チャットモンチー 9周年記念ライブ"9愛" 出演:チャットモンチー/the chef cooks me/くもゆき/group_inou/あさ・ひる・ばん(Opening Act) @Zepp DiverCity 11/21
- 2014/11/22
- 13:43
ボーカル・橋本絵莉子の妊娠、出産により、しばらく活動を休止していたチャットモンチーが、今年のROCK IN JAPAN FES.で復活。これまで高橋久美子脱退後は、橋本と福岡晃子の2人だけでライブを行っていたが、復活ライブではサポートメンバーにシモリョー(the chef cooks me)、恒岡章(Hi-STANDARD)の2人を加えた4人編成になり、新たなバンドのストーリーの始まりを感じさせた。
それから数回イベントなどへの出演もあり、ついにバンド主催ライブを開催。9周年記念ライブとして、バンドとゆかりのある、
くもゆき
the chef cooks me
group_inou
あさ・ひる・ばん (Opening Act)
という面々が集結。というか、ファンにはわかるが、メンバーそのものな出演者もいる。
・あさ・ひる・ばん (Opening Act)
クリスマスツリーのようなマスコットが登場し(声はチャットモンチーのアッコ)、チャットモンチーが9周年を迎えたことを話すと、まずはこの日のオープニングアクト、あさ・ひる・ばん。
聞き慣れない名前だが、その実態は、かつてチャットモンチーのDVDの企画で、橋本が変装してストリートライブを行った時の名義である。
よって、当然出てきたのは橋本のみ。メガネをかけているのはその変装の時と同様。アコギでの弾き語りというスタイルだが、ライブを行うのがそのDVDの収録以来なので、4~5年ぶり。
橋本も観客もやや苦笑いを浮かべる中、DVDでも歌っていた、ウルフルズ「サムライソウル」のカバーからスタート。橋本の伸びのある歌声は、原曲の男くささを全く感じさせない爽やかさを感じさせる。
ちょっと前にカフェオレのCMで流れていたチャットモンチー「おしゃれに生きていきたいな」を挟むと(CMと同じくらいの尺の短さだったので、丸々1曲では収録されないのかもしれない)、
「あさ・ひる・ばんはチャットモンチーの隙間産業を狙っていきたいので、チャットモンチーでは最近やっていない曲をやります」
と言って歌い始めたのは、ミニアルバム「Awa Come」収録の「キャラメルプリン」。確かにリリースツアー以降は全く演奏されていない曲な気がする。
オープニングアクトということで、あっという間のラストは、加山雄三の「君といつまでも」のカバーという意外なチョイス。しかしながらやはり橋本の声の唯一無二さが際立つあたり、どんな曲でも自分の色に染められる素晴らしいボーカリストである。
1.サムライソウル
2.おしゃれに生きていきたいな
3.キャラメルプリン
4.君といつまでも
・くもゆき
橋本の別名義に続き、こちらはアッコとおおはた雄一によるユニット、くもゆき。
先日、新宿LOFTで行われたスペシャ列伝でライブを見たばかりだが、その時と同様に、おおはたがアコギ、アッコがベースで、「親子で楽しめるライブ」がコンセプトの、ほんわかとした空気の、シュールな歌詞の曲を続けていく。
おおはたの、
「普段から子どもたちの前でライブをやってまして。この間はアンパンマンショーの後にライブやったんですけど、勝てるわけないですよね(笑)」
「このキャパでやるのが初めてなんで、モニターに足かけたり、ダイブしたりしたいですね(笑)したらみんな避けそうな気がするけど(笑)」
というMCも以前通り。
前回のライブは「みんなのうた」からのカバーもあったが、今回は全曲オリジナル。チャットモンチーのマネージャー氏が途中でドラムで参加する曲があるのももはや恒例。ちなみにここまで2組、4人がステージに立っているが、うち2人はチャットモンチーのメンバーで、1人がマネージャーという内輪ノリ。
おおはたがドラム、アッコがギターという編成でおおはたが喘息について歌うラストの「ぼくは喘息もっちもち」では、そのネガティブな歌詞に、曲中にもかかわらず笑いが起こっていた。
全体的に手拍子が起きるなど、さすがにチャットモンチーのライブなだけあって全体的に前回よりホーム感があったが、初めて聴いたようなリアクションが強かったので、チャットモンチーのファンもCD買ったりするまでは至ってないんだろうか。
1.I see you,You see me ~足湯のうた~
2.I Love パクチー ~パクチーなしじゃ生きられない!~
3.ザ・ギョーザ!
4.じゃくじゃくあまのじゃく
5.フライパパン
6.ぼくは喘息もっちもち
ザ・ギョーザ!
http://youtu.be/WUJIVFtmAbU
・the chef cooks me
3番手は、ロッキンでのライブから、ボーカルのシモリョーがチャットモンチーのサポートメンバーとして参加している、the chef cooks me。
中央のシモリョー(ボーカル&キーボード)、両サイドの佐藤ニーチェ(ギター)、イイジマタクヤ(ドラム)というメンバーに加え、ベース、キーボード×2、パーカッションという大編成なのは変わりないが、去年くらいまではサポートメンバーとして参加していた、ゲスの極み乙女。のちゃんMARIがいなくなったのはやはり忙しくなったからだろうか。
そんな編成でいきなり鳴らされたのは、ムーディーなアレンジのチャットモンチー「ここだけの話」のカバー。以前アジカンのライブに出演した時もアジカンの「迷子犬と雨のビート」をカバーしていたが、こういうアウェーな場を一瞬で掴もうとする瞬発力はさすが。自身が本当にそのバンドが好きなんだということが伝わってくる。
CDではゴッチのラップと岩崎愛のコーラスが入っている「環状線は僕らをのせて」は、シモリョーのラップと女性キーボードのコーラスで再現。
序盤はややアウェー感もあったが、シモリョーの、
「今、チャットモンチーにサポートとして参加させてもらってるんですけど、なんで俺に声かけてくれたんだろう、って思っていて。
個人的には7年前くらいに、若若男女ツアー(チャットモンチー、Base Ball Bear、シュノーケルの3バンドによるイベント)に、オープニングアクトとして出させてもらったりしてて。その時になかなか他の人と上手くコミュニケーションが取れなかったんですけど、チャットモンチーのメンバーがすごく優しく接してきてくれて。それがあったからかな、って思ってます」
という、懐かしさがこみ上げる(自分自身、若若男女ツアーに行っていたため)MCを経て、
「日常の怒りとかを全部こっちにぶつけてくれ!」
と言って合唱が起こった新曲「Paint it blue」、そして高橋久美子の脱退とともに、自分たちがくるりと同じくらいにメンバーの入れ替わりが多いと自虐的に語り、
「大好きなチャットモンチーに捧げます!」
と前置きしたラストのハイパーなラブソング「song of sick」では会場中から手拍子が起こり、すっかりアウェー感はなくなっていた。
参加メンバーと編成が変わったことにより、去年リリースの、再デビュー盤と言ってもいい「回転体」の曲も、また別の方向に進化を遂げた。アジカンのみならずチャットモンチーのサポートも経て、これからシモリョーの作る曲はどう進化していくだろうか。
1.ここだけの話
2.環状線は僕らをのせて
3.四季に歌えば
4.ケセラセラ
5.Paint it blue
6.適当な闇
7.song of sick
song of sick
http://youtu.be/pibazJNDYJE
・group_inou
広いステージからは先ほどまでのバンドセットがなくなり、DJ卓のみに。この日の出演者の中では明らかに異彩を放つ、group_inouが登場。
2人が登場すると、トラックメイカーのimaiが、
「もうみんなの楽しみすぎる空気が顔から伝わってくるわ!」
と、テンション高く挨拶し、MCのcpはのっけから飛び跳ねまくりながら、高速ラップを叩き込んでいく。
シュールな歌詞が炸裂する「THERAPY」「MYSTERY」と続くが、imaiの出す音の重さがやはり凄まじい。ただ単にトラックを流すだけでは全くない。MCとDJという編成でここまでライブアーティストだと感じさせるユニットが他にいるだろうか。
imaiがチャットモンチーのドキュメンタリー「ふたりじゃない」を見たことに触れ、
「あのドキュメンタリーの舞台、まさにここ(Zepp DiverCity)じゃん!大雪の成人の日のライブ!今日来た時に、うわー!2人がライブ開催するかスタッフに確認してた楽屋だー!ってめちゃくちゃテンション上がって」
と、もはやただのファンみたいになっている中、
「チャットモンチー9周年ということで」
と「9」を披露すると、
「俺たち、チャットモンチーがこの間出したシングルの3曲目に入っている「変身」のリミックスしたんですよ。リミックスの人たちですよ(笑)
今日はゲストにフィメールラッパー2人を迎えて、その曲をやってみようかと」
とcpが紹介し、ILLCAR Tシャツを着たチャットモンチーの2人が登場し、ステージを左右に歩き回りながら、「変身」のgroup_inouリミックスを初披露。
「ここがピークだったってならないように!」
と、そのあとのラスト2曲も思いっきりぶっ飛ばし、チャット登場で溢れた熱気をそのまま継続させた。
過去にも対バンしたこともあるし、「変身」のリミックスをライブで披露するのが今回だけというのも実にもったいないので、また他の機会でも是非やっていただきたい。
1.RIP
2.THERAPY
3.MYSTERY
4.9
5.変身 (GLIDER MIX)
6.KNUCLE
7.MAYBE
THERAPY
http://youtu.be/ACEBZ-KmuQo
・チャットモンチー
そしてついにトリのチャットモンチーが登場。すでに21時半を回っているというかなり遅い時間帯である。
先ほど自身のバンド、the chef cooks meでも出演したシモリョー、Hi-STANDARDのドラマー恒岡章を含めた4人で登場すると、最新シングル「いたちごっこ」からスタート。さらに4人編成で音数が圧倒的に増えた「ハテナ」とアッパーな曲を連発すると、恒岡の4つ打ちのドラムに合わせ、シモリョーが
「私たちは日本のロックバンドです」
というサンプリングヴォイスを流して始まった「シャングリラ」へ。この曲がこうして再びライブで常に演奏されるようになったのは本当に大きい。
2人編成のシンプルなサウンドから格段の進化を遂げた「Yes or No or Love」を終えると、
橋本「今日はいいイベントだったねぇ。あ、アッコちゃん、あれ言っちゃう?お正月のあれ!」
アッコ「お正月の、まで言っちゃったらもう言うしかないやん(笑)」
橋本「お正月に、重大な発表があります!」
アッコ「まさかの、発表があるという発表でした(笑)
でも、あさ・ひる・ばんがチャットモンチーの隙間産業を狙っているっていうのは初耳でした(笑)」
橋本「な。まぁそういうことよ(笑)」
と、メンバーが増えてもMCの中身の無さは全く変わらない。
橋本のイントロのギターで大歓声が上がった「親知らず」、最新シングル収録曲であり、「東京ハチミツオーケストラ」とはまた違った視点で「東京」を歌った「いたちごっこ」を終えると、
「早いもので次で最後の曲です。…まぁまだなんかあるかもしれんし」
と、含みを持たせながら、シモリョーがキーボードではなくギターを弾き、シューゲイズギターが轟く「恋愛スピリッツ」で本編は終了。
やや長めのアンコールを待つ時間を経ると、この日のイベントTシャツに着替えた4人が再登場して演奏し始めたのは、まさかのHi-STANDARDの「New Life」。橋本が初めてバンドでコピーしたのがハイスタであることはよく知られているが、それだけに全英語歌詞のボーカルも実に慣れた様子。演奏後は自身のバンドの曲を惜しげも無く演奏してくれた恒岡に2人が感謝を告げ、観客が、
「次はSTAY GOLD!」
とリクエストするのをさらりとかわし、
「今日出てくれた人のカバーをやります」
と言って演奏されたのは、group_inou「JUDGE」のカバー。橋本の
「カッカッカッカッカップル おしどりのカッカップル」
というシュールなボーカルと、シモリョーのシンセを軸にしながらも、あのinouのエレクトロヒップホップをバンドサウンドで再現してみせたのは実に斬新。inouが自分たちのライブでこの日「JUDGE」をやらなかったのはこのためであった。
そんなこの日ならではのカバー2連発から、最後はthe chef cooks meの佐藤とイイジマ、group_inou、ギョーザマンに扮したおおはた雄一、さらにはこの日会場に訪れたゆるキャラも集結し、全員で振り付けを踊りながらの「満月に吠えろ」と、祝祭感に包まれながら長い一日は幕を閉じた。
MCで2人が言っていたように、来年バンドは10周年を迎える。その10周年の正月に発表されるのはアルバムとツアーで間違いないだろうが、4人編成になったことで新曲、さらには2人編成ではなかなか演奏できなかった過去曲をこれからたくさん聴けるようになるんじゃないかという期待に溢れている。
とりあえず正月の発表の前に次は年末のCOUNTDOWN JAPANで。
しかし、4人編成でのライブを見るのは2回目だが、ずっと前からこの編成、このアレンジでライブやってるかのような違和感のなさはすごい。チャットモンチーはやっぱりすごい。
1.こころとあたま
2.ハテナ
3.シャングリラ
4.Yes or No or Love
5.親知らず
6.いたちごっこ
7.恋愛スピリッツ
encore
8.New Life
9.JUDGE
10.満月に吠えろ
こころとあたま
http://youtu.be/75_es8Tulwk
Next→11/22 the band apart @新木場STUDIO COAST
それから数回イベントなどへの出演もあり、ついにバンド主催ライブを開催。9周年記念ライブとして、バンドとゆかりのある、
くもゆき
the chef cooks me
group_inou
あさ・ひる・ばん (Opening Act)
という面々が集結。というか、ファンにはわかるが、メンバーそのものな出演者もいる。
・あさ・ひる・ばん (Opening Act)
クリスマスツリーのようなマスコットが登場し(声はチャットモンチーのアッコ)、チャットモンチーが9周年を迎えたことを話すと、まずはこの日のオープニングアクト、あさ・ひる・ばん。
聞き慣れない名前だが、その実態は、かつてチャットモンチーのDVDの企画で、橋本が変装してストリートライブを行った時の名義である。
よって、当然出てきたのは橋本のみ。メガネをかけているのはその変装の時と同様。アコギでの弾き語りというスタイルだが、ライブを行うのがそのDVDの収録以来なので、4~5年ぶり。
橋本も観客もやや苦笑いを浮かべる中、DVDでも歌っていた、ウルフルズ「サムライソウル」のカバーからスタート。橋本の伸びのある歌声は、原曲の男くささを全く感じさせない爽やかさを感じさせる。
ちょっと前にカフェオレのCMで流れていたチャットモンチー「おしゃれに生きていきたいな」を挟むと(CMと同じくらいの尺の短さだったので、丸々1曲では収録されないのかもしれない)、
「あさ・ひる・ばんはチャットモンチーの隙間産業を狙っていきたいので、チャットモンチーでは最近やっていない曲をやります」
と言って歌い始めたのは、ミニアルバム「Awa Come」収録の「キャラメルプリン」。確かにリリースツアー以降は全く演奏されていない曲な気がする。
オープニングアクトということで、あっという間のラストは、加山雄三の「君といつまでも」のカバーという意外なチョイス。しかしながらやはり橋本の声の唯一無二さが際立つあたり、どんな曲でも自分の色に染められる素晴らしいボーカリストである。
1.サムライソウル
2.おしゃれに生きていきたいな
3.キャラメルプリン
4.君といつまでも
・くもゆき
橋本の別名義に続き、こちらはアッコとおおはた雄一によるユニット、くもゆき。
先日、新宿LOFTで行われたスペシャ列伝でライブを見たばかりだが、その時と同様に、おおはたがアコギ、アッコがベースで、「親子で楽しめるライブ」がコンセプトの、ほんわかとした空気の、シュールな歌詞の曲を続けていく。
おおはたの、
「普段から子どもたちの前でライブをやってまして。この間はアンパンマンショーの後にライブやったんですけど、勝てるわけないですよね(笑)」
「このキャパでやるのが初めてなんで、モニターに足かけたり、ダイブしたりしたいですね(笑)したらみんな避けそうな気がするけど(笑)」
というMCも以前通り。
前回のライブは「みんなのうた」からのカバーもあったが、今回は全曲オリジナル。チャットモンチーのマネージャー氏が途中でドラムで参加する曲があるのももはや恒例。ちなみにここまで2組、4人がステージに立っているが、うち2人はチャットモンチーのメンバーで、1人がマネージャーという内輪ノリ。
おおはたがドラム、アッコがギターという編成でおおはたが喘息について歌うラストの「ぼくは喘息もっちもち」では、そのネガティブな歌詞に、曲中にもかかわらず笑いが起こっていた。
全体的に手拍子が起きるなど、さすがにチャットモンチーのライブなだけあって全体的に前回よりホーム感があったが、初めて聴いたようなリアクションが強かったので、チャットモンチーのファンもCD買ったりするまでは至ってないんだろうか。
1.I see you,You see me ~足湯のうた~
2.I Love パクチー ~パクチーなしじゃ生きられない!~
3.ザ・ギョーザ!
4.じゃくじゃくあまのじゃく
5.フライパパン
6.ぼくは喘息もっちもち
ザ・ギョーザ!
http://youtu.be/WUJIVFtmAbU
・the chef cooks me
3番手は、ロッキンでのライブから、ボーカルのシモリョーがチャットモンチーのサポートメンバーとして参加している、the chef cooks me。
中央のシモリョー(ボーカル&キーボード)、両サイドの佐藤ニーチェ(ギター)、イイジマタクヤ(ドラム)というメンバーに加え、ベース、キーボード×2、パーカッションという大編成なのは変わりないが、去年くらいまではサポートメンバーとして参加していた、ゲスの極み乙女。のちゃんMARIがいなくなったのはやはり忙しくなったからだろうか。
そんな編成でいきなり鳴らされたのは、ムーディーなアレンジのチャットモンチー「ここだけの話」のカバー。以前アジカンのライブに出演した時もアジカンの「迷子犬と雨のビート」をカバーしていたが、こういうアウェーな場を一瞬で掴もうとする瞬発力はさすが。自身が本当にそのバンドが好きなんだということが伝わってくる。
CDではゴッチのラップと岩崎愛のコーラスが入っている「環状線は僕らをのせて」は、シモリョーのラップと女性キーボードのコーラスで再現。
序盤はややアウェー感もあったが、シモリョーの、
「今、チャットモンチーにサポートとして参加させてもらってるんですけど、なんで俺に声かけてくれたんだろう、って思っていて。
個人的には7年前くらいに、若若男女ツアー(チャットモンチー、Base Ball Bear、シュノーケルの3バンドによるイベント)に、オープニングアクトとして出させてもらったりしてて。その時になかなか他の人と上手くコミュニケーションが取れなかったんですけど、チャットモンチーのメンバーがすごく優しく接してきてくれて。それがあったからかな、って思ってます」
という、懐かしさがこみ上げる(自分自身、若若男女ツアーに行っていたため)MCを経て、
「日常の怒りとかを全部こっちにぶつけてくれ!」
と言って合唱が起こった新曲「Paint it blue」、そして高橋久美子の脱退とともに、自分たちがくるりと同じくらいにメンバーの入れ替わりが多いと自虐的に語り、
「大好きなチャットモンチーに捧げます!」
と前置きしたラストのハイパーなラブソング「song of sick」では会場中から手拍子が起こり、すっかりアウェー感はなくなっていた。
参加メンバーと編成が変わったことにより、去年リリースの、再デビュー盤と言ってもいい「回転体」の曲も、また別の方向に進化を遂げた。アジカンのみならずチャットモンチーのサポートも経て、これからシモリョーの作る曲はどう進化していくだろうか。
1.ここだけの話
2.環状線は僕らをのせて
3.四季に歌えば
4.ケセラセラ
5.Paint it blue
6.適当な闇
7.song of sick
song of sick
http://youtu.be/pibazJNDYJE
・group_inou
広いステージからは先ほどまでのバンドセットがなくなり、DJ卓のみに。この日の出演者の中では明らかに異彩を放つ、group_inouが登場。
2人が登場すると、トラックメイカーのimaiが、
「もうみんなの楽しみすぎる空気が顔から伝わってくるわ!」
と、テンション高く挨拶し、MCのcpはのっけから飛び跳ねまくりながら、高速ラップを叩き込んでいく。
シュールな歌詞が炸裂する「THERAPY」「MYSTERY」と続くが、imaiの出す音の重さがやはり凄まじい。ただ単にトラックを流すだけでは全くない。MCとDJという編成でここまでライブアーティストだと感じさせるユニットが他にいるだろうか。
imaiがチャットモンチーのドキュメンタリー「ふたりじゃない」を見たことに触れ、
「あのドキュメンタリーの舞台、まさにここ(Zepp DiverCity)じゃん!大雪の成人の日のライブ!今日来た時に、うわー!2人がライブ開催するかスタッフに確認してた楽屋だー!ってめちゃくちゃテンション上がって」
と、もはやただのファンみたいになっている中、
「チャットモンチー9周年ということで」
と「9」を披露すると、
「俺たち、チャットモンチーがこの間出したシングルの3曲目に入っている「変身」のリミックスしたんですよ。リミックスの人たちですよ(笑)
今日はゲストにフィメールラッパー2人を迎えて、その曲をやってみようかと」
とcpが紹介し、ILLCAR Tシャツを着たチャットモンチーの2人が登場し、ステージを左右に歩き回りながら、「変身」のgroup_inouリミックスを初披露。
「ここがピークだったってならないように!」
と、そのあとのラスト2曲も思いっきりぶっ飛ばし、チャット登場で溢れた熱気をそのまま継続させた。
過去にも対バンしたこともあるし、「変身」のリミックスをライブで披露するのが今回だけというのも実にもったいないので、また他の機会でも是非やっていただきたい。
1.RIP
2.THERAPY
3.MYSTERY
4.9
5.変身 (GLIDER MIX)
6.KNUCLE
7.MAYBE
THERAPY
http://youtu.be/ACEBZ-KmuQo
・チャットモンチー
そしてついにトリのチャットモンチーが登場。すでに21時半を回っているというかなり遅い時間帯である。
先ほど自身のバンド、the chef cooks meでも出演したシモリョー、Hi-STANDARDのドラマー恒岡章を含めた4人で登場すると、最新シングル「いたちごっこ」からスタート。さらに4人編成で音数が圧倒的に増えた「ハテナ」とアッパーな曲を連発すると、恒岡の4つ打ちのドラムに合わせ、シモリョーが
「私たちは日本のロックバンドです」
というサンプリングヴォイスを流して始まった「シャングリラ」へ。この曲がこうして再びライブで常に演奏されるようになったのは本当に大きい。
2人編成のシンプルなサウンドから格段の進化を遂げた「Yes or No or Love」を終えると、
橋本「今日はいいイベントだったねぇ。あ、アッコちゃん、あれ言っちゃう?お正月のあれ!」
アッコ「お正月の、まで言っちゃったらもう言うしかないやん(笑)」
橋本「お正月に、重大な発表があります!」
アッコ「まさかの、発表があるという発表でした(笑)
でも、あさ・ひる・ばんがチャットモンチーの隙間産業を狙っているっていうのは初耳でした(笑)」
橋本「な。まぁそういうことよ(笑)」
と、メンバーが増えてもMCの中身の無さは全く変わらない。
橋本のイントロのギターで大歓声が上がった「親知らず」、最新シングル収録曲であり、「東京ハチミツオーケストラ」とはまた違った視点で「東京」を歌った「いたちごっこ」を終えると、
「早いもので次で最後の曲です。…まぁまだなんかあるかもしれんし」
と、含みを持たせながら、シモリョーがキーボードではなくギターを弾き、シューゲイズギターが轟く「恋愛スピリッツ」で本編は終了。
やや長めのアンコールを待つ時間を経ると、この日のイベントTシャツに着替えた4人が再登場して演奏し始めたのは、まさかのHi-STANDARDの「New Life」。橋本が初めてバンドでコピーしたのがハイスタであることはよく知られているが、それだけに全英語歌詞のボーカルも実に慣れた様子。演奏後は自身のバンドの曲を惜しげも無く演奏してくれた恒岡に2人が感謝を告げ、観客が、
「次はSTAY GOLD!」
とリクエストするのをさらりとかわし、
「今日出てくれた人のカバーをやります」
と言って演奏されたのは、group_inou「JUDGE」のカバー。橋本の
「カッカッカッカッカップル おしどりのカッカップル」
というシュールなボーカルと、シモリョーのシンセを軸にしながらも、あのinouのエレクトロヒップホップをバンドサウンドで再現してみせたのは実に斬新。inouが自分たちのライブでこの日「JUDGE」をやらなかったのはこのためであった。
そんなこの日ならではのカバー2連発から、最後はthe chef cooks meの佐藤とイイジマ、group_inou、ギョーザマンに扮したおおはた雄一、さらにはこの日会場に訪れたゆるキャラも集結し、全員で振り付けを踊りながらの「満月に吠えろ」と、祝祭感に包まれながら長い一日は幕を閉じた。
MCで2人が言っていたように、来年バンドは10周年を迎える。その10周年の正月に発表されるのはアルバムとツアーで間違いないだろうが、4人編成になったことで新曲、さらには2人編成ではなかなか演奏できなかった過去曲をこれからたくさん聴けるようになるんじゃないかという期待に溢れている。
とりあえず正月の発表の前に次は年末のCOUNTDOWN JAPANで。
しかし、4人編成でのライブを見るのは2回目だが、ずっと前からこの編成、このアレンジでライブやってるかのような違和感のなさはすごい。チャットモンチーはやっぱりすごい。
1.こころとあたま
2.ハテナ
3.シャングリラ
4.Yes or No or Love
5.親知らず
6.いたちごっこ
7.恋愛スピリッツ
encore
8.New Life
9.JUDGE
10.満月に吠えろ
こころとあたま
http://youtu.be/75_es8Tulwk
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