佐々木亮介 FIREWORKS RECORDS オープン記念 弾き語り ミニライブ 2部 @渋谷マルイ 8階イベントスペース 7/3
- 2022/07/03
- 17:23
7月8日に初のホールワンマンライブを控えた、a flood of circle。それを記念して渋谷MODIの1階という超一等地にポップアップストア「FIREWORK RECORDS」をオープンし、そこで新曲やグッズの販売を行っているのだが、そこに愛用のギターと革ジャンを展示している佐々木亮介の弾き語りライブが、店で3000円以上買い物をした人限定で開催。新曲CDやパッケージがカッコいいお菓子などを買って3000円以上消費したために、この日の第二部の弾き語りライブに参加。
会場はそのMODIのすぐ向かいにある、ずっとあるけどなかなか中に入る機会のない渋谷マルイの8階のイベントスペース。やはり小さいライブハウスどころではないくらいの極小のスペースである。
整理番号的に定員150人くらいだろうか。マルイの階段スペースに並び、そこから番号順に呼ばれてスペースへと入っていく。ステージ前には2列分の椅子が置いてあり、そこに入れる番号の人は座ることができ、それ以降の人はその後ろのスペースに立つという形であるが、椅子も譜面台もどこからでも見やすいような形である。
15時30分くらいに黒の革ジャンを着た佐々木亮介がスタッフ口からステージに現れると、その手にはおなじみのお茶割りに加えてレモンサワーも握られている。顔色から察するに1部の時から飲んでいたんだと思われるが、アコギを持って椅子の上に座ると、そのまま弾き語りで歌い始めたのは「GIFT ROCKS」においてSIX LOUNGEが提供してくれた「LADY LUCK」という意外すぎる選曲。もちろん亮介の歌声は酒を飲んでいてもそのしゃがれた声質ながらも良く響き渡る声量の安定感は素晴らしいが、同じフロアの隣で開催している、何らかの抽選会のガラガラの音が被ってくるというのもマルイの一部分での弾き語りイベントならではであろう。
亮介はそのマルイを
「マルイ最高」
と称えるのだが、その理由は
「1部で「暑い」って言ったら扇風機持ってきてくれて、「レモンサワー飲みたいな」って言ったら買ってきてくれたから(笑)」
という至極単純明快なものである。
「今、「伝説の夜を君と」のツアーを回っていて、アルバムの曲はそこでやればいいと思ってるから、今日はそこでやらない曲を。夏がもうすぐ始まるから、夏が終わる曲(笑)」
と、この不意かつ意外な選曲の理由を口にすると、ブルース的にギターを鳴らしてから歌い始めたのは、いったいこうしてライブで歌うのを聴くのはいつ以来だろうかとすら思う「Trash Blues」であり、弾き語りという形ならではのアコギのメロディに対する音の当て方を後ろにズラすことによって、よりブルース色が強くなっている。亮介は歌いながら譜面台を見たりもするのだが、それ以上に観客の目をしっかり見て歌うというのはバンドの時とは少し違う、弾き語りライブだからこそであるし、5列くらいしかいないくらいの人数だからこそ、その視線が自分に合う瞬間があることがハッキリとわかるのだ。
レモンサワーを早くも飲み終えたことによって、お茶割りを開けようとする亮介がPAスタッフにリバーブをかけてもらい、開缶時の音が気持ち良く流れるとその音に向けて拍手が起きて、
「これだけで1曲やったくらいの拍手がもらえる(笑)」
と上機嫌に笑いながら、
「マルイって本社が中野にあるんだよね。昔、中野に住んでたことがあって、ハンバーガー屋でアルバイトしていたんだけど、その店の目の前がマルイの本社だったから、このお茶割りを買ってきてくれた人とかにもハンバーガーやコーヒーを出してたかもしれない(笑)」
と、かつてUNISON SQUARE GARDENの斎藤宏介がその亮介のバイト先に行って、
「おはようございます。泥水のコーヒーください」
と冷やかしたというエピソードが互いのファンの間で話題になった亮介のアルバイトエピソードから、
「1部では結構歌詞に「渋谷」が出てくる曲をやったんだけど、それより前の曲は圧倒的に新宿が歌詞に出てきていて。今でも金がかかってる大作映画を観に行くのは新宿のTOHOシネマズなんだけど。中野から新宿に来て19歳の時に新宿LOFTとマネジメント契約をして。社長に最初にご飯奢ってもらった時のことを今でも良く覚えてるんだけど、手羽先を食べさせてくれたのね。「世界の山ちゃん」っていう、世界って言いながら日本にしかない店なんだけど(笑)
俺もまだ10代だったから「これが世界の味か〜」って思ったりして(笑)
もう死んじゃって、死人に口なしだから言うけど、本当に酷い社長でしたよ(笑)
そんな、居なくなった人に捧げます」
と、お世話になった人への想いを込めるようにして歌い始めたのは「人工衛星のブルース」であり、大傑作アルバム「2020」の曲を弾き語りという形で聴くことによって、やはりそのメロディの美しさを改めて実感せざるを得ない。
「あなたがここにいてほしい
届かない場所で空中に舞っている
あなたがここにいてほしい
圏外から地球へ大声を出している」
というサビのフレーズは亮介の亡くなってしまった人への純粋な想いを確かに表しているし、その直後の
「聴こえるかい?HELLO
応答を待っている」
というフレーズでのファルセットボーカルがより儚さを感じさせるものになっている。名曲をより名曲たらしめるような表現力を亮介のボーカルが持っているということである。
そして
「じゃあ新曲やるね」
と言って歌い始めたのは、ツアー中に制作され(横浜BAY HALLでのライブ時に「曲を作ってる」と言っていたのはこの曲だろう)、ツアーを回るごとにバンドとしての形になっていったという、ポップアップストアで販売されている「花火を見に行こう」。
ブルース的なボーカルスタイルとキャッチーなメロディが融合しているというフラッドのスタイルの一つの完成形であるということが弾き語りというスタイルで聴くことによってよくわかるのであるが、そこに乗るまさに「花火を見に行こう」という歌詞はそのまま青春アニメ映画になってもおかしくないようなものであるし、そのサビのフレーズのメロディの突き抜けっぷりはまたしてもフラッドが素晴らしい名曲を生み出しんだなと思う。何よりも今年はいろんな夏フェスの会場などで花火が見れたらいいなと思うし、その夏フェスの中にフラッドがいてくれて、この曲を演奏していたらより最高な2022年の夏になるなと思うのである。
「もう時間ないじゃん!喋りすぎた(笑)」
と言って少し急ぎ気味に最後の曲として観客に手拍子を求めてから歌い始めたのは、こちらも名盤「2020」収録曲である「Whisky Pool」なのだが、軽快なリズムを手拍子が後押しし、その手拍子がサビ内では2連になると亮介も
「お、いいね!」
と口にする中、亮介は間奏部分で
「ギター、俺!」
と言って立ち上がって前に出てきてギターを弾きまくり、しかも
「佐々木君に拍手!」
と自分を称える。その親密な空気感こそがバンドの曲を歌っていてもバンドのライブとは違う佐々木亮介の弾き語りライブならではのものであるのだが、最後のサビでは歌詞を
「お茶割り every morning
お茶割り every night」
と、自身の愛飲するお茶割りへと歌詞を変えて歌い、
「8日にLINE CUBEで。バイバイ!」
と言ってスタッフ口へと消えていき、終演BGMとして「バタフライソング」が流れた。フラッド初のホールワンマンまで、あと5日。
アイドルファンやアニメファンが大挙する、渋谷随一のサブカルエリアであるあの立地でのポップアップストアの営業というのは、あれだけ巨大な建物のビジョンに亮介が映るというのも含めて少しでもたくさんの人にフラッドに興味を持ってもらいたい、そしてLINE CUBEでのワンマンを観に来てもらいたいというものであり、そこまでするというあたりにバンドサイドのLINE CUBEワンマンへの並々ならぬ気合いと自信を感じられるのであるが、この日のポップアップストアで買い物をした人が観ることができる弾き語りライブはそうした外の人を招くというのとは真逆の、確実にLINE CUBEに来てくれる人へのサービス的なものだ。(それは弾き語りの選曲を含めて)
多分、フラッドファンは何も言わなくても絶対に来る。どこの地域のライブハウスに行っても毎回いる人たちがいるから。でもワンマンとしては最大キャパとなるだけに出来る限りたくさんの人に観に来て欲しいのは、伝説の夜がそこで生まれることが分かりきっているからだし、そこを埋めることができればもっと大きな会場の景色をフラッドのライブで観ることができる可能性へと繋がっていくから。
もうドカンと一気にブレイクするような立ち位置のバンドではないことはわかっている。じわじわと、少しずつでもいいから、a flood of circleというとんでもなくカッコよくて、とんでもなく曲が良いバンドの存在が広まって欲しい。そんな想いを感じるポップアップストアの開催と、それに伴う弾き語りライブだった。伝説の夜まであと5日。
1.LADY LUCK
2.Trash Blues
3.人工衛星のブルース
4.花火を見に行こう
5.Whisky Pool
会場はそのMODIのすぐ向かいにある、ずっとあるけどなかなか中に入る機会のない渋谷マルイの8階のイベントスペース。やはり小さいライブハウスどころではないくらいの極小のスペースである。
整理番号的に定員150人くらいだろうか。マルイの階段スペースに並び、そこから番号順に呼ばれてスペースへと入っていく。ステージ前には2列分の椅子が置いてあり、そこに入れる番号の人は座ることができ、それ以降の人はその後ろのスペースに立つという形であるが、椅子も譜面台もどこからでも見やすいような形である。
15時30分くらいに黒の革ジャンを着た佐々木亮介がスタッフ口からステージに現れると、その手にはおなじみのお茶割りに加えてレモンサワーも握られている。顔色から察するに1部の時から飲んでいたんだと思われるが、アコギを持って椅子の上に座ると、そのまま弾き語りで歌い始めたのは「GIFT ROCKS」においてSIX LOUNGEが提供してくれた「LADY LUCK」という意外すぎる選曲。もちろん亮介の歌声は酒を飲んでいてもそのしゃがれた声質ながらも良く響き渡る声量の安定感は素晴らしいが、同じフロアの隣で開催している、何らかの抽選会のガラガラの音が被ってくるというのもマルイの一部分での弾き語りイベントならではであろう。
亮介はそのマルイを
「マルイ最高」
と称えるのだが、その理由は
「1部で「暑い」って言ったら扇風機持ってきてくれて、「レモンサワー飲みたいな」って言ったら買ってきてくれたから(笑)」
という至極単純明快なものである。
「今、「伝説の夜を君と」のツアーを回っていて、アルバムの曲はそこでやればいいと思ってるから、今日はそこでやらない曲を。夏がもうすぐ始まるから、夏が終わる曲(笑)」
と、この不意かつ意外な選曲の理由を口にすると、ブルース的にギターを鳴らしてから歌い始めたのは、いったいこうしてライブで歌うのを聴くのはいつ以来だろうかとすら思う「Trash Blues」であり、弾き語りという形ならではのアコギのメロディに対する音の当て方を後ろにズラすことによって、よりブルース色が強くなっている。亮介は歌いながら譜面台を見たりもするのだが、それ以上に観客の目をしっかり見て歌うというのはバンドの時とは少し違う、弾き語りライブだからこそであるし、5列くらいしかいないくらいの人数だからこそ、その視線が自分に合う瞬間があることがハッキリとわかるのだ。
レモンサワーを早くも飲み終えたことによって、お茶割りを開けようとする亮介がPAスタッフにリバーブをかけてもらい、開缶時の音が気持ち良く流れるとその音に向けて拍手が起きて、
「これだけで1曲やったくらいの拍手がもらえる(笑)」
と上機嫌に笑いながら、
「マルイって本社が中野にあるんだよね。昔、中野に住んでたことがあって、ハンバーガー屋でアルバイトしていたんだけど、その店の目の前がマルイの本社だったから、このお茶割りを買ってきてくれた人とかにもハンバーガーやコーヒーを出してたかもしれない(笑)」
と、かつてUNISON SQUARE GARDENの斎藤宏介がその亮介のバイト先に行って、
「おはようございます。泥水のコーヒーください」
と冷やかしたというエピソードが互いのファンの間で話題になった亮介のアルバイトエピソードから、
「1部では結構歌詞に「渋谷」が出てくる曲をやったんだけど、それより前の曲は圧倒的に新宿が歌詞に出てきていて。今でも金がかかってる大作映画を観に行くのは新宿のTOHOシネマズなんだけど。中野から新宿に来て19歳の時に新宿LOFTとマネジメント契約をして。社長に最初にご飯奢ってもらった時のことを今でも良く覚えてるんだけど、手羽先を食べさせてくれたのね。「世界の山ちゃん」っていう、世界って言いながら日本にしかない店なんだけど(笑)
俺もまだ10代だったから「これが世界の味か〜」って思ったりして(笑)
もう死んじゃって、死人に口なしだから言うけど、本当に酷い社長でしたよ(笑)
そんな、居なくなった人に捧げます」
と、お世話になった人への想いを込めるようにして歌い始めたのは「人工衛星のブルース」であり、大傑作アルバム「2020」の曲を弾き語りという形で聴くことによって、やはりそのメロディの美しさを改めて実感せざるを得ない。
「あなたがここにいてほしい
届かない場所で空中に舞っている
あなたがここにいてほしい
圏外から地球へ大声を出している」
というサビのフレーズは亮介の亡くなってしまった人への純粋な想いを確かに表しているし、その直後の
「聴こえるかい?HELLO
応答を待っている」
というフレーズでのファルセットボーカルがより儚さを感じさせるものになっている。名曲をより名曲たらしめるような表現力を亮介のボーカルが持っているということである。
そして
「じゃあ新曲やるね」
と言って歌い始めたのは、ツアー中に制作され(横浜BAY HALLでのライブ時に「曲を作ってる」と言っていたのはこの曲だろう)、ツアーを回るごとにバンドとしての形になっていったという、ポップアップストアで販売されている「花火を見に行こう」。
ブルース的なボーカルスタイルとキャッチーなメロディが融合しているというフラッドのスタイルの一つの完成形であるということが弾き語りというスタイルで聴くことによってよくわかるのであるが、そこに乗るまさに「花火を見に行こう」という歌詞はそのまま青春アニメ映画になってもおかしくないようなものであるし、そのサビのフレーズのメロディの突き抜けっぷりはまたしてもフラッドが素晴らしい名曲を生み出しんだなと思う。何よりも今年はいろんな夏フェスの会場などで花火が見れたらいいなと思うし、その夏フェスの中にフラッドがいてくれて、この曲を演奏していたらより最高な2022年の夏になるなと思うのである。
「もう時間ないじゃん!喋りすぎた(笑)」
と言って少し急ぎ気味に最後の曲として観客に手拍子を求めてから歌い始めたのは、こちらも名盤「2020」収録曲である「Whisky Pool」なのだが、軽快なリズムを手拍子が後押しし、その手拍子がサビ内では2連になると亮介も
「お、いいね!」
と口にする中、亮介は間奏部分で
「ギター、俺!」
と言って立ち上がって前に出てきてギターを弾きまくり、しかも
「佐々木君に拍手!」
と自分を称える。その親密な空気感こそがバンドの曲を歌っていてもバンドのライブとは違う佐々木亮介の弾き語りライブならではのものであるのだが、最後のサビでは歌詞を
「お茶割り every morning
お茶割り every night」
と、自身の愛飲するお茶割りへと歌詞を変えて歌い、
「8日にLINE CUBEで。バイバイ!」
と言ってスタッフ口へと消えていき、終演BGMとして「バタフライソング」が流れた。フラッド初のホールワンマンまで、あと5日。
アイドルファンやアニメファンが大挙する、渋谷随一のサブカルエリアであるあの立地でのポップアップストアの営業というのは、あれだけ巨大な建物のビジョンに亮介が映るというのも含めて少しでもたくさんの人にフラッドに興味を持ってもらいたい、そしてLINE CUBEでのワンマンを観に来てもらいたいというものであり、そこまでするというあたりにバンドサイドのLINE CUBEワンマンへの並々ならぬ気合いと自信を感じられるのであるが、この日のポップアップストアで買い物をした人が観ることができる弾き語りライブはそうした外の人を招くというのとは真逆の、確実にLINE CUBEに来てくれる人へのサービス的なものだ。(それは弾き語りの選曲を含めて)
多分、フラッドファンは何も言わなくても絶対に来る。どこの地域のライブハウスに行っても毎回いる人たちがいるから。でもワンマンとしては最大キャパとなるだけに出来る限りたくさんの人に観に来て欲しいのは、伝説の夜がそこで生まれることが分かりきっているからだし、そこを埋めることができればもっと大きな会場の景色をフラッドのライブで観ることができる可能性へと繋がっていくから。
もうドカンと一気にブレイクするような立ち位置のバンドではないことはわかっている。じわじわと、少しずつでもいいから、a flood of circleというとんでもなくカッコよくて、とんでもなく曲が良いバンドの存在が広まって欲しい。そんな想いを感じるポップアップストアの開催と、それに伴う弾き語りライブだった。伝説の夜まであと5日。
1.LADY LUCK
2.Trash Blues
3.人工衛星のブルース
4.花火を見に行こう
5.Whisky Pool
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