amazarashi LIVE TOUR 2014 「夕日信仰ヒガシズム」 @Zepp Tokyo 11/15
- 2014/11/15
- 22:09
9月にストリングス隊を迎え、朗読を軸にした、「あまざらし」名義一夜限りのプレミアムライブ「スターライト」を行ったamazarashi。
その時に披露された「スターライト」「ひろ」も含まれたアルバム「夕日信仰ヒガシズム」が10月にリリースされ、そのレコ発ツアーが早くもスタート。
18時過ぎ、会場がパッと暗転すると、すでにステージに張られた幕の向こう側には秋田ひろむ(ボーカル&ギター)、豊川真奈美(ピアノ)とサポートメンバー(あまざらしの時とは違い、いつも通りにギター、ベース、ドラムの3人)がスタンバイしており、幕に映像が映し出され始めると、新作からの「後期衝動」でスタート。と思いきや、ワンコーラスで終了したのだが、これはどういう意図だろうか。
すると、秋田ひろむが、
「夕日信仰ヒガシズム、Zepp Tokyo、嗚呼青森から来ましたamazarashiです。よろしくお願いします!」
と、これまで全くした覚えないのない挨拶をした。これはまるでロックバンドのライブ始めの挨拶そのもの。これまでのamazarashiは秋田と豊川によりユニットだったが、まるでこのメンバーでamazarashiというバンドになったかのよう。
そのままタイトル曲「ヒガシズム」へ。amazarashiのライブは相変わらず幕に映し出される映像が素晴らしい。
それはアルバム発売前から公開されていたPVをメイン映像に使った「もう一度」もそうなのだが、この曲のポジティブなエネルギーは最初に聴いた時は本当にビックリした。これまでは「絶望の中から微かに見える希望」を感じさせる曲を歌ってきたamazarashiが、「絶望を経験したからこそ見えている希望」を歌った曲。実際、この曲を聴いて「もう一度」何かを始めようと思う人もいるはずだ。
曲の前には秋田による朗読もいたるところに挟まれるのだが、
「死ぬように生きている 死にたいとか生きているようなことを言っている」
という意の朗読のあとは、この日最初の過去曲「風に流離い」。
続く新作からの「穴を掘っている」は、こちらも発売前から、「Twitterで死にたいというツイートを集めた映像を樹海で撮影した」PVが公開されていたが、演奏中に映し出されたのはPVではなく、森、山の中を草木を掻き分けながら歩いて行く、主観的な映像だった。
秋田による単語の連なりのポエム「春待ち」から「さくら」という流れは、もはや今は冬であるが、まさに冬から春へ移り変わっていくような季節感を感じさせる。また、「さくら」からはメンバーの頭上を上下する電球型の照明(サカナクションが「DocumentaLy」の幕張メッセで導入した「ニンジャーライトと同じものだろうか?)が登場し、映像以外の演出でも曲を装飾している。
過ぎ去ってしまった青春時代に思いを馳せるような名曲「少年少女」から、「コンビニ傘」を思わせる映像が流れる新作からの「雨男」。この日の東京は快晴だったので、秋田は雨男ではないことがわかったが、雪の降った日に「真っ白な世界」を聴きたくなるように、おそらくこれから雨が降っている日はこの曲を聴きたくなると思う。
てっきり「ムカデ」をやるのかな?と思うような朗読の後の「ラブソング」ではこの曲のPVが映し出される。すでに数えきれないほど見てきた映像であるが、何度見ても見入ってしまうほどの完成度。
「冷凍睡眠」「あとがき」と前作からの曲を続けると、秋田のボーカルとギター、豊川のピアノのみで前半が演奏され、バンドが加わっても映像が使われることなく、メンバーを照らす光のみというシンプルな演出の「ひろ」。歌詞が秋田の亡くなった友人に向けてのものであるため、歌と演奏だけに意識を集中してほしいということだろうか。
アルバムの最後を飾る「それはまた別のお話」は、ライブでも最後に演奏されると思っていたので、終盤とは言え、ここで演奏されたのはちょっと意外。amazarashiはアンコールをやらないというライブの性質上、こういう曲のセトリへの組み込み方は本当に難しいと思う。いたる街の夕暮れが映し出された映像も本当に美しかった。
「アルバムに言いたいことを全部込めたので、言いたいことは特になくて…。だから、あと2曲だけ、言いたいことを歌います。
どんなことにも終わりが来る。ライブも、今日も。あんたらの明日に捧げます!ジュブナイル!」
と、秋田がかつてないほどにエモーショナルな発言をしてからの「ジュブナイル」は、ボーカルも本当にエモかった。それ故か、ここまでは声の大きさも伸びも素晴らしかったのが、揺らぐところが時々出てくるほど。
しかしこの曲のPVのラストのシーンが個人的には非常に好きなのだが、実際に秋田と豊川はこのようにして出会った2人なのだろうか。いつか、そのことを歌った曲も聴いてみたい。
そしてラストは前回のライブと同様に「スターライト」。銀河鉄道が走っているかのような映像が映る中、この日至る場面で登場したニンジャーライトが、曲終盤の
「鳥になるか 鳥になるか」
のフレーズでまさに鳥の形になり、光の鳥が羽ばたいているかのようだった。
メンバーがステージから去ると、「ヒガシズム」が終演BGMとして流れ、幕にはロゴが映し出された。
amazarashiのライブを見ると、毎回「生きていたい」と思わされる。それは執着ではなく、愛おしさ。「死にたい」なんてこれっぽっちも思ってない自分がそう思うということは、そう思いながら生活している人達にとって、どれだけの救いになってることだろうか。
次はクリスマスイブに渋谷公会堂で追加公演。この日やらなかった新作アルバム収録曲もあるし、何より前にも年末に渋谷公会堂で演奏した「クリスマス」も間違いなくやってくれるだろうな。
1.後期衝動
2.ヒガシズム
3.もう一度
4.風に流離い
5.穴を掘っている
6.春待ち
7.さくら
8.少年少女
9.雨男
10.ラブソング
11.冷凍睡眠
12.あとがき
13.ひろ
14.それはまた別のお話
15.ジュブナイル
16.スターライト
スターライト
http://youtu.be/dQ5Vs4dHmWw
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その時に披露された「スターライト」「ひろ」も含まれたアルバム「夕日信仰ヒガシズム」が10月にリリースされ、そのレコ発ツアーが早くもスタート。
18時過ぎ、会場がパッと暗転すると、すでにステージに張られた幕の向こう側には秋田ひろむ(ボーカル&ギター)、豊川真奈美(ピアノ)とサポートメンバー(あまざらしの時とは違い、いつも通りにギター、ベース、ドラムの3人)がスタンバイしており、幕に映像が映し出され始めると、新作からの「後期衝動」でスタート。と思いきや、ワンコーラスで終了したのだが、これはどういう意図だろうか。
すると、秋田ひろむが、
「夕日信仰ヒガシズム、Zepp Tokyo、嗚呼青森から来ましたamazarashiです。よろしくお願いします!」
と、これまで全くした覚えないのない挨拶をした。これはまるでロックバンドのライブ始めの挨拶そのもの。これまでのamazarashiは秋田と豊川によりユニットだったが、まるでこのメンバーでamazarashiというバンドになったかのよう。
そのままタイトル曲「ヒガシズム」へ。amazarashiのライブは相変わらず幕に映し出される映像が素晴らしい。
それはアルバム発売前から公開されていたPVをメイン映像に使った「もう一度」もそうなのだが、この曲のポジティブなエネルギーは最初に聴いた時は本当にビックリした。これまでは「絶望の中から微かに見える希望」を感じさせる曲を歌ってきたamazarashiが、「絶望を経験したからこそ見えている希望」を歌った曲。実際、この曲を聴いて「もう一度」何かを始めようと思う人もいるはずだ。
曲の前には秋田による朗読もいたるところに挟まれるのだが、
「死ぬように生きている 死にたいとか生きているようなことを言っている」
という意の朗読のあとは、この日最初の過去曲「風に流離い」。
続く新作からの「穴を掘っている」は、こちらも発売前から、「Twitterで死にたいというツイートを集めた映像を樹海で撮影した」PVが公開されていたが、演奏中に映し出されたのはPVではなく、森、山の中を草木を掻き分けながら歩いて行く、主観的な映像だった。
秋田による単語の連なりのポエム「春待ち」から「さくら」という流れは、もはや今は冬であるが、まさに冬から春へ移り変わっていくような季節感を感じさせる。また、「さくら」からはメンバーの頭上を上下する電球型の照明(サカナクションが「DocumentaLy」の幕張メッセで導入した「ニンジャーライトと同じものだろうか?)が登場し、映像以外の演出でも曲を装飾している。
過ぎ去ってしまった青春時代に思いを馳せるような名曲「少年少女」から、「コンビニ傘」を思わせる映像が流れる新作からの「雨男」。この日の東京は快晴だったので、秋田は雨男ではないことがわかったが、雪の降った日に「真っ白な世界」を聴きたくなるように、おそらくこれから雨が降っている日はこの曲を聴きたくなると思う。
てっきり「ムカデ」をやるのかな?と思うような朗読の後の「ラブソング」ではこの曲のPVが映し出される。すでに数えきれないほど見てきた映像であるが、何度見ても見入ってしまうほどの完成度。
「冷凍睡眠」「あとがき」と前作からの曲を続けると、秋田のボーカルとギター、豊川のピアノのみで前半が演奏され、バンドが加わっても映像が使われることなく、メンバーを照らす光のみというシンプルな演出の「ひろ」。歌詞が秋田の亡くなった友人に向けてのものであるため、歌と演奏だけに意識を集中してほしいということだろうか。
アルバムの最後を飾る「それはまた別のお話」は、ライブでも最後に演奏されると思っていたので、終盤とは言え、ここで演奏されたのはちょっと意外。amazarashiはアンコールをやらないというライブの性質上、こういう曲のセトリへの組み込み方は本当に難しいと思う。いたる街の夕暮れが映し出された映像も本当に美しかった。
「アルバムに言いたいことを全部込めたので、言いたいことは特になくて…。だから、あと2曲だけ、言いたいことを歌います。
どんなことにも終わりが来る。ライブも、今日も。あんたらの明日に捧げます!ジュブナイル!」
と、秋田がかつてないほどにエモーショナルな発言をしてからの「ジュブナイル」は、ボーカルも本当にエモかった。それ故か、ここまでは声の大きさも伸びも素晴らしかったのが、揺らぐところが時々出てくるほど。
しかしこの曲のPVのラストのシーンが個人的には非常に好きなのだが、実際に秋田と豊川はこのようにして出会った2人なのだろうか。いつか、そのことを歌った曲も聴いてみたい。
そしてラストは前回のライブと同様に「スターライト」。銀河鉄道が走っているかのような映像が映る中、この日至る場面で登場したニンジャーライトが、曲終盤の
「鳥になるか 鳥になるか」
のフレーズでまさに鳥の形になり、光の鳥が羽ばたいているかのようだった。
メンバーがステージから去ると、「ヒガシズム」が終演BGMとして流れ、幕にはロゴが映し出された。
amazarashiのライブを見ると、毎回「生きていたい」と思わされる。それは執着ではなく、愛おしさ。「死にたい」なんてこれっぽっちも思ってない自分がそう思うということは、そう思いながら生活している人達にとって、どれだけの救いになってることだろうか。
次はクリスマスイブに渋谷公会堂で追加公演。この日やらなかった新作アルバム収録曲もあるし、何より前にも年末に渋谷公会堂で演奏した「クリスマス」も間違いなくやってくれるだろうな。
1.後期衝動
2.ヒガシズム
3.もう一度
4.風に流離い
5.穴を掘っている
6.春待ち
7.さくら
8.少年少女
9.雨男
10.ラブソング
11.冷凍睡眠
12.あとがき
13.ひろ
14.それはまた別のお話
15.ジュブナイル
16.スターライト
スターライト
http://youtu.be/dQ5Vs4dHmWw
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