COUNTDOWN JAPAN 14/15 day1 @幕張メッセ 12/28
- 2014/12/30
- 10:26
ついに今年もこのフェスを残すのみに。
年末の4日間に開催されるCOUNTDOWN JAPAN。今年から規模が拡大され、これまでの1~8ホールに加え、9~11ホールも使用することになり、各ステージのキャパも広くなった。
ステージ構成は
EARTH STAGE
GALAXY STAGE
COSMO STAGE
MOON STAGE
ASTRO AREANA
の5つというのは去年と変わらず。
開演前に会場をいろいろ歩いてみると、確かに去年までよりも圧倒的にステージも会場そのものもスケールアップしており、今まで9年見てきた景色とは明らかに違う。
そんな中、メインステージのEARTH STAGEで、ロッキンオン社長渋谷陽一の前説。今年はいきなり出てきて諸注意などをしたあと、一回引っ込んでから、今年フェスがコラボしているスターウォーズのBGMが流れる中、ダースベイダーたちと一緒に出てくるという演出。
そのあとに最初の出演者の前説。それは、かつてこの会場でその出演者を見てきた者にとっては、エモーショナルにならざるを得ない内容であった。
13:00~ フジファブリック [EARTH STAGE]
その最初の出演者は、フジファブリック。かつて09/10の開催直前にボーカルの志村正彦が急逝。その時は映像での出演だったが、メンバーは袖におり、渋谷陽一に、
「これからも僕らは頑張りますよ」
と宣言していたらしい。それ以来のメインステージでのトップバッターとしての出演である。
メンバー3人と、サポートとしてドラマーBOBO、ギター名越由貴夫を加えた5人で登場し、いきなりの「夜明けのBEAT」で踊らせると、山内がボーカルになってからの曲を続け、MCでは山内がダースベイダーのモノマネをしてスベるも、こうしてこのステージに立てる喜びを語った。
そして名曲「若者のすべて」を演奏したのだが、ここでステージ移動。
13:30~ Galileo Galilei [COSMO STAGE]
COSMO STAGEのトップバッターは、これまでのこのフェスではトリをやることも多かったGalileo Galilei。このステージも広くなったことにより、ついにモニターが導入されている。
以前までの5人編成と違い、メンバー3人と女性コーラスの4人編成。「リジー」から始まると、編成がシンプルになったことにより、打ち込みも使ったサウンドもより近年の方向性であるUSインディー色を強めている。
「非常に緊張している」
という尾崎兄は、ボーカルこそ緊張をそこまで感じさせないが、曲紹介の時に「サークルゲーム」を、すでに演奏した「さよならフロンティア」と間違えて紹介してしまうというリアルな緊張ぶりを見せてしまう。
ラストの「青い栞」はコーラスがいるこの編成の強みを大きく感じさせた。初期の青いギターロックの曲は全くやらなかったけど、音楽性が変わっても、このバンドの持つ青春性は全く変わらない。MCが一向に上手くならないのも変わらない。
1.リジー
2.さよならフロンティア
3.サークルゲーム
4.Imaginary Friends
5.青い栞
14:00~ BUZZ THE BEARS [MOON STAGE]
去年はCOSMOのトリも務めたBUZZ THE BEARS。ロッキンにも連続で出演し、もはやこのフェスでも常連と呼べる存在になっている。
いきなりのキラーチューン「光り」でアッパーに踊らせまくり、キャパが拡大したこのステージすらもライブハウスに変えてしまう。
「生の音楽、生のライブは、こんなにも、こんなにも熱いんやー!」
と越智健太が言う通り、曲もライブもメンバーの人間性も、どこまでも熱くてまっすぐなバンドである。
「今年、ツアー2本回ったんですよ。リリースしてツアーして、その間にまたリリースしてツアーやって。
そうして一年間日本中を回ってきたら、テストを控えた学生とか、仕事終わりでダッシュで来る社会人とか、いろんな人が来てくれて力をもらえて。
俺たちはここにいる、お前を、お前を、お前を、ライブハウスで待ってるからな!」
と、ライブハウスバンドならではの熱い意志を見せながらも、フェスに集った観客をガンガンに盛り上げた。
4つ打ちの曲が多いメロディック・パンクというスタイルなだけに、今の大型フェスの盛り上がりには完全に合致している音楽性だが、ずっとこのままでいいとはあまり思えない。このまま変わらずにいくのか、何か変化を求めていくのか。そこをどうするかによって、大きく変わるバンドだと思う。広くなったこのステージをもしっかり埋めたところを見ると、このまま変わらずに突っ走って行くような気もするが。
1.光り
2.ピエロ
3.グローリーデイズ
4.雨
5.全てを
6.約束
7.シェアタイム
14:30~ MEANING [COSMO STAGE]
過去にもこのフェスに出演しているとはいえ、ハードコアパンクバンドであるMEANINGにとって、ダイブ禁止のこのフェスに出るのは挑戦である。
しかしながら、普段とバンドがやることは全く変わらず、観客も変わらないのか、退場上等と言わんばかりにダイバーが続出。もはやこのフェスではなかなか見れない光景である。
「このステージは、一年間頑張ってきたご褒美みたいなものだと思ってます!」
と、HAYATO(ボーカル)がこのステージに立てた喜びを爆発させると、やはりサウンドこそ非常に激しいが、新作「150」がかつてないほど歌えるアルバムというのもあってか、サビでは観客とともに大きなシンガロングを巻き起こす。
「最近、同年代で活動休止するバンドがいて、心が苦しいんだ。だから、みんなも好きなバンドがいたら、1本1本大切にしてライブ行ってくれ。
俺らも来年、恵比寿リキッドルームでワンマンやるんだけど、今の俺たちからしたら大きな挑戦というべきハコで。今日見て、また見たいな、って思ってくれたり、あいつら今何してるかな?って覗きに来てくれるだけでもいい。是非来てほしい」
というMCは、どのバンドに対して言ったのかはわからないが(the telephonesなのだろうか?)、短くないキャリアの中で多くのバンドがいなくなっていくのを見てきたバンドだからこその説得力に満ちていた。
しかし、普段ダイブすること自体は自分は全く否定はしないが、ダイブ禁止の場所で、アーティスト側が煽っていなくてもこれだけダイブが起きてしまうと、フェス側が「こんなダイブばっかりするバンドは呼ばない」ってなってしまいそうなのが怖い。
このフェスでこれからもこのバンドを見たいなら、せめてルールは守ったほうがいいと思う。本人たちも出れたのが本当に嬉しそうだっただけに。
ちなみに前回出演時にあった、ベース高田(ELLEGARDEN)いじりは今回はなし。
1.INFECTION
2.Just Another Death
3.The Tragic World (But We Must…)
4.THE UNBROKEN HEART
5.HOPE
15:30~ NICO Touches the Walls [EARTH STAGE]
リハでメンバー全員が出てきて、渋い「紫煙鎮魂歌 (damaged goods)」を演奏したNICO Touches the Walls。
「バイシクル」からスタートする、実にフェス向けの、王道的なセトリ。光村も今年、2回目の武道館を完売できたことの喜びを語っていたが、それが自信につながっているのか、バンドの演奏も光村のボーカルも、この広くなったEARTH STAGEに本当によく似合う。
むしろ、今まではEARTHにはちょっと広く感じてしまっていたのだが、今年はもはやこのステージ以外に考えられないくらいの貫禄を感じる。それは前述の通りに、この広い会場の端まで届くような演奏ができるようになったからである。
もはや幕張での定番曲と言える「N極とN極」もアルバム曲とは思えない一体感を見せ、光村がアコギを弾き、古村と坂倉がキレイなコーラスを重ねる「Mr.ECHO」からはさらに加速。
「来年は初のアコースティックアルバムがリリースされるので、来年のこのステージにはアコースティック編成で出たい」
と光村が野望を語ると、ラストは今年のこのバンドのテーマソングと言える「天地ガエシ」。アウトロを何回も演奏し、どんどん速くなっていくさまは圧巻。このバンド、やっぱり本当にすごい。そして、まだまだ上に行ける予感がする。
リハ.damaged goods (紫煙鎮魂歌)
1.バイシクル
2.手をたたけ
3.ホログラム
4.N極とN極
5.Mr.ECHO
6.THE BUNGY
7.ニワカ雨ニモ負ケズ
8.天地ガエシ
16:15~ POLYSICS [GALAXY STAGE]
2日前に見たばかりのPOLYSICS。今年も無事に出演し、このフェスが始まってから皆勤賞を継続中である。
2日前は主催者がインディーズ期からの付き合いということで、インディーズ期の曲も多く演奏されたが、この日はまさにフェス仕様のPOLYSICSという感じの王道セットリスト。
「トイス!」「師ッ走!」
のコール&レスポンスももうおなじみで、さすがにハヤシが、
「毎年このフェスがライブ納め&DJハヤシ納め」
というほどである。
そんな中、2日前は演奏されなかった新曲を披露。これがまさにディスコパンクなアッパーな曲であり、来年の春に発売されるというアルバムもこういった曲が中心になってくるのだろうか。
後半もさらにギアを上げまくり、「MEGA OVER DRIVE」ではハヤシがショルダーキーボードを演奏。ラストの「BUGGIE TECHNICHA」ではおなじみの
「カウントダウンジャパン or ダ~イ!」
の叫びも響いた。やはりいつ見ても楽しいバンドだ。皆勤賞はどこまで続くんだろうか。
1.Let's ダバダバ
2.Lucky Star
3.Young OH! OH!
4.Baby BIAS
5.Sun Electric (新曲)
6.Shout Aloud!
7.MEGA OVER DRIVE
8.URGE ON!!
9.シーラカンスイズアンドロイド
10.BUGGIE TECHNICHA
16:10~ BOOM BOOM SATELLITES (+edition) [ASTRO ARENA]
かつてはこの幕張メッセイベントホールでワンマンを行ったこともあるBOOM BOOM SATELLITES。ロッキンでは悪夢かと思うようなガラガラぶりだっただけに、まずは客席の埋まり具合を見てホッとする。
先に中野(ベース)と福田洋子(サポートドラム)が登場すると、中野はいきなり自身のカメラで客席を撮影。
川島もあとから登場すると、新曲「ONLY BLOOD」から、美しい映像と鮮やかな照明、というこのステージならではの演出がバンドの魅力を増幅させる。
かなり渋めというか、深いセトリで、歌ものらしい歌ものすらなしで、このバンドならではのひたすらに重いダンスミュージックで客席はダンスフロアに。そんななか、アーティスト名の(+edition)はなんなんだろうか、と思っていると、ステージ両脇に、長いポールが出現し、セクシーな女性が登場すると、そのポールを使ってポールダンスを始めるという、予想外極まりない展開に。完全にこの女性たちはプロのようで、ポールの頂上で足だけで掴まるという、どんな筋肉をしているのかと思うような技もなんなくこなす。
途中からはバンドよりもダンサーのほうにばかり目がいきがちだったが、演奏が終わると、川島と福田が客席をバックに、中野による写真撮影。さらにカメラマンも出てきて、3人でも写真撮影。
これ、近年ライブ後によくやっている(昔は全くこんなことはしなかった)のだが、これは中野の写真が趣味、ということよりも、何度となくバンドを続けられるかわからない(というより生命そのものが続くかわからない)状況を乗り越えてきただけに、1本1本のライブと、その場所で出会った人たちを大切にしていかなければならないという姿勢のように思える。
「KICK IT OUT」すらやらないというのはかなり挑戦的だった気もするけど。
1.ONLY BLOOD
2.BACK IN BLACK
3.FOGBOUND
4.A HUNDRED SUNS
5.DRESS LIKE AN ANGEL
18:30~ Suck a Stew Dry [COSMO STAGE]
夏に続いての出演、Suck a Stew Dry。リハからメンバーが登場して曲を演奏していたが、本番でメンバーが登場すると、いきなり「世界に一人ぼっち」からスタート。トリプルギター編成なので、やはり音が厚いし、そのギターがちゃんと上手い。
「空想少女リリー」を終えると、このバンドのなかでは見た目からして異彩を放つ金髪ギタリスト、フセが
「みなさん、仕事納めしてきた人も、いやいや明日また仕事だよって人も、とりあえずはお疲れ様でしたー!!」
と、無意味にテンションが高いMC。
一方でシノヤマは逆に根暗そのものといった感じで曲の紹介をする。歌詞自体もやはり暗いのだが、今年リリースの最新アルバム「ジブンセンキ」の曲はサウンドが明るいため、暗い歌詞の曲なのに、踊れたり楽しかったりする。
最後にはフセがまたしても
「どーですかシノヤマさん!なんか年末ですし、今年やり残したこととかないですか!?」
シノヤマ「いや、ないかな…」
「ないんかい!夏に続いてこうして冬も呼んでもらってるんだから、感謝の一つでも言っておくぐらいの気は使えないんかい!
僕はありますよ。せっかくのカウントダウンジャパンなのに、カウントダウンをしていない!なので、今は12/31の23:59:55としましょうよ!行くぞー!」
と言うと、5秒前から勝手に擬似カウントダウンを炸裂させ、「僕らの自分戦争」で終了。
曲のテーマがしっかりしているだけに、一人ぼっちで空想ばかりしていた少女がトーク相手を見つけ、さらにヒーローを求めるも、最後は自分自身で自らの戦いに勝つ、というストーリーを描いたかのような30分だった。
1.世界に一人ぼっち
2.空想少女リリー
3.カタカナトーク
4.ヒーロー
5.僕らの自分戦争
19:30~ グッドモーニングアメリカ [GALAXY STAGE]
去年はCOSMOのトリだったグッドモーニングアメリカ、3回目の出演でついにGALAXYに進出である。
始まる前から超満員の中、たなしん(ベース)の影アナウンスから本人が登場すると、日本エレキテル連合の朱美ちゃんのコスプレ(メイクも完璧)をし、完コピした「妖怪体操第一」の踊りを踊るという、今年の流行ネタで、演奏前から観客のハートをがっちり掴む。
メンバーも登場すると、「イチ、ニッ、サンでジャンプ」で文字通り最初からジャンプさせ、最新アルバム「inトーキョーシティー」のタイトル曲も披露。
たなしんのファイヤー!の前の恒例の解説もかなり受けていたのは、初めて見る人が多かったというのもあるかもしれないが、服を脱いでいって赤パンのみになったたなしんの朱美ちゃんメイクの破壊力によるものも大きかったと思われる。
フェスでやるのは珍しい「ミサイルをぶちかましてぇな」の他は定番曲で満員の観客をしっかり盛り上げ、渡邉(ギター)と、普段はそんなにしゃべらない金廣(ボーカル)も、もう一つ上のステージ、つまりメインステージへの意気込みを口にした。それはこの光景を見て、行けるという確信を得たのだと思うが、このバンドは間違いなく来年はメインステージに立っている。
ラストの金廣がギターを弾かずにやたらでかいマイクで高音ボーカルを響かせる「STAY WITH ME」を聴きながら、我々観客側も来年はメインステージでこの光景が見れるのを確信していた。
1.イチ、ニッ、サンでジャンプ
2.inトーキョーシティー
3.キャッチアンドリリース
4.ミサイルをぶちかましてぇな
5.拝啓、ツラツストラ
6.未来へのスパイラル
7.STAY WITH ME
20:35~ the telephones [GALAXY STAGE]
2年ぶりの出演、the telephones。2年前と同じ初日のGALAXYのトリだが、その時と違うのは、先日バンドが来年での無期限活動休止を発表したこと。
アフロをかぶったメンバーが肩を組んで登場すると、
「猿のように踊れー!」
と「Monkey Discooooooo」からスタート。フェスでのthe telephonesはやはりアゲアゲなのである。
先週のセンターステージでのワンマンはステージが小さいという特性上、「HABANERO」で石毛がバク転しなかったのだが、この広いステージではやはり見事に決めてみせる。ノブも広いステージを走り回り、カメラに向かってポーズを取りまくるなど、やはりこのバンドは広いステージのほうがよく似合うし、真価を発揮できている。
途中では石毛の口から来年の武道館と、活動休止に関するMCが語られ、ややおセンチ(by石毛)になるところもあったが、それを振り払うかのようにひたすらダンスナンバーを投下して踊らせまくる。
「ここにいるみんな、一人一人がディスコだー!」
と石毛が言い、「ウィーアー?」「ディスコ!」の特大コール&レスポンスからの「urban disco」で本編はあっという間に終了。
アンコールでは、ここにいる人、来ていないけれど自分たちを応援してくれている人、今までライブを見てくれた人への感謝を告げ、「Love&DISCO」。前回、休止発表直後に演奏された時は、全く踊れず、楽しめなかったこの曲を、今回はちゃんと楽しむことができた。それだけでも、本当にこの日この曲を聴けてよかった。
石毛は去り際、「これで最後じゃねーからな(笑)」と言いながら武道館に来てくれるように言い、
「世の中信じられないことばかりだけど、本物のロックだけは信じてくれ!」
と叫んでステージを去って行った。
2年前とも、このステージで年越しした時とも、この日のライブは明らかに違っていた。活動休止を発表したあとだからこその、儚さや美しさみたいなものがあった。
一応、活動は来年までらしいが、このフェスで来年も見れるんだろうか。
でもthe telephonesに関しては、ロッキンでもCDJでも、休止を発表する前にメインステージで見れなかったのも、逆に「フェスで見れればいい」と思われていたのも本当に悔しい。フェスでもワンマンでも、もう一段階上のとこでライブやるバンドだと思ってたから。
1.Monkey Discooooooo
2.HABANERO
3.It's Alright To Dance (Yes!!! Happy Monday!!!)
4.I Hate DISCOOOOOOO!!!
5.Hyper Jump
6.Don't Stop The Move, Keep On Dancing!!!
7.urban disco
encore
8.Love&DISCO
初日、終了。本当にあっという間。ベストアクトはちょっと決められません。

年末の4日間に開催されるCOUNTDOWN JAPAN。今年から規模が拡大され、これまでの1~8ホールに加え、9~11ホールも使用することになり、各ステージのキャパも広くなった。
ステージ構成は
EARTH STAGE
GALAXY STAGE
COSMO STAGE
MOON STAGE
ASTRO AREANA
の5つというのは去年と変わらず。
開演前に会場をいろいろ歩いてみると、確かに去年までよりも圧倒的にステージも会場そのものもスケールアップしており、今まで9年見てきた景色とは明らかに違う。
そんな中、メインステージのEARTH STAGEで、ロッキンオン社長渋谷陽一の前説。今年はいきなり出てきて諸注意などをしたあと、一回引っ込んでから、今年フェスがコラボしているスターウォーズのBGMが流れる中、ダースベイダーたちと一緒に出てくるという演出。
そのあとに最初の出演者の前説。それは、かつてこの会場でその出演者を見てきた者にとっては、エモーショナルにならざるを得ない内容であった。
13:00~ フジファブリック [EARTH STAGE]
その最初の出演者は、フジファブリック。かつて09/10の開催直前にボーカルの志村正彦が急逝。その時は映像での出演だったが、メンバーは袖におり、渋谷陽一に、
「これからも僕らは頑張りますよ」
と宣言していたらしい。それ以来のメインステージでのトップバッターとしての出演である。
メンバー3人と、サポートとしてドラマーBOBO、ギター名越由貴夫を加えた5人で登場し、いきなりの「夜明けのBEAT」で踊らせると、山内がボーカルになってからの曲を続け、MCでは山内がダースベイダーのモノマネをしてスベるも、こうしてこのステージに立てる喜びを語った。
そして名曲「若者のすべて」を演奏したのだが、ここでステージ移動。
13:30~ Galileo Galilei [COSMO STAGE]
COSMO STAGEのトップバッターは、これまでのこのフェスではトリをやることも多かったGalileo Galilei。このステージも広くなったことにより、ついにモニターが導入されている。
以前までの5人編成と違い、メンバー3人と女性コーラスの4人編成。「リジー」から始まると、編成がシンプルになったことにより、打ち込みも使ったサウンドもより近年の方向性であるUSインディー色を強めている。
「非常に緊張している」
という尾崎兄は、ボーカルこそ緊張をそこまで感じさせないが、曲紹介の時に「サークルゲーム」を、すでに演奏した「さよならフロンティア」と間違えて紹介してしまうというリアルな緊張ぶりを見せてしまう。
ラストの「青い栞」はコーラスがいるこの編成の強みを大きく感じさせた。初期の青いギターロックの曲は全くやらなかったけど、音楽性が変わっても、このバンドの持つ青春性は全く変わらない。MCが一向に上手くならないのも変わらない。
1.リジー
2.さよならフロンティア
3.サークルゲーム
4.Imaginary Friends
5.青い栞
14:00~ BUZZ THE BEARS [MOON STAGE]
去年はCOSMOのトリも務めたBUZZ THE BEARS。ロッキンにも連続で出演し、もはやこのフェスでも常連と呼べる存在になっている。
いきなりのキラーチューン「光り」でアッパーに踊らせまくり、キャパが拡大したこのステージすらもライブハウスに変えてしまう。
「生の音楽、生のライブは、こんなにも、こんなにも熱いんやー!」
と越智健太が言う通り、曲もライブもメンバーの人間性も、どこまでも熱くてまっすぐなバンドである。
「今年、ツアー2本回ったんですよ。リリースしてツアーして、その間にまたリリースしてツアーやって。
そうして一年間日本中を回ってきたら、テストを控えた学生とか、仕事終わりでダッシュで来る社会人とか、いろんな人が来てくれて力をもらえて。
俺たちはここにいる、お前を、お前を、お前を、ライブハウスで待ってるからな!」
と、ライブハウスバンドならではの熱い意志を見せながらも、フェスに集った観客をガンガンに盛り上げた。
4つ打ちの曲が多いメロディック・パンクというスタイルなだけに、今の大型フェスの盛り上がりには完全に合致している音楽性だが、ずっとこのままでいいとはあまり思えない。このまま変わらずにいくのか、何か変化を求めていくのか。そこをどうするかによって、大きく変わるバンドだと思う。広くなったこのステージをもしっかり埋めたところを見ると、このまま変わらずに突っ走って行くような気もするが。
1.光り
2.ピエロ
3.グローリーデイズ
4.雨
5.全てを
6.約束
7.シェアタイム
14:30~ MEANING [COSMO STAGE]
過去にもこのフェスに出演しているとはいえ、ハードコアパンクバンドであるMEANINGにとって、ダイブ禁止のこのフェスに出るのは挑戦である。
しかしながら、普段とバンドがやることは全く変わらず、観客も変わらないのか、退場上等と言わんばかりにダイバーが続出。もはやこのフェスではなかなか見れない光景である。
「このステージは、一年間頑張ってきたご褒美みたいなものだと思ってます!」
と、HAYATO(ボーカル)がこのステージに立てた喜びを爆発させると、やはりサウンドこそ非常に激しいが、新作「150」がかつてないほど歌えるアルバムというのもあってか、サビでは観客とともに大きなシンガロングを巻き起こす。
「最近、同年代で活動休止するバンドがいて、心が苦しいんだ。だから、みんなも好きなバンドがいたら、1本1本大切にしてライブ行ってくれ。
俺らも来年、恵比寿リキッドルームでワンマンやるんだけど、今の俺たちからしたら大きな挑戦というべきハコで。今日見て、また見たいな、って思ってくれたり、あいつら今何してるかな?って覗きに来てくれるだけでもいい。是非来てほしい」
というMCは、どのバンドに対して言ったのかはわからないが(the telephonesなのだろうか?)、短くないキャリアの中で多くのバンドがいなくなっていくのを見てきたバンドだからこその説得力に満ちていた。
しかし、普段ダイブすること自体は自分は全く否定はしないが、ダイブ禁止の場所で、アーティスト側が煽っていなくてもこれだけダイブが起きてしまうと、フェス側が「こんなダイブばっかりするバンドは呼ばない」ってなってしまいそうなのが怖い。
このフェスでこれからもこのバンドを見たいなら、せめてルールは守ったほうがいいと思う。本人たちも出れたのが本当に嬉しそうだっただけに。
ちなみに前回出演時にあった、ベース高田(ELLEGARDEN)いじりは今回はなし。
1.INFECTION
2.Just Another Death
3.The Tragic World (But We Must…)
4.THE UNBROKEN HEART
5.HOPE
15:30~ NICO Touches the Walls [EARTH STAGE]
リハでメンバー全員が出てきて、渋い「紫煙鎮魂歌 (damaged goods)」を演奏したNICO Touches the Walls。
「バイシクル」からスタートする、実にフェス向けの、王道的なセトリ。光村も今年、2回目の武道館を完売できたことの喜びを語っていたが、それが自信につながっているのか、バンドの演奏も光村のボーカルも、この広くなったEARTH STAGEに本当によく似合う。
むしろ、今まではEARTHにはちょっと広く感じてしまっていたのだが、今年はもはやこのステージ以外に考えられないくらいの貫禄を感じる。それは前述の通りに、この広い会場の端まで届くような演奏ができるようになったからである。
もはや幕張での定番曲と言える「N極とN極」もアルバム曲とは思えない一体感を見せ、光村がアコギを弾き、古村と坂倉がキレイなコーラスを重ねる「Mr.ECHO」からはさらに加速。
「来年は初のアコースティックアルバムがリリースされるので、来年のこのステージにはアコースティック編成で出たい」
と光村が野望を語ると、ラストは今年のこのバンドのテーマソングと言える「天地ガエシ」。アウトロを何回も演奏し、どんどん速くなっていくさまは圧巻。このバンド、やっぱり本当にすごい。そして、まだまだ上に行ける予感がする。
リハ.damaged goods (紫煙鎮魂歌)
1.バイシクル
2.手をたたけ
3.ホログラム
4.N極とN極
5.Mr.ECHO
6.THE BUNGY
7.ニワカ雨ニモ負ケズ
8.天地ガエシ
16:15~ POLYSICS [GALAXY STAGE]
2日前に見たばかりのPOLYSICS。今年も無事に出演し、このフェスが始まってから皆勤賞を継続中である。
2日前は主催者がインディーズ期からの付き合いということで、インディーズ期の曲も多く演奏されたが、この日はまさにフェス仕様のPOLYSICSという感じの王道セットリスト。
「トイス!」「師ッ走!」
のコール&レスポンスももうおなじみで、さすがにハヤシが、
「毎年このフェスがライブ納め&DJハヤシ納め」
というほどである。
そんな中、2日前は演奏されなかった新曲を披露。これがまさにディスコパンクなアッパーな曲であり、来年の春に発売されるというアルバムもこういった曲が中心になってくるのだろうか。
後半もさらにギアを上げまくり、「MEGA OVER DRIVE」ではハヤシがショルダーキーボードを演奏。ラストの「BUGGIE TECHNICHA」ではおなじみの
「カウントダウンジャパン or ダ~イ!」
の叫びも響いた。やはりいつ見ても楽しいバンドだ。皆勤賞はどこまで続くんだろうか。
1.Let's ダバダバ
2.Lucky Star
3.Young OH! OH!
4.Baby BIAS
5.Sun Electric (新曲)
6.Shout Aloud!
7.MEGA OVER DRIVE
8.URGE ON!!
9.シーラカンスイズアンドロイド
10.BUGGIE TECHNICHA
16:10~ BOOM BOOM SATELLITES (+edition) [ASTRO ARENA]
かつてはこの幕張メッセイベントホールでワンマンを行ったこともあるBOOM BOOM SATELLITES。ロッキンでは悪夢かと思うようなガラガラぶりだっただけに、まずは客席の埋まり具合を見てホッとする。
先に中野(ベース)と福田洋子(サポートドラム)が登場すると、中野はいきなり自身のカメラで客席を撮影。
川島もあとから登場すると、新曲「ONLY BLOOD」から、美しい映像と鮮やかな照明、というこのステージならではの演出がバンドの魅力を増幅させる。
かなり渋めというか、深いセトリで、歌ものらしい歌ものすらなしで、このバンドならではのひたすらに重いダンスミュージックで客席はダンスフロアに。そんななか、アーティスト名の(+edition)はなんなんだろうか、と思っていると、ステージ両脇に、長いポールが出現し、セクシーな女性が登場すると、そのポールを使ってポールダンスを始めるという、予想外極まりない展開に。完全にこの女性たちはプロのようで、ポールの頂上で足だけで掴まるという、どんな筋肉をしているのかと思うような技もなんなくこなす。
途中からはバンドよりもダンサーのほうにばかり目がいきがちだったが、演奏が終わると、川島と福田が客席をバックに、中野による写真撮影。さらにカメラマンも出てきて、3人でも写真撮影。
これ、近年ライブ後によくやっている(昔は全くこんなことはしなかった)のだが、これは中野の写真が趣味、ということよりも、何度となくバンドを続けられるかわからない(というより生命そのものが続くかわからない)状況を乗り越えてきただけに、1本1本のライブと、その場所で出会った人たちを大切にしていかなければならないという姿勢のように思える。
「KICK IT OUT」すらやらないというのはかなり挑戦的だった気もするけど。
1.ONLY BLOOD
2.BACK IN BLACK
3.FOGBOUND
4.A HUNDRED SUNS
5.DRESS LIKE AN ANGEL
18:30~ Suck a Stew Dry [COSMO STAGE]
夏に続いての出演、Suck a Stew Dry。リハからメンバーが登場して曲を演奏していたが、本番でメンバーが登場すると、いきなり「世界に一人ぼっち」からスタート。トリプルギター編成なので、やはり音が厚いし、そのギターがちゃんと上手い。
「空想少女リリー」を終えると、このバンドのなかでは見た目からして異彩を放つ金髪ギタリスト、フセが
「みなさん、仕事納めしてきた人も、いやいや明日また仕事だよって人も、とりあえずはお疲れ様でしたー!!」
と、無意味にテンションが高いMC。
一方でシノヤマは逆に根暗そのものといった感じで曲の紹介をする。歌詞自体もやはり暗いのだが、今年リリースの最新アルバム「ジブンセンキ」の曲はサウンドが明るいため、暗い歌詞の曲なのに、踊れたり楽しかったりする。
最後にはフセがまたしても
「どーですかシノヤマさん!なんか年末ですし、今年やり残したこととかないですか!?」
シノヤマ「いや、ないかな…」
「ないんかい!夏に続いてこうして冬も呼んでもらってるんだから、感謝の一つでも言っておくぐらいの気は使えないんかい!
僕はありますよ。せっかくのカウントダウンジャパンなのに、カウントダウンをしていない!なので、今は12/31の23:59:55としましょうよ!行くぞー!」
と言うと、5秒前から勝手に擬似カウントダウンを炸裂させ、「僕らの自分戦争」で終了。
曲のテーマがしっかりしているだけに、一人ぼっちで空想ばかりしていた少女がトーク相手を見つけ、さらにヒーローを求めるも、最後は自分自身で自らの戦いに勝つ、というストーリーを描いたかのような30分だった。
1.世界に一人ぼっち
2.空想少女リリー
3.カタカナトーク
4.ヒーロー
5.僕らの自分戦争
19:30~ グッドモーニングアメリカ [GALAXY STAGE]
去年はCOSMOのトリだったグッドモーニングアメリカ、3回目の出演でついにGALAXYに進出である。
始まる前から超満員の中、たなしん(ベース)の影アナウンスから本人が登場すると、日本エレキテル連合の朱美ちゃんのコスプレ(メイクも完璧)をし、完コピした「妖怪体操第一」の踊りを踊るという、今年の流行ネタで、演奏前から観客のハートをがっちり掴む。
メンバーも登場すると、「イチ、ニッ、サンでジャンプ」で文字通り最初からジャンプさせ、最新アルバム「inトーキョーシティー」のタイトル曲も披露。
たなしんのファイヤー!の前の恒例の解説もかなり受けていたのは、初めて見る人が多かったというのもあるかもしれないが、服を脱いでいって赤パンのみになったたなしんの朱美ちゃんメイクの破壊力によるものも大きかったと思われる。
フェスでやるのは珍しい「ミサイルをぶちかましてぇな」の他は定番曲で満員の観客をしっかり盛り上げ、渡邉(ギター)と、普段はそんなにしゃべらない金廣(ボーカル)も、もう一つ上のステージ、つまりメインステージへの意気込みを口にした。それはこの光景を見て、行けるという確信を得たのだと思うが、このバンドは間違いなく来年はメインステージに立っている。
ラストの金廣がギターを弾かずにやたらでかいマイクで高音ボーカルを響かせる「STAY WITH ME」を聴きながら、我々観客側も来年はメインステージでこの光景が見れるのを確信していた。
1.イチ、ニッ、サンでジャンプ
2.inトーキョーシティー
3.キャッチアンドリリース
4.ミサイルをぶちかましてぇな
5.拝啓、ツラツストラ
6.未来へのスパイラル
7.STAY WITH ME
20:35~ the telephones [GALAXY STAGE]
2年ぶりの出演、the telephones。2年前と同じ初日のGALAXYのトリだが、その時と違うのは、先日バンドが来年での無期限活動休止を発表したこと。
アフロをかぶったメンバーが肩を組んで登場すると、
「猿のように踊れー!」
と「Monkey Discooooooo」からスタート。フェスでのthe telephonesはやはりアゲアゲなのである。
先週のセンターステージでのワンマンはステージが小さいという特性上、「HABANERO」で石毛がバク転しなかったのだが、この広いステージではやはり見事に決めてみせる。ノブも広いステージを走り回り、カメラに向かってポーズを取りまくるなど、やはりこのバンドは広いステージのほうがよく似合うし、真価を発揮できている。
途中では石毛の口から来年の武道館と、活動休止に関するMCが語られ、ややおセンチ(by石毛)になるところもあったが、それを振り払うかのようにひたすらダンスナンバーを投下して踊らせまくる。
「ここにいるみんな、一人一人がディスコだー!」
と石毛が言い、「ウィーアー?」「ディスコ!」の特大コール&レスポンスからの「urban disco」で本編はあっという間に終了。
アンコールでは、ここにいる人、来ていないけれど自分たちを応援してくれている人、今までライブを見てくれた人への感謝を告げ、「Love&DISCO」。前回、休止発表直後に演奏された時は、全く踊れず、楽しめなかったこの曲を、今回はちゃんと楽しむことができた。それだけでも、本当にこの日この曲を聴けてよかった。
石毛は去り際、「これで最後じゃねーからな(笑)」と言いながら武道館に来てくれるように言い、
「世の中信じられないことばかりだけど、本物のロックだけは信じてくれ!」
と叫んでステージを去って行った。
2年前とも、このステージで年越しした時とも、この日のライブは明らかに違っていた。活動休止を発表したあとだからこその、儚さや美しさみたいなものがあった。
一応、活動は来年までらしいが、このフェスで来年も見れるんだろうか。
でもthe telephonesに関しては、ロッキンでもCDJでも、休止を発表する前にメインステージで見れなかったのも、逆に「フェスで見れればいい」と思われていたのも本当に悔しい。フェスでもワンマンでも、もう一段階上のとこでライブやるバンドだと思ってたから。
1.Monkey Discooooooo
2.HABANERO
3.It's Alright To Dance (Yes!!! Happy Monday!!!)
4.I Hate DISCOOOOOOO!!!
5.Hyper Jump
6.Don't Stop The Move, Keep On Dancing!!!
7.urban disco
encore
8.Love&DISCO
初日、終了。本当にあっという間。ベストアクトはちょっと決められません。

