グッドモーニングアメリカ 「inトーキョーシティツアー 2014-2015」(ワンマン) @Zepp Tokyo 3/21
- 2015/03/21
- 22:03
昨年2枚目のフルアルバム「inトーキョーシティ」をリリースし、バンド史上最大規模のツアーを廻っている、グッドモーニングアメリカ。
昨年スタートしてから年末フェスなどを挟み、ファイナルはZepp Tokyo2days。この日はその初日。
昨年のシングルリリース時のツアーのDiverCityは即完であったが、この日はカメラスペースが客席内に多くとられているものの、前回ほど満員ではない。これは2daysによるからでもあるだろうが、フェスでの万単位の人を動員している状況的にはちょっと意外である。
18時を過ぎると、おなじみである、たなしん(ベース)の
「トーキョーシティを見てみたい」
という、何故か外人風の影アナが始まると、スーパーマンのスーツを見にまとったたなしんがステージに登場。
すると、ワイヤーで空に舞い、客席をトーキョーシティに見たて、まさに一望。今までもいろんなことをやってきたが、ついに空を飛ぶまでになるとは。
そのスーパーマンたなしんがコール&レスポンスをして客席を温めると、メンバーもステージに登場し、「inトーキョーシティ」の「ワンダフルワールド」からスタート。金廣(ボーカル&ギター)の高音ボーカルは爽やかに響き渡り、ドラムセットが客席の後方からでもよく見えるくらい高く設置されているペギが力強くかつ軽快にリズムを刻む「キャッチアンドリリース」で「イェイイェー」の合唱が響く。序盤から会場には楽しさが溢れていく。
「何とかなるでしょう」ではドラムのリズムに合わせてサビで観客を飛び跳ねさせ、「STOP THE TIME」では2ビートのパンクな疾走感を感じさせ、ダイバーも出現。早くもミラーボールが回り出す「ウォールペーパーミュージックじゃ踊りたくないぜ」と、新作の曲と過去の曲を交互に演奏しながら、曲のタイプの幅広さを見せていく。
たなしんがスーパーマンスーツを脱ぎ、おなじみの「ファイヤー!」のコールを決めると、ステージから炎が立ち上がり、社会性を感じさせる歌詞の「ミサイルをぶちかましてぇな」、歌詞には暗さや毒を含みつつも、軽快な4つ打ちのビートで観客が踊りまくる「アブラカタブラ」「マリオネット演者ノ詩」、サビで合いの手的な手拍子が起こるのが楽しくもやはり歌詞は考えさせられるアルバムのタイトル曲「inトーキョーシティ」と、このバンドのライブは実にテンポが良い。楽器を変える部分があまりないというのもあるが、キャラが強いメンバーがいるバンドだと、曲以外の部分の時間が長くてグダグダした空気になる時もあるが、たなしんという飛び道具的なキャラがいながらも、このバンドにはそういう時間は全くない。
するとここで、リーダー渡邉(ギター)による、長かったツアーを振り返るMC。
「今日、ツアーに出てくれた仲間や、今まで一緒に歩んできた仲間もたくさん見に来てくれています。30本以上を廻るツアー、仲間達がいたからここまで来れました!ありがとうございます!」
と、自分たちのワンマンにおいてまで仲間を思いやるのは、周りの仲間たちを集めてフェスを行っているこのバンドの優しさを象徴している。
その直後に演奏された、
「あなたへコールアップ 元気かい?
コンビニの前で飲み明かすような そんな甘酸っぱいことしようよ」
「夢語り 知らぬ間に朝迎えてしまおう」
という歌詞の「コールアップ」はその仲間に対する気持ちをそのまま曲にしたようなもの。
また、この曲では金廣がアコギに持ち替えるのだが、聴かせるようにアコギにするのではなく、むしろアコギのジャカジャカというカッティングが疾走感を与えているのは、「アコギに持ち替える=聴かせる」というわかりやすいパターンが多い近年のロックシーンの中では新鮮に感じる。
打ち込みも導入したパンクナンバー「バンバンガンガン」、観客がサビの歌詞に合わせて、掲げた指の本数を増やして行く「イチ、ニッ、サンでジャンプ」と、徐々にクライマックスに向かうと、
「このツアーでは毎回メンバーの誰かが先行時間の物販に立ってるんだけど、今日俺が立ったらほとんど気づかれなかった(笑)」
と金廣が笑わせたあとの「夕暮れ」が、個人的にはライブでイメージがガラッと変わった曲。もっとじっくりと染み渡らせるような曲だと思っていたが、まさに夕暮れを思わせるような照明の中、金廣のボーカルと、渡邉との2本のギターは曲の間にどんどんエモーショナルさを増していった。
すると曲終わりでメンバーの動きがピタッと止まったと思ったら、打ち込みの音が流れ、金廣が
「歌える!?」
と問いかけると大合唱になった「未来へのスパイラル」。リリース前に新曲としてライブで聴いた時はそこまで印象には残らなかったが、今やこの曲はこのバンドの中で最大のアンセムとなっている。
「ライブハウスに来てくれてありがとう!音楽を好きでいてくれてありがとう!僕たちに出会ってくれてありがとう!」
と渡邉の優しさが溢れ出るような言葉から、開演から1時間半ほどというあっという間の本編ラストは、メンバー自身も好きな「ドラゴンボール改」のタイアップとしてお茶の間に侵攻を果たした、「拝啓、ツラツストラ」で、再び大きな合唱が会場を包み、サビでは金テープが炸裂するという演出も見せた。
アンコールではまず金廣が1人で登場し、
「一昨日肉を焼いてたら火傷しちゃって。ネットで調べたら、ワセリンを塗ってラップでグルグル巻くって処置方法も出てきたんだけど、それだとライブできないから、キズパワーパッドをつけてきました(笑)」
というエピソードを語り、このツアーのアンコールでは毎回やっているという弾き語りでの「スクランブル交差点」。このスタイルで聴くと、4つ打ちバンドに括られることもあるこのバンドの持ち味は、やはり歌心なのだと実感させられる。
するとメンバーも合流し、
「あまりやらない曲を」
と言って、「あなたの傍に猛ダッシュで」、そしてラストは打ち込みの音が流れる中、金廣がハンドマイクで歌う「STAY WITH ME」。年末のイベントではやたらとでかいマイクで歌っていたが、この日は普通のマイクで、優しく包みこむように歌うと、ステージ両サイドからは無数のシャボン玉が放たれ、幻想的な雰囲気(たなしんの海パン姿にまるで似合わない演出なのも含め)の中で終了した。
その後、全員で写真撮影。その際にも、
「この会場では他のところみたいに出待ち対応ができないから、ここでみんなで撮りましょう」
と説明してくれるあたりが実にこのバンドらしいと思った。
「inトーキョーシティ」はグドモの出自であるパンク要素はかなり薄れた。それはバンドがより広い場所へ向かうための選択だが、ブレイク作の前作と同じくらい、今回のアルバムとツアーは後で振り返った時にバンドのターニングポイントになると思う。
しかしグッドモーニングアメリカほど、「実際にしゃべったことは全くないけどメンバーはめちゃくちゃ良い人達だろうな」とライブ見て思えるバンドはなかなかいない。すでに地元八王子でのホールワンマンも発表されているが、明日の発表は武道館ワンマンの発表だったりするのだろうか。
1.ワンダフルワールド
2.キャッチアンドリリース
3.何とかなるでしょう
4.STOP THE TIME
5.ウォールペーパーミュージックじゃ踊りたくないぜ
6.2014年6時25日我思ふ
7.ミサイルをぶちかましてぇな
8.アブラカタブラ
9.マリオネット演者ノ詩
10.inトーキョーシティ
11.世界終わらせないで
12.コールアップ
13.バンバンガンガン
14.イチ、ニッ、サンでジャンプ
15.夕暮れ
16.未来へのスパイラル
17.喝采
18.拝啓、ツラツストラ
encore
19.スクランブル交差点 (金廣弾き語り)
20.あなたの傍に猛ダッシュで
21.STAY WITH ME
inトーキョーシティ
http://youtu.be/U_CZxKGYuxo
Next→ 3/22 The SALOVERS @学芸大学メイプルハウス
昨年スタートしてから年末フェスなどを挟み、ファイナルはZepp Tokyo2days。この日はその初日。
昨年のシングルリリース時のツアーのDiverCityは即完であったが、この日はカメラスペースが客席内に多くとられているものの、前回ほど満員ではない。これは2daysによるからでもあるだろうが、フェスでの万単位の人を動員している状況的にはちょっと意外である。
18時を過ぎると、おなじみである、たなしん(ベース)の
「トーキョーシティを見てみたい」
という、何故か外人風の影アナが始まると、スーパーマンのスーツを見にまとったたなしんがステージに登場。
すると、ワイヤーで空に舞い、客席をトーキョーシティに見たて、まさに一望。今までもいろんなことをやってきたが、ついに空を飛ぶまでになるとは。
そのスーパーマンたなしんがコール&レスポンスをして客席を温めると、メンバーもステージに登場し、「inトーキョーシティ」の「ワンダフルワールド」からスタート。金廣(ボーカル&ギター)の高音ボーカルは爽やかに響き渡り、ドラムセットが客席の後方からでもよく見えるくらい高く設置されているペギが力強くかつ軽快にリズムを刻む「キャッチアンドリリース」で「イェイイェー」の合唱が響く。序盤から会場には楽しさが溢れていく。
「何とかなるでしょう」ではドラムのリズムに合わせてサビで観客を飛び跳ねさせ、「STOP THE TIME」では2ビートのパンクな疾走感を感じさせ、ダイバーも出現。早くもミラーボールが回り出す「ウォールペーパーミュージックじゃ踊りたくないぜ」と、新作の曲と過去の曲を交互に演奏しながら、曲のタイプの幅広さを見せていく。
たなしんがスーパーマンスーツを脱ぎ、おなじみの「ファイヤー!」のコールを決めると、ステージから炎が立ち上がり、社会性を感じさせる歌詞の「ミサイルをぶちかましてぇな」、歌詞には暗さや毒を含みつつも、軽快な4つ打ちのビートで観客が踊りまくる「アブラカタブラ」「マリオネット演者ノ詩」、サビで合いの手的な手拍子が起こるのが楽しくもやはり歌詞は考えさせられるアルバムのタイトル曲「inトーキョーシティ」と、このバンドのライブは実にテンポが良い。楽器を変える部分があまりないというのもあるが、キャラが強いメンバーがいるバンドだと、曲以外の部分の時間が長くてグダグダした空気になる時もあるが、たなしんという飛び道具的なキャラがいながらも、このバンドにはそういう時間は全くない。
するとここで、リーダー渡邉(ギター)による、長かったツアーを振り返るMC。
「今日、ツアーに出てくれた仲間や、今まで一緒に歩んできた仲間もたくさん見に来てくれています。30本以上を廻るツアー、仲間達がいたからここまで来れました!ありがとうございます!」
と、自分たちのワンマンにおいてまで仲間を思いやるのは、周りの仲間たちを集めてフェスを行っているこのバンドの優しさを象徴している。
その直後に演奏された、
「あなたへコールアップ 元気かい?
コンビニの前で飲み明かすような そんな甘酸っぱいことしようよ」
「夢語り 知らぬ間に朝迎えてしまおう」
という歌詞の「コールアップ」はその仲間に対する気持ちをそのまま曲にしたようなもの。
また、この曲では金廣がアコギに持ち替えるのだが、聴かせるようにアコギにするのではなく、むしろアコギのジャカジャカというカッティングが疾走感を与えているのは、「アコギに持ち替える=聴かせる」というわかりやすいパターンが多い近年のロックシーンの中では新鮮に感じる。
打ち込みも導入したパンクナンバー「バンバンガンガン」、観客がサビの歌詞に合わせて、掲げた指の本数を増やして行く「イチ、ニッ、サンでジャンプ」と、徐々にクライマックスに向かうと、
「このツアーでは毎回メンバーの誰かが先行時間の物販に立ってるんだけど、今日俺が立ったらほとんど気づかれなかった(笑)」
と金廣が笑わせたあとの「夕暮れ」が、個人的にはライブでイメージがガラッと変わった曲。もっとじっくりと染み渡らせるような曲だと思っていたが、まさに夕暮れを思わせるような照明の中、金廣のボーカルと、渡邉との2本のギターは曲の間にどんどんエモーショナルさを増していった。
すると曲終わりでメンバーの動きがピタッと止まったと思ったら、打ち込みの音が流れ、金廣が
「歌える!?」
と問いかけると大合唱になった「未来へのスパイラル」。リリース前に新曲としてライブで聴いた時はそこまで印象には残らなかったが、今やこの曲はこのバンドの中で最大のアンセムとなっている。
「ライブハウスに来てくれてありがとう!音楽を好きでいてくれてありがとう!僕たちに出会ってくれてありがとう!」
と渡邉の優しさが溢れ出るような言葉から、開演から1時間半ほどというあっという間の本編ラストは、メンバー自身も好きな「ドラゴンボール改」のタイアップとしてお茶の間に侵攻を果たした、「拝啓、ツラツストラ」で、再び大きな合唱が会場を包み、サビでは金テープが炸裂するという演出も見せた。
アンコールではまず金廣が1人で登場し、
「一昨日肉を焼いてたら火傷しちゃって。ネットで調べたら、ワセリンを塗ってラップでグルグル巻くって処置方法も出てきたんだけど、それだとライブできないから、キズパワーパッドをつけてきました(笑)」
というエピソードを語り、このツアーのアンコールでは毎回やっているという弾き語りでの「スクランブル交差点」。このスタイルで聴くと、4つ打ちバンドに括られることもあるこのバンドの持ち味は、やはり歌心なのだと実感させられる。
するとメンバーも合流し、
「あまりやらない曲を」
と言って、「あなたの傍に猛ダッシュで」、そしてラストは打ち込みの音が流れる中、金廣がハンドマイクで歌う「STAY WITH ME」。年末のイベントではやたらとでかいマイクで歌っていたが、この日は普通のマイクで、優しく包みこむように歌うと、ステージ両サイドからは無数のシャボン玉が放たれ、幻想的な雰囲気(たなしんの海パン姿にまるで似合わない演出なのも含め)の中で終了した。
その後、全員で写真撮影。その際にも、
「この会場では他のところみたいに出待ち対応ができないから、ここでみんなで撮りましょう」
と説明してくれるあたりが実にこのバンドらしいと思った。
「inトーキョーシティ」はグドモの出自であるパンク要素はかなり薄れた。それはバンドがより広い場所へ向かうための選択だが、ブレイク作の前作と同じくらい、今回のアルバムとツアーは後で振り返った時にバンドのターニングポイントになると思う。
しかしグッドモーニングアメリカほど、「実際にしゃべったことは全くないけどメンバーはめちゃくちゃ良い人達だろうな」とライブ見て思えるバンドはなかなかいない。すでに地元八王子でのホールワンマンも発表されているが、明日の発表は武道館ワンマンの発表だったりするのだろうか。
1.ワンダフルワールド
2.キャッチアンドリリース
3.何とかなるでしょう
4.STOP THE TIME
5.ウォールペーパーミュージックじゃ踊りたくないぜ
6.2014年6時25日我思ふ
7.ミサイルをぶちかましてぇな
8.アブラカタブラ
9.マリオネット演者ノ詩
10.inトーキョーシティ
11.世界終わらせないで
12.コールアップ
13.バンバンガンガン
14.イチ、ニッ、サンでジャンプ
15.夕暮れ
16.未来へのスパイラル
17.喝采
18.拝啓、ツラツストラ
encore
19.スクランブル交差点 (金廣弾き語り)
20.あなたの傍に猛ダッシュで
21.STAY WITH ME
inトーキョーシティ
http://youtu.be/U_CZxKGYuxo
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