石井麻木 写真展 3.11からの手紙- 武藤昭平 with ウエノコウジ LIVE @タワーレコード渋谷店 8階 「SPACE HACHKAI」 11/19
- 2014/11/20
- 00:56
ライブやアーティスト写真の撮影も行う女性カメラマン、石井麻木が写真展を開催。テーマは「3.11」ということで、自身が単身で毎週のように車を走らせ、福島も含めた東北の被災地の人たちの写真と、アーティストの被災地でのライブ写真などが中心。
被災直後から現在に至るまでの3年間、被災地がどういう過程を辿ってきたのか、今も仮設住宅に住む人たちのコメントなども記された写真には思うことがたくさんある。
「もう、何もかもが前と全く同じには戻らない」
「このまま忘れさられていくのが怖い」
など、写真とともに並んだ言葉が胸を打つ。
そしてこの写真展には様々なアーティストがライブをしに来ており、この日は武藤昭平(勝手にしやがれ) with ウエノコウジ(the HIATUSなど)。
19時に2人が登場すると、すでに2人とも缶ビールと酎ハイを持って登場。勝手にしやがれではドラム&ボーカルの武藤はアコギ、ウエノもアコベというアコースティック編成。
ウエノ「いやー、なんかここでやるの緊張するみたいね。この前、百々(和宏。MO'SOME TONEBENDER)がやったら緊張ほぐすために飲みながらやって、最後は泥酔してたって(笑)
しかもこの人(武藤)はバンド界一、悪酔いする男だと俺は思ってるので(笑)」
と、the HIATUSのライブでは全くMCをしないウエノのまさかの饒舌なMCからスタート。ちなみに普段からこの2人はこういう感じらしく、ライブが3時間に及ぶこともあるという。
初っ端から「キリンの首」でボーカルをとる武藤がアコギをパーカッションのように叩くという情熱的なパフォーマンスを見せると、一曲ごとにMCが入るという、クールかつ無骨な見た目からは想像できないような緩さ。
武藤「結構ライブハウス以外にも、飲み屋とか、音が出せる店ならどこでもやるっていう感じなんだけど、2人で東北に行った時に、ライブ前に1人でお寺に行ったら、住職さんにかなり長い、ありがたい説法をいただいて(笑)」
ウエノ「普段からリハ終わったらもう飲んでるのに、本番前になってもいないぞ?って騒ぎになって(笑)」
武藤「その頃、これからライブなんですよ、って住職さんに言ったら、これからですか!じゃあこれ飲んで頑張ってください!、って金箔入りの酒を振舞われてた(笑)」
と、実に愉快なやり取り。
「良い時も悪い時も寄り添ってくれるのは酒だけだから」
と、河島英五みたいなことを言いながらビールを飲んでいるウエノは徐々に顔が赤くなってきている。
新曲も交えながら、やはりMCというか、もはや東北の思い出を面白く語るフリートークが長め。
武藤「浄土ヶ浜の、青の洞窟ってとこに行ったんですよ。この2人と、石井麻木で」
ウエノ「そこではボートに乗せられるから、ライフジャケットとヘルメットをつけなくちゃいけないんだけど、俺と麻木はどっか違和感というか、借り物感みたいのがあったんだけど、武藤さんはなんの違和感もなくてめちゃくちゃ似合ってた(笑)もう現地の人かなって思うくらいに(笑)」
武藤「その格好しながら、ウミネコにかっぱえびせんあげたりしてねぇ。船に乗る前にもらえるんだけど、最初は船に乗りながらお菓子でも食べてーみたいな感じかと思ってたらー」
ウエノ「武藤さん、楽しそうだね(笑)」
と、アルコールが進むにつれてさらに饒舌になっていく。
すると中盤ではゲストの紹介。ウエノが
「麻木とか、細美とかTOSHI-LOWとか、暇さえあれば毎週のように東北に行ってて、そのバイタリティは本当に尊敬してるんだけど。こいつも塩釜でGAMA ROCKっていうイベントをやってて、本当にすごいなって尊敬しててーDragon AshのATSUSHI!」
と、Dragon Ashのダンサー、ATSUSHIを呼び込む。実はウエノとは月に一回中目黒で一緒に飲むのが恒例になっているらしく、
ウエノ「一軒目が居酒屋で、二軒目がいつもスナックなんだけど、俺が石原裕次郎を歌って、ATSUSHI、踊れ!って言って踊らせて(笑)ムード歌謡は踊りやすいだろうと(笑)」
と、ATSUSHIの踊りをかなり安売りさせている様子。
しかしやはりライブともなれば、武藤のセクシーな大人の渋みをいっぱいに含んだボーカルに合わせて、生命力そのものを表現しているかのような、神聖さすら感じさせる踊りを見せてくれる。
ATSUSHIがはけると、観客に手拍子と合唱を促し、
「全員やるまで終わりません!実際にこの前は20分以上やりました!(笑)」
と笑顔で脅しをかけながら合唱を巻き起こした「ブエナ・ビスタ」、そして再びATSUSHIも迎えての、まさにここにいる友達に向けた歌である「アミーゴ・アミーゴ」で終了。2人は缶2杯を飲んで、気分良さそうにステージを去って行った。これからまた飲みに行くんだろうか。
しかし、ウエノコウジがこんなにもしゃべる人だとは全く思ってなかった。(普段the HIATUSでは全くしゃべらない)
そして2人が美味しそうに酒を飲んでいるのと、音楽がイギリスのパブなんかで演奏されていそうな音楽なので、こっちまで飲みたくなった。
ライブが終わると、今度は東北ライブハウス大作戦MOVIEの上映。
大船渡FREAKS
石巻BLUE RESISTANCE
宮古CLUB COUNTER ACTION
の、東北ライブハウス大作戦でできた3つのライブハウスが出来るまでから、東北AIR JAMまでの、ライブハウス店長やそこで働く人たちの姿を映したドキュメンタリー。
ナレーターがそれぞれ
クハラカズユキ(The Birthday)
TOSHI-LOW(BRAHMAN)
りょーめー(爆弾ジョニー)
という3人。先日放送されたスペシャのthe HIATUS特番でもTOSHI-LOWのナレーションの素晴らしさはわかっていたが、パッと見ではチャラい感じすらする爆弾ジョニーのメンバーが、なぜいつも東北ライブハウス大作戦のラババンをつけているのか。それが本当によくわかるりょーめーのナレーションだった。
東北ライブハウス大作戦のライブハウスのスタッフは、普段は別に仕事を持っている人がほとんど。それでも地元を復興させるために大好きな音楽が鳴らされる場所に集まり、試行錯誤しながらライブハウスを経営している。その姿を見るだけでも、本当に心が打たれる。
そしてBRAHMANの「鼎の問」が流れる中、TAKUMAや磯部正文らの東北AIR JAMの出演者や、東北ライブハウス大作戦の店長などへの
「あなたにとってライブハウスとは?」
の問いでムービーは終わる。
自分にとっては、生きているって実感できる場所かな。月並みだけど。渋谷AXとか、なくなったけど一生忘れないと思う。
写真、ライブ、映画。この日はその全てから、東北のことを考えていた。普段はどうしても忘れそうになってしまう。でも、まだまだ仮設住宅で生活しながら、
「このまま忘れさられて行くのが怖い」
と思っている人がたくさんいる。忘れないように。そして全ての人が少しでも安心して元のように暮らすことができるように。まだまだ終わってないなぁ。
ブエナ・ビスタ
http://youtu.be/Yuy2OxW9WKs
NEXT→11/21 チャットモンチー 「9愛」 @Zepp DiverCity
(前回もこう書いたけど、この日のライブは急遽決めたため、予定に書かなかった)

被災直後から現在に至るまでの3年間、被災地がどういう過程を辿ってきたのか、今も仮設住宅に住む人たちのコメントなども記された写真には思うことがたくさんある。
「もう、何もかもが前と全く同じには戻らない」
「このまま忘れさられていくのが怖い」
など、写真とともに並んだ言葉が胸を打つ。
そしてこの写真展には様々なアーティストがライブをしに来ており、この日は武藤昭平(勝手にしやがれ) with ウエノコウジ(the HIATUSなど)。
19時に2人が登場すると、すでに2人とも缶ビールと酎ハイを持って登場。勝手にしやがれではドラム&ボーカルの武藤はアコギ、ウエノもアコベというアコースティック編成。
ウエノ「いやー、なんかここでやるの緊張するみたいね。この前、百々(和宏。MO'SOME TONEBENDER)がやったら緊張ほぐすために飲みながらやって、最後は泥酔してたって(笑)
しかもこの人(武藤)はバンド界一、悪酔いする男だと俺は思ってるので(笑)」
と、the HIATUSのライブでは全くMCをしないウエノのまさかの饒舌なMCからスタート。ちなみに普段からこの2人はこういう感じらしく、ライブが3時間に及ぶこともあるという。
初っ端から「キリンの首」でボーカルをとる武藤がアコギをパーカッションのように叩くという情熱的なパフォーマンスを見せると、一曲ごとにMCが入るという、クールかつ無骨な見た目からは想像できないような緩さ。
武藤「結構ライブハウス以外にも、飲み屋とか、音が出せる店ならどこでもやるっていう感じなんだけど、2人で東北に行った時に、ライブ前に1人でお寺に行ったら、住職さんにかなり長い、ありがたい説法をいただいて(笑)」
ウエノ「普段からリハ終わったらもう飲んでるのに、本番前になってもいないぞ?って騒ぎになって(笑)」
武藤「その頃、これからライブなんですよ、って住職さんに言ったら、これからですか!じゃあこれ飲んで頑張ってください!、って金箔入りの酒を振舞われてた(笑)」
と、実に愉快なやり取り。
「良い時も悪い時も寄り添ってくれるのは酒だけだから」
と、河島英五みたいなことを言いながらビールを飲んでいるウエノは徐々に顔が赤くなってきている。
新曲も交えながら、やはりMCというか、もはや東北の思い出を面白く語るフリートークが長め。
武藤「浄土ヶ浜の、青の洞窟ってとこに行ったんですよ。この2人と、石井麻木で」
ウエノ「そこではボートに乗せられるから、ライフジャケットとヘルメットをつけなくちゃいけないんだけど、俺と麻木はどっか違和感というか、借り物感みたいのがあったんだけど、武藤さんはなんの違和感もなくてめちゃくちゃ似合ってた(笑)もう現地の人かなって思うくらいに(笑)」
武藤「その格好しながら、ウミネコにかっぱえびせんあげたりしてねぇ。船に乗る前にもらえるんだけど、最初は船に乗りながらお菓子でも食べてーみたいな感じかと思ってたらー」
ウエノ「武藤さん、楽しそうだね(笑)」
と、アルコールが進むにつれてさらに饒舌になっていく。
すると中盤ではゲストの紹介。ウエノが
「麻木とか、細美とかTOSHI-LOWとか、暇さえあれば毎週のように東北に行ってて、そのバイタリティは本当に尊敬してるんだけど。こいつも塩釜でGAMA ROCKっていうイベントをやってて、本当にすごいなって尊敬しててーDragon AshのATSUSHI!」
と、Dragon Ashのダンサー、ATSUSHIを呼び込む。実はウエノとは月に一回中目黒で一緒に飲むのが恒例になっているらしく、
ウエノ「一軒目が居酒屋で、二軒目がいつもスナックなんだけど、俺が石原裕次郎を歌って、ATSUSHI、踊れ!って言って踊らせて(笑)ムード歌謡は踊りやすいだろうと(笑)」
と、ATSUSHIの踊りをかなり安売りさせている様子。
しかしやはりライブともなれば、武藤のセクシーな大人の渋みをいっぱいに含んだボーカルに合わせて、生命力そのものを表現しているかのような、神聖さすら感じさせる踊りを見せてくれる。
ATSUSHIがはけると、観客に手拍子と合唱を促し、
「全員やるまで終わりません!実際にこの前は20分以上やりました!(笑)」
と笑顔で脅しをかけながら合唱を巻き起こした「ブエナ・ビスタ」、そして再びATSUSHIも迎えての、まさにここにいる友達に向けた歌である「アミーゴ・アミーゴ」で終了。2人は缶2杯を飲んで、気分良さそうにステージを去って行った。これからまた飲みに行くんだろうか。
しかし、ウエノコウジがこんなにもしゃべる人だとは全く思ってなかった。(普段the HIATUSでは全くしゃべらない)
そして2人が美味しそうに酒を飲んでいるのと、音楽がイギリスのパブなんかで演奏されていそうな音楽なので、こっちまで飲みたくなった。
ライブが終わると、今度は東北ライブハウス大作戦MOVIEの上映。
大船渡FREAKS
石巻BLUE RESISTANCE
宮古CLUB COUNTER ACTION
の、東北ライブハウス大作戦でできた3つのライブハウスが出来るまでから、東北AIR JAMまでの、ライブハウス店長やそこで働く人たちの姿を映したドキュメンタリー。
ナレーターがそれぞれ
クハラカズユキ(The Birthday)
TOSHI-LOW(BRAHMAN)
りょーめー(爆弾ジョニー)
という3人。先日放送されたスペシャのthe HIATUS特番でもTOSHI-LOWのナレーションの素晴らしさはわかっていたが、パッと見ではチャラい感じすらする爆弾ジョニーのメンバーが、なぜいつも東北ライブハウス大作戦のラババンをつけているのか。それが本当によくわかるりょーめーのナレーションだった。
東北ライブハウス大作戦のライブハウスのスタッフは、普段は別に仕事を持っている人がほとんど。それでも地元を復興させるために大好きな音楽が鳴らされる場所に集まり、試行錯誤しながらライブハウスを経営している。その姿を見るだけでも、本当に心が打たれる。
そしてBRAHMANの「鼎の問」が流れる中、TAKUMAや磯部正文らの東北AIR JAMの出演者や、東北ライブハウス大作戦の店長などへの
「あなたにとってライブハウスとは?」
の問いでムービーは終わる。
自分にとっては、生きているって実感できる場所かな。月並みだけど。渋谷AXとか、なくなったけど一生忘れないと思う。
写真、ライブ、映画。この日はその全てから、東北のことを考えていた。普段はどうしても忘れそうになってしまう。でも、まだまだ仮設住宅で生活しながら、
「このまま忘れさられて行くのが怖い」
と思っている人がたくさんいる。忘れないように。そして全ての人が少しでも安心して元のように暮らすことができるように。まだまだ終わってないなぁ。
ブエナ・ビスタ
http://youtu.be/Yuy2OxW9WKs
NEXT→11/21 チャットモンチー 「9愛」 @Zepp DiverCity
(前回もこう書いたけど、この日のライブは急遽決めたため、予定に書かなかった)

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