COUNTDOWN JAPAN 14/15 day2 @幕張メッセ 12/29
- 2014/12/31
- 11:11
2日目。外は雨が降っているが、このフェスの期間中に雨が降るのは実に珍しい気がする。
12:40~ 石毛輝 [ASTRO ARENA]
この日のトップは、前日はthe telephonesでトリを務めた石毛輝のDJ。前の出番である西村道男からバトンを引き継ぐと、普段のライブとは違い、パーカーを着て、フードを被っている。
「CDJではいつもこの曲から始めるから!」
と、天空の城ラピュタの「君をのせて」からスタート。映像が豪華なステージだけに、割と狙った選曲だが、壮大さを感じてしまう。
そんなゆったりモードも、前日は演奏されなかったthe telephones「A.B.C.DISCO」で一気にバカみたいに踊らせておいて、自身がドラマに提供した未発表曲からはじっくりと深く踊らせるダンスミュージックなモードに。
再びスイッチが切り替わったのは、
「この夏の曲!」
と言ってかけたandymori「クラブナイト」、
「僕の師匠がやってたバンドの曲」
というスーパーカー「White Surf Style.5」というロックな流れ。そして、
「もうここはDJブースっていう名前ではなくなってしまったけれど、色んな音楽を掘りたいっていう人は是非クラブに足を運んでみてください。
俺たちは来年で10周年なんだけど、来年で無期限活動休止します。5/21に武道館でワンマンやるんで、みんな来てくれ!
じゃあ最後に愛とディスコをここにいるみんなに贈るぜ!」
と前日のライブに続いてのラストの「Love&DISCO」ではノブ、涼平
誠治も登場し、全員で踊りまくり。こんなに仲がいい(石毛のソロのライブにも毎回みんな来ている)バンドが活動休止するということは、ロックバンドを続けるのがどれだけ難しいかという証明でもある。
13:30~ the chef cooks me [COSMO STAGE]
ゴッチのプロデュースによりバンドが再び歩みを始めてからはフェス常連になりつつあるthe chef cooks me。
コーラス、パーカッションを加えた7人編成で登場し、今年7インチ盤をリリースした「ハローアンセム」からスタート。
「今年もロッキンにも呼んでもらえて。でももうないだろうと思ってたんで、今回も呼んでもらえて嬉しいです」
とシモリョーが語り、前半は代表曲を続ける。
後半は
「速くないし、踊れないかもしれないけど…僕らはJ-POPだと思ってやってます」
という新曲は本当に良いメロディの良い曲。現在のシーンの流れからは逆行しているかもしれないが、このバンドはJ-POPの新たな可能性を追求している。
もう1曲の新曲は最近よくやっている曲。先ほどの曲はシングルになるらしいが、これも同じシングルに入るんだろうか。
そしてラストは
「俺が1番音楽好きだよ!」
とシモリョーが叫んだ、音楽へのラブソング「song of sick」。高速手拍子とコーラスの合宿も起こり、最初は微妙だった客入りも、最後にはかなり増えていた。
今のところはまだ「ゴッチがプロデュースしてるバンド」くらいのイメージだと思うが、なんとかもっと広がってほしいバンドである。
1.ハローアンセム
2.適当な闇
3.Pascal & Electus
4.キャンバスに幻を (新曲)
5.PAINT IT BLUE (新曲)
6.song of sick
14:15~ KANA-BOON [EARTH STAGE]
昨年は初出演でGALAXY STAGEを入場規制にしたKANA-BOON、EARTH STAGEでも文句無しの超満員ぶり。
いきなりの「フルドライブ」はタイトル通りに初っ端から全開で行く証拠。ひたすらに楽しく、ひたすらに踊らせる中、「結晶星」はちょっと聴かせる流れ。
EARTH STAGEに立てた喜びを谷口が語ると、フェスではおなじみの飯田による、フェスの頭文字大喜利。
「C:コマネチ
D:だっふんだ
J:女子十二楽坊」
は、ラブシャの「S:すごい、L:リッチな、S:しじみ」よりは受けていた。よく女子十二楽坊が出てきたな、って感じだけど。
「ないものねだり」での恒例の無理矢理なフェスタイトルコール&レスポンスもあり、来月には待望の2ndアルバムがリリースされるが、そのアルバムに収録される新曲「スノーグローブ」も演奏。テンポが速いのはこれまでのKANA-BOONと変わらないが、決して楽しい曲ではなく、むしろ切なさを感じさせる曲。アルバムの全貌はわからないが、この曲や「生きていく」が入るということを考えると、楽しく踊れる一辺倒なものにはならないような気がする。
ラストは今年屈指の名曲「シルエット」。歌詞にNARUTOを連想させる単語が入っているのは、実際にNARUTOをずっと読んできた彼らならでは。
しかし、まだフルアルバム1枚でこの状況ということは、これから先どこまで行くんだろうか。決して流行りでは終わりそうにない。
1.フルドライブ
2.1.2. step to you
3.ウォーリーヒーロー
4.結晶星
5.ワカラズヤ
6.ないものねだり
7.スノーグローブ
8.盛者必衰の理、お断り
9.シルエット
15:10~ Gotch [GALAXY STAGE]
アジカンとしてはほぼ毎年のようにこのフェスに出演してきたゴッチ、今年はソロでの出演。
ソロツアー時のメンバー全員でお揃いのシャツを着て登場し、ゴッチはニット帽を被っている。
セトリはソロツアーの凝縮版、というような内容だが、
「今日はリライトとかやんないけど(笑)」
「これだけ人いるけど、俺のソロアルバムこんなに売れてない(笑)」
とMCはかなり自虐気味。
「Can't Be Forever Young」ではシモリョー(キーボード)とYeYe(コーラスなど)が息のあったフォーメーションでタンバリンを叩くなど、メンバー全員が見ていてとても楽しそう。
「Aspirin」ではゴッチのファルセットボーカルも存分に堪能できる。
「新しい曲」
と紹介された「Baby Don't Cry」は、アルバムには入っていないものの、かなり前から演奏している曲なだけに、そろそろ音源化にも期待したいところだが、ライブ盤に収録されたので、スタジオ録音のは出ないのだろうか。
そしてラストの「A Girl In Love」ではアウトロでメンバーの激しい轟音セッションが展開。終わるとステージ前で全員で観客に頭を下げるも、時間が押していたのか、袖のスタッフが巻いて巻いて!みたいな動きをしていたのが面白かった。メンバーは全然気づいてなかった様子だが。
1.Humanoid Girl
2.Lost
3.The Long Goodbye
4.Can't Be Forever Young
5.Aspirin
6.Baby,Don't Cry
7.Wonderland
8.A Girl In Love
16:00~ SUPER BEAVER [MOON STAGE]
初出演となるSUPER BEAVER。しかし、メンバー4人が登場すると、ボーカル渋谷の、
「ロック、パンク、ヒップホップ、ジャズ、クラシック…それら全てを無意味とした上で、レペゼンジャパニーズミュージック、SUPER BEAVER始めます」
という前口上で完全に全てを掴んでしまった。
そこからは渋谷の一言一言、体調を崩して休養していたが復活した柳沢(ギター)をはじめとするメンバーの一挙手一投足全てがエモーションの塊。
このバンドの歌詞は、青臭かったり、文字にしたら薄っぺらく感じてしまうものも多い。しかし、これだけ魂を込めて歌われたら、間違いなく体と頭の中に入り込んでくる。
絶対に時間押すな、と言われたことにより、渋谷はかなり時計を気にしていたが、
「ロッキンオン、呼んでくれてありがとう。このロッキンオンってのは、でかいくくりに対して言ってるんじゃないです。ロッキンオンの中にいる人、1人1人に対してありがとうって言ってるんです。
だから、あんたらにありがとうって言ってるんじゃない。あんたに、あんたに、あんたにありがとうって言ってるんです」
と、どこまでも熱いライブの最後はやはり「ありがとう」。そこまで観客が多かったわけではないが、見た人には確実に鮮烈な印象を残したはず。
曲数が少なかっただけに、今度はワンマンも行ってみたい。
1.それでも世界が目を覚ますのなら
2.らしさ
3.歓びの明日へ
4.ありがとう
16:45~ [Alexandros] [EARTH STAGE]
先日見たばかりだというのに、川上洋平の髪が短くなった印象のある[Alexandros]。
いきなりのキラーチューンでスタートすると、アッパーな曲を連発し、バンドの演奏も川上のボーカルもどんどんテンションが上がっていく。
フェスに出ていてもやっぱりライブハウスのほうが似合うバンドが多い中、このバンドは間違いなくライブハウスよりも広い会場、アリーナやスタジアムのほうが圧倒的に似合う。
川上も
「こんなたくさんの人を生まれて初めて見ました!」
と、人の多さにでさらにテンションが上がり、
「今日はフェスだけど、いつか自分たちだけで、幕張メッセでやりたいと思います!」
と高らかに宣言。
先日の自分たちの主催フェスでやった壮大な新曲もこの規模の人数を掴んでいたし、ここでワンマンやるのは時間の問題な気がする。
ただ、この日はちょっと巻き気味で終わってしまったのは、テンション上がりすぎてテンポが速くなったから、というのもあるんだろうか。
1.Starrrr
2.Waitress,Waitress!
3.city
4.ワタリドリ (新曲)
5.Run Away
6.Adventure
7.Kick & Spin
17:30~ GRAPEVINE [COSMO STAGE]
かつては常連中の常連だったものの、実に久しぶりの出演となるGRAPEVINE。
5人が登場すると、まずは西川(ギター)と金戸(ベース)の立ち位置が入れ替わっているのに驚く。今年ワンマン見た時までは今まで通りだったのだが。
いきなり「Reverb」で始まり、「FLY」、さらには「Our Song」と、まさかのシングル曲連発というセトリ。昔常連だった頃は最新シングルと、あと1曲シングル曲やるくらい、という感じだったのに、どうしたのだろうか。というか昔からフェスではこういうセトリでやっていればよかったのに、という気もしなくはない。
しかしながらやはり演奏も田中のボーカルも安定感抜群。これまで数えきれないくらいにライブを見ているバンドだが、ライブの出来に関しては一度もネガティブなイメージを持ったことがないというのはすごい。
今年の大きなトピックとして、レーベルを移籍したことを話し、これで仕事納めということを、
「もう今年お前らの顔を見ることは2度とない」
と表現するあたりはさすがのあまのじゃくっぷりである。
最新シングル収録曲を2曲披露したあとは、イントロで歓声が起こった「光について」。結局、カップリングの「KOL」以外はすべてシングルのタイトル曲というセトリだった。
かつてはメインステージに出ていたのが、1番小さいステージになり(埋まってはいたが満員というほどでもない)、シーンもバンドの立ち位置もかなり変わったが、バンドの心境も年数を経て確実に変わってきている。
また昔みたいに毎年出てくれないだろうか。
1.Reverb
2.FLY
3.Our Song
4.KOL (キックアウト ラヴァー)
5.Empty Song
6.光について
18:00~ クリープハイプ [EARTH STAGE]
2年連続のEARTH STAGEで今年も客席を埋め尽くしたクリープハイプ。
「社会の窓」から始まると、「ウワノソラ」とライブでのキラーチューンが続く。
「どうせクイックレポートに、クリープハイプ激動の一年を締めくくるライブ、みたいなこと書かれるんだよ!
今日はクイックレポートの先へ行きましょう」
と、ロッキンオンに先制パンチを食らわせ、「オレンジ」へ。
「今年はひたちなかに行けなかったんで、この曲はひたちなかにいるつもりで聴いてください」
と、今年はホールツアーを廻るために夏フェスに出なかったことをちょっと引きずっているかのような曲紹介のあとの「ラブホテル」では最後のサビ前のブレイク部分で、
「くるぶしまでの靴下がめくれ上がっていますが、このままやります(笑)
こうなったのは、夏のせいじゃなくて、靴のせいだ(笑)」
と言って
「夏のせい 夏のせい」
とラストのサビに突入。この流れは急に思いついたにしては出来すぎ感があるが、考えていたのだろうか。
ベースのカオナシボーカルの「かえるの唄」、タイトルからして素晴らしい最新アルバム収録の「社会の窓と同じ構成」と幅広い曲を演奏し、ラストは数万人の
「セックスしよう!」
コールが響き渡った「HE IS MINE」で終了。このバンドももはやこのフェスにおいてはメインステージですら収まり切らなくなってきている気がする。
来年のツアーも実に楽しみなところ。
1.社会の窓
2.ウワノソラ
3.オレンジ
4.エロ
5.憂、燦々
6.ラブホテル
7.かえるの唄
8.百八円の恋
9.社会の窓と同じ構成
10.HE IS MINE
クリープハイプ後、ダッシュでCOSMO STAGEのフレデリックのライブへ。
着いて驚いたのはまさかの満員。知名度的にはまだまだだし、この時間はTOTALFATもやっていて、メインではもうすぐホルモンが始まる時間である。にもかかわらずこの状況。ましてや「プロレスごっこのフラフープ」とか、意味不明な曲ばかりのバンドである。
しかしながら、そんな状況にもかかわらずこの満員という結果を生んだのは、間違いなくラストに演奏された、中毒性抜群のダンスナンバー「オドループ」によるもの。
「踊ってない夜を知らない 踊ってない夜が気に入らない」
という歌詞そのままに満員の観客は踊りまくっていた。
リリース前にこの曲を聴いた、ラブシャの時はこんな状況になっていなかった。あれからわずか3ヶ月で、このバンドは本当に大きく化けた。来年、とんでもないことになるかもしれない。
19:30~ サンフジンズ [GALAXY STAGE]
奥田民生、岸田繁、伊藤大地によるバンド、サンフジンズが初出演。まだ譜面しかリリースされていないという、一応新人バンドである。
しかしながら、バンドの存在自体が知られていないのか、やはり同じ時間にライブをしていたホルモンに集中しているのか、メンバーの知名度を考えると、かなり客席はガラガラと言える。
序盤は奥田民生がギター、岸田がベースという編成で、シンプルかつシュールなロックを展開。
奥田民生「サンフジンズって、去年も出たっけ?」
岸田「いや、去年は出てないんじゃないですかね?」
奥田民生「とりあえず疲れたから、ゆっくりな曲やろうよ」
と中盤はぐっとテンポを落とした、このメンバーならではの渋みを感じさせる曲が中心。
「民生ー!」「岸田ー!」
と客席から名前を呼ぶ声が上がっても、
奥田民生「カイ・ギョーイです」
岸田「ジューイ・ラモーンです」
とバンドの設定を守り抜く。
「ちゅーきんきんぐ」では岸田が曲間にアドリブっぽいフレーズを入れまくって奥田民生と伊藤が笑ってしまうという自由さもあり、ラストの「サンフジンズのテーマ」は1回聴いたら忘れられないくらいに耳に残る。(去年ライジングサンで聴いたが、まだ覚えていた)
ライブこそちょこちょこやっているが、来年はようやくなんらかの動きもあるらしい。(アルバムか?)
以前はソロと、ユニコーンなど他の活動で2ステージ出演するのが当たり前だった奥田民生も今回はこれだけ。来年は果たして。
1.富士夫人
2.サンフジンズのテーマ2
3.右から左
4.じょじょ
5.ふりまいて
6.ちゅーきんきんぐ
7.サンフジンズのテーマ
20:35~ ACIDMAN [GALAXY STAGE]
この日のGALAXYのトリはACIDMAN。去年まではずっとメインだったが、今年はこのステージのトリに。
いつものSEで登場すると、いきなり気合入りまくりといった感じの大木の挨拶から、佐藤のベースのイントロが鳴り「造花が笑う」からスタート。佐藤は早くもキャップが吹っ飛ぶ。
前半は代表曲連発。アルバムが出たばかりだが、そっちに寄りすぎないあたりはさすが。
「このフェスが2003/2004に始まって、ずっと出させてもらってるんだけど、このフェスが始まってからミュージシャン唯一の休みである年末までも仕事をするようになってしまって(笑)
でも今はもうこれがないと1年が終わった気がしないんだよ!」
と大木がこのフェスへの思いを語り、最新アルバムから「EDEN」を披露。サビで突き抜けるように加速する展開は、このバンドの歌詞の壮大さに実によく合っている。
「Stay in my hand」「ある証明」と大木のボーカルもバンドの演奏もどんどんエモさを増していき、
「自分自身が変われば世界が変わる」
という、これまでにもずっとバンドが伝え続けてきたMCから、ラストは壮大なバラード「世界が終わる夜」をGALAXYに染み渡らせて終了。
アンコールで再びメンバーが登場すると、
「さっきしゃべりすぎたから、スパッとやって帰ります。あなたの、あなたの、あなたの歌です!」
と「Your Song」を一年の締めくくりとばかりに演奏して終了。
確かに出るステージは小さくなったけど、こうしてアンコールで「Your Song」が聴けたのはトリになったからこそ。でもこの感じだとロッキンもメンツ次第ではLAKEになるんだろうな。
1.造花が笑う
2.アイソトープ
3.FREE STAR
4.赤燈
5.EDEN
6.Stay in my hand
7.ある証明
8.世界が終わる夜
encore
9.Your Song
この日、良かったのはSUPER BEAVER。本当にワンマン見たくなった。(4曲しかやってないからかもしれないけど)
衝撃だったのはフレデリック。まさかあんな状況になるとは思ってなかったから。
Next→ 12/30 COUNTDOWN JAPAN 14/15 @幕張メッセ
12:40~ 石毛輝 [ASTRO ARENA]
この日のトップは、前日はthe telephonesでトリを務めた石毛輝のDJ。前の出番である西村道男からバトンを引き継ぐと、普段のライブとは違い、パーカーを着て、フードを被っている。
「CDJではいつもこの曲から始めるから!」
と、天空の城ラピュタの「君をのせて」からスタート。映像が豪華なステージだけに、割と狙った選曲だが、壮大さを感じてしまう。
そんなゆったりモードも、前日は演奏されなかったthe telephones「A.B.C.DISCO」で一気にバカみたいに踊らせておいて、自身がドラマに提供した未発表曲からはじっくりと深く踊らせるダンスミュージックなモードに。
再びスイッチが切り替わったのは、
「この夏の曲!」
と言ってかけたandymori「クラブナイト」、
「僕の師匠がやってたバンドの曲」
というスーパーカー「White Surf Style.5」というロックな流れ。そして、
「もうここはDJブースっていう名前ではなくなってしまったけれど、色んな音楽を掘りたいっていう人は是非クラブに足を運んでみてください。
俺たちは来年で10周年なんだけど、来年で無期限活動休止します。5/21に武道館でワンマンやるんで、みんな来てくれ!
じゃあ最後に愛とディスコをここにいるみんなに贈るぜ!」
と前日のライブに続いてのラストの「Love&DISCO」ではノブ、涼平
誠治も登場し、全員で踊りまくり。こんなに仲がいい(石毛のソロのライブにも毎回みんな来ている)バンドが活動休止するということは、ロックバンドを続けるのがどれだけ難しいかという証明でもある。
13:30~ the chef cooks me [COSMO STAGE]
ゴッチのプロデュースによりバンドが再び歩みを始めてからはフェス常連になりつつあるthe chef cooks me。
コーラス、パーカッションを加えた7人編成で登場し、今年7インチ盤をリリースした「ハローアンセム」からスタート。
「今年もロッキンにも呼んでもらえて。でももうないだろうと思ってたんで、今回も呼んでもらえて嬉しいです」
とシモリョーが語り、前半は代表曲を続ける。
後半は
「速くないし、踊れないかもしれないけど…僕らはJ-POPだと思ってやってます」
という新曲は本当に良いメロディの良い曲。現在のシーンの流れからは逆行しているかもしれないが、このバンドはJ-POPの新たな可能性を追求している。
もう1曲の新曲は最近よくやっている曲。先ほどの曲はシングルになるらしいが、これも同じシングルに入るんだろうか。
そしてラストは
「俺が1番音楽好きだよ!」
とシモリョーが叫んだ、音楽へのラブソング「song of sick」。高速手拍子とコーラスの合宿も起こり、最初は微妙だった客入りも、最後にはかなり増えていた。
今のところはまだ「ゴッチがプロデュースしてるバンド」くらいのイメージだと思うが、なんとかもっと広がってほしいバンドである。
1.ハローアンセム
2.適当な闇
3.Pascal & Electus
4.キャンバスに幻を (新曲)
5.PAINT IT BLUE (新曲)
6.song of sick
14:15~ KANA-BOON [EARTH STAGE]
昨年は初出演でGALAXY STAGEを入場規制にしたKANA-BOON、EARTH STAGEでも文句無しの超満員ぶり。
いきなりの「フルドライブ」はタイトル通りに初っ端から全開で行く証拠。ひたすらに楽しく、ひたすらに踊らせる中、「結晶星」はちょっと聴かせる流れ。
EARTH STAGEに立てた喜びを谷口が語ると、フェスではおなじみの飯田による、フェスの頭文字大喜利。
「C:コマネチ
D:だっふんだ
J:女子十二楽坊」
は、ラブシャの「S:すごい、L:リッチな、S:しじみ」よりは受けていた。よく女子十二楽坊が出てきたな、って感じだけど。
「ないものねだり」での恒例の無理矢理なフェスタイトルコール&レスポンスもあり、来月には待望の2ndアルバムがリリースされるが、そのアルバムに収録される新曲「スノーグローブ」も演奏。テンポが速いのはこれまでのKANA-BOONと変わらないが、決して楽しい曲ではなく、むしろ切なさを感じさせる曲。アルバムの全貌はわからないが、この曲や「生きていく」が入るということを考えると、楽しく踊れる一辺倒なものにはならないような気がする。
ラストは今年屈指の名曲「シルエット」。歌詞にNARUTOを連想させる単語が入っているのは、実際にNARUTOをずっと読んできた彼らならでは。
しかし、まだフルアルバム1枚でこの状況ということは、これから先どこまで行くんだろうか。決して流行りでは終わりそうにない。
1.フルドライブ
2.1.2. step to you
3.ウォーリーヒーロー
4.結晶星
5.ワカラズヤ
6.ないものねだり
7.スノーグローブ
8.盛者必衰の理、お断り
9.シルエット
15:10~ Gotch [GALAXY STAGE]
アジカンとしてはほぼ毎年のようにこのフェスに出演してきたゴッチ、今年はソロでの出演。
ソロツアー時のメンバー全員でお揃いのシャツを着て登場し、ゴッチはニット帽を被っている。
セトリはソロツアーの凝縮版、というような内容だが、
「今日はリライトとかやんないけど(笑)」
「これだけ人いるけど、俺のソロアルバムこんなに売れてない(笑)」
とMCはかなり自虐気味。
「Can't Be Forever Young」ではシモリョー(キーボード)とYeYe(コーラスなど)が息のあったフォーメーションでタンバリンを叩くなど、メンバー全員が見ていてとても楽しそう。
「Aspirin」ではゴッチのファルセットボーカルも存分に堪能できる。
「新しい曲」
と紹介された「Baby Don't Cry」は、アルバムには入っていないものの、かなり前から演奏している曲なだけに、そろそろ音源化にも期待したいところだが、ライブ盤に収録されたので、スタジオ録音のは出ないのだろうか。
そしてラストの「A Girl In Love」ではアウトロでメンバーの激しい轟音セッションが展開。終わるとステージ前で全員で観客に頭を下げるも、時間が押していたのか、袖のスタッフが巻いて巻いて!みたいな動きをしていたのが面白かった。メンバーは全然気づいてなかった様子だが。
1.Humanoid Girl
2.Lost
3.The Long Goodbye
4.Can't Be Forever Young
5.Aspirin
6.Baby,Don't Cry
7.Wonderland
8.A Girl In Love
16:00~ SUPER BEAVER [MOON STAGE]
初出演となるSUPER BEAVER。しかし、メンバー4人が登場すると、ボーカル渋谷の、
「ロック、パンク、ヒップホップ、ジャズ、クラシック…それら全てを無意味とした上で、レペゼンジャパニーズミュージック、SUPER BEAVER始めます」
という前口上で完全に全てを掴んでしまった。
そこからは渋谷の一言一言、体調を崩して休養していたが復活した柳沢(ギター)をはじめとするメンバーの一挙手一投足全てがエモーションの塊。
このバンドの歌詞は、青臭かったり、文字にしたら薄っぺらく感じてしまうものも多い。しかし、これだけ魂を込めて歌われたら、間違いなく体と頭の中に入り込んでくる。
絶対に時間押すな、と言われたことにより、渋谷はかなり時計を気にしていたが、
「ロッキンオン、呼んでくれてありがとう。このロッキンオンってのは、でかいくくりに対して言ってるんじゃないです。ロッキンオンの中にいる人、1人1人に対してありがとうって言ってるんです。
だから、あんたらにありがとうって言ってるんじゃない。あんたに、あんたに、あんたにありがとうって言ってるんです」
と、どこまでも熱いライブの最後はやはり「ありがとう」。そこまで観客が多かったわけではないが、見た人には確実に鮮烈な印象を残したはず。
曲数が少なかっただけに、今度はワンマンも行ってみたい。
1.それでも世界が目を覚ますのなら
2.らしさ
3.歓びの明日へ
4.ありがとう
16:45~ [Alexandros] [EARTH STAGE]
先日見たばかりだというのに、川上洋平の髪が短くなった印象のある[Alexandros]。
いきなりのキラーチューンでスタートすると、アッパーな曲を連発し、バンドの演奏も川上のボーカルもどんどんテンションが上がっていく。
フェスに出ていてもやっぱりライブハウスのほうが似合うバンドが多い中、このバンドは間違いなくライブハウスよりも広い会場、アリーナやスタジアムのほうが圧倒的に似合う。
川上も
「こんなたくさんの人を生まれて初めて見ました!」
と、人の多さにでさらにテンションが上がり、
「今日はフェスだけど、いつか自分たちだけで、幕張メッセでやりたいと思います!」
と高らかに宣言。
先日の自分たちの主催フェスでやった壮大な新曲もこの規模の人数を掴んでいたし、ここでワンマンやるのは時間の問題な気がする。
ただ、この日はちょっと巻き気味で終わってしまったのは、テンション上がりすぎてテンポが速くなったから、というのもあるんだろうか。
1.Starrrr
2.Waitress,Waitress!
3.city
4.ワタリドリ (新曲)
5.Run Away
6.Adventure
7.Kick & Spin
17:30~ GRAPEVINE [COSMO STAGE]
かつては常連中の常連だったものの、実に久しぶりの出演となるGRAPEVINE。
5人が登場すると、まずは西川(ギター)と金戸(ベース)の立ち位置が入れ替わっているのに驚く。今年ワンマン見た時までは今まで通りだったのだが。
いきなり「Reverb」で始まり、「FLY」、さらには「Our Song」と、まさかのシングル曲連発というセトリ。昔常連だった頃は最新シングルと、あと1曲シングル曲やるくらい、という感じだったのに、どうしたのだろうか。というか昔からフェスではこういうセトリでやっていればよかったのに、という気もしなくはない。
しかしながらやはり演奏も田中のボーカルも安定感抜群。これまで数えきれないくらいにライブを見ているバンドだが、ライブの出来に関しては一度もネガティブなイメージを持ったことがないというのはすごい。
今年の大きなトピックとして、レーベルを移籍したことを話し、これで仕事納めということを、
「もう今年お前らの顔を見ることは2度とない」
と表現するあたりはさすがのあまのじゃくっぷりである。
最新シングル収録曲を2曲披露したあとは、イントロで歓声が起こった「光について」。結局、カップリングの「KOL」以外はすべてシングルのタイトル曲というセトリだった。
かつてはメインステージに出ていたのが、1番小さいステージになり(埋まってはいたが満員というほどでもない)、シーンもバンドの立ち位置もかなり変わったが、バンドの心境も年数を経て確実に変わってきている。
また昔みたいに毎年出てくれないだろうか。
1.Reverb
2.FLY
3.Our Song
4.KOL (キックアウト ラヴァー)
5.Empty Song
6.光について
18:00~ クリープハイプ [EARTH STAGE]
2年連続のEARTH STAGEで今年も客席を埋め尽くしたクリープハイプ。
「社会の窓」から始まると、「ウワノソラ」とライブでのキラーチューンが続く。
「どうせクイックレポートに、クリープハイプ激動の一年を締めくくるライブ、みたいなこと書かれるんだよ!
今日はクイックレポートの先へ行きましょう」
と、ロッキンオンに先制パンチを食らわせ、「オレンジ」へ。
「今年はひたちなかに行けなかったんで、この曲はひたちなかにいるつもりで聴いてください」
と、今年はホールツアーを廻るために夏フェスに出なかったことをちょっと引きずっているかのような曲紹介のあとの「ラブホテル」では最後のサビ前のブレイク部分で、
「くるぶしまでの靴下がめくれ上がっていますが、このままやります(笑)
こうなったのは、夏のせいじゃなくて、靴のせいだ(笑)」
と言って
「夏のせい 夏のせい」
とラストのサビに突入。この流れは急に思いついたにしては出来すぎ感があるが、考えていたのだろうか。
ベースのカオナシボーカルの「かえるの唄」、タイトルからして素晴らしい最新アルバム収録の「社会の窓と同じ構成」と幅広い曲を演奏し、ラストは数万人の
「セックスしよう!」
コールが響き渡った「HE IS MINE」で終了。このバンドももはやこのフェスにおいてはメインステージですら収まり切らなくなってきている気がする。
来年のツアーも実に楽しみなところ。
1.社会の窓
2.ウワノソラ
3.オレンジ
4.エロ
5.憂、燦々
6.ラブホテル
7.かえるの唄
8.百八円の恋
9.社会の窓と同じ構成
10.HE IS MINE
クリープハイプ後、ダッシュでCOSMO STAGEのフレデリックのライブへ。
着いて驚いたのはまさかの満員。知名度的にはまだまだだし、この時間はTOTALFATもやっていて、メインではもうすぐホルモンが始まる時間である。にもかかわらずこの状況。ましてや「プロレスごっこのフラフープ」とか、意味不明な曲ばかりのバンドである。
しかしながら、そんな状況にもかかわらずこの満員という結果を生んだのは、間違いなくラストに演奏された、中毒性抜群のダンスナンバー「オドループ」によるもの。
「踊ってない夜を知らない 踊ってない夜が気に入らない」
という歌詞そのままに満員の観客は踊りまくっていた。
リリース前にこの曲を聴いた、ラブシャの時はこんな状況になっていなかった。あれからわずか3ヶ月で、このバンドは本当に大きく化けた。来年、とんでもないことになるかもしれない。
19:30~ サンフジンズ [GALAXY STAGE]
奥田民生、岸田繁、伊藤大地によるバンド、サンフジンズが初出演。まだ譜面しかリリースされていないという、一応新人バンドである。
しかしながら、バンドの存在自体が知られていないのか、やはり同じ時間にライブをしていたホルモンに集中しているのか、メンバーの知名度を考えると、かなり客席はガラガラと言える。
序盤は奥田民生がギター、岸田がベースという編成で、シンプルかつシュールなロックを展開。
奥田民生「サンフジンズって、去年も出たっけ?」
岸田「いや、去年は出てないんじゃないですかね?」
奥田民生「とりあえず疲れたから、ゆっくりな曲やろうよ」
と中盤はぐっとテンポを落とした、このメンバーならではの渋みを感じさせる曲が中心。
「民生ー!」「岸田ー!」
と客席から名前を呼ぶ声が上がっても、
奥田民生「カイ・ギョーイです」
岸田「ジューイ・ラモーンです」
とバンドの設定を守り抜く。
「ちゅーきんきんぐ」では岸田が曲間にアドリブっぽいフレーズを入れまくって奥田民生と伊藤が笑ってしまうという自由さもあり、ラストの「サンフジンズのテーマ」は1回聴いたら忘れられないくらいに耳に残る。(去年ライジングサンで聴いたが、まだ覚えていた)
ライブこそちょこちょこやっているが、来年はようやくなんらかの動きもあるらしい。(アルバムか?)
以前はソロと、ユニコーンなど他の活動で2ステージ出演するのが当たり前だった奥田民生も今回はこれだけ。来年は果たして。
1.富士夫人
2.サンフジンズのテーマ2
3.右から左
4.じょじょ
5.ふりまいて
6.ちゅーきんきんぐ
7.サンフジンズのテーマ
20:35~ ACIDMAN [GALAXY STAGE]
この日のGALAXYのトリはACIDMAN。去年まではずっとメインだったが、今年はこのステージのトリに。
いつものSEで登場すると、いきなり気合入りまくりといった感じの大木の挨拶から、佐藤のベースのイントロが鳴り「造花が笑う」からスタート。佐藤は早くもキャップが吹っ飛ぶ。
前半は代表曲連発。アルバムが出たばかりだが、そっちに寄りすぎないあたりはさすが。
「このフェスが2003/2004に始まって、ずっと出させてもらってるんだけど、このフェスが始まってからミュージシャン唯一の休みである年末までも仕事をするようになってしまって(笑)
でも今はもうこれがないと1年が終わった気がしないんだよ!」
と大木がこのフェスへの思いを語り、最新アルバムから「EDEN」を披露。サビで突き抜けるように加速する展開は、このバンドの歌詞の壮大さに実によく合っている。
「Stay in my hand」「ある証明」と大木のボーカルもバンドの演奏もどんどんエモさを増していき、
「自分自身が変われば世界が変わる」
という、これまでにもずっとバンドが伝え続けてきたMCから、ラストは壮大なバラード「世界が終わる夜」をGALAXYに染み渡らせて終了。
アンコールで再びメンバーが登場すると、
「さっきしゃべりすぎたから、スパッとやって帰ります。あなたの、あなたの、あなたの歌です!」
と「Your Song」を一年の締めくくりとばかりに演奏して終了。
確かに出るステージは小さくなったけど、こうしてアンコールで「Your Song」が聴けたのはトリになったからこそ。でもこの感じだとロッキンもメンツ次第ではLAKEになるんだろうな。
1.造花が笑う
2.アイソトープ
3.FREE STAR
4.赤燈
5.EDEN
6.Stay in my hand
7.ある証明
8.世界が終わる夜
encore
9.Your Song
この日、良かったのはSUPER BEAVER。本当にワンマン見たくなった。(4曲しかやってないからかもしれないけど)
衝撃だったのはフレデリック。まさかあんな状況になるとは思ってなかったから。
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