BIGMAMA presents "Milkahoric 2014" ~スーツケースの恋人たち~ @TOKYO DOME CITY HALL 12/14
- 2014/12/15
- 11:51
かつては「ヴァイオリンのメンバーがいるメロコアバンド」という見方をされていたBIGMAMAは、今でもライブハウスではステージが見えなくなるくらいに大量のダイバーが出現するようなライブをやっているが、この年末に久々のホールでのワンマンライブを開催。
互いに印象的なサブタイトルがつけられた大阪、東京のうち、この日は後に行われた東京公演。会場のTOKYO DOME CITY HALLは、「BIGMAMAのホールでのライブと言えばここ」という感じすらしている。
ステージには紗幕が張られ、開演するまではどういったステージになっているのかわからないなか、18時になり、「そろそろ始まるか?」と思っていると、機材トラブルにより、開演を30分遅らせるというアナウンス。これは今までライブに行っていてもなかなかないパターンである。
そして18時半、ようやく会場が暗転すると音が鳴り始め、紗幕が落ち、ステージの全貌があらわに。背面はカーテンで装飾され、その前にはシャンデリア、下手の東出(ヴァイオリン)の後ろにはバーカウンター、上手の柿沼(ギター)の後ろにはソファが配置されるという、これだけでもコンセプチュアルなライブであることがわかるが、さらにリアド(ドラム)と安井(ベース)の後ろにはストリングス隊4人がいるのがいつもとは違うライブであることを一目でわからせてくれる。
厳かな雰囲気から徐々に温度が上がっていき、エモーションが炸裂する「Sweet Dreams」からスタートすると、いきなり曲の最後には一体感が生まれにくい全席指定のライブとは思えないほどの大きな合唱が聞こえる。
基本的にこのバンドにはヴァイオリンの東出がいるので、ストリングスとの相性の良さは実証済み、というかもともとメンバーにストリングスがいるので、この4人のストリングス隊の起用が合わないわけがない。
全曲に渡って演奏に参加しているわけではなく、激しいタイプの曲などではステージからいなくなるが、参加している曲では東出のヴァイオリンの旋律をさらに重厚にアップデートしている。
それはベートーベンの「第九」を元にした、どこか年末感が漂う「No. 9」などで最も顕著。
パーティーチューン「Zoo at 2 a.m.」では東出がタンバリンを持ち、ステージを端から端まで走り、客席に笑顔を振りまく。
普段のライブハウスでのライブではダイバーが多数出現する「かくれんぼ」でも当然観客は自分の席で体を揺らす程度。こうなるとわかってはいても、やはりライブハウスから叩き上げてきたバンドなだけに、この様子はかなり新鮮に映る。
金井(ボーカル&ギター)が
「東出は紅一点メンバーだけど、1番下ネタが好き」
という、この日最初とは思えない最初のMCをすると、柿沼と安井も下ネタの流れに巻き込まれながら、
「ここからはホールならではの、普段のライブではあまりやらなかったり、メンバーが好きじゃない曲を」
と言って、「I'm Standing on the Scaffold」からは、確かにあまり演奏されない曲も続く。
そのブロックでは割とダウナーな感じの曲が多かったのだが、東出のヴァイオリンが軽快さに拍車をかける「春は風のように」では金井が歌い出しを冬バージョンで歌い、17日に東海地方限定でリリースされるシングル「ワンダーラスト」を披露。しかし、
「この曲はもっと盛り上がっている状態じゃないとできないんだよな~」
と言い、若干無理矢理ぎみに観客のテンションを上げさせ、観客にとっては初めて聴く曲にもかかわらず、ラストには合唱が起きる。曲自体はバスドラの四つ打ちが印象的だが、そこまで踊れるという感じではなく、冒険アニメのオープニングテーマになっててもおかしくないような曲。曲間には
「金井~!」 「政人~!」
などの歓声が飛ぶと、
「この前、スタバの店員にBIGMAMAの金子さん、って言われたんだけど(笑)
俺とカッキー(柿沼)は昔少年野球をやってて。カッキーはギター弾くより球投げるほうが速いって感じなんだけど(笑)
俺も小学生の時に、地域の選抜チームみたいのに選ばれて、めちゃくちゃ嬉しかったんだけど、その選抜チームの監督が結構お年を召してる方で。
スタメン発表する時に、3番ショート金子!って言ってたんだけど、苗字に「金」がつくのが俺しかいなかったから、空気を読んで「はい!」って返事して(笑)そこから3週間くらいは金子として生活してたんだけど(笑)
それで今、俺は金井王子って呼ばれてるじゃないですか。金井王子って略したら金子になるから、そう呼ばれてたのかな、って(笑)」
と、見事に金子としてのオチをつけると、
「幸せ~!」
と叫んだ観客の女性に対し、
「ここで幸せになってたら、このあともっとヤバいことになるから!」
と、ラストスパートへ。「Swan Song」では安井がバキバキのイントロのベースを聞かせ、
「最後にみなさんを連れていきましょう!シンセカイへ!」
と、ストリングス隊によってさらに壮大さを増した「荒狂曲"シンセカイ"」で本編は終了。
アンコールでは安井と東出がバーカウンターの椅子に座って雑談し、そのまま各メンバーが一言ずつ話すと金井が
「曲をずっと作ってたんですよ。それでいっぱいいい曲が出来たんで、年明けに14曲入りのアルバムを出すんですけど」
と、アルバムの告知をし、映画によくある、主人公が花嫁をさらって2人で逃げたあとの新郎や親族の気持ちを考えたというタイトル「The Vanishing Bride」のことについて話す。
そしてそのアルバムは
「ドラクエで言うとガンガン行こうぜ的な、ライブハウスが似合う曲が多い」
という中、収録曲唯一のバラードであり、この日のライブのサブタイトルにもなっている「Lovers in the Suitcase」を初披露。曲ラストでは柿沼のコーラスに合わせたわかりやすい合唱も起こし、タイトル的にも非常に歌詞の内容が気になるところなので、歌詞カードをじっくり見ながら聴いてみたい。
するとここで今日のスペシャルゲストとでも言うべきストリングス隊の4名を東出が1人ずつ紹介し、1人ずつ奏で始めたのは「カノン」のフレーズ。
ということは演奏されるのはもちろん、「カノン」のフレーズを取り入れた「Cinderella ~計算高いシンデレラ~」。こちらも曲の終わりでは大きな
「ラ~ラ~ラ~ラ~ラ~」
の合唱が起こる。ストリングスの4名も含めて、
「今日はこの9人でBIGMAMAでした!」
と言ってラストに演奏されたのは、観客が色とりどりのタオルを掲げた「until the blouse is buttoned up」。間奏では金井が、
「さっき間違ったこと言った!9人じゃなくて、ここにいる全員でBIGMAMAだ!」
と言った。演奏が終わると、ストリングス隊もステージ前まで出てくる中、メンバーは5人で手をつないで、客席にいBIGMAMAのメンバーに礼をして帰っていった。
この会場では、かつて悔しい思いをしたこともあるが、この日は終盤こそキツそうなところもあったが、金井は最後までしっかり歌い切り、その両サイドの柿沼と東出はコーラスと時にはボーカルで力強い声を聴かせた。この2人の声は、来るべきアルバムや、これからの作品においても大きな武器になるはず。
バンドは今年も恒例のクリスマスライブを行い、そちらはスタンディングのライブハウスなのでこの日とは違った内容になるであろうが、ホールの指定席で見るBIGMAMAのライブは、「激しい」というよりも「美しい」ものだった。
帰り、この日東京ドームでコンサートを行っていた、関ジャニ∞のファンと同じ時間になり、水道橋駅はとんでもないことになっていた。予定通りに18時開演だったらこんなことにはならなかっただろうか。
1.Sweet Dreams
2.Mr. &Mrs. Balloon
3.最後の一口
4.Paper-craft
5.No. 9
6.Zoo at 2 a.m.
7.alongside
8.かくれんぼ
9.Royalize
10.I'm Standing on the Scaffold
11.『それはきっと天使が長く勤まらない理由』
12.君想う、故に我在り
13.RAINBOW
14.春は風のように
15.ワンダーラスト
16.秘密
17.Swan Song
18.荒狂曲"シンセカイ"
encore
19.Lovers in the Suitcase
20.Cinderella ~計算高いシンデレラ~
21.until the blouse is buttoned up
Sweet Dreams
http://youtu.be/GLzRNGetk4Q
Next→ 12/17 THE BAWDIES @Zepp Tokyo
互いに印象的なサブタイトルがつけられた大阪、東京のうち、この日は後に行われた東京公演。会場のTOKYO DOME CITY HALLは、「BIGMAMAのホールでのライブと言えばここ」という感じすらしている。
ステージには紗幕が張られ、開演するまではどういったステージになっているのかわからないなか、18時になり、「そろそろ始まるか?」と思っていると、機材トラブルにより、開演を30分遅らせるというアナウンス。これは今までライブに行っていてもなかなかないパターンである。
そして18時半、ようやく会場が暗転すると音が鳴り始め、紗幕が落ち、ステージの全貌があらわに。背面はカーテンで装飾され、その前にはシャンデリア、下手の東出(ヴァイオリン)の後ろにはバーカウンター、上手の柿沼(ギター)の後ろにはソファが配置されるという、これだけでもコンセプチュアルなライブであることがわかるが、さらにリアド(ドラム)と安井(ベース)の後ろにはストリングス隊4人がいるのがいつもとは違うライブであることを一目でわからせてくれる。
厳かな雰囲気から徐々に温度が上がっていき、エモーションが炸裂する「Sweet Dreams」からスタートすると、いきなり曲の最後には一体感が生まれにくい全席指定のライブとは思えないほどの大きな合唱が聞こえる。
基本的にこのバンドにはヴァイオリンの東出がいるので、ストリングスとの相性の良さは実証済み、というかもともとメンバーにストリングスがいるので、この4人のストリングス隊の起用が合わないわけがない。
全曲に渡って演奏に参加しているわけではなく、激しいタイプの曲などではステージからいなくなるが、参加している曲では東出のヴァイオリンの旋律をさらに重厚にアップデートしている。
それはベートーベンの「第九」を元にした、どこか年末感が漂う「No. 9」などで最も顕著。
パーティーチューン「Zoo at 2 a.m.」では東出がタンバリンを持ち、ステージを端から端まで走り、客席に笑顔を振りまく。
普段のライブハウスでのライブではダイバーが多数出現する「かくれんぼ」でも当然観客は自分の席で体を揺らす程度。こうなるとわかってはいても、やはりライブハウスから叩き上げてきたバンドなだけに、この様子はかなり新鮮に映る。
金井(ボーカル&ギター)が
「東出は紅一点メンバーだけど、1番下ネタが好き」
という、この日最初とは思えない最初のMCをすると、柿沼と安井も下ネタの流れに巻き込まれながら、
「ここからはホールならではの、普段のライブではあまりやらなかったり、メンバーが好きじゃない曲を」
と言って、「I'm Standing on the Scaffold」からは、確かにあまり演奏されない曲も続く。
そのブロックでは割とダウナーな感じの曲が多かったのだが、東出のヴァイオリンが軽快さに拍車をかける「春は風のように」では金井が歌い出しを冬バージョンで歌い、17日に東海地方限定でリリースされるシングル「ワンダーラスト」を披露。しかし、
「この曲はもっと盛り上がっている状態じゃないとできないんだよな~」
と言い、若干無理矢理ぎみに観客のテンションを上げさせ、観客にとっては初めて聴く曲にもかかわらず、ラストには合唱が起きる。曲自体はバスドラの四つ打ちが印象的だが、そこまで踊れるという感じではなく、冒険アニメのオープニングテーマになっててもおかしくないような曲。曲間には
「金井~!」 「政人~!」
などの歓声が飛ぶと、
「この前、スタバの店員にBIGMAMAの金子さん、って言われたんだけど(笑)
俺とカッキー(柿沼)は昔少年野球をやってて。カッキーはギター弾くより球投げるほうが速いって感じなんだけど(笑)
俺も小学生の時に、地域の選抜チームみたいのに選ばれて、めちゃくちゃ嬉しかったんだけど、その選抜チームの監督が結構お年を召してる方で。
スタメン発表する時に、3番ショート金子!って言ってたんだけど、苗字に「金」がつくのが俺しかいなかったから、空気を読んで「はい!」って返事して(笑)そこから3週間くらいは金子として生活してたんだけど(笑)
それで今、俺は金井王子って呼ばれてるじゃないですか。金井王子って略したら金子になるから、そう呼ばれてたのかな、って(笑)」
と、見事に金子としてのオチをつけると、
「幸せ~!」
と叫んだ観客の女性に対し、
「ここで幸せになってたら、このあともっとヤバいことになるから!」
と、ラストスパートへ。「Swan Song」では安井がバキバキのイントロのベースを聞かせ、
「最後にみなさんを連れていきましょう!シンセカイへ!」
と、ストリングス隊によってさらに壮大さを増した「荒狂曲"シンセカイ"」で本編は終了。
アンコールでは安井と東出がバーカウンターの椅子に座って雑談し、そのまま各メンバーが一言ずつ話すと金井が
「曲をずっと作ってたんですよ。それでいっぱいいい曲が出来たんで、年明けに14曲入りのアルバムを出すんですけど」
と、アルバムの告知をし、映画によくある、主人公が花嫁をさらって2人で逃げたあとの新郎や親族の気持ちを考えたというタイトル「The Vanishing Bride」のことについて話す。
そしてそのアルバムは
「ドラクエで言うとガンガン行こうぜ的な、ライブハウスが似合う曲が多い」
という中、収録曲唯一のバラードであり、この日のライブのサブタイトルにもなっている「Lovers in the Suitcase」を初披露。曲ラストでは柿沼のコーラスに合わせたわかりやすい合唱も起こし、タイトル的にも非常に歌詞の内容が気になるところなので、歌詞カードをじっくり見ながら聴いてみたい。
するとここで今日のスペシャルゲストとでも言うべきストリングス隊の4名を東出が1人ずつ紹介し、1人ずつ奏で始めたのは「カノン」のフレーズ。
ということは演奏されるのはもちろん、「カノン」のフレーズを取り入れた「Cinderella ~計算高いシンデレラ~」。こちらも曲の終わりでは大きな
「ラ~ラ~ラ~ラ~ラ~」
の合唱が起こる。ストリングスの4名も含めて、
「今日はこの9人でBIGMAMAでした!」
と言ってラストに演奏されたのは、観客が色とりどりのタオルを掲げた「until the blouse is buttoned up」。間奏では金井が、
「さっき間違ったこと言った!9人じゃなくて、ここにいる全員でBIGMAMAだ!」
と言った。演奏が終わると、ストリングス隊もステージ前まで出てくる中、メンバーは5人で手をつないで、客席にいBIGMAMAのメンバーに礼をして帰っていった。
この会場では、かつて悔しい思いをしたこともあるが、この日は終盤こそキツそうなところもあったが、金井は最後までしっかり歌い切り、その両サイドの柿沼と東出はコーラスと時にはボーカルで力強い声を聴かせた。この2人の声は、来るべきアルバムや、これからの作品においても大きな武器になるはず。
バンドは今年も恒例のクリスマスライブを行い、そちらはスタンディングのライブハウスなのでこの日とは違った内容になるであろうが、ホールの指定席で見るBIGMAMAのライブは、「激しい」というよりも「美しい」ものだった。
帰り、この日東京ドームでコンサートを行っていた、関ジャニ∞のファンと同じ時間になり、水道橋駅はとんでもないことになっていた。予定通りに18時開演だったらこんなことにはならなかっただろうか。
1.Sweet Dreams
2.Mr. &Mrs. Balloon
3.最後の一口
4.Paper-craft
5.No. 9
6.Zoo at 2 a.m.
7.alongside
8.かくれんぼ
9.Royalize
10.I'm Standing on the Scaffold
11.『それはきっと天使が長く勤まらない理由』
12.君想う、故に我在り
13.RAINBOW
14.春は風のように
15.ワンダーラスト
16.秘密
17.Swan Song
18.荒狂曲"シンセカイ"
encore
19.Lovers in the Suitcase
20.Cinderella ~計算高いシンデレラ~
21.until the blouse is buttoned up
Sweet Dreams
http://youtu.be/GLzRNGetk4Q
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