UNISON SQUARE GARDEN TOUR 2014 「Catcher In The Spy」 @柏PALOOZA 10/3
- 2014/10/03
- 22:54
ボーカル斎藤のポリープ手術によるフェス出演キャンセルなどもあったが、無事に今年もアルバム「Catcher In The Spy」をリリースした、UNISON SQUARE GARDEN。相変わらずハイペースなリリースペースである。
そのアルバムのリリースツアーは前半がライブハウスツアー、後半がホールツアーとなっており、この日の柏PALOOZAはライブハウスツアーの中盤あたり。このライブハウスに来るのはアジカンの「マジックディスク」ツアー以来なので、かなり久々。
開演前から、「これ全然入りきれないんじゃないのか?」というくらいの人の溢れぶり。もはや武道館でやっていてもおかしくない存在なだけに、首都圏でキャパ450人ほどはもはや小さすぎか。一応千葉県内のライブハウスでは最大クラスのキャパなのだが。
19時を過ぎると、いつものようにイズミカワソラの「絵の具」のSEが流れると、メンバーは登場。しかし、統一された衣装を着ているわけではないのに、いつもと全くメンバー3人の出で立ちが変わらないのはある意味すごい気がする。
夏フェスでは見たものの、このツアーを見るのは初めてなのだが、1曲目はアルバムの最終曲「黄昏インザスパイ」からスタートするという意外な展開。いや、確かに前作の「シャンデリア・ワルツ」もオープニングに持ってくることが多々あったが、じっくり包み込むようにアルバムを終わらせる曲なので、いきなりこの曲で始まるというのはかなり意表を突かれた。
しかし次のアルバムのオープニングを飾る「サイレンインザスパイ」からは一気にメンバーも客席もテンションが高まる。アウトロからイントロにつながる形での「オリオンをなぞる」と続き、新作、過去曲のアッパーな曲が連発されて、早くも客席は熱気に満ち溢れ、どんどん酸素が薄くなっていく。しかし、初期の「箱庭ロック・ショー」は、タイトルや歌詞の内容からも、こうした、汗が飛び散るのがわかるほどに狭いライブハウスがよく似合う。
曲間に
「柏お久しぶりです!」
と斎藤が口にするも、MCはなく、中盤までは非常にテンポよく進んで行く。斎藤の声も、手術前のZeppワンマンと全く変わらない伸びやかさで、影響を感じさせない。
新作の中では聴かせる部類の「君が大人になってしまう前に」を挟んでからはやはりガンガンに突っ走る。アルバムの内容自体がこれまでで最高クラスにロックなものだったので、予想はしていたが、やはりライブもロック度数が非常に高い。そしてバンドの演奏が、もはやスリーピースでの極限に迫るくらいの凄まじさ。これはもうただ単に「演奏が上手い」というだけのことではない。田淵も鈴木も視覚でも楽しませてくれる。
折り返しあたりで、ようやく斎藤のMC。
「柏は僕らにとってはちょっと特別な場所で。最後に来たのはいつかと思って、インターネットで検索したら2008年の7月以来で。僕らはその年の8月にメジャーデビューしたんで、まさにメジャーデビュー直前で。その時に出たライブハウスが、店長がめちゃくちゃ厳しいことで有名で。
僕らも終わったあとにめちゃくちゃ説教されて(笑)お前らのは音楽になってない!、みたいな。しかも全然終わらなくて(笑)終電あるのにな~と思いながら聞いてたんですけど。結局終電は逃しまして(笑)
まぁ才能がないバンドに現実をしらしめるという役割も重要だとは思うんですけど、僕は才能がないとは思ってなかったから、いつか絶対でかいライブハウスに出て、テレビやメディアに出まくって見返してやる!って思ったんですけど…その直後にその店長は女性問題で揉めて、メディアに出まくって、先を越された!と思いました(笑)
でもこれはちょっと物騒な話題なんで、ツイッターとかに書く時は、「斎藤宏介のオススメのクレープトッピングベスト3」の話をした、と書いてください(笑)」
と、柏での思い出に、しっかりとオチをつけて笑いを取る。
「あのね歌詞書いたの僕じゃないんで 田淵に言っておいて」
という歌詞を田淵が書いている、というシュールな歌詞が面白い「蒙昧termination」からは後半へ。一点突破の爆発力を見せた「シューゲイザースピーカー」から、ピアノの打ち込みのイントロから始まる「harmonized finale」を壮大に響かせる。
そしてワンマンではおなじみの、鈴木のドラムソロへ。あまりの暑さに途中で酸素ボンベを要求し、盆踊りのリズムがどんどん高速化していった先に辿り着いたのは、先行トラックとして公開された「天国と地獄」からは猛烈なラストスパート。田淵もステージ狭しと走り回り、ベースをぶん回しまくり、「桜のあと」で大きなコーラスを生み出すと、「crazy birthday」のラストの
「おしまい」
のフレーズのあとに、
「は、この曲!」
と言って、ラストはライブではおなじみの「場違いハミングバード」で終了。
アンコールでは斎藤と鈴木もTシャツに着替え、田淵が奇妙なダンスを踊る「instant EGOIST」から。曲中に「23:25」のギターリフが挟まれる箇所があるのだが、CDよりも何小節か長くギターを鳴らし、期待を抱かせるも、数十秒メンバーが静止すると、演奏再開。しかし、カオティックなダンスナンバー「徹頭徹尾夜な夜なドライブ」(だいぶ前からライブでやってるのになぜアルバムに入らなかったのか)を経ると、最後の最後に演奏されたのは、先ほど期待を抱かせた「23:25」で締め、田淵が前方宙返りを披露して終了。
「好きなことをやって好きなアルバムを作ろうとして作ったアルバム。
ライブでも好きなことやって、終わったらそれぞれの家に帰って。そう言うとドライに聞こえるかもしれないけど…僕らは好きなことだけは最大限に楽しんでやってる」
と斎藤は「Catcher In The Spy」と、今のユニゾンについて語った。その言葉が最もこのアルバムをわかりやすく表している。
しかし、これだけロック度数が強いアルバムを作って、そのツアーを大きくはないライブハウスでやっているだけに、来月の中野サンプラザでのライブはどうなるんだろうか。
1.黄昏インザスパイ
2.サイレンインザスパイ
3.オリオンをなぞる
4.流れ星を撃ち落せ
5.箱庭ロック・ショー
6.to the CIDER ROAD
7.君が大人になってしまう前に
8.メカトル時空探検隊
9.何かが変わりそう
10.シャンデリア・ワルツ
11.蒙昧termination
12.WINDOW開ける
13.シューゲイザースピーカー
14.harmonized finale
15.天国と地獄
16.カラクリカルカレ
17.桜のあと (all quartets lead to the?)
18.crazy birthday
19.場違いハミングバード
encore
20.instant EGOIST
21.徹頭徹尾夜な夜なドライブ
22.23:25
天国と地獄
http://youtu.be/WIrfel05FMQ
そのアルバムのリリースツアーは前半がライブハウスツアー、後半がホールツアーとなっており、この日の柏PALOOZAはライブハウスツアーの中盤あたり。このライブハウスに来るのはアジカンの「マジックディスク」ツアー以来なので、かなり久々。
開演前から、「これ全然入りきれないんじゃないのか?」というくらいの人の溢れぶり。もはや武道館でやっていてもおかしくない存在なだけに、首都圏でキャパ450人ほどはもはや小さすぎか。一応千葉県内のライブハウスでは最大クラスのキャパなのだが。
19時を過ぎると、いつものようにイズミカワソラの「絵の具」のSEが流れると、メンバーは登場。しかし、統一された衣装を着ているわけではないのに、いつもと全くメンバー3人の出で立ちが変わらないのはある意味すごい気がする。
夏フェスでは見たものの、このツアーを見るのは初めてなのだが、1曲目はアルバムの最終曲「黄昏インザスパイ」からスタートするという意外な展開。いや、確かに前作の「シャンデリア・ワルツ」もオープニングに持ってくることが多々あったが、じっくり包み込むようにアルバムを終わらせる曲なので、いきなりこの曲で始まるというのはかなり意表を突かれた。
しかし次のアルバムのオープニングを飾る「サイレンインザスパイ」からは一気にメンバーも客席もテンションが高まる。アウトロからイントロにつながる形での「オリオンをなぞる」と続き、新作、過去曲のアッパーな曲が連発されて、早くも客席は熱気に満ち溢れ、どんどん酸素が薄くなっていく。しかし、初期の「箱庭ロック・ショー」は、タイトルや歌詞の内容からも、こうした、汗が飛び散るのがわかるほどに狭いライブハウスがよく似合う。
曲間に
「柏お久しぶりです!」
と斎藤が口にするも、MCはなく、中盤までは非常にテンポよく進んで行く。斎藤の声も、手術前のZeppワンマンと全く変わらない伸びやかさで、影響を感じさせない。
新作の中では聴かせる部類の「君が大人になってしまう前に」を挟んでからはやはりガンガンに突っ走る。アルバムの内容自体がこれまでで最高クラスにロックなものだったので、予想はしていたが、やはりライブもロック度数が非常に高い。そしてバンドの演奏が、もはやスリーピースでの極限に迫るくらいの凄まじさ。これはもうただ単に「演奏が上手い」というだけのことではない。田淵も鈴木も視覚でも楽しませてくれる。
折り返しあたりで、ようやく斎藤のMC。
「柏は僕らにとってはちょっと特別な場所で。最後に来たのはいつかと思って、インターネットで検索したら2008年の7月以来で。僕らはその年の8月にメジャーデビューしたんで、まさにメジャーデビュー直前で。その時に出たライブハウスが、店長がめちゃくちゃ厳しいことで有名で。
僕らも終わったあとにめちゃくちゃ説教されて(笑)お前らのは音楽になってない!、みたいな。しかも全然終わらなくて(笑)終電あるのにな~と思いながら聞いてたんですけど。結局終電は逃しまして(笑)
まぁ才能がないバンドに現実をしらしめるという役割も重要だとは思うんですけど、僕は才能がないとは思ってなかったから、いつか絶対でかいライブハウスに出て、テレビやメディアに出まくって見返してやる!って思ったんですけど…その直後にその店長は女性問題で揉めて、メディアに出まくって、先を越された!と思いました(笑)
でもこれはちょっと物騒な話題なんで、ツイッターとかに書く時は、「斎藤宏介のオススメのクレープトッピングベスト3」の話をした、と書いてください(笑)」
と、柏での思い出に、しっかりとオチをつけて笑いを取る。
「あのね歌詞書いたの僕じゃないんで 田淵に言っておいて」
という歌詞を田淵が書いている、というシュールな歌詞が面白い「蒙昧termination」からは後半へ。一点突破の爆発力を見せた「シューゲイザースピーカー」から、ピアノの打ち込みのイントロから始まる「harmonized finale」を壮大に響かせる。
そしてワンマンではおなじみの、鈴木のドラムソロへ。あまりの暑さに途中で酸素ボンベを要求し、盆踊りのリズムがどんどん高速化していった先に辿り着いたのは、先行トラックとして公開された「天国と地獄」からは猛烈なラストスパート。田淵もステージ狭しと走り回り、ベースをぶん回しまくり、「桜のあと」で大きなコーラスを生み出すと、「crazy birthday」のラストの
「おしまい」
のフレーズのあとに、
「は、この曲!」
と言って、ラストはライブではおなじみの「場違いハミングバード」で終了。
アンコールでは斎藤と鈴木もTシャツに着替え、田淵が奇妙なダンスを踊る「instant EGOIST」から。曲中に「23:25」のギターリフが挟まれる箇所があるのだが、CDよりも何小節か長くギターを鳴らし、期待を抱かせるも、数十秒メンバーが静止すると、演奏再開。しかし、カオティックなダンスナンバー「徹頭徹尾夜な夜なドライブ」(だいぶ前からライブでやってるのになぜアルバムに入らなかったのか)を経ると、最後の最後に演奏されたのは、先ほど期待を抱かせた「23:25」で締め、田淵が前方宙返りを披露して終了。
「好きなことをやって好きなアルバムを作ろうとして作ったアルバム。
ライブでも好きなことやって、終わったらそれぞれの家に帰って。そう言うとドライに聞こえるかもしれないけど…僕らは好きなことだけは最大限に楽しんでやってる」
と斎藤は「Catcher In The Spy」と、今のユニゾンについて語った。その言葉が最もこのアルバムをわかりやすく表している。
しかし、これだけロック度数が強いアルバムを作って、そのツアーを大きくはないライブハウスでやっているだけに、来月の中野サンプラザでのライブはどうなるんだろうか。
1.黄昏インザスパイ
2.サイレンインザスパイ
3.オリオンをなぞる
4.流れ星を撃ち落せ
5.箱庭ロック・ショー
6.to the CIDER ROAD
7.君が大人になってしまう前に
8.メカトル時空探検隊
9.何かが変わりそう
10.シャンデリア・ワルツ
11.蒙昧termination
12.WINDOW開ける
13.シューゲイザースピーカー
14.harmonized finale
15.天国と地獄
16.カラクリカルカレ
17.桜のあと (all quartets lead to the?)
18.crazy birthday
19.場違いハミングバード
encore
20.instant EGOIST
21.徹頭徹尾夜な夜なドライブ
22.23:25
天国と地獄
http://youtu.be/WIrfel05FMQ
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