東京初期衝動ツアー 2022-2023 「東京初期衝動御一行様全国忘年会新年会会場はこちら」 @千葉LOOK 12/2
- 2022/12/03
- 20:42
コロナ禍の中でもいち早く動き出し、ガンガンライブをやりまくりながらも今年はフルアルバム「えんど・おぶ・ざ・わーるど」をリリースし、さらにはつい先日に最新ミニアルバム「らぶ・あげいん」をリリースした東京初期衝動。
そのハイペースなリリースペースはバンドの今の創作意欲を示すものでもあるのだが、その「らぶ・あげいん」のリリースからわずか10日経たずして早くもツアーがスタート。初日は前回のツアーではPK Shampooとの2マンだった千葉LOOKでのワンマン。時期的にはライブタイトルの通りに忘年会シーズンに突入しようかという感じである。
開演前にはおなじみのAT-FIELDのP青木による前説も行われるのであるが、その前説でも告げられていた通りにこの日は声出しOKのライブ。これまでにもバンドはこそこそ隠れてやったり有耶無耶なままでやるのではなくて、ワクチンを接種した人限定で人数を絞り、マスク着用というルールでモッシュや合唱OKのライブをやることをしっかり告知した上でやってきた。その活動がこうして通常のツアーでの声出し公演に繋がったと言える。
おなじみのTommy february6「je t'aime ★ je t'aime」のSEが流れてメンバーがステージに登場すると、しーなちゃん(ボーカル&ギター)は白のTシャツにジーンズというシンプルな姿。それは完全に戦闘態勢であるということがわかるのは、そのしーなちゃんがギターを鳴らしながら歌い始めた「Becauseあいらぶゆー」でしーなちゃんは早くも客席最前の柵の上に立って歌い始めたからである。そのしーなちゃんが煽るようにすると客席がグッと前に押し寄せて
「オイ!オイ!」
という力強いコールが起こる。男の客が多いからかステージの他のメンバーが思った以上に見えないけれど、それも含めて自分が学生の頃から来続けてきた千葉LOOKの光景が戻ってきている。観客の声もその光景も、まだ1曲目であるしその曲の歌詞も
「殺しておけばよかった!」
というものなのにすでに感動して泣きそうになってしまっていた。それは観客の上に立つようにしてこちらを見るしーなちゃんの姿が美しかったからでもある。
「黒髪少女のギブソンのギターは今も響いてる」
と始まる「ベイビー・ドント・クライ」ではしーなちゃんの横でギターを鳴らす希(ギター)は髪色がピンク気味になっているが、ベーシストであるあさかが黒髪であり、そのあさかはサビ前にさらにベースのフレーズを詰め込むようになっており、おなじように黒髪になったなお(ドラム)とともにさらに進化したバンドのグルーヴを担う。というか明らかにバンドの演奏力が向上しているのがこの段階ですでにわかる。それはやはりコロナ禍の中でもライブをやり続けてきたからであり、そのバンドのグルーヴをリズム隊が牽引している。
そんなパンクな曲の轟音サウンドによって耳がやられそうになるのも千葉LOOKの至近距離だからこそであるが、そんなパンクなサウンドから一気にポップでキュートなサウンドになるのは「パンチザウルス」であり、しーなちゃんの歌声もそのサウンドに合わせたキュートなものになる。その表現力には前回のツアーでも驚かされたものであるが、それもまたさらに進化していると思えるのは純粋な歌唱力の向上によるものだ。音程はもちろん声量もライブを経るたびに格段に向上しているからこそ、こうしたキュートな曲を構成する歌詞の単語の一つ一つがハッキリと聞き取れる。それはこのバンドが爆音で叫びまくっているだけのバンドではないということだ。
そのキュートさがサビでの振り付けになって現れるのはとびきりのポップかつキャッチーなメロディを兼ね備える「マァルイツキ」であり、その振り付けはもちろんライブでは演奏しているメンバーは踊れないので客席ではたくさんの体格の良い男性が踊っているのであるが、そんな中に混じっている女性が踊っている方がやっぱり可愛いなと思うような振り付けである。
そんは前半からさらなる進化と覚醒を感じさせる東京初期衝動の最新作「らぶ・あげいん」収録曲から最初に演奏された「俺流サニーデイ・サービス」はタイトルだけ見るとネタ曲のようですらあるが聴くと驚くくらいに洗練されたポップソングであり、そこには轟音などのこのバンドのパブリックイメージの強い要素はほとんど引かれている。それはタイトル通りにサニーデイ・サービスらしい曲を作ろうとしていたのだろうし(現にバンドは前作アルバムで曽我部恵一とコラボしている)、「日だまり」などのフレーズやフォーク的とも言えるメロディはまさにサニーデイ・サービスの影響だと言える。
希によるリフの演奏から始まる「流星」は煌めくようなメロディこそここまでのポップな曲を引き継ぐようなものであるが、それでもしーなちゃんの気合いの入りまくった歌唱はこのバンドの根のパンクさを呼び起こしていく。サビ前のコーラスフレーズでは腕を上げた観客たちの声が確かに重なっているのがわかる。その観客の声が思わず歌いたくなってしまうくらいのこのバンドの曲の良さを改めて実感させてくれる。しーなちゃんが観客の声を聞きたがっていたのもこの感覚を得たかったからなんじゃないだろうかと思うくらいに。
「この千葉LOOKを皮切りに全国を廻ります。東京初期衝動です」
としーなちゃんが挨拶するのであるが、今まではMC一切なしみたいなライブばかりだっただけにここでこうした言葉を挟むのは少し意外であったし、
「ここからはハンドマイクで歌います」
と宣言してから拡声器を持って「山田!恐ろしい男」を歌い始めるとやはり柵の上に立ってそのまま観客の方にもたれかかるようにというか支えられるようにしながら歌う。
そんなハンドマイク歌唱の最新曲である「梅毒」は日本でその症状に感染している人が増えていることを受けて作られた曲だろうけれど、歌詞は到底テレビやラジオではオンエアできそうにないものであり、しーなちゃんは
「後ろの方まで全員見えてるから!今日1番この曲で盛り上がってる人は指名するから、後で楽屋に来て!4人と写真撮ってあげるから!」
と言ってさらに観客の熱狂を煽り、その中から1番熱狂していたジュンペイという観客を指名したのも音楽とともに言葉でもコミュニケーションを取ろうというものだろう。今の東京初期衝動と観客の間にはそうした信頼関係がちゃんとできているからこそできるパフォーマンスである。あさかもステージ前の台に立って観客をガンガン煽りまくる一方でコーラスを希がしっかり担うというフォーメーションにもメンバーが進化しているからこそのバンドの確かな進化を感じさせる。
そんなハンドマイク曲を締めるのは「バニラの求人」の合唱が響く「高円寺ブス集合」であり、しーなちゃんはやはりハンドマイクという機動性を活かして観客に支えられるようにして歌う-というか平たく言えばこれは明らかに客席に向かってダイブを敢行しているわけであるが、しーなちゃんは
「あの前みたいなライブハウスを取り戻すために!」
と言っていた。ワクチン接種者限定でこうしたライブをしてきたのもそうした思いによるものであり、自分自身がそうしたライブを見てきて熱狂してバンドをやることを選んだからであろう。そうした意思がこうしたライブへ突き動かしている。きっとコロナ禍になってワイドショーや世間から向けられたライブハウスへの批判的な目は何千人も収容できる巨大なライブハウスよりも、こうした200人や300人しか入らないような街のビルの一角にあるような小さなライブハウスだ。そうした場所が徐々に元の姿を取り戻しつつあるのはこうしたバンドが意志を持ってライブハウスを回っているからだ。
そうした熱狂のハンドマイク曲を終えて
「久しぶりにやる曲をやります」
と言って演奏されたのは切ないメロディの「中央線」。そのメロディもしーなちゃんの歌唱力の進化によってよりしっかりと伝わるようになっており、さらに曲の真価を発揮するようになったと言える。こうした曲が初期からあったことが新作のポップな曲に繋がっているとも言えるが、そんな流れを汲むのが「えんど・おぶ・ざ・わーるど」ではしーなちゃんが風呂に入りながら歌唱しているようなバージョンだったのがバンドアレンジされて「らぶ・あげいん」に収録された「ボーイズ・デイ・ドリーム」で、「中央線」のようにやはり切ないメロディの歌を軸にしてはいるが、曲終盤では一気にバンドサウンドが轟音になるという抜き差しのアレンジも今のバンドだからできることだ。激しいだけでも聴かせるだけでもない、その両方を一つの曲の中で同居させている。それは今の演奏力を得たからこそできることであろう。
そんな聴かせるタイプの曲から一気にロックなバンドサウンドの曲へと展開していくのであるが、「えんど・おぶ・ざ・わーるど」の幕開けを飾る「腐革命前夜」がその開幕を担う曲になったというところも持ち曲が増えてきたこと、それがキラーチューンばかりであることを感じさせるし、こうして歌を聴かせる曲の後にこうしたバンドサウンドの曲を聴くことによって、MUSICAのインタビューでも口にしていたように
「どんな曲でも東京初期衝動が鳴らせばパンクになる」
という言葉を証明しているかのようである。それくらいに様々なサウンドの曲を演奏してもそこから感じるのは「パンク」というイメージであり続けている。
「この曲の「愛してる!」のフレーズをみんなで大合唱したい!」
と言って演奏された、まさにしーなちゃん自身のことを歌にしたかのような「トラブルメイカーガール」でのメンバーも含めた
「産みたいくらいに愛してる!」
というキラーフレーズはこうして観客が声を出せるようになったからこそさらに曲の持つ力を発揮できるようになっていると言えるし、さらに「空気少女」と続くことによって「えんど・おぶ・ざ・わーるど」の曲たちが今のライブの軸になっていることがよくわかる。それはメンバー、特にリズム隊の演奏力の安定感と力強さがあるからこそ成立しているものであるということも。
そんな東京初期衝動のバンドサウンドの最新系であるのが「ボーイフレンド」。轟音のロックサウンドでありながらも今までのそうした曲よりもポップさを感じさせるのは共同製作者として「らぶ・あげいん」に名を連ねている山本幹宗(現在の銀杏BOYZのライブでギターを弾いている男である)によるところもあるのだろうし、やはりインタビューでしーなちゃんは
「いろんな人に出会って開けてきていて。そうして新しく出会った人たちにいろんな音楽を教えてもらって、それがポップな音楽だったりしているのが今の曲に出ていると思う」
と言っていた。その通りに今バンドは新しい扉がガンガン開きまくっている真っ最中ということなのだろう。元からそうした趣向(SEが象徴的だ)を持っていることはわかっていたが、今このバンドは急速に激しいパンクが好きな人だけではないところにまで手を伸ばそうとしている。
希のギターが切ないメロディを奏でる「春」ではしーなちゃんが
「この曲をみんなで一緒に歌いたかった!」
と叫ぶ。今まではほとんど聞いたことがなかったその言葉から感じられるのはバンドと観客の深まった絆のようなものだ。かつては観客とも戦っているかのように見えたしーなちゃんは今では観客を本当に信頼してくれるようになったんだなということがよくわかる。だからしーなちゃんもメンバーもステージ上で笑顔が見れる場面が本当に増えた。しーなちゃんの言葉通りに「春を」というコーラスを我々が重ねながら、クールなイメージの希までも台の上に立ってギターソロを弾きまくる姿はそんな開いているバンドの姿を、バンドが我々のことを愛してくれていることを象徴していた。
「早すぎて曲飛ばしちゃったのかもしれないって思ったけど、もうあと4曲しかありません」
というしーなちゃんの言葉には客席から「えー!」という声も起きる。それすらも本当に久しぶりに聞くものであり、それだけでなんだか泣きそうになってしまいそうになるのであるが、その言葉からはもっともっと歌いたい、演奏したいというバンドの衝動を感じさせるし、それが気合いとなって「世界の終わりと夜明け前」のサウンドになって現れる。「えんど・おぶ・ざ・わーるど」の中でも屈指のロックさを持ちながらもパンクであるこの曲のサビを締める
「ほら そんな顔で僕を見ないでくれよ」
というフレーズの魔法のようなメロディの美しさ。それはやっぱり聴いていても誰しもが生み出せるようなものじゃない。峯田和伸がそうであるように、音楽に選ばれた人だからこそ描くことができるものだ。自分はしーなちゃんにも間違いなくそれを感じている。
さらにはサビでやはり観客の声が重なることによって曲の良さがさらに実感できる「STAND BY ME」でしーなちゃんは
「ここでつまづくなよ東京初期衝動!」
と歌詞を変えて歌うのはおなじみであるが、さらに最後のサビでは
「君だけの、君だけの、君だけのものさ!」
と繰り返す。もうその歌唱からも衝動が溢れ出まくって止まらないことがわかるのであるが、さらに「再生ボタン」と初期の名曲が続く。コーラスだけではなくサビでも合唱が起こるあたりがこの曲の名曲っぷり、歌わずにはいられない力を感じさせるのだが、バンドの演奏力や表現力が音源とは段違いに向上しているからこそその曲の力をより感じさせてくれる。それによって曲、ライブの全てが素晴らしすぎて感動すらしてしまうのだ。東京初期衝動はこんな風に感じさせてくれるバンドになったのだ。
それは最後の轟音ギターが千葉LOOKの外の住宅地まで漏れてるんじゃないかと心配にすらなる「ロックン・ロール」でもそうだった。
「ロックンロールを鳴らしている時
きみを待ってる ここで待ってる いつかきっと
世界のどっかで きみを待ってる いつかきっと」
というフレーズを思いっきり声を張り上げるようにして歌うしーなちゃんの姿を見ていて、このバンドはこれから日本の至る場所をツアーで回っていく。またそのどっかで会いに行くから待っててくれと思った。こんなにすぐに会いたくなる東京初期衝動のライブは初めてだったかもしれない。それくらいに本当に素晴らしい、またすぐにこうやって見たくなるようなライブだったのだ。ちゃんと努力して、いろんなものを自分たちの中に取り入れて、それが全て音として出ている。誰がなんと言おうと東京初期衝動はカッコいいロックバンドだ。
アンコールでは映画の主題歌になった、タイトルや歌詞からも「えんど・おぶ・ざ・わーるど」にも通じるようなポップなメロディが引き算されたサウンドがサビで一気にキャッチーに爆発する「エンドロール」で始まり、やはりしーなちゃんの1曲の中で表情を変えるような表現力の豊かさを感じさせると、しーなちゃんだけではなくあさかも台の上に立ってマイクスタンドもその高さに合わせてセッティングされた「黒ギャルのケツは煮卵に似てる」が演奏されるのだが、しーなちゃんは
「「エンドロール」で間違えたのをあさかが助けてくれたから、あさかに歌ってもらいます!」
とまさかのあさかメインボーカルバージョンへ。しーなちゃんと希と寄り添うようにしてあさかの方を見ていたのが面白かったのだが、歌えない部分もありながらもそのうねりまくる安定感溢れるベースを弾きながら歌う姿によって観客はあさかの方に完全に視線を奪われるとしーなちゃんはジェラシーを感じたのか途中で
「みんなー!ボーカルはこっちだよー!」
とあさかの反対側で存在をアピールするのも面白い。どちらも台の上に立って歌っていると視線が実に忙しいけれども。
すると曲間なくすぐに繋がるように演奏されたアレンジの「兆楽」ではやはりしーなちゃんは解き放たれたかのようにハンドマイクで柵の上に立ち、さらには観客に支えられながら歌う。ある意味ではこの曲の歌詞におけるタブーのなさが「梅毒」にも繋がっているということがこうしてワンマンを見ているとよくわかるし、これだけ衝動を持ってこの曲を鳴らせるということはどんなにポップな曲が増えても東京初期衝動らしさは変わっていないということだ。
するとしーなちゃんは最も体力的な負担の大きいなおに
「まだ帰りたくない〜」
と言い、なおの体力の回復を待った上で、さすがにもうテンポが速すぎてしーなちゃんのボーカルも喰らい付いていくという感じの歌唱になっているのであるが、もう観客が一緒に歌っても爆音かつ爆速すぎて全く聞こえないくらいのレベルである。
しかもそんなギア4くらいの必殺アレンジの曲を演奏しても
「まだ帰りたくないな〜」
とさらなる延長を要求し、なおの回復を待ちながらどの曲をやろうかを検討すると、
「みんなで思いっきり歌う「再生ボタン」で!」
と言ってしーなちゃんが客席に飛び込みまくるこの日2回目の「再生ボタン」ではバンドはもちろん観客のテンションも最高潮に達し、Aメロの歌がない部分で毎回「オイ!オイ!」のコールが起こりまくり、それがサビでの合唱へと繋がっていく。もう心が勝手に歌っているというくらいの状態になり、どんなにキーが自分の声よりも高くてもどこまででも声が出せるような感じがしていた。そんな万能感、全能感を与えてくれるのが自分にとってはロックでありパンクだった。それはつまり東京初期衝動はこれ以上ないくらいのロックバンドでありパンクバンドであるということだ。
それでもまだ帰りたくなさそうなしーなちゃんは一回捌けた後にまたステージに出てきて、
「10分くらいしたら物販に出るからね!次は横浜F.A.Dで待ってる!今日来てくれたみんな、愛してるよー!」
と言った。ちょっと前までは全然ステージ上では喋らなかったし、だからこそ今回のツアーのタイトルが「忘年会・新年会」であってもそのタイトルとは裏腹にストイック極まりないライブになるんだろうなと思っていた。もちろんそのストイックさはあるけれど、それ以上に楽しいライブだった。その楽しさは間違いなくバンドと観客どちらかだけではなくて両者によって生み出された感情だった。
自分はコロナ禍になる前からこのバンドのライブに行き、ワンマンにも行ける限りは行ってこのバンドのことをプッシュしてきたが、元から銀杏BOYZのファン同士だったことを度外視したとしても、今こそ音楽が、ライブが、ロックバンドが好きな人たちにもっとこのバンドのライブを見てもらいたいと思っている。それくらい素晴らしいライブだったし、この自分にとって思い入れのある地元千葉のライブハウスである千葉LOOKでこうしてまた見れた光景は、自分の居場所は自分たちで守ったんだなと思えた。それは東京初期衝動がこの千葉LOOKでワンマンをやってくれたそう思えたのだ。
1.Becauseあいらぶゆー
2.ベイビー・ドント・クライ
3.パンチザウルス
4.マァルイツキ
5.俺流サニーデイ・サービス
6.流星
7.山田!恐ろしい男
8.梅毒
9.高円寺ブス集合
10.中央線
11.ボーイズ・デイ・ドリーム
12.腐革命前夜
13.トラブルメイカーガール
14.空気少女
15.ボーイフレンド
16.春
17.世界の終わりと夜明け前
18.STAND BY ME
19.再生ボタン
20.ロックン・ロール
encore
21.エンドロール
22.黒ギャルのケツは煮卵に似てる
23.兆楽
24.高円寺ブス集合 爆速ver.
25.再生ボタン
そのハイペースなリリースペースはバンドの今の創作意欲を示すものでもあるのだが、その「らぶ・あげいん」のリリースからわずか10日経たずして早くもツアーがスタート。初日は前回のツアーではPK Shampooとの2マンだった千葉LOOKでのワンマン。時期的にはライブタイトルの通りに忘年会シーズンに突入しようかという感じである。
開演前にはおなじみのAT-FIELDのP青木による前説も行われるのであるが、その前説でも告げられていた通りにこの日は声出しOKのライブ。これまでにもバンドはこそこそ隠れてやったり有耶無耶なままでやるのではなくて、ワクチンを接種した人限定で人数を絞り、マスク着用というルールでモッシュや合唱OKのライブをやることをしっかり告知した上でやってきた。その活動がこうして通常のツアーでの声出し公演に繋がったと言える。
おなじみのTommy february6「je t'aime ★ je t'aime」のSEが流れてメンバーがステージに登場すると、しーなちゃん(ボーカル&ギター)は白のTシャツにジーンズというシンプルな姿。それは完全に戦闘態勢であるということがわかるのは、そのしーなちゃんがギターを鳴らしながら歌い始めた「Becauseあいらぶゆー」でしーなちゃんは早くも客席最前の柵の上に立って歌い始めたからである。そのしーなちゃんが煽るようにすると客席がグッと前に押し寄せて
「オイ!オイ!」
という力強いコールが起こる。男の客が多いからかステージの他のメンバーが思った以上に見えないけれど、それも含めて自分が学生の頃から来続けてきた千葉LOOKの光景が戻ってきている。観客の声もその光景も、まだ1曲目であるしその曲の歌詞も
「殺しておけばよかった!」
というものなのにすでに感動して泣きそうになってしまっていた。それは観客の上に立つようにしてこちらを見るしーなちゃんの姿が美しかったからでもある。
「黒髪少女のギブソンのギターは今も響いてる」
と始まる「ベイビー・ドント・クライ」ではしーなちゃんの横でギターを鳴らす希(ギター)は髪色がピンク気味になっているが、ベーシストであるあさかが黒髪であり、そのあさかはサビ前にさらにベースのフレーズを詰め込むようになっており、おなじように黒髪になったなお(ドラム)とともにさらに進化したバンドのグルーヴを担う。というか明らかにバンドの演奏力が向上しているのがこの段階ですでにわかる。それはやはりコロナ禍の中でもライブをやり続けてきたからであり、そのバンドのグルーヴをリズム隊が牽引している。
そんなパンクな曲の轟音サウンドによって耳がやられそうになるのも千葉LOOKの至近距離だからこそであるが、そんなパンクなサウンドから一気にポップでキュートなサウンドになるのは「パンチザウルス」であり、しーなちゃんの歌声もそのサウンドに合わせたキュートなものになる。その表現力には前回のツアーでも驚かされたものであるが、それもまたさらに進化していると思えるのは純粋な歌唱力の向上によるものだ。音程はもちろん声量もライブを経るたびに格段に向上しているからこそ、こうしたキュートな曲を構成する歌詞の単語の一つ一つがハッキリと聞き取れる。それはこのバンドが爆音で叫びまくっているだけのバンドではないということだ。
そのキュートさがサビでの振り付けになって現れるのはとびきりのポップかつキャッチーなメロディを兼ね備える「マァルイツキ」であり、その振り付けはもちろんライブでは演奏しているメンバーは踊れないので客席ではたくさんの体格の良い男性が踊っているのであるが、そんな中に混じっている女性が踊っている方がやっぱり可愛いなと思うような振り付けである。
そんは前半からさらなる進化と覚醒を感じさせる東京初期衝動の最新作「らぶ・あげいん」収録曲から最初に演奏された「俺流サニーデイ・サービス」はタイトルだけ見るとネタ曲のようですらあるが聴くと驚くくらいに洗練されたポップソングであり、そこには轟音などのこのバンドのパブリックイメージの強い要素はほとんど引かれている。それはタイトル通りにサニーデイ・サービスらしい曲を作ろうとしていたのだろうし(現にバンドは前作アルバムで曽我部恵一とコラボしている)、「日だまり」などのフレーズやフォーク的とも言えるメロディはまさにサニーデイ・サービスの影響だと言える。
希によるリフの演奏から始まる「流星」は煌めくようなメロディこそここまでのポップな曲を引き継ぐようなものであるが、それでもしーなちゃんの気合いの入りまくった歌唱はこのバンドの根のパンクさを呼び起こしていく。サビ前のコーラスフレーズでは腕を上げた観客たちの声が確かに重なっているのがわかる。その観客の声が思わず歌いたくなってしまうくらいのこのバンドの曲の良さを改めて実感させてくれる。しーなちゃんが観客の声を聞きたがっていたのもこの感覚を得たかったからなんじゃないだろうかと思うくらいに。
「この千葉LOOKを皮切りに全国を廻ります。東京初期衝動です」
としーなちゃんが挨拶するのであるが、今まではMC一切なしみたいなライブばかりだっただけにここでこうした言葉を挟むのは少し意外であったし、
「ここからはハンドマイクで歌います」
と宣言してから拡声器を持って「山田!恐ろしい男」を歌い始めるとやはり柵の上に立ってそのまま観客の方にもたれかかるようにというか支えられるようにしながら歌う。
そんなハンドマイク歌唱の最新曲である「梅毒」は日本でその症状に感染している人が増えていることを受けて作られた曲だろうけれど、歌詞は到底テレビやラジオではオンエアできそうにないものであり、しーなちゃんは
「後ろの方まで全員見えてるから!今日1番この曲で盛り上がってる人は指名するから、後で楽屋に来て!4人と写真撮ってあげるから!」
と言ってさらに観客の熱狂を煽り、その中から1番熱狂していたジュンペイという観客を指名したのも音楽とともに言葉でもコミュニケーションを取ろうというものだろう。今の東京初期衝動と観客の間にはそうした信頼関係がちゃんとできているからこそできるパフォーマンスである。あさかもステージ前の台に立って観客をガンガン煽りまくる一方でコーラスを希がしっかり担うというフォーメーションにもメンバーが進化しているからこそのバンドの確かな進化を感じさせる。
そんなハンドマイク曲を締めるのは「バニラの求人」の合唱が響く「高円寺ブス集合」であり、しーなちゃんはやはりハンドマイクという機動性を活かして観客に支えられるようにして歌う-というか平たく言えばこれは明らかに客席に向かってダイブを敢行しているわけであるが、しーなちゃんは
「あの前みたいなライブハウスを取り戻すために!」
と言っていた。ワクチン接種者限定でこうしたライブをしてきたのもそうした思いによるものであり、自分自身がそうしたライブを見てきて熱狂してバンドをやることを選んだからであろう。そうした意思がこうしたライブへ突き動かしている。きっとコロナ禍になってワイドショーや世間から向けられたライブハウスへの批判的な目は何千人も収容できる巨大なライブハウスよりも、こうした200人や300人しか入らないような街のビルの一角にあるような小さなライブハウスだ。そうした場所が徐々に元の姿を取り戻しつつあるのはこうしたバンドが意志を持ってライブハウスを回っているからだ。
そうした熱狂のハンドマイク曲を終えて
「久しぶりにやる曲をやります」
と言って演奏されたのは切ないメロディの「中央線」。そのメロディもしーなちゃんの歌唱力の進化によってよりしっかりと伝わるようになっており、さらに曲の真価を発揮するようになったと言える。こうした曲が初期からあったことが新作のポップな曲に繋がっているとも言えるが、そんな流れを汲むのが「えんど・おぶ・ざ・わーるど」ではしーなちゃんが風呂に入りながら歌唱しているようなバージョンだったのがバンドアレンジされて「らぶ・あげいん」に収録された「ボーイズ・デイ・ドリーム」で、「中央線」のようにやはり切ないメロディの歌を軸にしてはいるが、曲終盤では一気にバンドサウンドが轟音になるという抜き差しのアレンジも今のバンドだからできることだ。激しいだけでも聴かせるだけでもない、その両方を一つの曲の中で同居させている。それは今の演奏力を得たからこそできることであろう。
そんな聴かせるタイプの曲から一気にロックなバンドサウンドの曲へと展開していくのであるが、「えんど・おぶ・ざ・わーるど」の幕開けを飾る「腐革命前夜」がその開幕を担う曲になったというところも持ち曲が増えてきたこと、それがキラーチューンばかりであることを感じさせるし、こうして歌を聴かせる曲の後にこうしたバンドサウンドの曲を聴くことによって、MUSICAのインタビューでも口にしていたように
「どんな曲でも東京初期衝動が鳴らせばパンクになる」
という言葉を証明しているかのようである。それくらいに様々なサウンドの曲を演奏してもそこから感じるのは「パンク」というイメージであり続けている。
「この曲の「愛してる!」のフレーズをみんなで大合唱したい!」
と言って演奏された、まさにしーなちゃん自身のことを歌にしたかのような「トラブルメイカーガール」でのメンバーも含めた
「産みたいくらいに愛してる!」
というキラーフレーズはこうして観客が声を出せるようになったからこそさらに曲の持つ力を発揮できるようになっていると言えるし、さらに「空気少女」と続くことによって「えんど・おぶ・ざ・わーるど」の曲たちが今のライブの軸になっていることがよくわかる。それはメンバー、特にリズム隊の演奏力の安定感と力強さがあるからこそ成立しているものであるということも。
そんな東京初期衝動のバンドサウンドの最新系であるのが「ボーイフレンド」。轟音のロックサウンドでありながらも今までのそうした曲よりもポップさを感じさせるのは共同製作者として「らぶ・あげいん」に名を連ねている山本幹宗(現在の銀杏BOYZのライブでギターを弾いている男である)によるところもあるのだろうし、やはりインタビューでしーなちゃんは
「いろんな人に出会って開けてきていて。そうして新しく出会った人たちにいろんな音楽を教えてもらって、それがポップな音楽だったりしているのが今の曲に出ていると思う」
と言っていた。その通りに今バンドは新しい扉がガンガン開きまくっている真っ最中ということなのだろう。元からそうした趣向(SEが象徴的だ)を持っていることはわかっていたが、今このバンドは急速に激しいパンクが好きな人だけではないところにまで手を伸ばそうとしている。
希のギターが切ないメロディを奏でる「春」ではしーなちゃんが
「この曲をみんなで一緒に歌いたかった!」
と叫ぶ。今まではほとんど聞いたことがなかったその言葉から感じられるのはバンドと観客の深まった絆のようなものだ。かつては観客とも戦っているかのように見えたしーなちゃんは今では観客を本当に信頼してくれるようになったんだなということがよくわかる。だからしーなちゃんもメンバーもステージ上で笑顔が見れる場面が本当に増えた。しーなちゃんの言葉通りに「春を」というコーラスを我々が重ねながら、クールなイメージの希までも台の上に立ってギターソロを弾きまくる姿はそんな開いているバンドの姿を、バンドが我々のことを愛してくれていることを象徴していた。
「早すぎて曲飛ばしちゃったのかもしれないって思ったけど、もうあと4曲しかありません」
というしーなちゃんの言葉には客席から「えー!」という声も起きる。それすらも本当に久しぶりに聞くものであり、それだけでなんだか泣きそうになってしまいそうになるのであるが、その言葉からはもっともっと歌いたい、演奏したいというバンドの衝動を感じさせるし、それが気合いとなって「世界の終わりと夜明け前」のサウンドになって現れる。「えんど・おぶ・ざ・わーるど」の中でも屈指のロックさを持ちながらもパンクであるこの曲のサビを締める
「ほら そんな顔で僕を見ないでくれよ」
というフレーズの魔法のようなメロディの美しさ。それはやっぱり聴いていても誰しもが生み出せるようなものじゃない。峯田和伸がそうであるように、音楽に選ばれた人だからこそ描くことができるものだ。自分はしーなちゃんにも間違いなくそれを感じている。
さらにはサビでやはり観客の声が重なることによって曲の良さがさらに実感できる「STAND BY ME」でしーなちゃんは
「ここでつまづくなよ東京初期衝動!」
と歌詞を変えて歌うのはおなじみであるが、さらに最後のサビでは
「君だけの、君だけの、君だけのものさ!」
と繰り返す。もうその歌唱からも衝動が溢れ出まくって止まらないことがわかるのであるが、さらに「再生ボタン」と初期の名曲が続く。コーラスだけではなくサビでも合唱が起こるあたりがこの曲の名曲っぷり、歌わずにはいられない力を感じさせるのだが、バンドの演奏力や表現力が音源とは段違いに向上しているからこそその曲の力をより感じさせてくれる。それによって曲、ライブの全てが素晴らしすぎて感動すらしてしまうのだ。東京初期衝動はこんな風に感じさせてくれるバンドになったのだ。
それは最後の轟音ギターが千葉LOOKの外の住宅地まで漏れてるんじゃないかと心配にすらなる「ロックン・ロール」でもそうだった。
「ロックンロールを鳴らしている時
きみを待ってる ここで待ってる いつかきっと
世界のどっかで きみを待ってる いつかきっと」
というフレーズを思いっきり声を張り上げるようにして歌うしーなちゃんの姿を見ていて、このバンドはこれから日本の至る場所をツアーで回っていく。またそのどっかで会いに行くから待っててくれと思った。こんなにすぐに会いたくなる東京初期衝動のライブは初めてだったかもしれない。それくらいに本当に素晴らしい、またすぐにこうやって見たくなるようなライブだったのだ。ちゃんと努力して、いろんなものを自分たちの中に取り入れて、それが全て音として出ている。誰がなんと言おうと東京初期衝動はカッコいいロックバンドだ。
アンコールでは映画の主題歌になった、タイトルや歌詞からも「えんど・おぶ・ざ・わーるど」にも通じるようなポップなメロディが引き算されたサウンドがサビで一気にキャッチーに爆発する「エンドロール」で始まり、やはりしーなちゃんの1曲の中で表情を変えるような表現力の豊かさを感じさせると、しーなちゃんだけではなくあさかも台の上に立ってマイクスタンドもその高さに合わせてセッティングされた「黒ギャルのケツは煮卵に似てる」が演奏されるのだが、しーなちゃんは
「「エンドロール」で間違えたのをあさかが助けてくれたから、あさかに歌ってもらいます!」
とまさかのあさかメインボーカルバージョンへ。しーなちゃんと希と寄り添うようにしてあさかの方を見ていたのが面白かったのだが、歌えない部分もありながらもそのうねりまくる安定感溢れるベースを弾きながら歌う姿によって観客はあさかの方に完全に視線を奪われるとしーなちゃんはジェラシーを感じたのか途中で
「みんなー!ボーカルはこっちだよー!」
とあさかの反対側で存在をアピールするのも面白い。どちらも台の上に立って歌っていると視線が実に忙しいけれども。
すると曲間なくすぐに繋がるように演奏されたアレンジの「兆楽」ではやはりしーなちゃんは解き放たれたかのようにハンドマイクで柵の上に立ち、さらには観客に支えられながら歌う。ある意味ではこの曲の歌詞におけるタブーのなさが「梅毒」にも繋がっているということがこうしてワンマンを見ているとよくわかるし、これだけ衝動を持ってこの曲を鳴らせるということはどんなにポップな曲が増えても東京初期衝動らしさは変わっていないということだ。
するとしーなちゃんは最も体力的な負担の大きいなおに
「まだ帰りたくない〜」
と言い、なおの体力の回復を待った上で、さすがにもうテンポが速すぎてしーなちゃんのボーカルも喰らい付いていくという感じの歌唱になっているのであるが、もう観客が一緒に歌っても爆音かつ爆速すぎて全く聞こえないくらいのレベルである。
しかもそんなギア4くらいの必殺アレンジの曲を演奏しても
「まだ帰りたくないな〜」
とさらなる延長を要求し、なおの回復を待ちながらどの曲をやろうかを検討すると、
「みんなで思いっきり歌う「再生ボタン」で!」
と言ってしーなちゃんが客席に飛び込みまくるこの日2回目の「再生ボタン」ではバンドはもちろん観客のテンションも最高潮に達し、Aメロの歌がない部分で毎回「オイ!オイ!」のコールが起こりまくり、それがサビでの合唱へと繋がっていく。もう心が勝手に歌っているというくらいの状態になり、どんなにキーが自分の声よりも高くてもどこまででも声が出せるような感じがしていた。そんな万能感、全能感を与えてくれるのが自分にとってはロックでありパンクだった。それはつまり東京初期衝動はこれ以上ないくらいのロックバンドでありパンクバンドであるということだ。
それでもまだ帰りたくなさそうなしーなちゃんは一回捌けた後にまたステージに出てきて、
「10分くらいしたら物販に出るからね!次は横浜F.A.Dで待ってる!今日来てくれたみんな、愛してるよー!」
と言った。ちょっと前までは全然ステージ上では喋らなかったし、だからこそ今回のツアーのタイトルが「忘年会・新年会」であってもそのタイトルとは裏腹にストイック極まりないライブになるんだろうなと思っていた。もちろんそのストイックさはあるけれど、それ以上に楽しいライブだった。その楽しさは間違いなくバンドと観客どちらかだけではなくて両者によって生み出された感情だった。
自分はコロナ禍になる前からこのバンドのライブに行き、ワンマンにも行ける限りは行ってこのバンドのことをプッシュしてきたが、元から銀杏BOYZのファン同士だったことを度外視したとしても、今こそ音楽が、ライブが、ロックバンドが好きな人たちにもっとこのバンドのライブを見てもらいたいと思っている。それくらい素晴らしいライブだったし、この自分にとって思い入れのある地元千葉のライブハウスである千葉LOOKでこうしてまた見れた光景は、自分の居場所は自分たちで守ったんだなと思えた。それは東京初期衝動がこの千葉LOOKでワンマンをやってくれたそう思えたのだ。
1.Becauseあいらぶゆー
2.ベイビー・ドント・クライ
3.パンチザウルス
4.マァルイツキ
5.俺流サニーデイ・サービス
6.流星
7.山田!恐ろしい男
8.梅毒
9.高円寺ブス集合
10.中央線
11.ボーイズ・デイ・ドリーム
12.腐革命前夜
13.トラブルメイカーガール
14.空気少女
15.ボーイフレンド
16.春
17.世界の終わりと夜明け前
18.STAND BY ME
19.再生ボタン
20.ロックン・ロール
encore
21.エンドロール
22.黒ギャルのケツは煮卵に似てる
23.兆楽
24.高円寺ブス集合 爆速ver.
25.再生ボタン
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THE SUN ALSO RISES vol.164 -峯田和伸(銀杏BOYZ) / 大木温之(ピーズ)- @F.A.D YOKOHAMA 12/1