターロック曲「さらさら」を披露して、これまでのライブと同じようにあっさりとメンバーはステージを去って行った。
最後の時が近付いてきているということで、いろいろと思い出したりすることもあるが、それは最後のライブを終えてから。
しかし、この日のアコースティックはおそらくワンマンではやらないと思われるだけに、最後の機会だったであろう。
とりあえずはまた明日、キネマ倶楽部にて。あと、2本。
1.Disaster of Youth
2.シンセサイザー
3.セイタカアワダチソウ
4.雨降りのベイサイド
5.Night in gale
6.ニーチェに聞く
7.Dub Song
8.床には君のカーディガン
9.ペンシルフィッシュ
10.曇り空
11.サリンジャー
encore
12.さらさら
サリンジャー
http://youtu.be/MWcsqmj1C6I
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グッドモーニングアメリカ 「inトーキョーシティツアー 2014-2015」(ワンマン) @Zepp Tokyo 3/21