BIGMAMA SCHOOL WARS TOUR @KT Zepp Yokohama 10/28
- 2023/10/29
- 10:35
ロックシーン屈指のストーリーテラーとしてこれまでにも様々なコンセプトのアルバムをリリースしてきたBIGMAMAが実に4年ぶりの新作アルバムのコンセプトに選んだのは「学園」。曲タイトルを授業・時間割にすることによってアルバム1枚をかけてそのコンセプトを表現しているというあたりはもはや小説家としても活動できること間違いなしの金井政人(ボーカル&ギター)の手腕が遺憾なく発揮されているが(MUSICAの連載も毎回本当に面白いし唸らされる)、そのアルバム「Tokyo Emotional Gakuen」のリリースツアーは全国のZeppを巡るものであり、この日のZepp Yokohamaはツアー初日である。SNSでもアルバム購入を「入学」と喩えられていたが、だとすればこの初日に足を運ぶのは「始業式」と言っていいだろう。
かつてはZepp Tokyoですらチケットが取れないくらいのバンドだったが、この日のZepp YokohamaはPA卓から後ろは入れなくなっていて、今の状況の厳しさを実感せざるを得ないのであるが、それでもその無人のエリアにメッセージボードとして黒板が置いてあり、観客がチョークでメッセージを書けるというのはアルバム、ツアーのコンセプトに完璧に合致している。
開演時間の18時になると、背面に「SCHOOL WARS TOUR」と書かれたツアーのキービジュアルを背に、東出真緒(ヴァイオリン)は下手から、男性メンバー陣は上手から登場。ドラムセットに立つバケツを被ったドラマーことBucket Banquet Bis(通称ビスたん)が客席に向かって手を振る中、アルバムのオープニングであり始業チャイムの音が鳴る「Tokyo Emotional」がSEとして流れ、メンバーが楽器を持つと1曲目はアルバムから「倫理 | ロジカルモンスター」なのであるが、音源として聴くよりもはるかにライブの方が曲の持つパンク・メロコア、つまりエモの成分を強く感じられる。それは笑顔で観客の方を見ながらヴァイオリンを弾く東出の姿から感じられるものもあるだろうけど、どこか毒を含んだ歌詞であるこの曲すらも祝福のパンクとして鳴らせるのがBIGMAMAであると改めて思う。
するといきなり金井がギターを弾きながら歌い始めたのは「ヴァイオリンがいるメロコアバンド」としてバンドの名を知らしめたごく初期の大名曲「the cookie crumbles」であり、ビスたんが自身のバケツの頭を叩くような仕草で観客に手拍子を煽るのもこのドラマー擁するこのバンドだからこそであるが、ついにしょこたんこと中川翔子にすら「めちゃイケメン」と言われたこのバケツ君は中身は見れなくても男前なのがわかるのは、アルバムの作曲クレジットのほとんどに名前が掲載されている、今のバンド最大の推進力的な存在になっていることからもわかる。もちろんラスサビ前のタイトルフレーズでは合唱が起こるのは、かつてダイバーが続出していた頃のこのバンドのライブを思い出させてくれるが、安井英人(ベース)が開放弦で弾く姿などは今のキャリアや技術を持つからこその余裕も感じられる。
さらに金井がタイトルを口にしたのはこちらも初期の大名曲「CPX」。全英語でありながらもロボットの悲哀を描いた歌詞は後の金井のストーリーテラーとしての開花を示している(後の曲、ストーリーの中でこのロボットCPXは再登場する)が、この最序盤3曲を聴いてもうこのライブ、このツアーがどんなものになるかわかった。アルバムのテーマである「エモ」に連なる曲が演奏され、そのコンセプトをライブでも作り上げるということだ。もうこの辺りで感極まる感覚があったのは、やっぱりこの曲たちが大好きで、昔からライブでも音源でもずっと聴いてきたという思い入れがあるからだ。
「数学」というタイトルを掲げながら「人生とは?」ということを聴き手に問いかけるかのような「数学 | Ruler」はそうした歌詞故に先ほどまでと同様に頭空っぽにして飛び跳ねたり…というわけにはいかずに、エモーショナルなサウンドでありながらも曲にじっくり向き合わざるを得ない感覚もあるのだが、一転してビスたんのツービート(重さより軽快さを感じさせるのが特徴的なドラマーだとも思う)が疾走し、そこに東出のヴァイオリンが美しく鳴り響き、金井の歌声と、掻き鳴らすような柿沼広也(ギター&ボーカル)のギターが重なる「物理 | Time is like a Jet coaster」は、アルバムを購入してこの曲を聴いた時に「これはライブで観たい、聴きたいな」と思ったくらいに、今のBIGMAMAでのパンク・メロコアな曲だ。それもまたエモというテーマがあってこそであるが、だからこそ今の年齢になっても衒いなくこうしたサウンドを鳴らすことができるし、メンバーの見た目がずっと若々しいからこそ、こうした曲を今作って鳴らしても全く違和感がない。
ビスたんが曲間をドラムで繋ぐとすぐに続けて演奏されたのは2018年リリースのアルバム「-11°C」収録で、そのアルバムを聴いた時に「こんなに突き抜けたパンクを鳴らすBIGMAMAは本当に久しぶりだ」と思った「POPCORN STAR」であるが、この曲はこうして「物理〜」と連なるように演奏されるんじゃないかという予感があった。それはやはりこの2曲に共通するツービートのパンクなリズム。だからこそ「物理〜」を聴いた時に「これは今のこの5人のBIGMAMAでの「POPCORN STAR」だ」と思ったのだ。そんな曲がこうして続けて演奏されると、自分の感覚が肯定されているかのようで実に嬉しくなる。
さらには東出がイントロで流麗なヴァイオリンを弾きまくるだけで何の曲かわかった観客たちが歓声を上げるのは人気曲にして永遠のこのバンドのアンセムの一つである「I Don't Need a Time Machine」なのだが、この曲の
「過去に戻れる日が来たら
迷わず僕は今日を選ぶだろう
but, I don't need a time machine
折角だけど要らないよ」
というフレーズが、過去に戻らなくても今のままでこうしたパンクな過去の曲たちに説得力を持たせることができる、今日、今のBIGMAMAこそが最高かつ最強であることをその鳴らしている音で示しているからこそ、今まで以上に沁みるものがあったのだ。だからこそ、
「気がする?いや、出来るはず」
というフレーズにも、その後の合唱パートにもかつてないほどの力強さを感じることができているのである。
ここまで曲間全くと言っていいくらいになしでひたすら曲を連発してきたのであるが、それは「Merry-Go-Round」にも続いて行く。メリーゴーランドの馬の心境を描くという歌詞は今聴いても本当に秀逸であるし、この設定で小説を1本書けそうな気すらするのであるが、こうして今この流れでこの曲を聴くと、ポップなサウンドに向かって行っていた時期というイメージがあるこの曲にも確かなエモさがあるということを歌詞含めて感じさせてくれる。
そしてここで鳴らされたのはイントロから悲鳴的な歓声すら上がった、かつてはライブのアンコールでトドメとばかりに最後に演奏されることが多かった「Neverland」であり、当時は演奏が始まるや否やステージが見えなくなるくらいにダイバーが続出していた曲であるのだが、さすがに今は拳を振り上げている…と思ったら最後のサビ前に待ってました!とばかりにリフトする人たちが現れた。その光景を見ていろんな感情が溢れ出しそうになったのは、やっぱりその光景をBIGMAMAのライブで観てきたからであり、今もBIGMAMAが鳴らしている音に反応して「行くしかない!」「飛ぶしかない!」という衝動を掻き立てられている人がいるということがわかるからだ。ただひたすら飛びまくるんじゃなくて、本当にここぞというこの瞬間で起こったからこそ、そうしたことを強く感じたのである。
そんなBIGMAMAのパンクな極みというような部分を見せた後に金井は自身の背後に置かれたキーボードへと移動して、それを弾きながら「生物 | 悩みの種に花が咲いたら」を歌うのであるが、柿沼もアコギに持ち替えてその繊細な歌詞とメロディによって、まさに「生物」とは、ひいては生きるとは、ということに向き合うようにして曲に浸りながらも、かつてはキーボードを弾くと言えば東出だった…と思ったら金井と入れ替わるようにして東出がキーボードに移動して演奏された「歴史 | History Maker」でメインボーカルを務めるのは、バンドのもう1人のシンガーにしてソングライターでもある柿沼で、かつてから全く変わらない安定感あるボーカルをさらに表情豊かに、壮大に歌い上げてみせる。その自分たち自身の歴史をも包括するかのようなスケールの演奏と歌唱を聴いていて、ライブで1番化けている新作曲はこの曲なんじゃないかと思ったほど。
するとそのまま柿沼が歌い始めたのは、なんとバンドのルーツでもある、2000年代に大ヒットしていたアメリカのエモバンド、Jimmy Eat Worldの「Sweetness」。この日本においてはアサヒスーパードライのCM曲として有名になった曲であるが、拳を振り上げて東出とともに「Wow-Oh」のコーラスを歌っている人もそれなりにいたのは、メンバーたちと同じ時代に青春を生きてきた人たちということだろうか。
さらに金井が
「もう1曲カバー。我々の青春のバンド!」
と言ってから演奏されたのは、BIGMAMAの原点とも言える、元祖「ヴァイオリンがメンバーにいるロックバンド」ことYellowcardのメジャーデビューかつ代表作にして大ヒットアルバム「Ocean Avenue」収録の「Way Away」であり、編成的にももはやカバーというよりもコピーであるという感すらあるのだが、それはかつてバンドが来日時に対バンしたこともある、バンドが本当に1番好きだと言ってもいい存在の曲だからだろう。
そうした原点と言えるような曲のカバーがセトリに入るのも、やはり「エモ」というテーマだからこそ、ルーツのエモバンドの曲を、「学園」というテーマだからこそバンドを始めた高校生の頃の気持ちを再確認しようとしているからだろう。何よりも感情が表情に出やすい柿沼も東出も本当に楽しそうな笑顔を浮かべている。東出が加入した時にもこうした笑顔で演奏していたんだろうなと思うように。ビスたんだけは全く表情は変わらないけれど。
そうしたカバー曲たちの後に演奏されたことによって、今一度自分たちが今いる場所を確かめるようにして鳴らされた感すらあったのが「地理 | Nowhere No Here」であるのだが、この流れだからこそ感じられるエモーショナルさがライブで聴くこの曲には間違いなくあったし、だからこそそれが
「希望の光の歌」
と紹介された「セントライト」をさらに輝かせる。競馬のタイアップという要素によってかの疾走感もまたやはりパンク、エモに連なるものであるし、そこに希望や光というテーマを感じさせるのはやはりエモの要素を感じさせるものだと言えるだろう。メンバーが憧れたエモバンドたちのライブにいる観客たちはその音楽を聴いて笑顔になってきたのだから。
すると一気に物語の始まりを告げるかのような重いバンドサウンドに東出の美しくも切なさをも感じさせるようなヴァイオリンの音が乗るのは、日本語歌詞でコンセプトを作る始まりとなった大名作アルバム「Dowsing For The Future」の1曲目に収録された「Paper-craft」であり、エモでありながらもBメロで手拍子が起き、サビではダンサブルになるというのは今に至るまでのBIGMAMAの音楽性の広がりの始まりを感じさせるような曲であることが今になるとわかるし、何よりもヴァイオリンのサウンドが乗ることによるメロディの美しさはこのバンドにしかないものであるということも。
そのまま金井がギターを弾きながら歌い始めたのは、こちらも様々なドラマやキャラクターによって展開されるコンセプトアルバムの大名盤「And Yet, It Moves」収録の、エモーションとともに切なさが爆発するような「かくれんぼ」であるのだが、昔はキーが高すぎることによって歌いきれないこともあった金井が今は本当に見事にこの曲を歌えている。それは今の自分がどういう歌い方や声の出し方をすればこの曲を歌えるかということを理解しているとともに、ボーカリストとしての身体的なケアや努力を続けているからでもあるだろう。その一方でこの曲のツインボーカルの一翼と言える柿沼は昔から変わらぬ安定感を発揮している。
さらには金井が
「シークレット シークレット」
と囁きながらギターを鳴らして演奏されたのはもちろん「秘密」であるのだが、この曲が演奏されたことによって、ただパンクでありエモで突っ走るというだけではなくて、BIGMAMAのライブがこのバンドでしか得ることができない多幸感を持っているということを改めて実感させてくれる。個人的には面白いMVがたくさんあるこのバンドの中でもこの曲のものは傑出しているとも思う。
やはり全くと言っていいくらいに曲間を挟むことなく演奏されたのはここにきてじっくりと曲に向き合うようなサウンドでタイトル通りに愛する人と巡り合った偶然であり奇跡を感じさせるような「英語 | 5W1H」であり、やはり金井の歌詞の筆致の見事さは年月を重ねることによってさらに増していると思わされるのであるが、タイトルコールしただけで歓声が湧き上がった「現文 | 虎視眈々と」は今回のアルバムのテーマやコンセプトを決定付けたエモーショナルな曲と言っていいだろうし、だからこそたくさんの人がこの曲を聴くことができるのを待っていたんだなということを感じさせてくれたのである。それはこれまでずっと愛されてきた曲たちも聴けるライブであっても、あくまでも主役は新作の曲であり、その曲を楽しみにしてきた人がたくさんいるということ。だからBIGMAMAはこれからも進化し続けていけると思うのだ。
そんな曲の後に海の上を暴風雨が吹き荒れるようなサウンドが鳴らされて、金井が
「KT Zepp Yokohamaにお越しの皆さんをお連れしましょう、シンセカイへ!」
と言って演奏されたのはもちろん「荒狂曲"シンセカイ"」であるのだが、ビスたんが曲中で原曲より手数を増やしているのを見て、この曲を今の5人でのものにアップデートしていると思った。それは全曲演奏ツアーを回ったりして得たものだろうけれど、そのツアーは新加入したビスたんの体内をBIGMAMAの曲で満たすものでありながらも、毎回ライブに来てくれている人だったり、自分のように久しぶりにライブに来ようと思った人のためのものだったんだろうなと思う。そうして全曲を演奏できるようになったからこそ、こうしてこのツアーでこんなにも幅広い年代の曲を演奏できるようになったのだから。
そして最後のサビ前ではやはり何名かの観客がリフトし、サビに入ると転がっていく。それは昔の壁のようなステージが見えなくなるくらいにたくさんの人がリフトするようなものとは変わった。きっとファン層も入れ替わってきているだろうし、もしかしたら昔にそうやってBIGMAMAのライブで遊んでいた人はもうライブハウスに足を運ばない人生になったのかもしれない。それこそパンクやメロコアを軸とした音楽がメインだった頃からはもう10年以上も経っている。当時大学生だった観客ももう30代半ばとなれば家庭ができたり、仕事が生活のメインになったりして、ライブハウスから足が遠のいても仕方がない。実際に自分の周りもそういう人ばかりだ。
でもこうして今ライブハウスでBIGMAMAを観ていても、あの頃のような衝動を確かに感じる。だから飛んでいく人がいるのだ。それは当時観ていた人からしたらたまらなく愛おしい光景や時間に思えるはず。そう思うからこそ、かつてBIGMAMAのライブで激しく楽しんでいた人たちにこそ、またライブハウスで今のBIGMAMAのライブを見て欲しいと思った。それは今や世間的に使われるようになった、もう何にでも使えて消費されていくような「エモい」というものではなくて、音楽としての「エモ」を鳴らそうとしてBIGMAMAが鳴らしているから。こんな感覚になるなんて、このライブを観るまでは思ってもいなかった。
そして金井がタイトルを口にして演奏された「17 (until the day I die)」は具体的な科目ではないからこそ、この学園というテーマを総括するような曲である。柿沼が歌うサブタイトルフレーズとの掛け合いも含めて、やはりBIGMAMAはメロディが実に美しいバンドであると思うのだが、それを今は金井だけではなくて柿沼とビスたんもそこを担っている。それはBIGMAMAというバンドのメロディの源泉が尽きることがないということをこの曲が示しているということ。
その「17 (until the day I die)」を聴いていて、こうした「学園」や「青春」というテーマの作品は今のBIGMAMAだからこそ作れたものだよなと思った。真っ只中にいる時はそうしたテーマは作れない。今目の前のことを歌うことで精一杯な年代だから。だからそうした時期を俯瞰で見ることができるようになった今の年代だからこそ作ることができたテーマ、コンセプトのアルバムであるし、だからといって懐古的なだけじゃなくて、今は今の青春を謳歌している。この年になってもそれが出来るということを感じさせてくれるのが今回のアルバムとツアーということである。
そして柿沼がギターでチャイムの音を奏でながら金井が
「本日はこの場所を選んでくれて本当にありがとうございました!」
と言った。ここまでのライブを観て、その言葉を聞いて、この日この場所を選んで本当に良かったと思えたし、これからも来れる限りはBIGMAMAのライブに行き続けようと思った。自分にとってこのバンドと、このバンドの音楽がどれだけ大切なものだったのかということが改めてわかったから。前みたいにツアー、母の日、クリスマス…そうして年に何回もこうやってワンマンを観に行きたいと思うようになっていた。
そんな金井の横で鳴らす柿沼のギターによるチャイムは授業の終了を意味するものであった。ラストに演奏されたのは授業が終わって家に帰る情景を描いた「帰宅部 | Go Home Anthem」。ライブが終わった後にライブハウスの外を歩いていた人たちが何人もこの曲を口ずさんでいたくらいに、一度聴いたら脳内をリフレインし続けるメロディ。東出は曲が始まったら1人観客に手を振りながらステージを去って行ったと思ったら、曲途中でツアーTシャツに着替えて再びステージに現れてキーボードを弾く。そうした展開も含めて、この曲は今のこのバンドにおける「until the blouse is buttoned up」のような曲だと思った。それはあの曲に通じる、今この瞬間しかない多幸感を確かに感じさせてくれていたからだ。
「Yokohama Emotional Gakuen、ありがとうございました、BIGMAMAでした!」
と金井が挨拶してメンバーが去っていく。そこにアンコールはない。というかあったら蛇足だなとすら思った。帰宅部はそれぞれ帰ってから学園以外の時間を生きていくのだから。それはこの日の我々にとっては酒を飲みに行ったり、ラーメンを食べに行ったりするということ。こんな学園があったら、毎日登校するのが楽しみで仕方がなくなるような。今のBIGMAMAが作り出した「Tokyo Emotional Gakuen」はそう思えるものだった。
BIGMAMAのメンバーたち(金井、柿沼、安井の同級生トリオ)は自分と紛れもない同世代だ。生まれてからこの世でほとんど変わらない時間を生きてきた存在。今の年齢になると同年代の現役のスポーツ選手も減っていく。バンドだってベテランになっていく。
そんな年代になっても「青春」をテーマにして歌い鳴らす作品を作ることができる。そこに今のバンドとしての説得力を持たせることができる。青春が終わらないものである、何回も訪れるものであると示してくれている。同年代のこのバンドがそれを証明してくれているから、自分もまだまだやりたいことをいくらでもやれるんじゃないかという気持ちになる。ただ学生に戻るだけじゃない、その頃のような気持ちを今に持たせた上でこれから先へ進んでいくための作品でありツアー。BIGMAMAのこれから先も本当に楽しみにしているから、これからもどうかはるか先まで末永くよろしく。
1.倫理 | ロジカルモンスター
2.the cookie crumbles
3.CPX
4.数学 | Ruler
5.物理 | Time is like a Jet coaster
6.POPCORN STAR
7.I Don't Need a Time Machine
8.Merry-Go-Round
9.Neverland
10.生物 | 悩みの種に花が咲いたら
11.歴史 | History Maker
12.Sweetness
13.Way Away
14.地理 | Nowhere No Here
15.セントライト
16.Paper-craft
17.かくれんぼ
18.秘密
19.英語 | 5W1H
20.現文 | 虎視眈々と
21.荒狂曲"シンセカイ"
22.17 (until the day I die)
23.帰宅部 | Go Home Anthem
Tokyo Emotional Reprise
かつてはZepp Tokyoですらチケットが取れないくらいのバンドだったが、この日のZepp YokohamaはPA卓から後ろは入れなくなっていて、今の状況の厳しさを実感せざるを得ないのであるが、それでもその無人のエリアにメッセージボードとして黒板が置いてあり、観客がチョークでメッセージを書けるというのはアルバム、ツアーのコンセプトに完璧に合致している。
開演時間の18時になると、背面に「SCHOOL WARS TOUR」と書かれたツアーのキービジュアルを背に、東出真緒(ヴァイオリン)は下手から、男性メンバー陣は上手から登場。ドラムセットに立つバケツを被ったドラマーことBucket Banquet Bis(通称ビスたん)が客席に向かって手を振る中、アルバムのオープニングであり始業チャイムの音が鳴る「Tokyo Emotional」がSEとして流れ、メンバーが楽器を持つと1曲目はアルバムから「倫理 | ロジカルモンスター」なのであるが、音源として聴くよりもはるかにライブの方が曲の持つパンク・メロコア、つまりエモの成分を強く感じられる。それは笑顔で観客の方を見ながらヴァイオリンを弾く東出の姿から感じられるものもあるだろうけど、どこか毒を含んだ歌詞であるこの曲すらも祝福のパンクとして鳴らせるのがBIGMAMAであると改めて思う。
するといきなり金井がギターを弾きながら歌い始めたのは「ヴァイオリンがいるメロコアバンド」としてバンドの名を知らしめたごく初期の大名曲「the cookie crumbles」であり、ビスたんが自身のバケツの頭を叩くような仕草で観客に手拍子を煽るのもこのドラマー擁するこのバンドだからこそであるが、ついにしょこたんこと中川翔子にすら「めちゃイケメン」と言われたこのバケツ君は中身は見れなくても男前なのがわかるのは、アルバムの作曲クレジットのほとんどに名前が掲載されている、今のバンド最大の推進力的な存在になっていることからもわかる。もちろんラスサビ前のタイトルフレーズでは合唱が起こるのは、かつてダイバーが続出していた頃のこのバンドのライブを思い出させてくれるが、安井英人(ベース)が開放弦で弾く姿などは今のキャリアや技術を持つからこその余裕も感じられる。
さらに金井がタイトルを口にしたのはこちらも初期の大名曲「CPX」。全英語でありながらもロボットの悲哀を描いた歌詞は後の金井のストーリーテラーとしての開花を示している(後の曲、ストーリーの中でこのロボットCPXは再登場する)が、この最序盤3曲を聴いてもうこのライブ、このツアーがどんなものになるかわかった。アルバムのテーマである「エモ」に連なる曲が演奏され、そのコンセプトをライブでも作り上げるということだ。もうこの辺りで感極まる感覚があったのは、やっぱりこの曲たちが大好きで、昔からライブでも音源でもずっと聴いてきたという思い入れがあるからだ。
「数学」というタイトルを掲げながら「人生とは?」ということを聴き手に問いかけるかのような「数学 | Ruler」はそうした歌詞故に先ほどまでと同様に頭空っぽにして飛び跳ねたり…というわけにはいかずに、エモーショナルなサウンドでありながらも曲にじっくり向き合わざるを得ない感覚もあるのだが、一転してビスたんのツービート(重さより軽快さを感じさせるのが特徴的なドラマーだとも思う)が疾走し、そこに東出のヴァイオリンが美しく鳴り響き、金井の歌声と、掻き鳴らすような柿沼広也(ギター&ボーカル)のギターが重なる「物理 | Time is like a Jet coaster」は、アルバムを購入してこの曲を聴いた時に「これはライブで観たい、聴きたいな」と思ったくらいに、今のBIGMAMAでのパンク・メロコアな曲だ。それもまたエモというテーマがあってこそであるが、だからこそ今の年齢になっても衒いなくこうしたサウンドを鳴らすことができるし、メンバーの見た目がずっと若々しいからこそ、こうした曲を今作って鳴らしても全く違和感がない。
ビスたんが曲間をドラムで繋ぐとすぐに続けて演奏されたのは2018年リリースのアルバム「-11°C」収録で、そのアルバムを聴いた時に「こんなに突き抜けたパンクを鳴らすBIGMAMAは本当に久しぶりだ」と思った「POPCORN STAR」であるが、この曲はこうして「物理〜」と連なるように演奏されるんじゃないかという予感があった。それはやはりこの2曲に共通するツービートのパンクなリズム。だからこそ「物理〜」を聴いた時に「これは今のこの5人のBIGMAMAでの「POPCORN STAR」だ」と思ったのだ。そんな曲がこうして続けて演奏されると、自分の感覚が肯定されているかのようで実に嬉しくなる。
さらには東出がイントロで流麗なヴァイオリンを弾きまくるだけで何の曲かわかった観客たちが歓声を上げるのは人気曲にして永遠のこのバンドのアンセムの一つである「I Don't Need a Time Machine」なのだが、この曲の
「過去に戻れる日が来たら
迷わず僕は今日を選ぶだろう
but, I don't need a time machine
折角だけど要らないよ」
というフレーズが、過去に戻らなくても今のままでこうしたパンクな過去の曲たちに説得力を持たせることができる、今日、今のBIGMAMAこそが最高かつ最強であることをその鳴らしている音で示しているからこそ、今まで以上に沁みるものがあったのだ。だからこそ、
「気がする?いや、出来るはず」
というフレーズにも、その後の合唱パートにもかつてないほどの力強さを感じることができているのである。
ここまで曲間全くと言っていいくらいになしでひたすら曲を連発してきたのであるが、それは「Merry-Go-Round」にも続いて行く。メリーゴーランドの馬の心境を描くという歌詞は今聴いても本当に秀逸であるし、この設定で小説を1本書けそうな気すらするのであるが、こうして今この流れでこの曲を聴くと、ポップなサウンドに向かって行っていた時期というイメージがあるこの曲にも確かなエモさがあるということを歌詞含めて感じさせてくれる。
そしてここで鳴らされたのはイントロから悲鳴的な歓声すら上がった、かつてはライブのアンコールでトドメとばかりに最後に演奏されることが多かった「Neverland」であり、当時は演奏が始まるや否やステージが見えなくなるくらいにダイバーが続出していた曲であるのだが、さすがに今は拳を振り上げている…と思ったら最後のサビ前に待ってました!とばかりにリフトする人たちが現れた。その光景を見ていろんな感情が溢れ出しそうになったのは、やっぱりその光景をBIGMAMAのライブで観てきたからであり、今もBIGMAMAが鳴らしている音に反応して「行くしかない!」「飛ぶしかない!」という衝動を掻き立てられている人がいるということがわかるからだ。ただひたすら飛びまくるんじゃなくて、本当にここぞというこの瞬間で起こったからこそ、そうしたことを強く感じたのである。
そんなBIGMAMAのパンクな極みというような部分を見せた後に金井は自身の背後に置かれたキーボードへと移動して、それを弾きながら「生物 | 悩みの種に花が咲いたら」を歌うのであるが、柿沼もアコギに持ち替えてその繊細な歌詞とメロディによって、まさに「生物」とは、ひいては生きるとは、ということに向き合うようにして曲に浸りながらも、かつてはキーボードを弾くと言えば東出だった…と思ったら金井と入れ替わるようにして東出がキーボードに移動して演奏された「歴史 | History Maker」でメインボーカルを務めるのは、バンドのもう1人のシンガーにしてソングライターでもある柿沼で、かつてから全く変わらない安定感あるボーカルをさらに表情豊かに、壮大に歌い上げてみせる。その自分たち自身の歴史をも包括するかのようなスケールの演奏と歌唱を聴いていて、ライブで1番化けている新作曲はこの曲なんじゃないかと思ったほど。
するとそのまま柿沼が歌い始めたのは、なんとバンドのルーツでもある、2000年代に大ヒットしていたアメリカのエモバンド、Jimmy Eat Worldの「Sweetness」。この日本においてはアサヒスーパードライのCM曲として有名になった曲であるが、拳を振り上げて東出とともに「Wow-Oh」のコーラスを歌っている人もそれなりにいたのは、メンバーたちと同じ時代に青春を生きてきた人たちということだろうか。
さらに金井が
「もう1曲カバー。我々の青春のバンド!」
と言ってから演奏されたのは、BIGMAMAの原点とも言える、元祖「ヴァイオリンがメンバーにいるロックバンド」ことYellowcardのメジャーデビューかつ代表作にして大ヒットアルバム「Ocean Avenue」収録の「Way Away」であり、編成的にももはやカバーというよりもコピーであるという感すらあるのだが、それはかつてバンドが来日時に対バンしたこともある、バンドが本当に1番好きだと言ってもいい存在の曲だからだろう。
そうした原点と言えるような曲のカバーがセトリに入るのも、やはり「エモ」というテーマだからこそ、ルーツのエモバンドの曲を、「学園」というテーマだからこそバンドを始めた高校生の頃の気持ちを再確認しようとしているからだろう。何よりも感情が表情に出やすい柿沼も東出も本当に楽しそうな笑顔を浮かべている。東出が加入した時にもこうした笑顔で演奏していたんだろうなと思うように。ビスたんだけは全く表情は変わらないけれど。
そうしたカバー曲たちの後に演奏されたことによって、今一度自分たちが今いる場所を確かめるようにして鳴らされた感すらあったのが「地理 | Nowhere No Here」であるのだが、この流れだからこそ感じられるエモーショナルさがライブで聴くこの曲には間違いなくあったし、だからこそそれが
「希望の光の歌」
と紹介された「セントライト」をさらに輝かせる。競馬のタイアップという要素によってかの疾走感もまたやはりパンク、エモに連なるものであるし、そこに希望や光というテーマを感じさせるのはやはりエモの要素を感じさせるものだと言えるだろう。メンバーが憧れたエモバンドたちのライブにいる観客たちはその音楽を聴いて笑顔になってきたのだから。
すると一気に物語の始まりを告げるかのような重いバンドサウンドに東出の美しくも切なさをも感じさせるようなヴァイオリンの音が乗るのは、日本語歌詞でコンセプトを作る始まりとなった大名作アルバム「Dowsing For The Future」の1曲目に収録された「Paper-craft」であり、エモでありながらもBメロで手拍子が起き、サビではダンサブルになるというのは今に至るまでのBIGMAMAの音楽性の広がりの始まりを感じさせるような曲であることが今になるとわかるし、何よりもヴァイオリンのサウンドが乗ることによるメロディの美しさはこのバンドにしかないものであるということも。
そのまま金井がギターを弾きながら歌い始めたのは、こちらも様々なドラマやキャラクターによって展開されるコンセプトアルバムの大名盤「And Yet, It Moves」収録の、エモーションとともに切なさが爆発するような「かくれんぼ」であるのだが、昔はキーが高すぎることによって歌いきれないこともあった金井が今は本当に見事にこの曲を歌えている。それは今の自分がどういう歌い方や声の出し方をすればこの曲を歌えるかということを理解しているとともに、ボーカリストとしての身体的なケアや努力を続けているからでもあるだろう。その一方でこの曲のツインボーカルの一翼と言える柿沼は昔から変わらぬ安定感を発揮している。
さらには金井が
「シークレット シークレット」
と囁きながらギターを鳴らして演奏されたのはもちろん「秘密」であるのだが、この曲が演奏されたことによって、ただパンクでありエモで突っ走るというだけではなくて、BIGMAMAのライブがこのバンドでしか得ることができない多幸感を持っているということを改めて実感させてくれる。個人的には面白いMVがたくさんあるこのバンドの中でもこの曲のものは傑出しているとも思う。
やはり全くと言っていいくらいに曲間を挟むことなく演奏されたのはここにきてじっくりと曲に向き合うようなサウンドでタイトル通りに愛する人と巡り合った偶然であり奇跡を感じさせるような「英語 | 5W1H」であり、やはり金井の歌詞の筆致の見事さは年月を重ねることによってさらに増していると思わされるのであるが、タイトルコールしただけで歓声が湧き上がった「現文 | 虎視眈々と」は今回のアルバムのテーマやコンセプトを決定付けたエモーショナルな曲と言っていいだろうし、だからこそたくさんの人がこの曲を聴くことができるのを待っていたんだなということを感じさせてくれたのである。それはこれまでずっと愛されてきた曲たちも聴けるライブであっても、あくまでも主役は新作の曲であり、その曲を楽しみにしてきた人がたくさんいるということ。だからBIGMAMAはこれからも進化し続けていけると思うのだ。
そんな曲の後に海の上を暴風雨が吹き荒れるようなサウンドが鳴らされて、金井が
「KT Zepp Yokohamaにお越しの皆さんをお連れしましょう、シンセカイへ!」
と言って演奏されたのはもちろん「荒狂曲"シンセカイ"」であるのだが、ビスたんが曲中で原曲より手数を増やしているのを見て、この曲を今の5人でのものにアップデートしていると思った。それは全曲演奏ツアーを回ったりして得たものだろうけれど、そのツアーは新加入したビスたんの体内をBIGMAMAの曲で満たすものでありながらも、毎回ライブに来てくれている人だったり、自分のように久しぶりにライブに来ようと思った人のためのものだったんだろうなと思う。そうして全曲を演奏できるようになったからこそ、こうしてこのツアーでこんなにも幅広い年代の曲を演奏できるようになったのだから。
そして最後のサビ前ではやはり何名かの観客がリフトし、サビに入ると転がっていく。それは昔の壁のようなステージが見えなくなるくらいにたくさんの人がリフトするようなものとは変わった。きっとファン層も入れ替わってきているだろうし、もしかしたら昔にそうやってBIGMAMAのライブで遊んでいた人はもうライブハウスに足を運ばない人生になったのかもしれない。それこそパンクやメロコアを軸とした音楽がメインだった頃からはもう10年以上も経っている。当時大学生だった観客ももう30代半ばとなれば家庭ができたり、仕事が生活のメインになったりして、ライブハウスから足が遠のいても仕方がない。実際に自分の周りもそういう人ばかりだ。
でもこうして今ライブハウスでBIGMAMAを観ていても、あの頃のような衝動を確かに感じる。だから飛んでいく人がいるのだ。それは当時観ていた人からしたらたまらなく愛おしい光景や時間に思えるはず。そう思うからこそ、かつてBIGMAMAのライブで激しく楽しんでいた人たちにこそ、またライブハウスで今のBIGMAMAのライブを見て欲しいと思った。それは今や世間的に使われるようになった、もう何にでも使えて消費されていくような「エモい」というものではなくて、音楽としての「エモ」を鳴らそうとしてBIGMAMAが鳴らしているから。こんな感覚になるなんて、このライブを観るまでは思ってもいなかった。
そして金井がタイトルを口にして演奏された「17 (until the day I die)」は具体的な科目ではないからこそ、この学園というテーマを総括するような曲である。柿沼が歌うサブタイトルフレーズとの掛け合いも含めて、やはりBIGMAMAはメロディが実に美しいバンドであると思うのだが、それを今は金井だけではなくて柿沼とビスたんもそこを担っている。それはBIGMAMAというバンドのメロディの源泉が尽きることがないということをこの曲が示しているということ。
その「17 (until the day I die)」を聴いていて、こうした「学園」や「青春」というテーマの作品は今のBIGMAMAだからこそ作れたものだよなと思った。真っ只中にいる時はそうしたテーマは作れない。今目の前のことを歌うことで精一杯な年代だから。だからそうした時期を俯瞰で見ることができるようになった今の年代だからこそ作ることができたテーマ、コンセプトのアルバムであるし、だからといって懐古的なだけじゃなくて、今は今の青春を謳歌している。この年になってもそれが出来るということを感じさせてくれるのが今回のアルバムとツアーということである。
そして柿沼がギターでチャイムの音を奏でながら金井が
「本日はこの場所を選んでくれて本当にありがとうございました!」
と言った。ここまでのライブを観て、その言葉を聞いて、この日この場所を選んで本当に良かったと思えたし、これからも来れる限りはBIGMAMAのライブに行き続けようと思った。自分にとってこのバンドと、このバンドの音楽がどれだけ大切なものだったのかということが改めてわかったから。前みたいにツアー、母の日、クリスマス…そうして年に何回もこうやってワンマンを観に行きたいと思うようになっていた。
そんな金井の横で鳴らす柿沼のギターによるチャイムは授業の終了を意味するものであった。ラストに演奏されたのは授業が終わって家に帰る情景を描いた「帰宅部 | Go Home Anthem」。ライブが終わった後にライブハウスの外を歩いていた人たちが何人もこの曲を口ずさんでいたくらいに、一度聴いたら脳内をリフレインし続けるメロディ。東出は曲が始まったら1人観客に手を振りながらステージを去って行ったと思ったら、曲途中でツアーTシャツに着替えて再びステージに現れてキーボードを弾く。そうした展開も含めて、この曲は今のこのバンドにおける「until the blouse is buttoned up」のような曲だと思った。それはあの曲に通じる、今この瞬間しかない多幸感を確かに感じさせてくれていたからだ。
「Yokohama Emotional Gakuen、ありがとうございました、BIGMAMAでした!」
と金井が挨拶してメンバーが去っていく。そこにアンコールはない。というかあったら蛇足だなとすら思った。帰宅部はそれぞれ帰ってから学園以外の時間を生きていくのだから。それはこの日の我々にとっては酒を飲みに行ったり、ラーメンを食べに行ったりするということ。こんな学園があったら、毎日登校するのが楽しみで仕方がなくなるような。今のBIGMAMAが作り出した「Tokyo Emotional Gakuen」はそう思えるものだった。
BIGMAMAのメンバーたち(金井、柿沼、安井の同級生トリオ)は自分と紛れもない同世代だ。生まれてからこの世でほとんど変わらない時間を生きてきた存在。今の年齢になると同年代の現役のスポーツ選手も減っていく。バンドだってベテランになっていく。
そんな年代になっても「青春」をテーマにして歌い鳴らす作品を作ることができる。そこに今のバンドとしての説得力を持たせることができる。青春が終わらないものである、何回も訪れるものであると示してくれている。同年代のこのバンドがそれを証明してくれているから、自分もまだまだやりたいことをいくらでもやれるんじゃないかという気持ちになる。ただ学生に戻るだけじゃない、その頃のような気持ちを今に持たせた上でこれから先へ進んでいくための作品でありツアー。BIGMAMAのこれから先も本当に楽しみにしているから、これからもどうかはるか先まで末永くよろしく。
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Tokyo Emotional Reprise
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